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tabi no michizure wa namonaki ryu
キャラ文庫さんのフェアで購入したこちら、350P超えと大ボリュームのお話。
そのボリュームにも納得!!の重厚壮大なファンタジーに、心震えました。
黒い霧に滅ぼされた王国の唯一の生き残りであるシルヴィエル(エル・受け)。
逃亡の末に師である神官と最後の王子を失い、敵討ちを誓って7年。
竜の村で勇者により570年前に剣で串刺しにされた竜(攻め)の伝説の剣を抜き、復讐を果たすために立ち去ろうとするのですが…解放されたはずの竜が「お前に興味がある」「協力する」と言って追いかけ付いてきて、一緒に旅をすることに。
旅を続け言葉を交わすうち、初めは信頼関係などなかった二人の距離が徐々に縮まってゆくのですが、そんな折エルの体に変化が起きてー
と続くお話です。
もう、この色々話しかけてくる竜の陽気なキャラがなんだか可愛くて仕方なかった!
初めは無愛想・ぶっきらぼうに対応しているエルが、少しずつ少しずつ変化していき、見事なツンデレくんっぷりを見せてくれるのにもたまらなく萌えました。(⸝⸝⸝°◽︎°⸝⸝⸝)
このお話の特に面白いところは、(色々あるんですが)特にこのエルの”復讐”がなんとか果たされた後にも一波乱起き、エルの奮闘が続くという部分かなと。
それまではエルに思いっきり感情移入し、黒い霧の正体は…?戦いはどうなる…?と思っていたところに訪れる突然の危機と、竜が隠し持っていた覚悟が明らかにされて…
人を決して傷つけない竜が誤解され、ひどい目に遭わされてもなお人を守ろうとし、自分のせいで村が滅びたと悲しみ慟哭する姿が痛くて切なくて、苦しかった( ; ; )
竜×エル。竜との出会いによって力を得、目的を果たすことができたエルが救われたのだと思っていたけれど、、
実は竜の方こそ、剣を抜かれたことで救われ、守りたい相手ができたことでも救われ、さらに自分が長らく誤解していたことからも解放され喜びを得て救われていたんだなあと。互いになくてはならない関係へと変わっていった二人の抱える葛藤や悲しみ、そして闘いの末に得ることができた安息に、胸いっぱいになりました。
570年間の孤独を経て、やっと掴んだエルとのこれから。
ふたりで仲良く花を喰みながら、長い長い年月を共に過ごして行って欲しいなあと、なんともジーンとした気持ちで本を閉じました。
月東湊先生の作品、たぶん初読みだったと思うのですが他の作品もぜひぜひ手に取ってみたくなった…!
フェアを開催していただけると、知らなかった先生の作品に色々触れるチャンスが増えて嬉しいですね☺︎このフェアがなかったらずっと知らないままだった可能性があるので、、新たな先生・作品との出会いに感謝です・:*+.
とても素敵なお話でした。
読み終わって、余韻に浸っています。
先生、ありがとう。
500年以上、生きたまま伝説の剣に捕らえられてしまっていた竜✕その伝説の剣を抜いた、祖国滅亡の敵への復讐を誓った青年、の物語です。
決して「壮大な」というストーリーではありません。
でも、大きな山場の間に絶妙な配分で中小の山場が挟まれているんです。
だから、ホッとしてると切なくさせられ、ほのぼのしてると心臓バクバクさせられ、と。
本当にいい意味で気が抜けませんでした。
そして、終盤のそれぞれの救済シーンは、涙無くしては読めません。
頭の中に情景が浮かんできて、その情景が自分で言うのも、なのですが、あまりにもキレイで感動しました。
だって、色が見えるんですよ、文章を読んでいて。
もうコレ、映画化しようよ〜、と思ってしまいました。
この作品を読んだ方は、賛同してくれるんじゃないかな。
深い悔恨と懺悔の過去に囚われた二人の、成長を見守らせていただいた満足感でいっぱいです。
ファンタジーBLに食傷気味だった最近の私の頭、ガツンと一発くらいました。
悲しい過去をもつ一人と一匹の冒険のお話。
旅のなかで少しずつお互い心を開いていく感じがとてもいいです。
「復讐」というワードから想像していたよりはそれほど重暗いシリアスなお話ではなく、ちょいちょいシリアスをエピソードはありながらも、基本的にほのぼの甘い雰囲気だったように思います。
