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ある日突然現れて、俺の心をかき乱した――
shoushinotoko ni haru no arashi
くたびれきったおじさんと栄輔は自虐的に言いますが
ソンナコトナイヨ……30スギハオジサンジャナイヨ……と思いつつ
高校生の櫂にしてみれば15歳上は結構大きいかもしれませんね。
とは言え、栄輔が隙のあるおじさんなので(?)親しみを持つのが早いのは納得です。
そつが無く、一見何も悩みがなさそうな櫂にも家庭の事情があったわけで
それでも嫌な感じではなくて安心しました。
栄輔が、やたら大人を振りかざして説教たれるような人じゃないから
櫂も惹かれたのだと思います。
心を許せる他人の大人というのは10代からするととても貴重なんじゃないかな。
普段色々こなしているからこそ、栄輔の前では緩めたくなるなんて
年上冥利に尽きるのでは…いいなぁ栄輔。
そこに恋愛感情が入ると戸惑うのも当たり前かもしれませんが
ドキドキする気持ちや会いたい気持ちに正直になれて良かったです。
お互いを思いやりながら喜ぶ顔が見たいって
恋人としては基本中の基本かもしれませんけども
年の差がありながらもあれこれ考える栄輔が可愛らしかったし
少し背伸びをしたがる櫂がめっちゃ将来有望でした。
二人がそれぞれ見失っていたことを補え合える幸福は
何度季節が巡っても続いていくのでしょう。
桜の木が出逢いのきっかけというのがまたロマンティックでしたし
優しい恋にほっこりさせていただきました。
あああ…ほんとにココミ先生の作品は読後感が、とても良いです。
毎作読んで、毎回そう感じています。
くたびれたフリーライターの栄輔が、自分のアパート前に越してきた家族の長男、櫂と葉桜の頃に出会います。
栄輔は桜の樹がある自宅アパートの眺めが好きだったのですが、櫂の自宅が建ったことで桜が見えなくなっていたんですよ。葉桜をカメラに納めようとして櫂と出会うんです。
それから櫂に懐かれて、アパートに櫂がやって来る毎日が始まりまして。栄輔の部屋で、ぐだぐだくつろいだり、雑談したり。二人にとって特別な時間、空間、空気感が存在していくのが何とも良い…
櫂が、実際には継母や義弟、父との間での振る舞いや立場を図りかねていたんですけど。
すっかり懐いた栄輔にだけ心情を明かすんです。
栄輔が渡したトイカメラがきっかけになって、櫂は家族と打ち解けていくんですよね~
さて、栄輔32才、櫂17才は何と15才差。櫂は学ランですよ…そして身長は高く、イケメン。栄輔は、ゆるっとオジなのですが無精髭生えてたりと決して、イケメン要素はないのです。ただですね~優しい。
櫂の事を心配したり、櫂がみせてくる甘えも、戸惑いながら受け入れて。
人間、あまりにも違い過ぎると、かえって本音を語りやすくなるって無いですか?もちろん、共有してる要素があってこそですが。
櫂は、ずっと栄輔に惹かれて好きになっていて。思わずキスしそうになって…はい、ここから栄輔が盛大に櫂の事を考えて自覚していきます❗
栄輔はフォトグラファー志望だったけど、夢は夢としていたのです。ですが、櫂が勧めていたコンテストで入賞。櫂も大学合格して。しばらく、キス未遂で距離が出来ちゃっていたけどやっと二人が再会するんですね~
大学生の櫂と、フォトグラファーとなった栄輔。すれ違いも有りつつ互いへの想いも募って行きます!
大学生になってからは、櫂サイドで語られることもあり、栄輔への気持ちの強さを感じることができます。
初えっち有ります!もちろん櫂が攻め❤️
いいですね…年下攻め❤️櫂の寮部屋での初えっちですよ~
櫂は、若いし色々我慢しましたから、栄輔に貪欲。エロさもギャップ。
描き下ろしでは、素晴らしく感じることが出来るようになった栄輔を確認できますよ!
