天使の溺愛ベビーシッター

tenshi no dekiai baby sitter

天使の溺愛ベビーシッター
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×219
  • 萌18
  • 中立6
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
13
得点
141
評価数
47
平均
3.2 / 5
神率
2.1%
著者
小中大豆 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
サマミヤアカザ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
電子発売日
価格
¥630(税抜)  
ISBN
9784344846890

あらすじ

ネットカフェ難民となった咲人がそこすら追い出されて行き倒れていたところを、天使のようなくるくる巻き毛の双子と端正な顔立ちの男性に助けられる。その男性ーー久宮響はたいそうなお金持ちで、その上咲人を家に置きご飯まで食べさせてくれて、天使もいるしここは天国かと咲人は喜ぶ。その後双子の世話をするという仕事を与えられ、自分に勤まるか不安ながらも咲人は頑張る。不器用だけど真面目な咲人といると、久宮は今までになく安らいだ気持ちになり、徐々にかけがえのない存在だと思うようになりーー。

表題作天使の溺愛ベビーシッター

久宮響,37歳,久宮本家当主
千々和咲人,24歳,住所不定無職で行き倒れていた青年

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数13

安心安全

溺愛モノが読みたい…と思って色々探していてこちらにいきつきました。

不幸が重なって家を失い、お金も底をつき倒れていた咲人。
そんな咲人の元に、天使のように可愛い双子の桜弥と桃弥が近寄ってきて
咲人は二人の保護者の響に保護されます。
そこからベビーシッターとして働くことになるのですがー…。

咲人の救済BLです…!!!!!!
でも、咲人だけじゃなくて、咲人の存在に桜弥と桃弥、響も救われ
みんな幸せ!ハッピーエンド!なお話でした。

幸せだけかと言うとそんなことはなく、悪意を向けてくる人間もいて、
咲人は響たちの前から消えようと思うのですが
そこはさすがはスパダリ響です。


響は最初から咲人にも桜弥と桃弥にも優しかったのですが
読み進めると咲人に対する甘さがだんだんと増してきて
こういうのが読みたかった!ありがとうございます!となりました。
疲れた身体に溺愛攻めは染みます…(*´▽`*)

桜弥と桃弥もすっごく可愛くて
私も一緒にクリームソーダが飲みたくなりました…!

もっともっとみんなの幸せな生活を読みたいなぁと思わせてくれる作品でした。

0

良いちびっことスーパー金持ちパトロン攻め

不憫な咲人が天使の溺愛ベビーシッターになって前向きに生きていくところにぐっときました。

実家の不幸に家族の死。まだ若かった咲人は仕事にも仲間にも恵まれず、死ぬしかないような日々に突然天使が現れて…。

うーん、攻めがゴージャスですね!現実だとどこの財閥系になるのかな?と想像しながら、スケールの大きな名門の当主とお屋敷と環境に、ほぉ〜っとため息が出そうでした。

甘いのが読みたいな♡とあらすじとタイトルで読み始めましたが、咲人がとてもラッキーに転んで、地道に真面目に誠実に一生懸命に尽くすことで、どんどん幸せになって本当に良かったです。

ちびっこも可愛いし使用人さん達も良い人ばかりだし、当主の響も頼もしくて。
親子関係に悩んだり、距離が縮まって嬉し泣きしそうになったり。いい保護者でした。

咲人に対して一使用人として過分に世話を焼いて将来や身のたてかたなど考えて。
施しか投資か。咲人が善意や好意を素直に受け取れるようになり、彫り物を楽しく再開できて良かったです。

園ママやデパートの外商のくだりは辛かったです。そこまで?というくらい関わってきてマジか?幼稚園やデパートの外商怖い…と思いましたが、どこまでリアルなんですかね?

エッチはさらっとです。
毎回読んでて思うのですが、愛してるとか一生とか言いがちですよね。まあ読んでる方も安心できていいのですが…。
エッチに対して初めてなのに勇気ありすぎ?すんなり出来すぎ?
つい気になってしまって。

才能ある優しい善良な受けと、スーパー金持ちパトロン攻めですかね。助けてもらえて出会えて良かったね!

