はいらなくても、いいじゃないか

hairanakutemo iijanaiaka

はいらなくても、いいじゃないか
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神17
  • 萌×221
  • 萌15
  • 中立4
  • しゅみじゃない5

--

レビュー数
13
得点
218
評価数
62
平均
3.7 / 5
神率
27.4%
著者
ゆざきさかおみ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
ブライト出版
レーベル
B.Pilz COMICS
発売日
電子発売日
価格
¥636(税抜)  
ISBN
9784861238697

あらすじ

映画館で出会った、トーマとヒロ。
すぐに意気投合し、お酒を飲みつついい雰囲気のままホテルへ。
いざ、ヤろうとしたら
トーマのアレがデカすぎて、はいらないー! ! !
でも、ヒロは「挿入だけがSEXじゃない! 」と、挿入なしのSEXを提案。
ヒロの突拍子もない提案に驚きつつも
今まで普通にSEXができていなかったトーマは、
その提案を受け入れて…。

2人が見つける『自分たちなりのSEX』の行方はー。

表題作はいらなくても、いいじゃないか

漆原冬真,トーマ
小鹿日路,ヒロ

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • あとがき(描き下ろし)

レビュー投稿数13

切実な問題

日常BL好きなので、そんな感じのコミックスないかなぁと探して、こちらを見つけました。
表紙とタイトルからして、これは日常系コメディBLかと思って、購入したら結構生々しくて、切実で重めだった笑
なにより2人が真剣に恋愛してるとこが良いですね。ほんとにこんなカップルいそう
挿入だけがSEX じゃないに激しく同意!こんな風に自分達の性のあり方とか、楽しみ方とか話し合えるのってとっても素敵だなと
途中2人迷子になってましたが、先輩と店長さんのお陰で、分かり合えたのはほんとに良かった。
こんな風な同棲カップルが日常生活を送ってる中で、ハプニングが起こっての、仲直りからの愛を確かめ合うみたいな作品がもっとよみたいな

0

はい(挿入)らない それもまたよし ホトトギス

「午前0時に腹が鳴り」でも感じましたが、ゆざきさかおみ先生は現実的で生々しい話を描きますね。

2人は体格差カップル。
穴小×棒大。
これでは挿入出来ない。
落ち込むトーマにヒロ「挿入するだけがセッ クスなのか?セッ クスとはコミュニケーションだ、楽しむ事に意義がある」
そうだそうだ!


挿入しなくても気持ち良くなれる方法を探そうよ。
そう決めたはずなのに…大好きだから挿入させてあげたい。大好きだから挿入したい。

2人の苦悩、思考回路が手に取るように理解出来ました。

挿「入」と言う字は人と人が支えあって出来てますね(本当は人ですけど(笑))
彼らは支えあっている…ように見えるけれど、本当は?
相手の為に無理してない?
相手の幸せが自分の幸せ?
自分が我慢すれば幸せ?

あのー、やっぱりリバは駄目なのかな。
切れ痔って治らないんですか?

トーマが童貞、ヒロが経験者で人格者なのでトーマの思考が止まってしまったのが失敗でしたね。
2人の目的が挿入に変わってしまった。

彼らの本質的な問題は挿入ではない。
根っこは信頼関係が築けていない所。
問題を摩り替えてはいけない。


外野の友達2人のアドバイスがとても良かった。
心に響いた。
迷子になっていたトーマとヒロに決め付けでは無く様々な道を教えてくれた。
彼らに相談して客観視出来た2人は幸せだと思います。

セッ クスの合意に履行義務はない。
本当それ!
部屋に入れた、キスしてくれた、それだけで合意にはならない。これは異性でも同性でも恋人でもセ フレでも変わらない。

まずは話し合う事。
急がば回れ、意見を押し付けず、理知的に冷静に感情的にならない。
これが難しいんだよなぁ…。
完璧じゃなくて良いのよ、人間だもの。
ぶつかり合いながら2人だけの形に収まるよ。
もしかしたら、将来2人は別れるかもしれない。
それでも良いかも、一旦離れるのも大事だよ。焦らなくて良いよ。
まずは2人でゆっくり話し合おうよ。

