僕は赤の他人にお金を払って“パパ"になってもらっている…。

僕のパパになってください

boku no papa ni nattekudasai

僕のパパになってください
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神24
  • 萌×216
  • 萌9
  • 中立8
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
17
得点
219
評価数
59
平均
3.9 / 5
神率
40.7%
著者
緒川千世 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
芳文社
レーベル
芳文社コミックス
発売日
価格
¥690(税抜)  
ISBN
9784832237377

あらすじ

仕事に追われるSEの奈良春樹(30)は、不器用で自分にも他人にも厳しいが、
“パパ"と慕う赤の他人、灰田克美(52)にだけは素の自分をさらけ出すことができた。
二人は疑似父子(おやこ)として、動物園や花火大会…etcと
春樹が子供時代にやりたかったことを体験していく…。

表題作僕のパパになってください

レビュー投稿数17

動物園のエピソードが可愛かった

SEの春樹は業務繁忙に加えて周囲の人間関係も上手く行っておらず、閉塞感に満ちた生活を送っているが、唯一、偶然出会った52歳の灰田と交流を持ち、自分の父親の振りでオフの時間に会うなどしている、というお話。


ゲイバレして以降、家族との折り合いが悪くなり、子供の頃から仕事一辺倒の父親と仲良くできなかったことも相俟って、灰田と食事したり遊んだりすることで、父との交流をやり直している。一方、灰田も離婚したことで娘と長いこと会えていないことから、春樹との交流で父親らしさを取り戻している。
最初のうちは、春樹がお金を渡している場面があるのですが、途中から無くなります。
二人で多くの時間を過ごすうちに、二人の距離がどんどん狭まっていて、最後には父と息子というだけにおさまならない要素が見え隠れします。
私は個人的には、父と息子のままで、無理に恋愛要素を持ち出さなくてもよいように思いました。
もっとも本当に少しの要素なので、取り沙汰するほどのこともないかも知れないですが。
本当の親子関係よりも親子、みたいな感じで良かったのではと思いました。


雨の日、童心にかえった春樹が灰田と動物園に行くエピソードがあるのですが、これはとても良かったです。
春樹が前の晩わくわくして眠れなかったり、動物に気を取られて灰田がトイレに行ったことに気付かず、居ない!とショックを受ける場面など、子供みたいに素直で可愛かったです。

0

パパ!

色々予想外な展開でした。
緒川千世さんの非BLかあ、どんなお話かなあ…と思って読んでみたら…。

あ〜やっぱり緒川千世さん、さすがと言いますか。追い詰められ感、幸せ感、満たされ感、切ない感、やばい感、諦め感などなど。

ただただパパが出来て、幸せ〜!じゃないんですね。子供の頃にパパと出来なかった事を叶えるわけなんですが、実はちゃんと親も子供のことを大切にはしてたようで。
灰田がちゃんと叱ってくれたり、親目線で語ってくれたり。

灰田も理想的なパパをしてくれるんですが、最後の一言。こ、これは…?もしかして気づいてる?そしてどっちの意味?
それでも大切な息子だ、なのか。
あくまでも息子だ、なのか。

この関係を続けるつもりなら息子として付き合うのがルールになった瞬間なのかな?
ただの深読みかな?

感情を揺さぶられるお話でした。
エグいのやエロエロよりも刺さりました。

0

夢をかなえて

非BLなので今までノーチェックだった作品。
大人になってから、子供の頃にかなえられなかった夢をかなえる話。
この二人が、簡単に肉体関係のある恋人になるお話だったなら、普通のBLあるあるですが、春樹が恋にはしないって思いとどまるので、とても切ない夢のお話になっています。
非BLですが、優しい気持ちになれるお話でした。

0

確かにこれは非BL。でも?