これからが楽しみですね。

1

安心王道ストーリー(•‿•)

小中先生、いろんな引き出しがあるんだなぁ、としみじみ。
こちら、薄幸受け様がスパダリ攻め様と共に幸せになる、という安心王道ストーリー。
王道過ぎて、ちょっと物足りなくもなかったのですが、やはりこんな安心して楽しめるものも読みたくなるのですよ。


受け様は苦労人の咲人。
お金が尽きて行き倒れてたところを攻め様親子に助けてもらう。

攻め様は、今は第一線を退きながらも超資産家の響。
親友の忘れ形見の双子ちゃんを引き取って暮らしている。

環境の変化からか、激しい人見知りの双子ちゃんが初対面で懐いたことで、咲人は響のところで住み込みのベビーシッターとして働くことに。

真面目である意味普通にまっとうな咲人。
こんなに良くしてもらっていいのかな、と恐縮しながら、双子ちゃんと響の為に、一緒に考えて、楽しんでくれる優しくしたくなる好青年。◕‿◕。

それは響も同じなようで、咲人視点ながら、響の咲人へのそれとなーいアピールが見え隠れしていて( ◜‿◝ )♡
ウブで鈍い咲人はまるっきり気付いてないから!
響、もうちょっと頑張らなくっちゃ!

トラブルもありましたが、響が毅然と対応するのもスカッとしました。
また、気持ちが弱っていた咲人が、新たに目標を決めて進もうとする姿も気持ちが良かったです。


イラストはサマミヤアカザ先生。
双子ちゃんたちがベリーキュート

1

可愛いのですが、

ネットカフェで生活していた咲人だが、所持金が底をつき体調も崩して働けず、家なし生活で露頭に迷って倒れていたところを、天使の様な双子と響に助けられます。
とても広いお屋敷で、療養させてもらった上、双子のベビーシッターという仕事まで与えてもらえるラッキーストーリー。
それまでの咲人の生い立ちが、辛すぎてこの位幸せになってもいい!!と思えます。
双子のちびちゃん達が年齢の割に幼くて、違和感はありますが可愛い!
この2人も両親をいっぺんに亡くして、新しい環境で戸惑っていたのでしょうね。咲人には懐き、甘えられる存在ができたことや、響に対しても素直になっていく姿か微笑ましかったです。

咲人の実家の家業が、倒産しなければならなくなった原因や、双子の幼稚園のママ友など、波乱はありますが、どれもなんとなく先が読めると言うか、王道な流れと言うか。。。
ただ、ただ幸せなシンデレラ・ストーリーを読みたい時には良いと思います。でも、小中先生の作品を期待して読み始めると、物足りなさを感じてしまいます。

1

クリームソーダが飲みたくなった

これでもかと言うくらいの薄幸な青年が行き倒れて、独身美形のお金持ちに拾われて幸せになる。オメガバでも人外物や異世界物でも無い王道ストーリーは久しぶりに読みました。
やっぱり王道は大好きです。

攻めの響は規格外の大金持ちなので、現代のお伽話の様でもありました。
とにかく攻めの響もお屋敷で働いている使用人たちも良い人で、生きるのに疲れた咲人が心身共に元気になって行くんです。

咲人がベビーシッターしている双子ちゃんたちも懐いてて可愛いし、クリームソーダの為に幼稚園の登園を頑張る姿にほっこりさせてもらいました。
そして自宅でも作りたくなってしまうくらい、クリームソーダが飲みたくなりました。
響は咲人が一旦は辞めてしまった香登彫のためにお屋敷の1室を提供したり、しまいには咲人のマネージャーのようなことまでしていてどれだけスパダリなのだと…。

ただ早々に響はゲイだと明かしていたのに、なかなか2人の仲は進展しません。
咲人目線なので咲人が響を好きなのは分かっていたし、明らかに響も咲人に気があるのが分かるだけにとーっても焦ったかったです。

そのうち百貨店の身の程知らずな外商や幼稚園の意地悪なボスママが引っ掻き回して来て、攻撃を受けた咲人が弱って来て自分さえ身を引けばと考えてしまいます。

ベビーシッターどころかお屋敷も出ると言った咲人に響は後ろから抱きしめて、辞めると言った事では無くて悩んでいるのに一言も相談してくれない事に怒ってると言うんです。

くーっ言うと思っていたけど痺れたわ…。
お互いに告白して初エッチして、残りページ少ないけど悪役たちはどうやって懲らしめるのと気が気じゃなかったです。

結局はいけすかない外商も幼稚園のボスママと取り巻きたちは、常識の範囲内で罰せられてました。

幸せそうな響、咲人、双子ちゃんたちが家族として過ごすクリスマスイブで終わってました。

それでめでたしめでたしなんですが、響の持てるだけの力を使って悪者たちをもっと懲らしめて欲しかったです。あれだけ失礼な事をされたのだからちょっと物足りなかったかも。