二人の付き合い初めてから4年後まで楽しめます。甘えなれた櫂と、甘えられて嬉しい栄輔。
二人が添い遂げるには、まだ色々有るでしょうが幸せな恋人同士になって、大変よろしかったです❤️
ココミ先生の次作も、きっと作家買い決定です。
やさぐれオッサン栄輔とDK櫂♪
アパートの窓から見える桜の景色が気に入ってたのに
半年前に窓の前に建った一軒家。そしてそこに暮らす幸せそうな家族。
ある日、桜の木の下でその一軒家の高校生の長男・櫂と出会い話すようになり、
父親が再婚して新しい母親とその連れ子(弟)と暮らすも接し方に未だに戸惑っていた櫂は
次第に栄輔の部屋で寛いで時間を過ごすことが増えていく。
男子高生の櫂が、栄輔といると子供っぽいところもあって可愛いけど、
たまに見せる落ち着いた大人っぽさに心臓キュッってなっちゃいました♡
元々フォトグラファーの夢を挫折してライターをしていた時に櫂に出逢ったけど
櫂のきっかけで栄輔がまたフォトグラファーとして働きだすのですが、
ラストで個展を開いた時の写真が最高に素敵でした♡
しっとりとした雰囲気の中で進んでいく、少し切なくて優しいストーリーです。
傷心男こと英輔は、フォトグラファーの夢を諦め、古いアパートでひとり不貞腐れながら生活しているフリーライター。
桜の下で出会ったのがきっかけで、向かいの家に住んでいる高校生・櫂と不思議な交流が生まれます。
放課後、特別何をするわけでもなく英輔の部屋に入り浸る櫂。
穏やかな時間がゆっくりとふたりを繋いでいきます。
英輔は、自分の撮った写真が好きだと言う櫂にフォトコンテストに応募するよう勧められ、もう一度夢と向き合うように。
そして櫂は家庭内で悩みを抱えていましたが、英輔のアイディアでわだかまりを解くことができます。
何気ない会話や、小さな喧嘩を経て、いつも周りに気を遣っている櫂にとって英輔は、素直に甘えられる唯一の存在に。
英輔にとっても、櫂は可愛がってやりたい存在になっていました。
だけど櫂にキスされそうになり、恋愛対象として慕われていたのだと知った英輔は拒絶してしまいます。
それから疎遠になってしまうふたりですが、卒業式の日、これで最後にするからと櫂がもう一度ど会いに来て…
櫂という男の子は、落ち着いてるけどがっつり大人びた性格でもないし。
子どもらしい弱さも抱えてるけど、がっつり健気な性格でもなくて。
高校生らしいアンバランスさが魅力的だなぁと思いました。
第二話以降は、大学進学後のお話です。
15も年下の男の子に振り回されているのに、なんだかんだ楽しそうな英輔が微笑ましいです。
読者からすれば、あ〜すっかり櫂にハマってるね英輔さんって分かるんですが。
櫂は忙しく仕事している英輔を見て焦りを感じていました。
ただただ会いたい一心で、朝の5時前にアパートを訪ねに行くシーンが好き。
"カーテンの向こうでは
みんながまだ眠っているのに"
ふたりは甘い情事の中なんですよねぇ…
カーテンの隙間から陽の差し込む部屋で、甘くまどろむふたりがすごく素敵でした。
描き下ろしではさらに時が進み、なんと櫂がお仕事している!
恋人四年目のふたりは、身体的にも精神的にもすっかりラブラブになってました。
さらっとかっこいい事を言ってみたり、年下らしく甘えてみたり、櫂の魅力は計り知れないな。
電子限定は、櫂がハタチになってお酒を解禁した時の話なんですが、こちらでもさらっと英輔を口説く爆イケな櫂くんでした。
15歳という結構な年齢差があるふたりのお話でしたが、櫂が大人びていることや栄輔がくだけた人というのもあって年齢的なハードルの高さはあまり感じなかったかなと思います。
すぐに身体の関係を持つようなお話がとても多いなかで、焦って前に進もうとせず何気ない日常を大切にしているふたりなので、彼らのあたたかさがより際立ったように感じました。
特に大きな波はなく淡々と進んでいくようなところはありますが、それが逆に自然体な彼ららしくて好きでした。
少しずつ、自分たちのペースで。この先も一緒にいる幸せを選択していくのでしょうね。
桜の木が繋いだ優しくてあたたかい、素敵なお話でした。
丸々一冊表題作と描き下ろしです。
15歳差の年下高校生攻め×フォトグラファーの夢を諦めたフリーライターオヤジ受け。
表紙のオヤジ受けが若く見えますが、中身はしっかりオヤジ感ありで良かったです。
アパートの窓から見える景色に惚れこみ引っ越し5年、