確かにこれは非BL。
偶然に出会い、家族と離れて一人で暮らすおじさんと、エディプスコンプレックスを抱える青年は、疑似の親子関係を結ぶ。
まあ、現実にはこういうことはあり得ないとは思いますが、ファンタジーとして読むことができます。

動物園に行ったりと、本当に親子のようにすごす二人ですが、”息子”の奈良はゲイ。ラストでは、パパとしてではなく、灰田を好きになってしまうのでした。
一方灰田は、そういう気持ちはないのかもしれませんが、作者さん曰く想像にお任せします、と。

灰田はいつも奈良の前では優しいパパの顔ですが、奈良が眠っている間、ベランダでオス顔でたばこをふかすシーンにちょっとどきどきしました。

1

どうなんだろう

緒川先生の作品はいつも読み始めは苦手なもので、読んでるうちに深いなぁとわかってくるものが多いですよね。なので、こちらも最初は春樹の子供っぽさにイラっとして好きになれなかったです。(パパの方もちょっと怪しい感じがしていたのです。)

でも、最後まで読んで、春樹もパパもお互いに本当の親子関係では何かしらのしこりがあって、その反省を踏まえて、擬似親子では上手くやりたいと理想の息子、パパになりきっていて、微笑ましいような虚しいような……でも、なんかいじらしくて、私まで親目線で応援したくなってしまいました。
BLなのか?と問われたら、エロはないけどそこはかとなく…って感じです。でも、これは所謂ファザコンみたいなものにも見えるので、私としては素直に親子の愛情のお話ととりたいです。


1

余韻の残る作品

緒川先生がこの作品をBLかそうで無いかの判断は読み手に任せると後書きに書かれていました。

私はこちらの作品はれっきとした良質なBL作品だと思いました。エロもキスも無くなってBLは成り立つと思います。

2人が気持ちを確信する前の前日譚だと思います。まあ春樹はパパに恋してしまいましたが。

灰田の春樹を想う気持ちだって本当のところは分からなくて、ただ強い気持ちがあるのは確かだと思うのです。

最後の想像を掻き立てる終わり方が何とも言えず秀逸でした。

その後の2人の関係も読んでみたいです。

0

春樹に幸せになって欲しい

pixivから読んでて楽しみにしていた作品
BLを感じ取れないこともないこの作品ですが、私はただ単純に物語としてかなり素敵な作品だと思いました。

あらすじは省いて、好きなシーンについて少し。

仕事では常に気を張って情がないような春樹が、パパの前ではにこにこ、特に動物園のシーンなんて可愛い。そして、雨の中濡れながらも春樹を持ち上げるパパの雨に濡れた笑顔にきゅん。本当の親子ならただ微笑ましいシーンなのですが、擬似というだけでどの幸せなシーンも少し切なさを感じでぎゅっとなってしまいます。

親子だからこそ分かち合えるものもあれば、擬似の親子だからこそ分かち合えるものもある。本当のお父さんに言えないけど、灰田さんには言えることもある。どっちが、ではなく、どちらも素敵な親子関係だなぁと思いました。私も、親に言えないこと、親だからこそ言えないことたくさんあります。本当の自分を否定せずそばに居てくれる人って貴重な存在だなぁと思いました。

灰田さんのおかげで、仕事の春樹も少し柔らかくなって良かったね、と思う反面、春樹はパパに恋をしてしまったんですよね。なんだかんだ言って、本当の家族との問題は解決してはいません。
灰田さんに恋愛感情を持った春樹はまた、本当のお父さんと同じように後ろめたさを持ちながら今度は灰田さんにも隠し事をして生きていくのでしょうか…なんか少し悲しい。
何でもかんでもBL展開を求めるわけではありませんが、春樹に幸せを…と祈らずにはいられない切なさが残るラストです。

続きを読みたい…と思いつつ、この親子愛とも同性愛とも取れるラストが一番ちょうどいいいいのかなとも思います。
緒川千世先生は別名義のも読んでますが、本当にいろいろ書けてすごい…
カバー裏のラフもとても素敵で、私は大好きな作品でした。(ちょっと泣けた)