5

堪える事は美徳ではなく、甘える事は弱さではない

今回は旧財閥系名家の当主と不遇で不幸続きの青年のお話です。

行き倒れていた受様が攻様の子供達のシッターとなり、恋人となるまで。

受様の家は伝統的な家業を営む工房で、受様も高校を出たら父の元で働く
予定でしたが、受様が高校を卒業する直前に父が亡くなくなったことから
家業を畳み、受様は地元の会社に就職します。

しかしその会社が倒産、仕事が見つけに都会に出た受様の新たな就職先は
超ブラックな会社で、母が亡くなった時も休暇をもらえず、振り切って
葬儀を終えて戻った受様はクビの言い渡しされます。

次の会社は違法すれすれのグレーな金融商品間勧誘営業でノルマを果た
せないと恫喝や罵倒を受け、体調を崩して会社に行けなくなります。
何度も転職する受様にハローワークの職員も厳しく、心療内科では鬱に
近い状態ながら鬱病ではないとの診断を受けます。

薬を処方されても良くならず、パートも体調や雇用主の希望にそえずに
更に仕事を転々とした結果、家賃が払えなくなって半年前にはネカフェ
で寝泊まりするようになりますが、体調不良が続いて稼げず、3日前には
ネカフェに泊まるお金も底をつきます。

ネカフェを出た朝に雨に当たった受様は、朦朧とする頭を抱えて辿り着い
た公園のペンチで横になったらそれきり動けなくなります。きっとここで
死ぬのだ、でも家族に会えるならそれもいいと思った受様でしたが、巻き
毛の可愛い天使が2人、心配そうにのぞき込んできます。

ねんねしてるの? ねんねしてた?

受様が「起きていたけどコンコンしている」と言うと「キツネさんなの?」
と返されて思わず笑ってしまう受様でしたが、咳がぶり返して苦しく早く
そっちに行きたいと手を伸ばすと、

今度は「何をしている」という若い男の鋭い叱責が響きます。この声は
神様だろうかと思った受様でしたが、頭の痛みに耐えきれず、意識も
途絶えてしまいます。この男性こそ今回の攻様で、受様を自宅に連れ帰り
養生されてくれる事になるのです。

受様が目覚めたのはどこか見知らぬ部屋の布団の中でした。点滴を受けて
朦朧とする中で名前を聞かれたり「肺炎」「栄養失調」との単語を耳にし
ますが、会話の内容までは覚えていられず・・・

受様がすっきりと気持ちよく目覚めたのは突然でした。今までになく
はっきりとした目覚めで今の状況をアレコレ考えていると、世話をして
くれていたらしい看護師に受様が攻様宅にいる経緯を教えられ、翌日には
攻様と対面する事となります。

攻様は30代半ばの男性で身体つきの逞しい美丈夫です。攻様は旧財閥系の
名家の当主ですが、若くしてアーリーリタイヤした資産家でもありました。
受様の荷物から事情はほぼ把握している様で、まだ安静が必要な受様を
優しく諭して自宅に留め置きます。

それでも世話になってからほぼ1週間が過ぎ、体調がよくなった受様は
いつ待て瀬も厄介になる事を申し訳なく思い始めたところで、攻様から
ある提案を受ける事になります。

それは攻様の子供達のシッターでした。子供達は1年前に亡くなった攻様
の親友夫婦の忘れ形見で、独身ながら結婚する気のない攻様が引き取り、
育てているのですが、人見知りが激しくプロのナニーにも懐かないどころ
か殻にこもるようになったと言うのです。

公園で受様を見つけた子供達が自分から近づいた事と、その後もしきりに
心配していた事から受様なら子供達も懐くかとの下心もあったと言われた
受様はお試しでベビーシッターを引受ける事になります。

果たして受様の初ベビーシッターの成果は如何に!?