人生長いんだもの、それで気付ける事も有るしこれからの糧になるよ。


金言が散りばめられてます。
是非とも年齢、性別問わず様々な人に読んで貰いたい。
出来るなら20代位に読みたかった。

1

エロ堪能作品かと思いきや…

電子書籍の試し読みを見た上で購入しました。
1話だけを読んだ感想は
“明るく楽しく挿入以外のセックスを模索する話”かと思ってました。
絵が好き!!ジャケ買いしよう!!と思った方に
他の方のレビューをしっかり読むべき!!!
と一言伝えておきたい作品です。

このコミックはBLというよりは
レディースコミックに近いような気がします。
受けちゃんの思考が良くも悪くも
“令和を生きる女性感”に
溢れているように感じます。

堂々とセックスを楽しむ!!
エロ写メだって送っちゃう!!と
どんどんエロエンジョイしてるな〜!!
と思ってたら“彼氏がコンドーム持ってた”ところで急にトーンダウンからの
「ダメ彼氏」呼ばわりは…
ちょっと私はついていけなかったです。
確かに攻め君ちょっと童貞チックな突っ走りがあるにしても
先にコンドーム使ってたあなたがそこまで言う…?みたいな…。
セックスの気持ち良さの醍醐味の一つが挿入なので
「やっぱりゆくゆく挿入したい!」と思った時用に
コンドームを持つのは良い事で相手に対して誠実なのではないか。
と私は思ってしまうので…。

その後、挿入のアレコレで
どんどんすれ違っていくんですが
感情的に理屈っぽくモヤモヤしてる受けちゃんが
見ていて女々(おんなおんな)してる感じです。
しくしくめそめそ…みたいな
女々(めめ)しい感じではなくて
Twitterでウーマンライツを延々ツイートしてる人や女友達と愚痴る時のような
女々(おんなおんな)っぽさを感じました。

女性の「二次元三次元問わず女性が性的搾取されてる!!」
という思いを挿入される側の受けちゃんに
代弁してもらおう!!みたいな雰囲気が
レディースコミック感が強くて
「え…これ、BLだよね…?」と
正直脳内が混乱してしまいました。

受けちゃんがモヤモヤする事や
ウーマンライツを語る行為
男女問わず性的合意について話し合う事は
とても重要で必要な事であり
それが悪いと言いたい訳では決してありません。
ただ、楽しく読みたい!巨根堪能したい!!
濃厚エロマンガ摂取したい!!ヒャホー!!
と思って読んだら、マンガどころか
経本だった…。みたいなガッカリ感があったのです。

2

愛し方、愛され方

偶然に出会い、打ち解け合ったふたりがいざセックスを致そうとした時に直面したトーマの大きなアレがヒロの小さなおしりに挿入るのか問題。

情緒も何もないことを言ってしまえば、そりゃするのならば挿入るに越したことはない。
ひとつに繋がるというシンプルな行為は何よりもわかりやすい。

でも、それだけじゃない。
セックスは挿れるだけじゃない。
受け入れる所は一箇所だけじゃない。

ヒロの言葉にハッとさせられて、ふたりで一緒に愛し方や愛され方を模索していこうとする姿にはすごく胸を打たれたんです。
ヒロのちょっと理屈屋で小難しい部分とトーマの控えめだけど率直な部分とがいい感じにカバーし合って、もうこのままはいらなくてもいいじゃないか、と思わせられるくらいにふたりで作り上げていくふたりらしい愛の形を見せてもらえるんだと期待が膨らんで。

それでもやっぱり『挿入』という言葉はどうしてもふたりの中から存在感を完全に無くすことは出来ずにぐるぐるぐるぐる渦巻いて、ふたりの関係に暗雲が立ち込めて…

なので、ヒロが先輩に、トーマが店長にそれぞれ悩み相談をした時、一度は第三者目線からアドバイスされるのもひとつの手段だろうと思っていたのですが、相談が第二ラウンドまで延長してひたすらにねとねとぐるぐる消極的に悩み倒すので、悩むのももちろん相手を思い遣るがゆえのことなんですが、ちょっともやっとしてしまいました。

