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sayonara koibito, matakite tomodachi
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
新作が出ている事を知らなかったので、慌てて既刊を読み返す。巻末に「宵越」の名が出ているものだから、結局、この物語の発端である「さよなら恋人、また来て友だち」から始まる5冊を一気読みする羽目になってしまう。全てが重いトーンで進むのと、それぞれの思惑は膨大なモノローグで展開されるので、ヘトヘトだ。ただ、読み返す度に新たな発見や、初読した際の自分の気持ちを思い出して、気持ちは新たになる。
オウギとカナエの物語よりも、ずっと。ユキの長い長い贖罪の物語が続く。鳴海さん、ユキ、ルカの幸せはやがて訪れるのか。不安定な彼らの間にスクスクと素直に育つ、優しい心のルカは、2人を救う事が出来るのか。スリリングに展開する前作までと違い。ルカの切ない願いが温かい展開の、優しい物語に涙する。ユキはただ愛する鳴海さんの為に、鳴海さんの弟を探す為に。身体を使って情報を集めていた。過去に情報屋のイチさんとも身体を重ねて来た。彼は言う。「ユキは本物の女神になるのか。」と。ユキの激しい自己犠牲が報われる時は来るのか。ヤクザ者の外村はユキを番にしたがっていて。おそらく、情報の為とは言え、優しいユキはおそらくこの男にも情が湧いているのだ。
鳴海さんの生き別れた弟、春人さんは意外にもアッサリと見つかる。彼はただルカの前にだけ現れ。鳴海さんに会うのが怖いのだと言う。春人さんはペンネームで人気作家になっていて。彼は今が幸せなので、不幸を糧に生きている様な、鳴海さんに会いたく無いのだと言う。ルカは幼ないながらに必死で考える。鳴海さんとユキと、他ならぬ自分が、幸せそうに感じて貰えたら。春人さんは鳴海さんに会ってくれるのか。
普段良い子で、全く我儘を言わないルカの、可愛いおねだりを聞いて。ルカの誕生日を祝うという名目で、鳴海さんはユキとキャンプに連れて行ってくれる。3人の仲睦まじい様子を写真に納めようと、ルカは大人の友達の正さんにも同行して貰う。正さんはルカの幼ない優しさに絆されているので、全面的に協力する。それなのに。鎮痛な面持ちの鳴海さんは決して笑わない。その面には苦悩だけが色濃くて。正さんはルカの為に爆発してしまう。涙。ただ「愛されるべき」ルカの為に、何故微笑む事すら出来ないのかと。確かに。疲れていたとは言え、大人げ無い態度だったと反省した鳴海さんは、その夜、ルカに自分の、貧しかった子供の頃の話を聞かせる。寡黙で、自分を押し殺していた鳴海さんの心にやっと、触れられた様な。優しいひととき。
結末はきっとそこまで来ている。ただ全ての人たちに優しい未来がありますように。
巻末には、人気作家である春人さんが日永祭として、その作品の映像化に主題歌を担当したミュージシャン宵越との対談。
宵越の才能に惚れていた筈のツルと、季の、愛憎渦巻く三角関係はどうなったのか。作者も描いてみたいそうなので、楽しみですね。カナエ争奪戦にあまり絡んで来なかったストイック風の宵越があれからどうなったのかは知りたいところ。
望み通り警官になった隼人(α)とゆうちゃん(β)は安泰で良かった、良かった。
作家買い。
『さよなら恋人 またきて友だち』→『さよなら恋人 またきて友だち〜ロスト・チャイルド〜』→『さよなら恋人 またきて友だち-宮内ユキについて-』→『さよなら恋人 またきて友だち-宮内ユキについて-2』に続くシリーズ5作目。シリーズものなので前作未読だと理解できません。未読の方は前作を読まれてから、今作品を読まれることをお勧めします。
前巻はユキの過去編でしたが、今巻に入りストーリーが大きく動きます。
鳴海の弟の春人が見つかってー。
が、うん。
yohaさん作品なのでね、良かった良かった!とはならんのですよ、はい。
今までユキがΩのふりをして男娼のふりをしながら人身売買の組織に潜入していたこと、鳴海があれだけ手を尽くしていたこと。それでも見つからなかった春人。その理由が、今巻で明らかになります。
春人の行方、について大きく関わるのがルカ。
あー、そうきたか、っていう感じ。
孤独と絶望の中にいたユキを助けた鳴海。
そんな鳴海を、今度は自分が助けたいユキ。
そして、鳴海とユキ、どちらも深く愛しているルカ。
三人が三人とも、相手を深く思っているからこそちょっとずつすれ違っていく。けれど、その深い愛情があるからこそ、光も見える。これ、どういう結末を迎えるのかな。
児童誘拐、人身売買に大きく関わっている人物が序盤登場します。
少しずつ解決に向かっているようで、でも、絡み切った糸が綺麗に解れる気も、しない。この不穏な空気感が、yoha作品ならではか。
ユキに幸せになってほしいな。
鳴海にも。もちろん、ルカも。
で。
今巻は丸々1冊ユキの現状を描いた内容なのですが、終盤に小話が描かれています。
この短いお話がさ、めっちゃ胸糞なの。
この短さで、鳴海さんと春人の家庭環境をうっすらと魅せる。素晴らしいです。
正直読み手を選びます。ダークな世界観が苦手な方にはお勧めしづらいです。
が、どこまでもyohaさんらしい世界観が詰まった、そんな1冊でした。
初めて「さよなら恋人 またきて友だち」を読んだ時に、こんなに続くシリーズになるとは思いませんでした。
とても面白いんだけど、かなり読み手を選ぶ作品だからです。
余りに救いの無い展開の巻の時には、もう何度これで止めにしようと思いました。
ところがですね前巻辺りから凄く面白くなって来て、新刊を楽しみにするようになりました。
それは徐々に謎が解明して来たのと、人身販売組織に近付いて来たこともありますが、なんと言っても鳴海とユキ、ルカの幸せになる姿を見届けたいと言う気持ちが強くなったからです。
健気で賢いルカが必死になって大人たちを救おうとする姿に胸を打たれました。
そして周りが見えていない鳴海に憤り、自分を犠牲にしてまで鳴海に尽くすユキが痛々しくてたまりません。
最初にあんな登場の仕方をした正が、1番まともな人間なのにも驚きでした。
遅々として進まない話に言いたい事はたくさんありますが、次巻はもっと厚い本で読みたいですね。