フォトグラファーの夢破れ、アパート前に建った家で景色も見れなくなった、人生諦めモードの栄輔。
その家に住む美形高校生の櫂に、ひょんなことから懐かれて親交を深める内に、
人生の苦みを噛み締めつつも少しずつ前向きになっていく栄輔が、しっとりと描写されています。
幸せそうに見える家族との関係に実は葛藤している櫂を知り、
一緒に過ごす時間が心地よくて、好きな気持ちから唇を重ねようとした櫂を拒否する栄輔。
すれ違いの間に時間が経ち、大学に合格し高校を卒業した櫂が会いに行くと、
櫂が持って来たフォトコンテストに、密かに応募していた栄輔が初入選。
1話で両想いになった二人、相互に目線が変わるモノローグなのが嬉しいです。
大学に進学し寮生活の櫂とオジサンの遠距離恋愛。
櫂との歳の差を実感したり、デートで慣れない演出が空回りする栄輔がいじらしくて、
ちゃんと好きなんだなぁとホッコリします。
そして、いつも大人びた優等生の櫂が、離れてすれ違う不安な気持ちが爆発するのにキュン。
一緒に人生を歩んでいきたい想いで、焦ったり、臆病になったりする二人。
同性愛や歳の差、家族や友人との関係について葛藤する心情がじっくり描かれています。
カラダの関係もゆっくりで、この作品の穏やかな時間の流れに合っていて自然です。
個展が開けるまでに成功した栄輔、櫂との出会いで本当に人生が花開いたんですね。
高校生の時に撮った櫂の笑顔…こりゃノンケもほだされるわ。
描き下ろしでは恋人になって4年後の二人。
変わらずイチャつく年下攻めの櫂に、照れながらも嬉しい栄輔というあまイチャでした。
4年で乳首も開発されてしまった37歳の栄輔です。
高校生だった櫂が編集者になり、大人へと成長した姿に感無量の榮輔が、
エッチ中にキュンとなるのがオヤジなのに可愛かった。
しっとりと読ませる温かい作品でした。
※シーモア:修正はトーンに白い短冊です。
リスタートは…の作者さんだったんですね!
優しい雰囲気のお話と絵ですね。
ただどうしてもヒヤヒヤして読めませんでした。だってお向かいさん家の息子だよ?
あんなにアパートに入り浸ったり、夏休みに帰省したときも会いに行ったり。
不自然がられたりバレたりしないの?
優等生な櫂は継母や義理の弟との関係がギクシャクして家に居づらくて。
とっつきやすい隣のアパートの住人栄輔に懐いて…。
ほのぼの触れ合いは良かったんですよ。
遠距離恋愛で寂しくなったりも。
でもどうしてもヒヤヒヤして。親バレしたりしたらどうしよう?滅茶苦茶にならない?と。
大好きなバンドの曲を連想しました。桜の季節過ぎたら…。
高校生×売れない写真家で15歳差カプ。
「桜」と「写真」がキーワードになっているお話です。
好青年で優等生な攻め、ボロアパートでフリーライターで写真家の受け。
二人はお隣さんである日をキッカケに受けの家へ出入りする仲になります。
受けの家庭が少しだけ複雑で、そんな時に優しく慰めてくれる大人がいる安心感。
そこから好きになって、受けもおじさんだからと距離を置いたりしてもやっぱり惹かれてく。
歳の差のもどかしさもありながら、それでも年下攻めの直向きさにキュンとくる。
後半は、大学進学で遠距離になってしまったり存続の危機を迎えますが、描き下ろしで社会人になった二人のその後が見れてかなり満足度が高かったです。
絵や構成がとても上手くて読みやすかったです。
なかでも、受けが撮った攻めの写真が素敵で、その一枚絵をしばらく見惚れてしまいました。
これを読んでいて、ずっと頭の中の通奏低音のように思い出していたのは、はやりやまいさんの「あさはらたそかれ」。
しがないおじさん(あんまりしがなくないけど、ぼさっとしたおじさん、だが、そこがいい)と、ぴちぴちの高校生のカップル。
この作品では、二人はお隣に住んでいる。おじさんの方は、写真家の夢をあきらめてフリーで色々な仕事をしている。隣に家が建ち、家の窓から桜の木がみえなくなったことを嘆いている。
しかしなぜか、その隣家の高校生に懐かれ、いつしか自分の家で一緒に過ごす時間が長くなる。
おそらく高校生の方はかなり最初からこの”おじさん”を意識しているんですが、おじさんの方はちょっと鈍い。
ふたりのほんわかしたやりとり、嫌な人が出てこないストーリーは気持ちよく、すごく好きな雰囲気でした。
人がつきあうときって、こんな感じかもしれない、と思わせる空気感がありました。