はじめの段階の行為に対する考え方ややりとりがとても良かっただけに、挿入云々で喧嘩した後のヒロの先っぽはいれば…発言や後半の悩みパートが少しお話しのコンセプトから逸れてしまったようで残念に感じてしまったのですが、悩みまくって一周した分、またふたりらしく気持ちを育んでいってもらいたいな、とも思いました。

3

自分たちの事は、自分たちで培って行く。恋に定型なんて無い!

「穴に棒を挿れるだけがセックスじゃない!」
ヒロの小さくて狭いところにトーマの大きなモノは入らないだろう。
せっかくのいいムードからの、雪崩れ込みエッチに持ち込めなくて。項垂れるトーマに、
厳しくもハッキリ。提案するヒロの清々しさ。そう、セックスはコミュニケーション!
誰かの「ちゃんとしたセックス」とやらに並ぶ必要なんて無いし、2人で気持ち良く無ければ意味なんて無い。これは文字通り、「俺たちのセックス」を模索して行く物語。
うん、例えば。BLってばファンタジーだから。割とアッサリ凄いモノがその日のうちに入ってしまう。そして処女なのに感じまくれて気持ち良い!だって愛があるから‼︎ ってなものなんだけど。実際には、ゲイカップルが必ずしもアナルセックスをしているわけでは無いとも聞く。結構色々大変そうだし。アナルセックスしなくても気持ち良い事は2人で出来る。
一旦はそう納得した筈のトーマでしたが、やっぱり。恋人を満足させてあげられないのでは無いかとグールグル。結局、スムーズな挿入へ向けて、歩み出す。
これも、2人で話し合った結論だから良いんですけど。私はもう少し、他の道を模索っていうのも、も少しウロウロして欲しかったなぁ、なんて思うのです。
だって最初に話し合ったことは真実だと思うから。ヒロも言う様に、挿入しなくたって「ダメ彼氏」では無いし。話し合えない独りよがりの方が「ダメ彼氏」ですもんね。
お互いがお互いを想うあまりに、ちょっとだけすれ違ってしまう2人。
受け身であるヒロは、辛くても自分さえ我慢すれば。などと思ってしまうし。
経験が無くて下手だから、上手くできないと思い込んでしまうトーマ。
向き合う事をやめて、他の人に相談してしまっては、嫉妬して。もちろん、ヒロの先輩も、バーのマスターも、とてもいい人たちなので、『世話の焼ける』と思いながら見守ってくれる温かさ。当て馬にもならないので、ホッとさせてくれます。
結論としては、やはり、うまいこと挿入にたどり着くし、気持ちも通い合ってめでたし!なんです。でもやっぱり「はいらなくても、いいじゃないか」って思います。
大好きで一緒に居れたなら。互いに互いを思いやれたなら。それが一番ってね。

個人的には最初の方の、「ハルキストですか!」と、トーマを叱るヒロが好き。
ここで「ハルキスト」という言葉を出す事に、目からウロコ。ああそうか、ハルキストってそう言うことか、って妙に得心してしまいました。いや、ハルキスト聞いたら怒るかもしんないですけども。ちょっと笑ってしまいます。

修正は白抜き。多分、トーマの覚えたてのセックスには、ヒロは大変になりそう。でも、今日は嫌、今日はこうしたいって言える2人だから。これからもきっと大丈夫。

0

はいらなくてもいいんだよ!

