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僕に全てを与え、捧げてくれた人。
haruka tooki ie
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
絵もストーリーも、全てにおいて美しい1冊です。読み終わった後は、胸がいっぱいでもう一度読み直したくなりました!タイトルも相まって本当に感動でした。(なんで今まで読んでこなかったのかなと思いました!)(←気になってたけど買う買う詐欺してたのでw)
他の映画に似てるという意見もあるようですが、確かに罪を犯して逃亡してからの結末や電話で怒鳴られる的なところは既視感ありますが、全くの別物です。なんならこういう結末被っててもおかしくないよね、というぐらいにしか私は思いませんでした…また、途中過程も全く別物です。(そんなこと言ったら世の中に結末だけ見れば同じ物はいくつもある)批判している訳ではありませんが、ものは捉えようだし、感覚は人によりけりだとしか言えません…その映画を見たことあっても思い浮かばなかったので。
単なる2人の間の恋や愛の物語ではなく、過去のしがらみから解き放たれて、2人で見たい景色を見る、そのための道すがらで起こる、様々な出来事、それによる心情の変化が、とてもリアル且つ詩的に、そして繊細に描かれている作品で、とても惹き込まれます。
心情描写が丁寧な上に絵のテイスト・タッチが写実寄りなため、登場人物の感情がダイレクトに伝わってきます。思わず胸が締め付けられる程感情移入してしまう場面もありますが、そういうシーン(の描写)は殊に美しいと感じています。
【以下ネタバレ気味!】
これ程までに重く暗いものを背負って2人だけで生きていくには若過ぎた2人が、何を感じ、何に突き動かされ、最後に2人は何を思うのか。
2人が2人で生きた時間は激しくも温かく、目頭に熱いものを感じました。
上記の映画の大ファンなので…
同タイトルをかなり意識して描かれた作品なのだろうと、終始思いながら読んでしまった。
雰囲気が近い程度ならまだ分かるのですが、ラストシーンまで同じとはいかがなものかと思います。
『テルマ&ルイーズ』のファンとしては、トレースされているようであまり気持ち良く読めるものではなかったです。ごめんなさい。
血が留まらぬ持病のあるアランは、狂信的なカトリックの両親の元窒息しそうな生活を強いられていた。自由も優しさもなく絶望的な日々の中出会ったヘイデン、彼もまたひどい過去を背負い孤独と苦しみの中にいた。そんな2人が共に生きるために逃避行を始めるけれど…。
身勝手な大人の犠牲になってきた2人、ただ幸せになりたいだけなのに運命に追い込まれてもう悪い予感しかせず。切なすぎる最後に静かに涙が流れて止まらなかった…。
お互いがお互いの居場所でありやっと見つけた心安らぐ家。羽ばたいて全てから解放され楽になれたのだろうか。映画テルマ&ルイーズのラストを思い出した。
八田てき先生の作品のため、普段よりじっくりと時間をかけて読みました。ラストに近づくにつれ涙が出そうな感覚になりながら、改めて思ったことがあります。やっぱり先生の作品って難しい…… 一本の映画のような世界観ですごく好きなのですが、私の理解力のせいで全てを理解しきることはできませんでした。もう一度時間があるときに読み直そうと思います。
前評判でどんな読み味の話かは知っていたので、
先にラストシーンをチラっと見てから読み始めました。
一体どんな罪を犯してあんなことに…と思いましたが、あれ?意外と大したことはしていないんじゃ…?
土地柄とか時代背景とか宗教観とか、色々あるのでしょうけど、天国にいかないと幸せになれないほどだったのかはちょっとよくわからなかったです。
あの瞬間の二人にとっては、あの結末はこの上ないハピエンなのだろうな~とは思うのですが、
うっかり生き残ったとしてもそれで絶対に幸せになれないってことはないと思うので、逃げてんじゃねぇよ悪あがきしろよって思います。
あとは…アランは死ぬほど絶望してたのは分かるのですが、ヘイデンは…?
