ハレとモノノケ 下

hare to mononoke

ハレとモノノケ 下
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神103
  • 萌×237
  • 萌21
  • 中立6
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
19
得点
732
評価数
167
平均
4.4 / 5
神率
61.7%
著者
 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
一迅社
レーベル
gateauコミックス
発売日
電子発売日
価格
¥690(税抜)  
ISBN
9784758021500

あらすじ

「恋心ってややこしいんだ」
キスもして、それ以上のことも――だが、トキの気持ちがどこにあるのかわからずに不安になる八潮。
そんな八潮に、トキは「自覚してもらわねぇと」と、まずは自分の気持ちのありどころを聞く。
ようやく自分がトキに向ける気持ちの出どころを自覚した八潮だったが…。

表題作ハレとモノノケ 下

不老不死のモノノケ
17歳,山に1人で暮らす高校2年生

その他の収録作品

  • 参考文献
  • カバー下漫画

レビュー投稿数19

この漫画に出会えて良かった!※ネタバレ含みます

民俗学の深い世界観に、それに対する見解、美しい日本語、物語のひとコマひとコマが丁寧で、本当に素敵な作品でした。

不老不死のモノノケという題材の元、ファンタジーな世界なのかな~って軽い気持ちで読んでみたら全然違いました。
しかも難しい言葉のやり取りが続くかと思いきや、きちんと抜きもあり、わからなくても読んでいけました。

また、2人の恋もしっかり進んでいくのがまた素晴らしい。しかもロマンチックなんです。
日本語の深みに気をとられましたが、恋愛パートにはいると激甘です。このギャップよ!
初めてのセッも、生々しい事前準備を含め、こんな細かく丁寧に描かれている作品は私は初めて読みました。
1日1日を丁寧に過ごしていく2人の物語は、自然に感情移入でき、感動も緊張も一緒に味わえる神作品でした。

不老不死のトキが、シワも愛する人と日々を過ごしていけている証だと受け入れていたシーンは、泣きそうになりました。
老いは恥ずべきもの、悲しむべきものではない、幸せを感じられるものでもあると、私自身で曲解はしてますが、かなり刺さりました。この漫画に出会えて良かったです。

10

秋から冬

◾︎トキ(モノノケ) ×八日見八潮(高校生)
季節ひとまわりを美しく描ききるのだなぁ。草木を愛でて、寝て起きて、ご飯を食べて、日々生きる様が描かれているので、濃いセックスシーンとのギャップが素晴らしい。3大欲求しっかり描かれてます。言葉少ななセックスシーンがしっかりページ数使って描かれてるのはたぎる。

上巻で広げた風呂敷を閉じ切ったかというとそうでもないかもしれませんが、綺麗に丸め込まれて浸れる終わり方でした。下巻の雰囲気の方が好きだな。
上巻ですこぶるカッコよく描いた「八潮は何者?」とかも完全無視してますがまぁ、ね。「相性結び」で先生の作品は全て語らないモノだと学習しているのが良かったのかもしれない。先生の中には答えがあるのかもね。

上巻でミツ落ちしてたので、そこに触れてくださったのはありがたい!…のだけれど、ミツ…
ミツは八潮との関係性をどういうものにするのが理想だったのか、希望だったのか分かりませんが、トキにとられた気分だ!

聖人君子が聖人君主になってるので、重版かかるなら直して欲しい…言葉を大事にしてるいい作品なだけにこういうのは悲しいので。
上巻の感想で触れましたが、参考文献に柳◯國男出てきてましたね〜

5

温かい気持ちに

二人の距離がどんどん縮まり、言ったことは覆せないけど、ちゃんとぶつかって気持ちを繋げてく過程が良い。
サラッとしたやりとりにも、キーとなる言葉がけがあり、ユーモアとドキドキが味わえるのが好きなところ。
トキの変化が1番に表れたのが笑い皺というのにもやられました!!

