これは、果てない恋の物語―――。

トレゾア ~僕の宝物~

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トレゾア ~僕の宝物~
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神9
  • 萌×215
  • 萌15
  • 中立7
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
8
得点
157
評価数
47
平均
3.5 / 5
神率
19.1%
著者
さちも 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
KADOKAWA
レーベル
あすかコミックスCL-DX
発売日
価格
¥660(税抜)  
ISBN
9784041098035

あらすじ

魔王を倒し世界と姫を救った勇者・鷹匡と魔法使・フィル。姫に失恋した鷹匡と共に旅を続けるフィルだったが、フィルは姫を未だ想う鷹匡を魔法で捕縛して抱かれるたびに、彼の記憶を消して無かった事にしていたが!?

表題作トレゾア ~僕の宝物~

人間,勇者
エルフ,魔法使い

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • あとがき

レビュー投稿数8

読後じわじわくる。

さちもさんにしては珍しい、と言って良いでしょう。ファンタジーものです。
勇者とエルフの恋のお話。







魔王を倒して平和になった後の世界。

が舞台。

お姫様と世界を魔王から守って、はいハピエン、というストーリーではなく、「その後」を描いたお話です。

仲間が全滅し、独りぼっちで長い時を生きるエルフのフィル。
孤児で、王に拾われ、王女に恋をし、騎士になり王女と世界をフィルと共に守った鷹匡。

王女のことが好きで、でも王女は王子と結ばれ。
傷心の鷹匡は、フィルの仲間のエルフを探す旅にフィルと共に出かけるけれど―。

序盤、話がちょっとわかりづらいんですよね。
彼らの関係とか、時系列が。

なのですが。
読み進めるごとに彼らの過去とか、関係とか、恋心がスルスルと理解できるようになり、それに伴いこの作品の持つ世界観にググっと引き込まれてしまいました。

鷹匡はねー、なんて言うんでしょう。
単純明快、って言えばいいのかな。
とにかくまっすぐなんです。性格も、思考回路も。
良いか悪いか。
好きか嫌いか。
守るべきものか否か。

それに対してフィルは非常にめんどくさいやつなのです。
でもそれは、仲間をなくし、孤独を知っているからこその思慮深さであり、優しさでもある。

お互いを思うからこそ紆余曲折を経てしまう彼らの思いに切なさと共に萌えが滾ってきました。

そして、重要なキーパーソンがもう一人。
フィルの傍でずっとあり続けた守護獣のガディー。

彼の存在がめっちゃ良かった。
ガディーがいたからこそ、今作品は神評価になりました。
可愛いビジュアルなのに毒舌で、フィルを守るためなら何でもする。そこにある彼のフィルへの深い愛情にKOされてしまいました。

「PRG」をバックボーンにしているからなのか、作中、分かれ道が多く登場します。

どちらに行くのか。
何を選択するのか。
何を求めるのか。

それはまさしく彼らの人生そのものであり、大切なものを守り、そして共にあり続けるために奮闘する。序盤理解できない部分があり「?」と思いつつ読み始めましたが、なんて言えばいいのかな。

読後ジワジワくる、噛めば噛むほど味のでる、そんな味わい深い作品でした。

ガディーをメインにしたスピンオフ作品が読んでみたいと切望しています。

13

ちょっとコミカルなRPG風ファンタジー

さちも先生至上最高にファンタジーです!
まさかのRPG風BLときた!!
コマンド選択なんかもあるのですが、選択肢がなんかおかしいw
全体的には、コミカルでライトな仕上がりだと思いました。(魔王討伐シーンもありません)
だけど、さちも先生が楽しんで書いてるのが分かるんだよなぁ。
いい意味で肩に力が入っていないというか。グッとくる場面もあったりして、とても楽しく拝読させて頂きました。
表紙は表裏と折り返しまで一枚絵でマット加工が素敵でしたので、是非開いて見て下さい!


魔王を倒し、世界と姫を救った勇者・鷹匡と魔法使いで妖精のフィル。
姫に恋する鷹匡でしたが、姫が選んだのは王子でした。
失恋した鷹匡は、フィルと共にエルフの生き残りを探す旅を続けます。
そんな鷹匡を好きなフィルは、催淫魔法を使って鷹匡に抱かれ、その度に彼の記憶を消していてーー…!

一人ぼっちだったフィルに愛しさと寂しを教えたのは、優しくて強い鷹匡。
エルフの一族は魔族に滅ぼされ、そこからフィルの時計は止まったままでした。
その止まった時計を動かしたのも鷹匡で、きっとフィルは姫を一途に想い続ける鷹匡に惹かれたんだと思う。
自分もあんな風に愛されたい……そう思ったんじゃないかな。
失恋しても姫を思い続ける鷹匡を誘惑し、その度に抱かれては記憶を消し……たとえ鷹匡の記憶に残らなくても、フィルの中に鷹匡を刻みたかったんだろうと思います。

フィルを守っているつもりの鷹匡は、いつもフィルに守られていました。
ツンデレなフィルの一途で健気な思いに胸打たれます。
そして、ふとした瞬間に思い出されるフィルと身体を重ねた記憶……
きっと、記憶を消されても鷹匡の身体の底にはフィルの体温が残ってるのでしょう。
そして、無自覚だった自分の気持ちに向き合う鷹匡は……!?

