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上巻と同日発売になった『ANYWORDS』の下巻。
まず書いてしまいますが、今作品はダークで犯罪がらみのお話です。読み手を選ぶと思います。そういったお話が苦手な方は注意が必要かと思われます。
下巻は、いきなり豹変し、悪女さながら甲斐を脅し辛辣な態度を取る様になった郁彦、という描写からスタートします。親友を裏切り、そして恋人(甲斐の友人の南部と上巻で付き合い始めます)を裏切って、甲斐にセックスをせがむ郁彦。
そんな彼に、読者もまた、違和感を感じる展開なのですが。
郁彦に、不穏な存在が近づいていく描写も、それと並行して描かれていきます。
「彼」の目的は何なのか。
少しずつ壊れていく郁彦にとって、「彼」はどんな存在なのか―。
精神的に不安定になっていく郁彦を、甲斐は支えきれない。
手放し、見捨てようとする。
郁彦自身、手助けを必要としていない、ように見える。
そこで登場するのが拓海、そして南部です。
甲斐という青年がね、上巻の序盤ではスパダリとして描かれてるんですよね。
でも彼もまた、抱えるものがあって。
甲斐、そして郁彦。
複雑な家庭環境によって、彼らの根っこはかなり歪んでしまっています。そんな彼らを支えたのは、拓海であり、そして南部だった。それぞれの友人たちの過去がきちんと描かれているために話が上滑りしてないっていうのかな。拓海と郁彦、そして甲斐と南部。彼らの友情に、思わず落涙しました。
郁彦という青年はかなりの薄幸青年です。
彼は両親に恵まれなかった。
そんな彼にとって、拓海は唯一の希望であり砦だったんですね。
そんな拓海の恋人、甲斐を郁彦は奪ってしまうのか。
と、思うわけですけれども。
まあ、そこは上巻からの伏線もあってきちんとクリアしていきます。
これねえ、先述しましたが、犯罪がらみのお話なんですね。
この結末には賛否両論ありそうな気がします。私個人の意見としては、きちんと自分の罪に向き合うべきだったのではないかなと思ったりしましたが、でもこのほの暗さが、姉村作品の真髄かもしれません。
郁彦が壊れてしまったとき、彼を支えてくれる人がいてよかった。
肉親には恵まれなかった郁彦ですが、でも、彼を支えてくれる人がいて。
二転三転するストーリー展開で、痛さも、しんどさも多い作品です。
読み手を選びそうな作品です。
けれど彼らにとって、あの仲間、そして恋人が、唯一の希望の光だったのだろうと。
評価で悩みましたが、こういう展開は姉村さん×森嶋さんにしか描けない世界観だろうと思います。その世界観に、ちょびっとおまけして、神評価にしようと思います。
サイトの頃から何度も繰り返し読み返し続けていた大好きな作品。
姉村先生作品の中で1番大好きで…。本当に何度読み返したか分からないぐらいです。
同じく姉村先生作品の『静寂の月』と同じタッグ、森嶋先生の作画で商業化、単行本になり嬉しくて胸がいっぱいで今の今までなんとレビューすればいいのかと躊躇しておりました。
初めは親友の恋人、亨を好きになってしまうという展開から始まるのですが、ある秘密を握り身体だけの関係を乞うんです。
好きになってはいけない相手に惹かれていく気持ちと過去の黒い影。愛されることに不慣れな郁彦。
亨の恋人であり郁彦の親友、拓海の関係。恋愛面だけでなく拓海との友情も見所です。
全面的にハッピーな結末でないですが、2人が一緒に暮らせて郁彦が笑って過ごせるだけでハッピーエンドです。
下巻を読んで更に姉村アネム先生らしい結末だと思ってしまいました。清濁併せ吞む内容に拒否感を感じる方もいるかも知れません。
郁彦が壊れそうな自分を偽ってでも手に入れたかったものを考えると、身を切られるような思いをしたのは亨より拓海だったと思います。
それ故の亨への激高があのシーンだったと思います。
そして、私は若い彼等が選んだ道も有り得ると思ってしまいました。
確かに郁彦が罪を償うまで待つという選択肢もあったと思います。