不幸続きの受様が天使のような双子ちゃんに懐かれて、攻様の加護の元で
幸せを掴むまでのシンデレラストーリー的恋物語です♪

受様は稼業が傾き始めてから不幸続きですが、攻様は富める者特有の寛容
さと寛大さで受様を受けとめ、子供達も受様に懐きます。受様は双子達に
以前のように懐かなれなくなった攻様との関係にもここを砕き、少しづつ
彼らの大切な人になっていくのです。

その過程で資産家の攻様に近づきたい幼稚園のボスママやデパートの外商
が言葉巧みに近づいてきて、受様の工房が廃業に押いやられた過去に爪を
たてられたりと受様にかなり痛い展開もあってハラハラしますが、

攻様はアーリーリタイヤしても様々な大企業を背負っていた人だし、溺愛
系スパダリさんなので、受様がグルグルして身を引こうとしても離さない
ので、ハピエンまで安心して楽しませて頂きました (^_-)v

王道なシンデレラストーリーなので、受様が攻様と出会った時点である程
度の山谷の予想はつきますが、起こる事件が過去も現在もリアル感が高く
ほのぼのシーンの萌えがちょっとかすんじゃた感が否めず、今回は「萌」
評価とします。

リアル感が無いのも嘘っぽいですが、お子ちゃま達にはほのぼのパートを
重点担当でお願いしたいです。

3

庶民教育係

小中大豆先生おっかけで購入。さらっと読んでしまったので中立です。ノブレス・オブリージュは好きなんだけど、その色合いは少し薄い気がしてちょっと残念でした。ひ○りブックさんで購入、「イラストあり、本編+電子限定おまけつき」でした。

半年ほどネットカフェで寝泊まりしていた咲人でしたが、とうとう所持金が底をつき、公園のベンチで意識もうろうとしていたら、天使のような双子が覗き込んできて・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
桃弥、桜弥(攻めの養子、双子の天使)、信子さん(攻め邸宅でお食事を用意してくださる方)、攻め宅使用人複数、藤堂(百貨店外商)、保育園ママ少々。
ママ友のつきあいは難しい。超苦手。

++攻め受けについて

攻めさんは華族の血をひき、旧財閥系グループ会社を束ねる立場の人間でしたが、知人の子を引き取りアーリーリタイアされた大金持ちさん。おっとりしなやか優雅で、庶民の暮らしぶりは全くご存じない方かと思われます。なのであるエピソードで出てくるクリームソーダに双子ともども目キラキラで楽しんじゃう。腹黒策士という雰囲気は薄く、本当に紳士という印象。「余裕だろ」と考えていたらしい双子の保護者になるというミッションには四苦八苦中。そして、押しが弱いから、信子さんにも「もうちょっと頑張らないといけませんね」なんて呟かれる始末。

受けさんは薄幸さん。ホームレスになるのは勘弁してほしい。そこを双子に何故か懐かれ、住み込みシッターさんになり、攻めさん双子ちゃん含めてファミリーというようになっていくあたりは幸せ感があって、本当に良かったわと思います。
すったもんだあってハピエン!というお話で、お子様はいらっしゃいますがコメディ色はなく、せつない&ほのぼの、という感じでしょうか。

すったもんだ部分で攻め受けの邪魔をするかのような方々にムカっとするのですが、それを帳消しにしてくれるような恋話部分がアピール弱かった印象です。双子は可愛いし、クリームソーダにつられて幼稚園に頑張って行くようになるし、受けの元々やっていた香登彫のエピソードも良かったんだけど、キュン萌えが足りなーい。

天使お子様や超紳士攻めがお好きな方でしたら良いのかも。

7

チビちゃん・溺愛要素<<悪役達、ムカつく!!!

行き倒れていた受けを、桁外れのお金持ちが拾って……という救済物語。
プラス、天使みたいなちびっこ達&御曹司から溺愛されちゃうという王道なので、途中まで楽しく読んでいましたが、周囲の悪役キャラ達が酷すぎて腹の底から怒りがフツフツとしてしまい、萌えがすっ飛んでしまいました。


まずは枕営業を顧客に持ちかける外商担当(男)。
信用商売ですよね?
そもそも枕営業で何を売るんでしょう?
自分を愛人にしてくれってやつ?
外商って「ぜひうちで買ってください」であって、「私を買ってください」とか意味不明すぎる。

そして、セレブ幼稚園のボスママの存在&やらかしたこと。

これが本当に本当に本当に腹が立ってしまいまして……。
大人VS大人ならまだいいんですよ。
罪もない双子のチビちゃん達にまで向けられる悪意に、コイツら許すまじ……と。