初めて読んだ ゆざきさかおみ先生の作品です。

電気工事士 漆原 冬真とWEBメディアライター 小鹿 日路のお話。

ある夜、映画館のレイトショーで出会ったトーマとヒロ。
そのまま飲みに行き、お互いがゲイであることを知りました。
お酒で酔った勢いもあり、ホテルに入ったけれど…トーマのチン〇が自主規制するほど大きくて…。

今まで読んだことがない設定でとても新鮮でした。
世の中には、攻めのチン〇が大きすぎて悩んでいるCPがどれだけいるのでしょうか…。
うーん、これはかなり切実な問題ですよね。
この作品は、自分のチン〇にコンプレックスを抱えているトーマをヒロが救い出す!…と言うような単純なお話ではありません。
もっと深くもっと複雑な問題が絡んでいます。
「愛」があれば、挿入できなくても「幸せ」なのか?

最初は、不安を抱えているトーマが明るく前向きなヒロによってサポートされます。
しかし、挿入を伴うセックスが出来ないことから、ヒロに申し訳ない気持ちになるトーマ。
「お互いが楽しめるセックスを目指していきましょう?」
優しいヒロの言葉に、トーマは2人で多様なセックスを楽しむための一歩を踏み出しました。
…が、数ヵ月後、あれこれ試しても1割~2割しか入らない現状に関係がギクシャクしていきます。

「挿入=セックス」じゃないとわかっていても、やはり相手のことを考えると焦ってしまう。
相手を思えば思うほど、不安になり悩んでしまいますよね。
そして、愛する人と身体も結ばれたいと思う気持ちもどこかにあるんだと思います。
いつの間にか「挿入」することが目標になってしまった2人。
だんだんお互いの気持ちがすれ違っていきます。
とくに、ポジティブなヒロがマイナス思考になってしまうと抜け出せません。
一方、恋愛初心者のトーマも自己嫌悪に陥っていました。
クローゼットゲイな上に経験もほとんどないので苦しみます。
いや~、それぞれの気持ちがわかるから辛いですね。
どちらも真剣だし、どちらかが悪い訳じゃないし…。
2人が納得いく着地点が見つけられるのでしょうか?
後半では脇キャラが登場してドラマのようなストーリー展開で進みます。
ここからは、ぜひ本編をご覧ください。

このお話には、当て馬は登場しません。
脇キャラとしては、ヒロの高校時代の先輩 橘さん、トーマが知り合ったBarの店長 彩人さんが登場します。
橘さんも彩人さんも器の広い男前だった…。
悩み事って、他人の意見や考えを聞くことで解決に繋がることもありますよね。

Hシーンは、想像よりもエロかったです!
紙は白抜きで真っ白だったのですが、それでもわかるほどのトーマのチン〇の太さ(笑)
あまりの太さにビックリしました ∑(๑º口º๑)!!
それを自分のアナ〇に挿入しようとするヒロに愛を感じましたね。
挿入しなくてもセックスを楽しむ2人のやり取りは見応えがありますよ。

描き下ろしは、本編のその後のお話です。
彩人さんのBarにツケを払いに来たヒロとトーマ、そして…。

ゆざきさかおみ先生の綺麗な絵柄と新鮮なテーマで物語に惹き込まれました。
登場人物や背景なども丁寧に描かれているのも良かったです。
また、全体的にコミカル要素で仕上がっておりキャラも魅力的なので重く暗い雰囲気にならず読めました。
難しい問題にメンタル面とフィジカル面の両方から迫った異彩を放ったBL。

恋人たちの数だけ幸せのカタチがある。
トーマとヒロが行き着いた幸せのカタチ。
この先は、何でも話し合ってゆっくりと愛を育てて欲しいな♡

気になっている方は読まれることをおすすめします!

5

悩み方が一方向でモヤる

んー…テーマは良かったんですけど、悩み方が一方向のみで微妙でした。それに中途半端な社会風刺もどきと説教臭さが鼻について入り込めず…そんな状態で読んでたらいろんなことが気になっちゃって。

攻めのアレが大きすぎて入らないってのを二人で悩むお話なんですけど、逆に受けのアレを攻めに入れられない理由は最初に一言言っただけで終わってるんですよね。
攻めは自分が入れられないってことしか悩んでなくて、入れさせてあげられないことには考えが及んでないんです。ここが気になって仕方ない。だって受けも男なのにさ、それについて話すことすらしないの?って。しかも原因は攻めの方にあるのに。
受けが入れて欲しがってるっていう思い込みも独りよがりだし。

できない理由が身体的な問題なら、医療的アプローチもあってよかったんでは?とも思います。攻めは人体について勉強するくらいの気概を見せたらどうなん?失敗したら病院のお世話になる行為ですよ。自分が切れ痔なら、なおさらそこ考えない?

