海辺のエトランゼ』アニメ映画化!! あれから5年。待望の第二部スタート!

春風のエトランゼ(4)

harukaze no etranger

春風のエトランゼ(4)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神60
  • 萌×218
  • 萌8
  • 中立8
  • しゅみじゃない13

--

レビュー数
13
得点
404
評価数
107
平均
4 / 5
神率
56.1%
著者
紀伊カンナ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE COMICS
シリーズ
海辺のエトランゼ
発売日
電子発売日
価格
¥680(税抜)  
ISBN
9784396785048

あらすじ

駿の実家・橋本家に実央が居着いて5年。駿は小説家を休業し、実央は車の整備工をしながら元気に暮らす日々。ゆるく街公認のカップルとなった2人だったが、倦怠期ぎみの日々にお互い「おや…?」と疑問を持ち始めていた。そして、そんな恋人たちのかたわらで、今にも噴火しそうな火山がひとつ。駿の義弟・ふみに反抗期が訪れたのである――。【紙&電子共通応援書店ペーパー収録】

表題作春風のエトランゼ(4)

家事手伝い,フリーター
小説家

レビュー投稿数13

鮮やかな生活

待望の第4巻…素晴らしかった…。

他のレビューでも述べられているが、4巻はいわゆる濡れ場がない。読後、キスし…あれ?キスしたっけ?となるレベル。駿と実央ふたりのお熱いシーンを期待されていた方(特に久しぶりの新刊ですし)は、拍子抜けするかもしれないが、私はむしろそこがよかった。

ゲイカップル、婚約破棄、養子、鬱病…などなど複雑な事情を抱えている人たちを描いている以上一筋縄では行かないはずなのに、どうしてこんなにもすんなり読めてしまうんだろう…。自然も生活も人物もそこにあるモノをていねいに切り取って、嘘なく(フィクションということは置いておいて)伝えたいという姿勢が、もうすごい!(としか言えぬ)。
登場人物一人一人がちゃんと感情をもって思考して生きている作品だなといつも思う。

しかも今回は前巻から5年後のお話。
そして主に文のお話でもある。
文が思春期を迎え、なかなかにかわいらしい有様だ。その文を周りが「思春期ねえ」「反抗期ねえ」と微笑ましく若干面白がっているところがまた良い。文は彼なりに己が境遇をある程度は客観的に眺めつつ、抑えられない感情そのままぶつかっていく(よいなぁ)。
養子のかわいそうな子というレッテルが貼られ、その孤独に寄り添う家族…そんなシチュエーションがありそうなのに、この作品にはない。そういうところに好感を抱いている。
例えば、ブリーチかつイライラの文を見て「バランス的にあの位ブチ切れてる方がね安心じゃね」と駿が言い「まあふみはね確かに」と実央が同意する。サラッと読んだけれど、このやりとりはなかなかに鋭いと思う。養子である文の立場をメタ的に表現し、それとは言わない。
愛しているのよ、大事なんだよという雰囲気を醸し出さない。その代わり、文を一個人として尊重し案じている家族の在り方が小気味よい。

文が頑張るシーンが多いけれど、もちろんメインのおふたり相変わらず素敵に描かれている。5年が経って、どう始まるのかと思って開いたら…まさかのデカダン駿…?と思ってたら主夫の実央(イントネーション主婦の友)。上手いこと言えた(?)自慢ではなく、ほんとうにこの勢いが掴みの冒頭。この冒頭だけで色々理解した。圧倒的生活感。濡れ場がなくて当然だなぁと。
決心してふたりで故郷へ帰ってきた頃、実央は駿のために髪を伸ばし始める。しかし5年後、駿本人が長髪を見て「邪魔じゃないの」という。そして歳月の象徴のような実央の長髪を、駿がばっさり切る。
恥ずかしくなるような約束や形に見える愛情表現を持たなくてもいい関係。もだもだ期を緩やかに過ごした後の日常に愛が浸透しきったふたりがいとおしい。
余談だけど、BL漫画って散髪シーンが多い。いつか考察したい。

最後に作画について、コマ割りや吹き出し、擬音擬態語などが大振りになった印象を受けた。伝えたいこと魅せたい事柄がよりダイナミックに放たれている気がする。相変わらず表情が繊細で豊か。

同時発売の画集も買った。
映画公開も楽しみだ(前売り買った)。

10

たしかに…

たしかに今回の話はふみくんと桜子ちゃんが中心で、実央と駿の濃い絡みがなかったため物足りなく感じる人も多いと思う…


が!


