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2020年6月に刊行された『ブルーム・ブラザーズ』の2巻目にして完結編。
続きものなので前作未読の方はそちらから読まれることをお勧めします。
志村作品はなんて言うんですかね。
キラキラな恋のお話ではなくって、ほっこりだけするお話でもなくって。
読み手によっては時々しんどくなる。それは人の上っ面だけを描いていないからかな。ドロドロで、汚い部分も奥底に秘めた欲望も、きちんと描いているから。すごく可愛らしい絵柄で、なのにさらりとこのドロドロを描けるその手腕に脱帽。2巻目ということで前作に登場していた兄弟たちのその後を描いたストーリーです。
「case.6 case.1のその後」
1巻のcase.1に登場していた晴臣×健人のお話。
健人の元カレ・正臣は晴臣の兄。しかも女性と結婚し健人を捨てたという過去がある。
一方の晴臣はずっと健人のことが好きで―。
という二人。
晴臣の兄ちゃんがクソでしてね。まあ、とんでもないクソでしてね。
晴臣と付き合うことで健人の傷が少しでも癒されればいいなあと思うわけですが、晴臣からしたらやっぱり複雑な胸中ですよね。
そして、この二人のお話の味わい深いところは、「正臣」という人物の存在がなかったことにはされていないところ。健人と晴臣を深く傷つけた外道な人物なわけですが、でも、正臣がいなければ二人が恋人になることもなかったわけで。彼らにとっては一度は深く愛した恋人であり、大切な兄なわけで。こういうストーリー展開が秀逸だなあとしみじみ思ったりしました。
「case.7 家では兄である友人」
1巻のcase.2に登場した陸のお話。
同級生の本田くんを意識するようになって―。
1巻ではちょっと不憫だった陸が幸せになってよかった。本田くんは陸の同級生なわけですが、このストーリーでもきちんと「兄弟」という設定が生きているところが素晴らしかった。
「case.8 兄の恋」
こちらは陸のお兄ちゃんの廉のお話。
畑野くんと無事おつきあいを始めることになったけれど、男同士のセックスはなかなか難しくって…。
えー。
非常に可愛いです。暴発してしまう廉が、声が出ちゃう畑野くんが、可愛いのなんのって。今作品はエロ度はあまり高くないですが、この二人のお話はエロ可愛いお話で萌えしかない。
「case.9 仲良しな兄弟(その後)」
1巻の「case.4 仲良しな兄弟」のその後のお話。
兄ちゃんの元カレがクズで。でも、そのクズを介しても兄弟は仲が良い。兄ちゃんが良い男なのに男を見る目が無いのが可愛いなあ…。
兄ちゃんにも、弟くんにも春がやってきてよかった!
「case.10 同じ人を好きだった兄弟」
case.6の晴臣の兄ちゃん・正臣のお話。
んー。
正臣はね、めっちゃクズなんですけれども。
昔っから、そして今も変わらずクズ、という。でも彼は人をひきつけてやまない何かを持ってるんだろうな。
弟と元カレの2人を見て、何かを感じた、のだったら嬉しいな。
終盤に12Pの描き下ろしがありますが、こちらは非常にコミカル。ほのぼので優しいお話でした。
兄弟って不思議な絆だよね。
自分の意志で繋いだ絆ではないし、切ろうと思っても切ることはできない存在。
色々なカタチの兄弟がいるのだろうけれど、いろいろな角度から、様々なタイプの兄弟たちを描いた今作品。甘いだけでも切ないだけでもないストーリー展開が秀逸でした。
あとがきで志村先生が「彼らのその後を描くかも」と書いてくださっていて嬉しかった。正座して、お待ちしております。
1巻を読んでから時間が経っていたのですが一通り覚えていたので2巻を読みました。
そのあとまた少し時間を置いて1巻、2巻と続けて一気に読んだら更に良さに気付けました。
ほんとにどこかにいそうな兄弟たちのお話し。
不自然なところが無くスっと入り込めます。
少しクロスオーバーしている世界観も良い。
健人くんが好きなので久世兄くそお…弟くんに幸せにしてもらいな~と思っていたのに兄の過去を知ると憎めなくなりました。
すべてが綺麗にはいかない、人間味あふれるお話しで志村先生にしか描けない。
その世界を覗くことができて嬉しかったです。
そして陸くんの新しい恋!全力で応援し隊!!
好きな人に隠さず気持ちを伝えることが出来るのって素敵。
オムニバス形式ですが、ちょっと繋がっていたりします。これは是非、1・2巻を一気に読んだ方がわかりやすいです。そのほうが読む側の感情の持って行き場もしっくりきます。
絵柄からしていやらしさがないので、致してるシーンはありますが、下品ではありません。淡い恋からちょっと修羅場ってるものまでコミカルに描かれています。
私はこの中に出てくる便利屋をやってる兄弟が好き。
兄はだめんずに毎度引っかかるんですが、弟は兄と好みが被っても自分の恋愛よりも兄を大事にしているのが微笑ましくて。月並みな意見ですが「兄弟っていいなー」って思いました。
漫画だけど文学を読んでいる気分になる本です。
◆case6
1巻ですぐ終わってしまったカプでしたが、続きがとても気になっていたので読めて嬉しかったです。兄を最低だと評している晴臣も、その正臣に捨てられた健人も、正臣を口汚く罵るようなことはしないんですよね。2人とも正臣のことを心から好きだった期間があって、なんだか憎みきれないところのある存在なんでしょうね。その時その時に自分に正直に生きている人間って、ずるいなと思っても嫌いになれないことありますよね。ただ、そうして2人が正臣のことを頭の隅に置きながらも、今までとは違う新鮮な恋愛を楽しんでいる、そういう光景が微笑ましく、ずっと続いて欲しいなと思いました。
◆case7, 8
1巻で兄に失恋した陸はどうなっちゃうんだろうと思っていましたが、また好きな人ができて良かったです。好きになったらなるべく早く告白せずにはいられないという人、創作でも現実でも少ないので、彼自身や告白された本田を羨ましいとも思ったり。玉砕覚悟の告白でしたが、本田は畑野と同じく普通に向き合ってくれましたね。現実世界でも、こうして異性からの告白と変わらない温度で向き合う人が増えていくといいな。初々しくちょっとぎこちない陸と本田、徐々に恋人らしくなっていっても、これまで通り友達みたいでも応援したくなります。兄カップルの方も、畑野の可愛さがどんどん見えてきて萌えました。
◆case9
1巻では他の短編ほどハマらなかった兄弟でしたが、2巻では萌えセンサーにしっかり引っかかってくれました。佑也の短髪姿が良かったのもあるかな。美容師でチャラそうな見た目のカイくんがとっても素直で、佑也に可愛がられているのに萌えました。お兄ちゃんの方はダメ男とヨリを戻してしまいますが、本人が幸せなら周りがとやかく言うことでもないのかもしれませんね。