初めて体を繋げるって日の挑みっぷりもあっけらかんとしてるのに…色気が!!
突然のトキの余裕あるオスっぷりにトキメキ、段々と慣れて感じるようになる八潮の色気にもドキドキ。
蟻の門渡りをふにふにしてるの初めて見たかもしれません!!
さらっと描いてあって、一瞬どこや?と思って、蟻の門渡り!と気づいた時の感動!!
ふにふに感と八潮の反応がたまりません!!!
(ニッチな趣味ですみません)
体位やボリュームもたっぷり、ときめきポイント満載でした。


ミツもすごく好きでした!!!
すっごく良いやつ(狼)
八潮のこと大事に大事にしてて距離感わからなくなって、それを八潮に突破されたのじーーーんときた。ミツも唯一無二!!

山での日々を大切に、周りを大事に過ごす生活が素敵で、満たされてて満たされてないとこを二人で補えたのも唯一無二で良かったです。

これまでの作品も好きなんだけど、好きと同じくらいモヤモヤするとこもあって、
今作も言われて見ると、それ謎ですね!!とこあるけれど、読んでる時は全く気にならなず、満たされた幸せ気分な読了感で謎のままでも良いかって気持ちです。

なんてことない日々のことを大切にしたり、特別なことは特別に喜んだりお祝いしたくなりました。

2

あぁ、、、美しい

日本の四季、伝統、諺、歴史、、、、ここに不老不死のモノノケと人間の恋が交じるとこんなにも美しい物語になるのかと驚愕。

この2人、共に年を重ねて生きていくことが出来そうだなぁと想像できるラストでした。
八潮を想い感情を持つことで不老不死であるトキの中で刻が流れ出したのかなと。そしてそれはトキにとって幸せなこと。ラストシーンの

「俺に遺して 俺を息づかせて」

こ、こ、こ、こんなにロマンチックな台詞聞いたことがない!!!!ボロ泣きです。上巻から2人のやり取りを見届けてきた流れでこの台詞は重みがあり全てを物語ってくれてる気がします。

ほんとに素晴らしかったです。

2

大好きな作品に出逢えてうれしい!

灼先生の作品を拝読するのは、『あおに鳴く』に続き2作目です。
約2日でのめり込んでしまったくらい、灼先生の作品は、私の観念や思想とマッチするのだと思います。

絵について。
瞳の訴える力や、身体の色気が物凄く、うっとりするほど好きです。

また、全ての言葉についてしっかり読み込む必要はありますが、読み込めば漏れなく全てに意味が詰まっているので、文字だけで赤面できます。
言葉の破壊力が高くて最高です。
八潮は優しいと、繰り返し出てきますが、この「優しい」が内包する意味についても色々考えられます。
この「優しい」や「甘い」の意味ついて、灼先生の作品ではちゃんと読み取る必要があると勝手に思っています。
ミツもトキも八潮の両親も、八潮に甘えている。でも甘えたからには、自分の罪悪と向き合わねばなりません。その深度の差が、関係値の深さの差に直結している。トキが逃げずに向き合ってくれて良かったと思います。

さておき、不老不死の謎について、「宿木」をヒントに考察してみました。
トキは黒髪だった頃、木の上にある宿木(丸い塊)と、地面に落ちて死んでいる鳥とを見比べて、「嫌だなぁと思った」と回想しています。
その時は何がどう嫌で何の話をしているのかわからないのですが、最後まで読んで、
これは「鳥のような生が嫌で、宿木のような生が羨ましい」という意味なのかなと解釈しました。
だから、ラストシーンの八潮への言葉が「俺に遺して 俺を息づかせて」という表現になる。
宿木は、鳥に実を食べさせ、運ばせ、新たな別の木にフンを根付かせてもらうことで、自分の種を繁殖させます。
トキは誰かの宿木になりたかったのかな?と、思っています。

ともかく、沢山考えられて、すごく読むのが楽しかったです。
本当に出逢えて良かった作品でした。
ありがとう!!!