個人的には満足してます。
既に何回も読み直してるくらいには。
いや~ふみくん大きくなったね…思春期だぁ~なんて思っていたら最後にとても感動させられた。本当に成長したね。

みんなそれぞれこうだったらよかったのに、なんてないものねだりをしながら折り合いを付けたりしていて人生ってうまくいかないよね…って今の自分の心境に重なるところがあって刺さりました。。


この作品は主軸はBLでありながらも百合カプやNLカプも存在しており、恋人同士や家族、友だち、親戚など諸々の人たちの愛などを感じさせる。

絵や表現がかわいく、癒されるテイストだからなのか忘れがちだが登場人物ひとりひとりの過去や生い立ちなどは結構重たく、性格や思考、働き方など非常に人間味に溢れている気がする。その中で時につまずいたりしながらそれぞれの愛のカタチを育んでいるのではないのかな。
もちろん恋人たちだけでなく、家族などの愛も。


まあたしかに実央と駿の絡みはもっと見たかったけれど、イラスト集も発売されたしなんなら映画だって放映されるんだから供給いっぱいだし大丈夫でしょ。ね。
って思って次巻を楽しみにしてます。

8

好きすぎて、上手くレビューできません!

実央と駿が、北海道に移住してから5年。
駿は執筆を休業。5年も一緒にいたら飽きる?
そんな夢を見た実央。
一方ふみは反抗期。でも、それには理由が。。。

5年前、長い髪が好きと言った駿の言葉。実央が髪を伸ばしていたのは、その言葉があったからなのに、駿は「髪の毛邪魔じゃなの?」と、すっかり忘れて言った。
こんな所で、5年という歳月を感じました。
普通そんなこと言われたらキレるのに、髪を切ってもらいながら、サラッとその事を話す実央のおおらかさが好き。
日々ダラダラというか、気ままに過ごしているように見えて、様々な事に悩んで生きている2人が、やっぱり好きです。
好きなところをあげたらきりがない程、エトランゼシリーズが好きです。

BLだけど、それだけじゃなくて、新しいジャンルなのでは?!と思うくらい、青春とか家族愛、色々詰まった一冊です。
ふみの成長も見物!!

ありきたりですが、読めば心がほんわかします!心の癒やしに、ぜひ読んでみて下さい。

3

ふみくん!!涙

4巻待ってました。そして、今回も心が洗われました。
確かにBL要素は薄くてNLはもう絶対に無理という人は読めないかもしれませんが、そんなに嫌いじゃない人には是非読んでいただきたいです。私もNLは好きな方ではありませんが、それよりもふみくんの成長や温かい人間関係に感動しました。カンナ先生は、BLだけではなく、それ以外でのマイノリティな部分(今巻では歳の差)に焦点を当てて描かれたのだと思います。
温かみのある絵とストーリーにほっこりさせていただきました。次巻も楽しみに待っております!映画も見ます!

1

代わりにか

「駿の代わりにか」の発想がなくてギョッとしちゃった。父ちゃんなかなかすごい。ラスト泣いてる父ちゃんもすごい。父ちゃんが鬱だった描写も、自然に流れてったな。この作品、ママの更年期や、ふみの出自もあまりこねくり回さずにさらりと事実として流していく感じが好きです。駿くんがゲイであるってとこは3巻までは結構ぐるぐるしてましたけど、世間全体に知られてしまいましたから、流石にぐるぐるはしなくなったようで。
ミオの髪のシーンは読者が「えーーーー」となったのでは…前巻ラストで髪の長いミオを見て読者は察し…となってたわけですよ。察してない駿くん、勘弁してくれ。

0

待ってました!

今まで散々な目にあってきた桜子ちゃんの救済回という感じ。駿とみおは本巻ではキスまでしかしていないのでもっとBLが読みたかった。家族のストーリーになってきている。早く続きが読みたい。

3

ん?BL?

いやあ、面白かったです。
3巻最後にちらっと出てた5年後が舞台の第二部。
半年遅れでやっと購入して、『海辺のー』から通して読み返したのですが、ここに来てやっと物語が一本に絞られて来た感じがしました。

1〜3巻の第一部はわりと話があっちこっちに行って、まとまりはないけどそれが「日常」って感じも良かったのですが、今作で13才になったふみが…、可愛い!
小さい頃から桜子一筋だったふみが、ついに駿と桜子が婚約していたことを知ってやさぐれましたよ。
やさぐれ方が中途半端なのも可愛いし、気持ちの持って行きようがなくて駿に当たりまくるのも可愛い。

5年経ったら、27才だった駿はもう32才なんですよね。
時の流れを感じます。
一躍売れっ子作家の仲間入りをしたかと思っていたら、ボサコン頭のニートに変身してました。びっくり。どこまでだめ人間なんだ。
橋本家も様変わりして、ゆり子ママは更年期、鬱病から一歩前進したお父さんは元気にバリバリ。そして実央はゆり子ママの代わりに家事をこなしつつ、相変わらずバイト三昧のヒモ亭主を抱えたワーキングマザー状態。

