条件付き送料無料あり!アニメイト特典付き商品も多数取扱中♪
haru no shura
独特の輝きを持った作品。
かなり暴力的な描写がありますが、今にも壊れそうな危うさが堪らない味です。
表紙だけでは表紙の子が虐げられているようにすら感じますが、読めばそれだけではない狂った尊さに出会うことができます。
ひりつくような痛みがパチパチと弾けるような快感を与えてくれる作品です。
沢山のモブが出てきますが、彼らの登場により、普通の人よりは特別だという目安が分かります。ですが、それだけでは叶えられない願いが痛烈です。
彼らの言動が閉ざされた場所で生きる息苦しさを教えてくれ、私はさらに内容が深まったと思います。
空虚で透明な人間である「ハル」が、炎のような「篝」というカリスマに魅入られる1話から、加速するようにその関係性が歪んでいく展開が凄まじいです。
恋を知らない人間がその感情を例えるときに、暴力衝動のような危うさ秘めてしまう描写が美しく「星が燃え尽きて死ぬように激しく 俺のこと焼き尽くしてくれなきゃダメだ」というハルのセリフが印象的でした。
作中で篝がハルの瞳をガラスに例えた場面がありますが、
"私という現象は仮定された有機交流電燈のひとつの青い照明です"
という宮沢賢治「春と修羅」冒頭の一文を想起させられ、
燃え尽きた後の篝火は、真空のガラスに閉じ込められたフィラメントとして光り続けることができるのかもしれない…と、そのように感じました。
仄暗くひりひりと痛む様な青春の物語でありながら、晴れやかな読後感のある美しい作品です。
misoさんの作品は鵺のなく夜にも拝読しましたが、本当に「奇才」としか表現しようがないです。この方の作品にある、不思議な空気感がとにかく好きで引き込まれます。
暴力的なはずなのに時々妙に清らかに見えたり、なんでもない言葉が突然深くえぐるような力を持っていたり、この独特の感じがなんとも言えません。
特に私がこの方の作品で特徴的なのが「余白」だと思っていて、ウィットに富んだテンポの良い会話が多い作中で、時々吹き出しのないコマの静寂が挟まったりするときの緩急というか、無音のときに聞こえる耳鳴りみたいなものを感じてハッとなるあのメリハリと、その言葉のないコマからしか伝えられない言外の感情みたいなものを伝えてくるのが本当にすごい。話してないのになんかそのシーンで伝えたいことがわかる。なんなら言葉がないからこそ腑に落ちる、みたいな不思議な表現力があります。
この本は、猥雑で暴力的でうるさいような会話と、痛々しいほど鋭い表現と、詩的できれいな空気感が交互にやってくる、中毒性のある本です。
自我の薄さ故にただそこにあるだけのハルと、そこにあるだけで力を持つ篝の対照的な関係が、読み終わる頃には全く違う捉え方になっていて、余韻とともに本を閉じたときに表紙のイラストと「春の修羅」というタイトルを見て、本当に語彙力がなくなってしまうんですけど、あぁメチャクチャ最高な本だな…と思いました。この感覚はなるべく味わってほしいので、ネタバレはしない方向で。
暴力表現は強めですし、万人に受けるとは言いません。でも、こういうのがズドンと来る人にとってはたまらない一冊だと思います。エロももちろんの事、それ以外の表現力にも長けた人の描く作品は本当に最高です。
前作もそうでしたがやはり読む人を選ぶ内容の話だと思います。
常に少し影がある話ですが信仰と恋、狂愛みたいなものともまた違う主人公二人とその周りのやりとりがクセになります。
一見最初の方だけ読むとどうしてもとっつきにくい印象を受けますがこの話の中のテーマが一貫しているので意外と読みやすく、あとがきを読んだ後にもう一度読み返すとまた違った印象も受けて新鮮でした。
前作からの作者さん買いでしたが絵柄も儚くて物語にぴったりなので買ってよかったです。
濁った目をした表紙から苦手かもと思いつつ、ポエティックなタイトルがどうしても気になり購入。
結果は思春期かつ未成年の暗さと明滅する衝動をよく描けている佳作。
行動ヤバめのお坊っちゃま×言いなり美人。
真似事でも続ければ本物になると言い放つ攻めの修羅がエスカレートするに伴い、受けの修羅も顔を覗かせる。
同級生達の一歩引いてる空気感もよく表現されてて、リアリティーがありました。
後半、一気に空気感が変わるイベント発生。
ここはイニシエーションと解釈。
ほんの少しだけ大人になった2人。
その後も熾火が燻るような余地を描く感性も好き。
同時収録はニコイチのふたり。
こちらも生育環境があまりよろしくない。この作風が進化したのが表題なのかも?