0

好きなだけに伏線が気になる

上巻に引き続き、下巻も。
上巻よりも物語に動きが出た下巻でした。
うーん、好きと疑問が両極端にあってちょっと評価に悩みます。

やはり、まずはなんと言っても画面がとても美しい。
草木の描き込みは上巻同様丁寧で、自然の森の美しさを感じます。
日本ならではの風習を交えながら、季節の移ろいと共に穏やかに過ごす2人の姿が好き。
恋人関係となった2人のやり取りも不器用で、ひとつひとつ手探りなところが可愛らしくて、微笑ましい気持ちでいっぱいになったんです。

なったんですけど、何かがピンと来ない。
八潮の気持ちがトキに寄り添っていくのは上巻で理解が出来ましたし、自然なものだったと思うんですよ。
けれど、それは性を含めた"恋"なのか?と考えると、ちょっと違うような気がして…
多分、年齢的なものもあってか家族愛に近いものを感じてしまったんです。
孤独で寂しい者同士が愛し合って、ケガレがハレになっていく。これは分かりますし、とても良い流れだと思うんですよ。
抱き方、抱かれ方の描写もすごく丁寧。
セリフがないのに魅入ってしまう。
ただ、トキが八潮へ恋愛感情を持ったきっかけも分からなくて。

多くを語らないのが今作と作家さまの魅力なんだと思います。
それを読み手が好きに解釈をして読み取るのも好きなんですよ。
でも、分からないままの事が多すぎてすっきりしないんです。
トキの過去だったり、山の眷属に好かれる八潮は何か秘めたものを持っているのか?と上巻でワクワクしていたので、下巻ではどうなるのかななんて期待をしてしまっていたからか、これはちょっと惜しい。
トキがなぜ数百年の時を生きるモノノケになったのかについては、なんとなくぼんやりと察することが出来たのですが。

好きな要素が多いだけに、ベッドシーンよりも、もう少しだけバックボーンとトキ側の心の動きにページ数が割かれていたのなら…と思います。
これは好みの問題ですね。
ミツが良キャラクターだったので、彼についてももっと知りたかったかなあ。
恋愛パートのやり取りは甘く、自然・日常描写もものすごく好みで神寄り。
民俗学や風習についても調べて読んでみたくなりました。
しかしながら、伏線回収がされていない部分がやや気になりましたので、間を取ってこちらの評価で。

しかし、ミツのキャラクターが良すぎる。

8

モノノケと人間の繊細で丁寧なラブストーリー

『ハレとモノノケ 上』の続編です。

不老不死のモノノケ トキと高校生の八日見 八潮のお話。

上巻では、自分のケガレを落とす代わりにしばらく住まわせろと提案するトキを受けいれた八潮。
トキからハレとケを教わりながら過ごす日常の中で、ある日トキに好きな人がいることを知ります。
そして、自分の気持ちに気が付いた八潮と自分の気持ちに気が付いていたトキはこの先どうなるのか?
下巻は、その続きになります。
「恋心ってややこしいんだ」
トキと気持ちが通じ合った八潮はトキに触れたいと思うようになります。
腹をくくった八潮が準備をすること1週間…とうとうその時がやって来ました。

下巻では、トキと八潮の気持ち、ミツと八潮の関係、そして2人のこの先を上巻と変わらず丁寧な絵柄と心理描写で綴られています。
個人的には、これまでの灼先生の作品とは異なる点があると感じました。
それは、繊細で濃厚なセックスを数ページにわたって表現していたことです。
身体だけでなく2人の気持ちも表現されていてとてもいいなと思いました。

「恋人」になった2人は結ばれましたが、その頃ミツの様子がおかしくなります。
八潮だけに姿を見せなくなったミツ。
小さい頃から大切に見守ってきた八潮に対してある感情を抱いていました。
突然現れたトキに八潮を奪われたような衝動に駆られ、やり場のない怒りがこみ上げてくる…。
ミツの立場からしたら、当然そうなるよね(泣)
八潮が「俺にとっては無二だよ」と言ってくれて救われました。
この先もミツとみっちゃんで八潮を守って欲しい。