もちろん彼らには制裁が加えられるんですね。
だけどそれは物語の終盤のほうなので、心の消耗度が完全に修復できないまま物語も終わってしまった……。

チビちゃん・攻め溺愛要素<<周囲の悪役、ムカつく!!!のほうが勝ってしまいました。

9

大好き要素が詰まってたのに

大好きな小中さんの新刊、おまけに大好きな育児モノ!?…ということで、読むのを楽しみにしていました。

…が、最近苦手なタイプの受けが続いて、気付いちゃいました。受けが好きになれないと(どれだけ攻めが素敵でも)、お話が一気に面白くなくなると。
すみません。全くの私事ですが。
このお話の受けも(いや、小中さんの作品では珍しいんですが)そうでした。すぐに相談しなかったくせに、唐突に別れを決めて泣きだす。やってないことはやってないと、ハッキリ言えない…。

おまけに、受けだけではなくて、自分の思い通りにならないからって子供も巻き込んでの陰湿なイジメをやってたママ軍団も、本当にイヤでした。その発端にもなった『枕営業』の外商さんにも、交渉のやり方が下品過ぎて「はぁ!?」ってなって。

いくらスパダリさんが自分の好きな溺愛をしてくれても、周囲の数々に冷めてしまって楽しめませんでした。お子ちゃま達は、めちゃくちゃ可愛かったんですけどね。

11

『悪者』を作っている様な気がして

最近『日常BL』って少なくなったと思いませんか?
ミステリもファンタジーも良いんですよ。
でも、時には日常ものを読みたくなるのです。
おまけに小中さんの本ですもの。
大いに期待して読み進めたんですが読後の感想は「……うーん」。
どうも私の『日常』とこのお話の『日常』にはちょっとしたズレがありまして、これが気になって萌えが発動しませんでした。

咲人が行き倒れるまでの『地元の会社が倒産→東京のブラック企業に就職→心も体もボロボロになり離職→鬱っぽくなっちゃって所持金がなくなるまでネカフェ生活』っていう流れは身につまされるほどリアルでした。この辺を読んでいる時は、もうお話に没入しちゃってたんですけれど。

「あれ?」って思い始めたのは、咲人の実家のエピソードからなんです。
そこは地域に残る伝統工芸の工房で最後の一軒だったのですけれど、百貨店の経営戦略の失敗に巻き込まれた様な形で父が死亡、工房は廃業となってしまいます。
これがね、ちょっと信じられないんです。
地方都市に残っている伝統工芸の工房って、むしろこんな簡単につぶすことが出来ないんじゃなかろうか。行政と商工会が許さないと思うんですよ。
ここで「?」が生まれてしまいました。

次はですね、スパダリ久宮なんですけれども。
いや、良いキャラなんです。
この温厚さとか短絡的でないものの見方とかとかは「お金持ち~ぃ」と思います。
ただですね『グループ企業が経営する鉄道会社やホテルグループの名前は、日本人なら誰でも知っている』となると、あの会社ですよね?ってことは、あの人?……かなり過去の方ですがお顔まで思い出してしまう人がおりまして。
これ、生々しかったです。またしても萌えからちょっとばかり遠のいてしまって。

次は百貨店の外商さんのキャラ設定なんですが。
いや、これはない。『枕営業』を匂わすような話まで出していますが、この手の下品な人は外商からすぐに外されると思うんです。信用商売だから。ハイソサエティって人口自体が少ないので、百貨店は下品と不信感をかき立てる営業は極力排除すると思うんですよね。
咲人の実家のエピソードもなんですけれども、小中さん、百貨店に恨みでもあるんでしょうか?とまで思っちゃいました。

最後は咲人が幼稚園で受ける『ママ友いじめ』なんですけれども。
これ、お金持ちの幼稚園でもあるんですかね?
ない様な気がするんですよ。
ってか、いじめがある幼稚園に良いおうちの子は通わないと思いますもん。

咲人の実家・百貨店の外商・ママ友いじめのエピソードは、何となく『悪者を作り出している』っていう感じもしちゃいまして。それが気になったまま読み終わってしまいました。

久宮と咲人のキャラや関係性、桜弥&桃弥の双子の言動の可愛らしさとかはすごく好きなんですけれどねぇ。
特に『クリームソーダチャレンジ』のエピソードは滅茶滅茶可愛らしい!
このエピソードを読めたので購入したことは後悔していないんですけれども。

9

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