ちょっとおばかなアジヨシの下がり眉&涙目が可愛いかった。
個人的には閃光というかハレーションのような瞬間を描ける作家は稀少だし、文芸の歴史を鑑みれば描ける期間も短いから神をつけたい。
レビューとしてはどちらも暴力ありで萌2くらいかなと迷うんですけどやっぱり神で!
どろどろしたやり場の無い感情、肉体的・精神的な暴力による支配。
ささくれだっているようにも安らぎがあるようにも見える篝とハルの関係は、とても歪で不思議で目が離せない危うさがありました。
やりたい放題に暴れて荒れた後のあっさりすぎるほどの幕切れが
篝の心の弱さを表しているようでとても印象的でした。
作中の至る所に散りばめられたインパクトのあるフレーズたちは
その時彼らが感じた衝動や葛藤が伝わってきてすごく良かった。
篝もハルも、それぞれ抱える生き辛さをお互いに相殺し合うだけのような日々を越えて
本当の意味で求め合える関係になってくれて本当に良かったなと思いました。
青春・少年時代特有の痛々しさ、脆さと危うさ、そこからしか生まれない美しさが圧巻で、なんとも言われぬ共依存がグサグサきました。
無謀で痛くて鮮烈で破滅的で、どっちが修羅でどっちが焼き尽くすのか。
触れちゃいけないのに触れたくなる。どうしようもない引力で、支え合ってるようで壊し合ってる2人。何も無いのが恐くて強い力に巻き込まれてくのが青くて痛々しかった。
補い合っているようで、焼き尽くしてしまうかのような関係性。矛盾と暴力の塊だけど、篝が春に、春が篝に見ていたものや求めていたものが、どこか詩的で純粋な気持ちも感じて、こういう疾風みたいなヒリつきに嗚呼…ってなる人間には堪りませんでした。
暴力描写やモブ姦もあるので、万人には進めづらいけど、青春の苦さと清らかさ、人間の豪を感じられる美しい作品だなと思います。
同時収録作も、ちょっとイカれたところもあり、あっけらかんとしたところ、懐の広さもあり、どうしもない2人で面白かったです。
miso先生の描くストーリーは本当に面白い。独特で、他では味わえないものがある。
闇を抱えて底で蠢く、どこかで諦めていなが
ら熱い何かを探し求めて狂っていく様子が素晴らしい。
最後は、大団円。
ネタバレ無しでおすすめしたいな。
主役のハル・篝以外だけではなく、恒・母・ピアノの後輩と、登場する意味がきちんと描かれていて、最後には全てきちんと回収されて物語が終わっている。
miso先生、デビュー作もとんでもなく素晴らしかったけど、今後も目が離せない作家さんの1人です。
『鵺の啼く夜に』が最高で、この作品途中まで読んでちょっと不安になって寝かしちゃってました。あれ?意外と普通なのか?と。miso先生が好きなあまり普通だぞと思いたくなくて。最後まで読んだら、好きだなと思えたので本当に安心した。読んでて信仰の話だな、と思うBL作品もままある(そんな作品も大好き)けど、恋愛の話と言い切ってるのが面白い。攻めと見せかけて受けが修羅への案内人であるって構成がうまい。
本編を読んで抱いた感情があとがきで答え合わせ出来る作品が好きで、『鵺〜』もそうでしたけどあとがきのmiso先生の語り口がツボです。
カバー裏表紙のあらすじが長いと内容が難解ですよね。こちらの作品もそうでした。
特に篝と恒の兄弟関係が何を表現したかったのか意味不明でした。反対に春生は若さ故に周りを見て居なかっただけで分かりやすいと思いました。
兎に角、モブが多いせいかお話の焦点がハッキリしていないです。
宮澤賢治の作品を引用してましたが、上手く活かせていないようでした。
商業BLデビュー作の「鵺の啼く夜に」は評価が高いようですが、2作目は難しいですよね。
申し訳ありませんが今回はハズレだと思いました。
そして受けをモブにヤラせる攻めが地雷の方は気をつけて下さい。
デビュー作もくっ付く前ですが、攻めが受けの前で女とヤってます。
雑然としていて限りなく中立に近い萌です。
何故中立にしなかったかというと、もしかしてこの作品の良さを誰かが分かりやすくレビューしてくれるかもと期待してるからです。
でももうこの作家さまの本は買わないかな…。