悩みが受けの負担になり始めたあたりでは、この二人がなんで付き合ってるのか分からなくなりました。
先輩とか店長とか、悩み相談のお答えはいいんですけど、毎回第三者に解決してもらうようで大丈夫なの?そっちと話して結論出しちゃってるから、肝心の二人での話し合いがさらっと終わってるんです。

いろんなとこで消化不良起こしてて、モヤモヤが止まらない読後感で。特に攻めはもう少し相手のこと考えよ?んで言葉にしよ?って思いました。男女ならこれでいいけど、男同士だと攻めの視野が狭いように思えちゃう。

結末を見ると、タイトルに偽り有りな本だと思わざるを得ません。

7

性描写が記号化していなくて良い

こういうのが読みたかった、そんな1冊。

セ〇クス=挿入という概念がBLにはあると思うんですけど、巨根&穴が小さいという事態によって自分たちだけの付き合い方を模索し、「やっぱ挿入なんじゃん」ってガッカリしちゃう下りも良い。

キャラ萌えに特化したBLもいいけどこういうのが読みたかったから嬉しい。
愛の手段としてかなり突っ込んだところまで描写されたお話の中に、二人の絆があって素敵。

一風変わったテーマで書いているだけに、トーマさんとヒロさんの二人が終始ラブラブなのもポイントが高し。
ヒロさんがちゃんと不満を叫べる人でよかった(笑)
キレるととことん口調と態度が悪くなるヒロさんが素敵!
すぐ泣くトーマさんも可愛い……こういう互いを尊重した交際って見ていてキュンとします。
そしてラストの性的同意を得てからするえっちいいですね…セ〇クスが記号化してなくてよい作品だなあと思いました。

挿入するだけじゃない、二人だけの夜の生活への追及が面白い。
夜の生活が上手くいかないのにそこにある葛藤が楽しそうで微笑ましい、そんな新感覚の1冊です。

9

GRRRLs エンパワーBL

はいらなくても、いいじゃないか
イヤ、その通り。
いれなくても、いいじゃないか、ムリなら。

…というのは女性側の意見、なのかも。
話題作になった「夫のちんぽが入らない」や朝◯新聞の夕刊で不定期連載の「オトナの保健室」を思い出しました。
本作は、巨根すぎて「マトモ」なHができなかったトーマ。「マトモ」「普通」にこだわって縮んでいた心が、柔軟な考えを持つヒロと出会って…というお話です。
ヒロを「柔軟な」、と表現しましたが、柔軟かどうかはともかく、攻め(男)イコール勃起・挿入・射精ワンセット、という固定観念は無い、というところから始まって、イマの女性たちが声をあげ始めている性の場面での問題点が散りばめられているように感じられました。
例えば「性的同意」。
例えば「感染症検査」。
例えば「フィンドーム」。
フ◯ラでもコンドームをする事、などなど。
ヒロがKuTooTシャツ着てたり。
なんというか…フェミニズムの文法で描かれているのかな?
読者の私はヒロにシスターフッド感じたり。というか感じるように描かれているような空気感。
トーマも優しい性格でヒロの意見を受け入れるので、物語としてはセックスは2人でするもの、という正に「理想」を擦り合わせていく展開。
なのに結局ヒロがトーマの巨根を受け入れるのを「頑張」ちゃうんですよね。それでちょっと心が磨り減ったりして。
ここから先輩やら店主さんやらが絡んできて、正直安易な筋立てになってしまったのがちょっと残念でした。
この作品の流れなら、一貫してトーマとヒロで言葉を尽くして試行錯誤して欲しかった。そして、挿入ではないセックス・バリエーションを「2人で」編み出して欲しかった。

最近私はア◯ルセックスって必須じゃないなぁと感じているので、この作品は私にとってとてもタイムリーでした。

8

自分のため?相手のため?