復讐相手となる敵の謎が謎なまま終わったのがちょっと気になりましたが…2人が可愛くてすごく幸せな気分になれたので、買って良かったなと思います。
謎の黒い霧に国ごと滅ぼされた国の唯一の生き残り。
『救いの子』として神殿で大切に育てられながら何もできずに一人生き残ったことで、仇を討つことだけが生きがいで旅をしていた青年シルヴィエルが主役の物語です。
人を喰い殺す乱暴な竜の一族が全て滅ぼされ最後の一匹は勇者が刺した『英雄の剣』によって大地に刺し抜かれたまま500年以上生き続けていました。
シルヴィエルが勇者の剣を台地より引き抜き自由を得た竜はなぜかシルヴィエルになつき共に旅をするという。
一緒に復讐を果たすと言い出す竜の真意はわからないまま人懐こい竜との旅の中で大切な人を全て失い凍りついた心が溶かされいつしか仇を討った後も共にいたいと思うようになっていくのでした。
シルヴィエルが妖剣に力を奪われたり黒い霧に襲われた時に『竜の雫』を摂取することで治癒できるという竜の言葉を信じ、口付けやハグや交尾のような行為をして回復するたびに「これは治療」と唱えながらも後ろめたい気持ちになるところが可愛かったです。
この物語の神様は平等でも博愛でも無く無知と思い込みで一方的に罰を与え苦しめる存在のように思います。
濡れ衣で虐殺されていった竜の一族が哀れで仕方ありません。
本当に弱者を助ける神がいるなら虐殺された竜を助ける人間たちこそ罰するべきなのではないのかと思えて。
それでも竜を友として彼らに罪がないことを信じて寄り添ってきた人間がいて言い伝えることを忘れない一族の存在はせめてもの慰めでした。
失われた国の廃墟で竜とシルヴィエルがいつまでも仲良く平和に暮らせることを祈ります。
そしていつの日にかその亡国の地に再び人が住み良き国が栄えてくれたらいいのにと思います。
578年間「英雄の剣」で刺されて動けなかった竜と、その剣を抜いたシルヴィエルが出会ったことで始まる物語。
最初は竜を信じられず、常に疑いを抱いていたシルヴィエルでしたが、だんだん交流が深まるにつれ、竜に信頼や愛情を寄せるようになります。
その過程がとても好き。
お互いに同じような背景を抱え生きていた彼らは、お互いの「弱み」や「他人には見せない部分」をさらけ出し合って打ち解けていきます。
はじめは剣によって吸い取られた力を補給するための行為である抱擁でさえも嫌がっていたシルヴィエルですが、いつの間にかそれを超えたキスや行為まで受け入れるようになります。
二人の打ち解けてゆく様を見ていると、とても温かい気持ちになります。
ここが私のホームタウン・・・
わたしはこんな温かいBLが読みたかったんだと思います。
これからの二人の旅にたくさんの幸せが訪れますように。
テクノサマタ先生の素敵なイラストとともに月東湊先生の温かい作品を読むことができて本当に幸せでした。
作者さんの最新作を読んではまり、こちらも読んでみました。
すごかった、とっても読み応えがあり、長い物語を読んだような不思議な充実感があり。
シルヴィエルが悲壮で破滅的で泣くことも笑うことも心を開くこともできずに、敵をうつことだけを考えて生きてきたのが…。
毎晩悪夢にうなされ闇を怖がり。
竜に刺さった大剣を抜いたことで、竜についてこられて。
誰も信じないシルヴィエルが竜と旅をするうちに、過保護な竜によってどんどん本来の自分らしくなって。
精霊や妖精や竜などが登場するファンタジーで、旅の相棒は竜なのですが、人間にもなれて愛嬌がありニコニコして頼りになって。
いつの間にか竜に後ろから抱かれてスヤスヤ眠れるようになり。
二人がどんどん仲良くなっていくのや、シルヴィエルがどんどん竜に心を開いていくのが、そしてドキドキするようになるのがとっても良かったです。
そして竜の力を借りて復讐を遂げて。
竜はなぜか先の話をしても答えてくれなかったのは…。
そんな覚悟で助けてくれたの!
シルヴィエルをもう仲間より大切になったのに。
今度はシルヴィエルが竜を助ける番です。
竜の何百年もの悔恨が晴れて。奇跡が起きて。
ああ、良かった。これでお終いかな?と思ったら!
夏は北へ冬は南へ、東も西も二人で旅をしよう!ここを拠点に新しい君の故郷だよって。
晴れて恋人同士になったら竜はシルヴィエルに甘えて子供みたいで。
それに竜の体液は竜の雫と呼ばれる万能薬で。
これはいいですね!