Hシーンは、本編2回と限定小冊子で1回あります。
八潮の初々しさの中にエロさが見られてゾクゾクしました (〃艸〃)
「俺にだけに貰えるもの ソレ欲しいな」
無意識に煽っている八潮に何百歳のトキでも耐えられない(笑)
全部を自分が教えたいトキに八潮はどうなっちゃうのでしょうか?
すごく興味があります♡

不老不死のモノノケと人間、そして山のご眷属。
トキの止まっていた「とき」が本当に動き出したのかはわかりません。
でも、トキの覚悟を決めた言の葉(ことのは)と笑顔に、もう孤独な人生は感じられませんでした。
この先の2人とトキの過去も読みたかったな(泣)
上下巻だけではもったいない!
灼先生の世界観に浸れる素晴らしい作品でした。
ぜひ多くの方に読んでいただきたいです。

6

上下巻一気読み

正直上巻の読後で、これはやっちまったかな…と後悔はいりました。
古来からの風習を大事にする。
自称モノノケとの出会いと同居があっけない。
無理やりに納得できるようなモノローグもない。
これで下巻に入って萌えることできるのかな、と思っていました。
主人公が犬のミツに襲われたことを喧嘩発展にしたところが個人的にとてもよかったです。
上巻での全てを諦めてなぁなぁに生きていたような感じからぐわっと変わった感じがして、怒りは生きることのひとつの感情であることを痛感しました。
呆気ない喧嘩終わりでしたが、他にもたくさんの回収しないといけないことがあるので仕方ないですね。
全部のことがハッキリ分かる書かれ方をしない作家さんなんですかね。読者に余白のある作品なのかな、と感じました。
これの直前に読んだやつが、作家の小言、説明が手書きで書かれて萎えたので、逆だったので沁みました。
これくらい委ねられても気持ちいいな、という感覚です。
主人公たちの問題が全てはっきりかたがつくわけではないです。日常ってそんなもんです。継続する生活、が感じられる作品でした。
これから過去作購入させていただきます!

5

ジャンル:灼として読む

上を読んで、あ~灼先生のワールド前回だなと思っていました。
一番の問題は、ちりばめられた伏線が回収されるか否か。

灼先生の作品なのでもしかしたらもしかするかもと思っていましたが、やはり回収はされませんでした。
前作ではよくわからないまでも、察することができていましたが、今作では察することが難しかった!私が単に読めていないだけかもしれませんが......


攻めの正体とか、犬のミツの正体とか。なぜ受けが山に好かれてしまうのか、とか。
文献も載っていましたし、物語を通して伝えたいことは理解できます。
けれど先生の作り上げたキャラまでは、ストーリー上に情報がない以上、察することができませんでした。
ここがもっとはっきりと書かれていれば、もっと面白かったのでは...

犬のミツがとても良いキャラなので、彼が何を思って行動をしていたのか、気になってたまりません。
少しだけ消化不良感を味わいました。

でもジャンル:灼として考えれば、こういうものだと納得することはできました。
先生の描かれる世界観が抜群で、のめり込むことができます。余韻を残す話が好きな私なので、ヒットしました。
ただ欲を言えば、もうちょっとだけキャラについて情報が欲しかったです。

3

共に白髪頭になるまで

下巻は糖度が一気に上がって、2人のイチャイチャが見られたのが良かったです。
ウブで照れ屋な八潮とさすが長年のキャリア(?)をお持ちのトキ。初Hは大変萌えでございました。

八潮にはミツの気持ちが分からないし、昔からの幼なじみみたいなものだと思っているので切ないですよね。
2人にしか分からない時間も過ごしてきたんだよね、きっと。そういう関係に萌えを感じてしまうので、ミツが八潮に抱いていた感情が例えトキみたいなものでなかったにしろ、少し悲しかったです。

生きる長さの違う者達の哀しさが人外との恋愛には付き物ですね。
2人の行く末は非常に気になりますが、そこまで描かないのが作者さんの持ち味なのかなぁと思っています。
ラストのプロポーズがとても良くて、こんなに熱い求愛受けたら不安も吹き飛ぶだろうなぁと。
日常と非日常をこれから2人で過ごしていく。
そこには"気"が満ち溢れてるんでしょうね。

2

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