びっくりしました。
修正のサイズって、実際描かれたサイズよりほんのり大きめですよね?
それを考慮に入れてもなおでかい。
馬でしょうか?というレベルでした。

映画館で偶然出会って、意気投合したヒロとトーマ。
そのままの流れでホテルへ行ったものの…。

1ページ目の「自主規制」のサイズからして違います。
その後もトーマのムスコさん的存在のサイズに驚きを隠せません。
トーマは文字通り馬並み、対するヒロは小柄でお尻も小さめ。
さあ、どうする!?というところから始まります。

「挿れなくても、お互いに気持ち良くなれれば」と、いろいろな方法で気持ち良くしてくれるヒロに対して、負い目を感じてしまうトーマの気持ちがよく分かるんです。
恋愛は自分が与えられるばかりだと、どうしても自分の気持ちが伝わってないように思えてしまうもの。
特にトーマのように生真面目で、トラウマもあるような子だと余計に「自分も何か返したい」と思うのは自然な流れ。

途中まではお互いがちゃんと相手を見て、相手と話して、相手に触れて、という感じで向き合っているのですが、途中から雲行きが怪しくなってきます。
トーマは「挿れる」=「ちゃんとしたセックス」=ヒロをもっと喜ばせることができる!と思い込んでヒロを怒らせるものの、そこから「挿れてみよう」チャレンジが始まってしまう。
当初の「2人で気持ち良くなること」からどんどん遠ざかって、「挿れてあげられない自分」がだめに思えたり、「挿れられないのは自分が経験不足だから」と自分を責めたり、読んでいるこちらまでもやもやが急激に募っていきます。

このモヤモヤ期からがしんどい。
うまくいかないことに対して、お互いがお互いに責められているように感じるのも分かるし、「自分は頑張ってるのに」って思うからこそ、それを汲んでくれない相手に余計に苛立つのも分かるんだけど、ヒロが先に逃げちゃうのがなあ。
ヒロの前向きな柔軟さがいいなあと思っていたからこそ、思っていることはまたぶつけ合えばいいのにー!と思ってしまう。
それが出来ないほど「傷付けたくない」とか「傷付きたいくない」とか「拒絶と思われたくない」とか複雑な気持ちがごちゃごちゃになっているんだろうけど、その結果気付いたことも、恋人というよりカウンセラー目線に感じてしまった。
すり減ったり小さくなってるのは確実に「愛情」じゃないかと。

最後の展開も、わたしには「うーむ…」でした。
たしかに第三者に聞いてもらって、思考がすっきりするというのはある。
でも時間とか、タイミングとか、そんなに先輩に頼りたいなら先輩と付き合ったらいいじゃんって思っちゃったんですよね。
何ヶ月も付き合っても、そこまで腹を割って話せないなら、話せる相手と付き合えば?って。
そもそもその我慢は誰のため?
相手のためだけだったら、それはつらいだけになるよなあ。
自分で言い出したことなのに、ヒロの中では「2人で気持ち良く」なるためじゃなくなってたんだなあ。
どう着地するのかワクワクして読み始めただけに、一緒にいる意味を見失ってしまう姿を見るのがきつかった…。

ヒロの我慢が、トーマを愛するがゆえと思えた方は、きっと萌える。
ただ「自分の我慢」ばかりに気持ちがいってしまったら、それってほんとに相手のこと、まだ好き?って思ってしまう方は、終盤からトーンダウンしてしまうかも。
我慢するのは相手が好きだから。
でも我慢してる自分がしんどくなったら、それって…、うーむ。

終わり良ければ全て良しですが、これで遠慮なく何でも言い合える2人になってくれることを願いつつ。

7

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