シリアスと思わせて、なんともコミカルシュールな展開です。
だからこそ際立つ鷹匡とフィルのお互いを思い合う真剣な気持ち。ここに心揺さぶられます。
ようやく想い合って結ばれるHは最高に美しかった。
お互いがお互いの「特別」で「宝物」になれた瞬間です。

何百年生き、これから何千年と生き続けるフィルと、普通の人間の鷹匡。
いつか来るであろう別れを思うと悲しくなるし、守護獣・ガディーが不安になるのも分かる。
だけど、今この一瞬を大切に生きてほしい。
それに、この二人なら何とかなるんじゃ?と思わなくもない(笑)

シリアスとコミカルのバランスが絶妙なファンタジー作品で、さちも節がしっかり効いてました!
描き下ろしも面白く、個人的にはイケメン獣のガディーが気になります。(カバー下は可愛かった♡)

12

コミカルなのに、純粋な愛で切なくなる物語

『黒か白か』シリーズに続いて読んだ さちも先生の作品です。

勇者で種族は人間 鷹匡と魔法使い種族はエルフ フィルのお話。

それは未来のお話。
文明が滅び、魔王に支配された闇の世界。
その世界を救うべく立ち上がった勇敢な者達は長い旅と戦いを続け、とうとう魔王を倒しました。
魔王に囚われていた姫を救った勇者 鷹匡は幼い頃から姫に恋をしていましたが、姫は王子と結婚してしまいました…。
姫に失恋した鷹匡は魔王を共に倒した魔法使いフィルと新たな旅に出たのです。

他の方もレビューに書かれていますが、まさかのRPG風BLです。
でも、すごく良かったです(笑)

お城に引き取れた孤児の鷹匡とお城に匿われていたエルフのフィル。
まだ鷹匡が小さい頃に2人はお城で出会います。
ずっと姫が好きだった鷹匡を見守ってきたフィルですが、いつの間にか愛情を持つようになりました。
でも、その気持ちをフィル自身は理解していません。
旅の途中で、フィルはときどき催淫魔法を使って鷹匡に抱かれます。
妖精のエルフには人間界の様に交尾(セックス)する概念はありません。
それなのに、なぜ交尾するのか?
そして、フィルは交尾が終わると鷹匡の記憶を消しています…。

鷹匡に守ってもらいながら旅をしているフィルですが、本当は守ってもらう必要がないほど強いんです。
エルフの寿命は数千年…鷹匡はフィルの永遠にも近い時間の一瞬に過ぎません。
でも、もう少しだけ一緒にいたい。
あぁ、フィルがの気持ちが切なすぎる(泣)

一方、鷹匡は姫のことが好きだったのですが、本当の自分の気持ちに気が付きます。
鷹匡はフィルを守っているのではなく、自分が守られていると知っていました。
守っていると言っているのはフィルと「離れたくない」から。

このお話で重要なポジションで登場するのは、フィルの故郷の守護獣ガディーです。
鷹匡から「ヒヨコ」と呼ばれている精霊なのですが、なんと御年3600歳越えのご老体でした!
人型は若くてイケメンです(笑)でも、雄雌同体らしい…。
ファンタジーさを演出し、コミカルな要素にもシリアスな場面にも欠かせない存在ですが、じつは自分の寿命が尽きた後のフィルを心配している優しいガディー。
飛びながら泣くシーンにウルっとしました。
あ、ガディーは耳で飛ぶんですよ~。

Hシーンは、エルフのフィルの姿に神々しさを覚えます。
お互いの気持ちが通じ合った後の交尾(セックス)は、感じているフィルの顔が妖艶でした。
誰かの「特別」を感じられるセックスっていいですね。

描き下ろし
勇者は疑問に思った!!
魔法使いは宝物を見つけた!!
勇者は真実を知った!!
勇者達のそれから

鷹匡もフィルもガディーもそれぞれがお互いを守り守られています。
どんな金銀より価値があり、どんな宝石より美しい「トレゾア」を持っている。
トレゾアはフランス語で「宝物」です。
そんな2人(withガディー)の旅と恋愛は始まったばかり。
しかも、鷹匡とフィルは両想いになったのに…と言うオチもあり、ぜひ続編を希望します!
ゲーム感覚のファンタジーな世界観とBLをうまくまとめているのは、さすが さちも先生だなと感じました。
どうか読む前から趣味じゃないと決めつけないで欲しいおすすめの作品です。

9

ふたりの旅路

HPゲージ振り切り勇者・人間の鷹匡とMPゲージ振り切り魔法使い・エルフのフィルと精霊のガディー。
長い旅を共にして魔王を討伐し、ある理由でまた旅を続けるふたり(+1匹(?))の旅路を描くRPG風のファンタジーなお話し。