とくに義孝に至っては無関係に思えたからです。
でも誰もが郁彦の異変を感じながら何も出来なかった事に後悔して、彼を喪う事に恐怖したからの選択だったと思うんです。一緒にいる事で共犯になる事で郁彦を縛って生かす事を選んだと思いました。
そこに綺麗事では済ませない姉村作品の凄さがあるのだと思いました。
その全てが巻末の書き下ろし小説に詰まっていたと思います。
静寂の月にコンビによる新作
お二人の持ち味がいかんなく発揮されておりやはり人を選ぶ作品だと思います
親友と親友にできた年上の恋人
親友を祝福しなければいけないとわかっていながらもその恋人に惹かれてしまう
それぞれがそれぞれの大きな秘密を抱えており
たやすく口にできないその秘密が3人のそしてそれに加わるもう1人の関係を大きく歪ませていく
最初から波乱を含ませている展開なのである程度覚悟して読み進めているとしても
甘さがほとんどないし
4人が選んだ最終的な結末は受け入れがたい方も多いと思う
そのことも含めて
前作の静寂の月でも思ったが良くも悪くも非常にメロドラマ的な話の持って行き方なのが特徴の作家さんだと思う
だからこそ盛り上がり方がしっかりしているし
秘密を持つ後ろめたさ
秘密を持つからこその変貌など凄みを持って描かれていると思うしその表現力は前作を大いに上回っているのは間違いない
もともと非常に痛い話でもあるし
このメロドラマ的な部分がだめな方はもしかしてだめかもしれない
何度も読み返しはしないが
数年に一度ふと思い出して読み返してしまう
今作もそのような作品になると思う
恋人なのか 兄弟なのか 親友なのか やっかむ存在なのか
縺れはじめた立場と感情 二人の豹変に思いの外分厚い本だったのにあっというまに読み終った上巻
人に愛されることを知らずに育った子と
愛情に飢えすぎて自我がきかなくなった子
この狂った関係の中で あたしの心の支えは南部だけだったのに
1番まともに見える南部ですら狂ったものに巻き込まれていく
なんで素直に互いを求められないんだろ?
ぜんぶ母親のせい?どいつもこいつも揃って愛情をはき違えた肉欲で男に走ったせい?
置き去りにされる幼い心はお構いなしされた事で いつしか求めることは悪いことになっていった?
性犯罪から壊れた何かを補う事も 求める事も出来なかった子どもの 気づいてほしくて 助けてほしくて 縋りながらもそれでも関わってほしくなくてとった行動がこの豹変や奇行なら痛々しくて辛すぎる
とは言っても 警察張り付いてたんじゃないのかな?
あれだけなんども事情を聞きたがってたんだからさ そうなるといくら頭がよかろうが 実際なら逃げ果せるとは思えないんだけど
なんだけど 許されることではない が 許されるものなら 大人から受けた仕打ちで出来上がった共犯関係で縛りつけあってでも共に生きようとしてるんだから このままそっとしてやって って思う部分も多分にあって
いやまぁ 推理小説を読んでるわけじゃないし そこまで真剣に考えることもないんだけど 警察の動きと彼らの行動が どうにもモヤモヤが残るな
書き下ろし小説のそれも最善の策だったかどうかはわからないけど 大人が見殺しにした子をみんなで守り抜く決意が強調されて この歪な4人の関係は罪が暴かれるその日までささやかな幸せを含ませながら続くんだな って感じでよくはあったんだけど…
うん いろいろ考えちゃうけど面白い これ読んでよかったな
ちッ!こんなに面白く読めるんなら 作者さまお二人とも初めましてだったけど もう1この方も一緒に買っとけばよかったな
犯罪をして後味が悪いだけではなく(人殺し自体は今回の場合仕方ないと思います)、自分のストーカーを自分たちが住む家に埋めるというのが理解できませんでした
そんな場所に埋めなくてももっとほかの場所でよかったのではないか?
受けは実際1人の時怯えており、攻めが拘束するためだとしてももっとほかに方法があったのでは?と感じてしまいました
お互い依存し合う関係性が好きな方には刺さるかと思います
ここまでダークな作品だと知らず読んでしまい落ち込みました