そんな中、ふみの桜子への片思いがメインで扱われていました。
ずっと好きだったひとが自分の兄と結婚の約束までしていたのもショック、自分の好きなひとが兄を好きだっただけでも悲しいのに、兄は男の恋人と呑気にいちゃいちゃしているニート。
兄に当たりたくなっちゃうのも、分からないでもないし、何もかも兄が悪い!と思いたくなるのも分からないでもないぞ、少年よ。
お父さんがいい味出してます。
何と言っても、ゆり子ママに断りもなくふみを養子にする!って決めたお父さんだけあります。

駿はだめだめだけど、良いことも言ってました。
駿だってずっと好きになった人に好きになってもらえるどころか、好きと言う気持ちさえ伝えることができない片思いばかりしてきた人ですもんね。
思春期の少年の、たった一度の失恋で、この世の終わりみたいに呪われても。
駿が言った台詞はぜひとも読んでいただきたい!
真理を突きまくっていて、さすが元売れっ子作家!と思うこと、間違いなしです。

そして小学生の頃、ふみに絡みまくっていた和田くんの娘・ちほちゃん。
彼女の立ち位置も切ない。
好きな子をいじめるのは男の子の専売特許じゃないんですよね。
小学生の頃はちくちくいじめて、今は痛いところを皮肉っぽく突いてくるというやり方でふみに絡んできてました。
この子も可愛い。

ただ、待てよ?よ。
駿と実央は、実央が多忙すぎてキスすら3ヶ月以上ぶりというセックスレス。
5年しか経ってないのに、枯れざるを得ない状況。
嫌な夢で不安になったり、だめだめ駿がそんな実央をきゅんとさせたり、こっちもいろいろあるけれど、メインは先にも言った通り、ふみ。
あれ?BL要素が脇に…?という感じもしないでもない、19才年上の女性に恋する少年の話。

でも面白かったからそれで良し。
続きが気になって仕方ないところで終わっているので、早く5巻が出ないかなあ。

1

うーん

ずっと読んでいますが、こんなにわちゃわちゃしていましたっけ?

2人が北海道に移ってから5年経ったお話を読めたのは良かった。
でもちょっとふみの駿に対する怒りがしつこ過ぎたかな?
5年も2人を見てきたのに、ふみが桜子を好きだからってゲイの駿がどうすれば良かったの?
まだ中学生だとしても家族なんだから、もっと駿の意志を尊重しても良いのではと考えてしまって楽しめませんでした。
怒って良いのは桜子と実央だけだと思うのです。

ふみに対する桜子の態度も謎だらけで、多くを語らない態度が思わせぶりで不穏ささえ感じてしまいました。

お父さんとお母さんの愛情が本物だったのだけがほっこり出来ました。今までの流れが脱線してしまったように感じてしまいました。

7

BL要素は極薄ですが…

駿の実家で暮らし始め、早5年ー。
13歳になったふみは、思春期真っ只中。
実央は家事疲れ。
駿はニート。


山、海、光、風ーー
奥行きを感じさせる、美しい風景描写は流石です。

もう家族になったと言っても過言ではない二人は、レスなのかな?もうずっとしてないような感じです。
それでも、駿の好みで伸ばしている実央の髪、実央のアルバムを見る駿、「月かキレイ」というセリフ。
端々からお互いへの愛を感じることができました。

ただ、今回の主役はふみです。
桜子が好きで好きで仕方がないふみ。
嫉妬からくる駿への反抗が切なくて、思春期特有のどうにもならないムシャクシャした苛立ちを感じます。

ふみに関しては、完全にBLではないです。
ただ、好きな人が自分を好きになってくれない、もどかしくて苦しい気持ちが伝わってきウルっときました。
そして、ラストのプロポーズ。
若さゆえの思い切りの良さ、ふみの本気が胸に響きます。

日常シーンや巧みな心理描写から、家族のあり方を考えさせられる作品。
誰もが感じる不安やあたたかさが丁寧に描かれていて、グッとくる表現も多いです。

ラストまで読んで表紙に戻ると、カメラに写る三人の見え方が変わると思います。
物語はどこへ向かっているのか?
今後も見守っていきたい素晴らしいシリーズです。

3

家庭を築くということ

 実央と駿はもうすっかり家族というか、熟年夫婦のような空気感で。2人の間に愛があるのは大前提で、思春期のふみに振り回されるドタバタな日常が繰り広げられます。濡れ場を求めて読むと全然物足りないと思うけれど。私は、こうして家族のありふれた日々に溶け込むBLもいいなと改めて思いました。

 桜子への一途な想いを幼い頃から抱え続け、駿へのコンプレックスを何度も爆発させながら、疾風のように突っ走るふみ。今時こんなに真っ直ぐに女性に想いを伝えられる男の子っているのかな。男の子にはこんな風に育って欲しい、そう思わされるキャラクターですね。桜子の魅力もよく分かるし、女性が蔑ろにされていない所もこのシリーズの良い所だなと思います。

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