2

前評判をチェックせずに購入。

緒川千世先生の新刊〜!
ならば買わないという選択肢はないでしょ!!とアニメイトで予約購入。
もちろん表紙と試し読みで『年の差CPね!』とウキウキ♡

読んでみると私の思っていたものとは違っていたので、何とも評価しづらいなと感じました。

どんなどんでん返しが?!と勝手に期待して食い気味に読み進め、そしてホンカワした雰囲気でそのまま終わってしまったことに拍子抜けしてしまった印象。この作品を大好きな方がいらっしゃると思うので、気分を害したら申し訳ないのですが、これは単に私の心が汚れてしまっておるせいかと思われますm(_ _)m

緒川千世先生×年の差CP×なんだかエロくない?この題名=ムフフフ♡
などと邪な発想が生んだ感想です。

あとがきを読ませていただくと「ネットで発表した6Pの漫画を一冊分の漫画に描き直したもの」とのこと。同性愛に囚われずに多様な愛を表現したかったという、緒川千世先生の想いが一冊の本になるということに意味があったのかもしれません。

0

思わず自分の家族を振り返りたくなる

 作品の元となったツイッターでの短い漫画を読んだことは覚えていましたが、息抜き程度に描かれたものだと思っていたので、こんな風に1冊の漫画として世に出してくれたのは嬉しい誤算でした。お金を払って赤の他人にパパになってもらう主人公・春樹。離婚や死別で実父がいないわけでもなく、虐待や育児放棄されていたわけでもなく、実父には甘過ぎず厳し過ぎずな接し方でごくごく真っ当に育てられたのだけど。それだけ理想的で幸せな家庭だったからこそ、妹のように自分も甘えたいことを主張できなかったり、一度受け入れられなかっただけで逃げるように家を出てしまったり。逆に彼は父親へのいろいろな感情を溜め込んできてしまっていて。

 そして、灰田と出会い、2人は実の家族との関係を後悔している者同士、擬似親子として何でも言い合える関係、甘えたい時に存分に甘えられる関係を築いていきます。その中で春樹は気付くんです。本当の家族だって、皆多少の無理をして自分を納得させる時もあるのだと。無償の愛を注ぐ相手であろうと、突然打ち明けられたことをすぐにすべて受け入れてあげるのは誰にだって難しい。

 ただし家族ならそんな時、一旦距離が開いても、いつでも歩み寄れる物理的な距離の短さがあり、あるいは歩み寄るための正当な理由になる精神的な距離の短さがある。それが家族、親子の特権なんじゃないでしょうか。そうして今までより灰田とより一層深い繋がりになったと思った途端、春樹に芽生えてしまった親子愛とは別の感情。この終わり方がとても綺麗で、切なくて。彼の人生を見守りたい、やはり続きが読みたい、そう思ってしまうのは仕方ないですね。

0

家族とは、愛とは

BLだと思って購入したのですが非BLでした。

「僕は赤の他人にお金を払ってパパになってもらっている」と書いてあるが実際にお金を払っているシーンは一度のみ。それにパパ役の春樹はお金を求めてるわけじゃないし、この文言はあまり話に関係ない気がする。
親子関係を演じているのだが、30歳の息子と父の親子関係という感じではなかった。パパと二人で遊びに行くと息子(奈良)の言動や行動が小学生っぽくてなんだかムズムズした。子どもっぽすぎるかな、、と。
しかし、幼い頃の記憶に囚われている奈良の望む親子関係は優しくてなんでも受け入れ分かってくれる父と幼い子どもの関係だろうから仕方ない表現なのかな。
仕事では真面目でデキる男なのにプライベートでパパに会うと幼くなるギャップはそれなりに可愛かった。

双方が実際には上手くいかない家族関係だったが心の底では幸せな家族関係を望んでいるという部分は心があたたまった。

ただ後半、親子でいたい春樹とパパからひとりの男性として見るようになってしまった奈良の今後は気になる。続編が出るなら絶対にBLになっちゃうじゃないか。非BLだからこそ親子愛を考えることが出来るのではないかなぁと個人的に思ってます。でも続きが気になるよね。


正直に書くと、援交みたいな関係のBLだと思っていたのでこんなにあたたかくて平和な話だとは思わなかった。しかし緒川先生の作画、ストーリー構成だったのでそれなりに楽しめました。

2

この作品が収納されている本棚

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