彼はどうもアランに出会ったせいで巻き込まれて転がり落ちていったように思えてしまいます。
絵もとても綺麗だし、一冊でよくまとまっているとは思いますが、結末が美しすぎて作者の影を感じてしまうのであまり心は動かされませんでした。
(「アラン」という存在をあらゆる不幸の元凶として読むと、色々としっくり来るし読み方として面白いと思うのですが、そうなるともはやBLではなくなるので作者の意図とはズレるんだろうな…)
「I know」
この言葉がこれほど重く、深く、そして優しい意味を持つとは思いもしませんでした。
これさえ無ければ、と思わざるを得ない出来事が多すぎて……読み終えて非常に日が経ちましたが、未だに涙を流してしまう程です。
特にあの父親との電話のシーンでは、あの刑事さんと同じように頭を抱えてしまいました。どうしてアランの両親はああなってしまったのか。
子供の為に神を信じ、願うのは良いと思います。
けれど、神の為に子供を「こうあるべき」「こうあるだろう」と抑圧・期待して信じるということがあってしまうのは、本当に悲しく思います。
言い過ぎかも知れませんが、子供にとっては、親は本当にすべてなのです。
親がどう接してくれるか、何を教えてくれるか、それらが本当に大切なことなのです。
アランが電話口で、一体どれだけの勇気を振り絞ってあの出来事があったことを伝えたか。
求められているのはこんな自分ではないんだ、と直接、はっきりと言われた時の悲しみが一体どれだけであったか。
マリアのことは、誰も責めてはいけないと思います。
読者としてアランとヘイデンに感情移入してしまっているのもあるかとは思いますが、それでも、マリアのことも、アランとヘイデンのことも、誰も責めることは出来ないと思ってしまいます。
もし神様がいるとしたら、きっと二人の選んだ道に涙を流しているだろうと思います。たとえ神様が、ユダの裏切りを予見したように、未来予知が出来たとしても、人の思考や行動を完全に制限することは不可能でしょう。
キリスト教系学校に通った程度の浅識ではありますが、唯一確実と思って言えるのは、神様は人を尊重し、どんな人でも愛してくれる存在だということです。
聖書から、一節だけ引用します。
「子供たちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである」
by 日本聖書協会『新共同訳 中型聖書』マルコによる福音書 10章14節
彼らが、彼ら二人の家に帰ることが出来ていますように。
※このレビューは、引用箇所以外すべて私個人の意見によるものです。
まるで映画。私はこの漫画を読み終えた後、脳内にエンドロールが流れた。
私の人生のBL観を変えた最高の一冊。
大好きで大好きすぎて大好きだからこそ辛すぎて1週間くらい引きずった。
圧倒的な画力と映画の様な怒涛の展開や言葉遣いで一冊のボリュームが凄い。ここまで一冊で満足感を得られる漫画は早々ないと思う。
2人のそれぞれの過去と現在を取り巻く全てから逃げる様に海を目指して旅を始めた2人。まだ大人じゃない2人には限界があって……。帯の「世界中敵に回して、愛した。」が似合うそんな崖っぷちに追い込まれた2人の逃避行に涙が止まらない。理解者がお互いしかいない、この狭い世界で「2人だけの家」を探し大人達に最後まで争い続けた2人。本当に最後が辛くて辛くて思わず漫画を抱きしめて声を出して泣いた。
2人の姿を沢山の人に見守って欲しい。そして沢山の人の記憶の中でずっと生き続けて欲しい。
BL好き以外にも薦めたい最高傑作。
いつの世も2人がずっと幸せでいられます様に。
うぅ~ん、ワシにはちょっと難しかったかも (^^;)
あっ、エンディングが不満ってことじゃないっス。
メリバは別に嫌いじゃないし、アレはアレで良かったと思います。 (←何様)
でもキャラがね…
ヘイデンはなんとなく掴めたけど、アランがずっと謎でした。
行動がいつもズレてるっていうか― 会ったばかりの人につらつらと我が家の状況を明かしたり、名前が「マリア」というだけで知らない女性に執着するし…
あんな辛い過去があったのに、警戒心ないの、この子⁇って思いましたね。
実の親の愛情すらも感じた事がないっと言いつつ、どうしてそうやすやすと他人を信用するの?そこの感情の変化をもう少し現実的にして欲しかったです。
あと、せっかくの漫画なのに、なんか小説を読んでいる感じがしました。
表情とか細かい描写でキャラの心情を受け取りたいのに、ぜ~んぶ言葉で説明されてて楽しくなかったです。
ずっと辛口ですみません。
絵 (特に瞳と海の景色) は非常に美しかったです。
こちらのレビューで知り読みました。
ページを開き、すぐに引き込まれてしまいました。瞳の描き方が綺麗で印象的でした。
熱心な教会の信者である受けの両親と幼い頃の受けをレイプした神父。祈っても祈っても救済なんかしてくれない神。それらに反発して逃げ出すも、結局は拠り所として神に縋ってしまう受け。
攻めは父と母の死を引き摺り続けており、どこにも居場所がなく孤独で、街から街を渡り歩いている。
2人の逃避行の結末はそれほど悪い終わりではなかったと思います。
救いのない展開ですが、2人が出逢えたことは非常にドラマチックで尊いです。
圧巻の画力で、物語の重たく切ない雰囲気にマッチしています。ぜひ読んでみて欲しいと思います。