シルヴィエルもどんどん竜の仲間に近づいて。
二人が失った人たちと二人が罪だと思っていた事が、それぞれの形で再会できて、罪ではなく感謝されてて。
竜の人間味あふれるところ、意外とエッチに積極的なところ、二人が種族を超えて愛し合うところ、みんなとっても良かったです。
竜は約束を守る、幸せを大事にする。
その通りですね。
こちらもChara BIRTHDAY FAIRの為に購入しました。この前出たばかりの「呪われた黒獅子王の小さな花嫁」もとても良かったので、こちらも期待していましたが想像以上でした。
元々とても気になっていた作品だったので、どうして読んでいなかったのかと後悔しました。
孤独な者同士だった竜とシルヴィエルが、お互いに救われて行く様子が見事としか言えませんでした。
とくに祖国で「黒影」との死闘の後に、ずっとシルヴィエルの側にいた妖精の正体が明らかになるんですが涙と鼻水が止まりませんでした。
そこからのまさかの展開に神に対する怒りと、竜の優しさと彼を愛し続けた村人達にも涙涙でした。
実は去年のペーパーセレクションの感想で、シルヴィエルと竜の寿命の違いに危惧してたんです。でも本編を読んで解決しました。
月東先生の見事な世界観に浸れて、こちらの作品を読んでとても良かったと思ってます。
竜を捕らえ串刺しにした剣。
578年ぶりに「英雄の剣」を引き抜いたのは、 華奢なシルヴィエル19才。
7年前に滅びたフロイア国の復興を志すシルヴィエルを、剣から解放された竜が追いかける
剣から解放されても、故郷も仲間もみんな消えている、暇。暇すぎる。
「俺はお前に興味がある。暇潰しに復讐を手伝ってやる」
途中で積読にして、再読開始。
著者さんは、病気療養をしながら、本業と執筆を並行してこなしている方。
ゆっくり仕事をしているせいか、作品の構成が丁寧。
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竜が、人化して同行する。竜は、とてもオシャベリ。
「花喰いの竜」が、仇討ちしか念頭にないシルビエルに語る言。
*幸せを見つけたら 何よりも大切にすること。
*恨みや怒りで、目の前の幸せを見逃すな。小さな幸せを守れ、常に穏やかであれ。
ファンタジー小説を読んだ! その世界観にどっぷり浸れて、とても素敵な時間でした。電子書籍だったから気づかなかったけれど、分厚かったんですね。表紙も素敵です。
孤独な二人が、お互いを大事に思い、癒されてゆくのが本当に良かったです。号泣という感じではなかったけれど、後半は何度もウルウルしました。
素敵な物語を読んだな〜としみじみ思いました。もっとイチャラブも読みたかったです!
月東湊先生好きなので楽しみにしてました。
冒頭で竜に刺さった「英雄の剣」を引き抜くチャレンジをした大男、ボルグのシーンで一笑いしたあと、竜のキャラクターもいい感じだし、どんなお話になるのかとワクワク。
祖国のフロイア国を滅ぼされ、その復讐に燃えるシルヴィエル。シルヴィエルに助けられた竜がお礼がてら暇つぶし解消のためにと後からついてきて、冒険の旅が始まります。
二人とも、それぞれの愛する故郷から理由があって追われた者同士、辛い思いを胸に秘めています。愛すべき人たちが得体の知れない「黒影」に命を奪われたり、花喰いの竜は人を襲わないのに、竜殺しの餌食にされたり…。それも、勇者たちの自己満足のために。
シルヴィエルも竜も、一国と一種族の最後の生き残りとして、黒影に侵食されてしまったフロイア国を取り戻そうと闘います。彼らを助けてくれる存在や、闘いの後に訪れる大きな代償に涙しながら、最後は本当に安堵しました。
テクノサマタさんのイラストがこれでもかってくらいぴったりなんです、特にシルヴィエルが。竜はさすがに578歳の竜らしい?キャラクターが、そのまま人間の姿の時も変わらずで、屈託なくひょうきんなのが好感度高かったです。大好物のお花をたらふく食べて嬉々としているシーンもかわいらしくて。
今作は泣けるし、素敵なお話だったなぁと思いました。長く生きてきた分知恵が備わり、人間への恩と思いやりを示す竜。幼さゆえに無力さを思い知り、強い信念と謙虚さを身につけたシルヴィエル。二人がお互いのために存在したいと思いあっていく過程が、ときにほのぼの、ときにキュンっと描かれていきます。それと、ガラダ族が守ってきた「幸せの竜の教え」が素朴だからこそ深かった。
BL作品のリベロを目指すべく、「一作一萌え」、萌えはもれなく拾います!が信条なんですが、ことアレなシーンについて盛大に萌えたかというと怪しいです。シルヴィエルと竜は思いが清らかで、エロス!っていう感じで読んではいけないような気がして。
あッでもなぜか竜と、竜の恩人で友人ジニエル、この関係性には萌えましたね。彼の姿に似せて人間に変身するなんて、邪な妄想が…。まずはメインカプに萌えろよって話なんですけど、どうも脱線癖があって、変なところで道草を食っちゃいます。