序盤、まさかの襲い受けなフィルに驚き、鷹匡の反応におや?となり、何度も身体を重ねながらも鷹匡の記憶を消していたというフィルの真意を知り溜息。
125歳のフィルと27歳の鷹匡。
エルフと人間。時を刻む長さが明らかに違うんです。
フィルの途方もなく長い時間からしたら鷹匡と過ごすこの時は一瞬で、それを理解しているフィルのあの行動が…ああするしかなかったのかな、と考えると切なかったです。
ガディーのフィルへの思いにも胸が締め付けられるようでした。

ですが、伝えるつもりはなかったフィルの想いはきちんと鷹匡に届き、離れたくないと抗えど、どうしても避けることの出来ない、いつかふたりを別つ時が来るその時まで傍にいる特別な存在になってよかったなあと思いました。

3

美しいRPG

RPG風ファンタジーということで、どこか懐かしさのある世界観でした。
物語は魔王を退治した後の二人旅が舞台なのですが、二人の出会いから魔王退治までの回想シーンがちょくちょく出てきます。

回想シーンはあるものの二人の関係性がすでに出来上がってる後だったので、ちょっと置いてけぼり感があったというか、二人の出会いから惹かれ合うまでの過程がもっとじっくり読みたかったなと思います。
恋をするまでの過程に一番萌える派なので、そこをもうちょっとピックアップされてたら二人の関係性にもっと萌えられたと思います。
あとガディーがせっかく男前なのに変身した姿がちょっとしか出なかったのが勿体なかったなと!

絵は安定の美しさでクオリティ高くてうっとりでした。エロも色気があってエロいです。

3

描くのが楽しかっただろうなぁと伝わる

 私はRPGを全然やらないのですが、やはりやっている方は創作意欲を刺激されるものなんでしょうね。世界観がしっかりしているし、実際にその中に入れたらどんな役割を担いたいだろうとワクワクするのは分かります。

 序盤、鷹匡とフィルは犬猿っぽいというか、ツンデレ同士な印象を受けたのですが、割と早い段階でそのイメージは崩れ去り。鷹匡はお人好しで自分の危険も顧みずに真っ先に他人を救うタイプ、フィルはそんな鷹匡にいろいろ思うところがありながらも淡々とした態度を崩さないタイプ。平行線だった2人が相手の本音に何度か触れて、やっと一歩を踏み出す、そんな流れでした。さちも先生のタッチが軽い方なので、ギャグシーンが控えめだったらもっと2人の関係に惹かれたかもしれません。あとはフィルがもう少し表情豊かだといいなぁと思いましたが、エルフなのでそこは仕方ないですね。ストーリーは悪くなかったです。

0

Tu es mon TRÉSOR = あなたは私の宝物。

とってもロマンティックなタイトル。
最近BLにも多い、異世界召喚ものだと思えば、そうでは無い。
まんまRPGの世界である。ただし、魔界との戦は終わっていて、つまりはゲームのその後。
この世の未来という設定で、勇者と妖精はまだ旅を続けている。
勇者・鷹匡は命をかけて救った姫には見染められず、失恋の旅。一応、絶滅したエルフの生残りを共に探すという目的はある。
美しいがツンデレのエルフ・フィルは、そんな鷹匡に心を寄せている。寄せてはいるが、素直になれない。この時点で100歳を軽く越えているフィルが人と共に生きる難しさと喪失感を分かっている。この世界で、恋は寂しさとイコールなのだ。

フィルのツンデレの度が過ぎて、ギャグ要素満載になってしまっているのが、わたし的には残念でした。二頭身キャラのぶわってなるヤツ、多過ぎて。もちろん設定がトンデモなので、仕方ない部分かもしれませんが。もっと切なく、しっとり描いてくれても良かった気がしてしまうんですよね。充分泣かせる要素あるんですよ。この寸止め感。
あと、フィルの守護獣・ガディーの存在も中途半端な。可愛い&男前風なんですけどね。守護なのか、愛なのか。むぅ。

モノローグ多めのシリアス味とふわふわのギャグが宙ぶらりん。
エルフの残党はまだ見つかってないので、この旅はまだ続くのかな。
本当に申し訳ないけど、私は「黒か白か」の続きの方を先に読みたいです。

6

ガッツリRPG

ファンタジーだとわかって読み始めましたが設定がとてもふんわりしていた気がしました。 
鷹匡とフィルの目で見える関係性は一緒に旅をしている仲間なのですが、実際のところそれぞれ相手への感情は違うものがあり、表面上では分からない部分が多くて混乱したまま読み進めた感じでした。

途中から一気にフィルの気持ちが見えてきて混乱していたところを回収できましたが理解するのに必死になってしまったし、自分がRPGの装備とか用語(?)とかがよくわからなかった部分もあって、その世界観をあまり楽しむことができず…。

かなりガッツリRPGな展開だったのでどういう目線で読めばいいのかわからなくなってしまって、なかなか萌えに繋げられませんでした。

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