小さな田舎町で出会った宝物――。

リスタートはただいまのあとで

restart wa tadaima no atode

リスタートはただいまのあとで
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神56
  • 萌×241
  • 萌19
  • 中立4
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
19
得点
505
評価数
120
平均
4.2 / 5
神率
46.7%
著者
ココミ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
プランタン出版
レーベル
Cannaコミックス
発売日
価格
¥679(税抜)  
ISBN
9784829686164

あらすじ

何もない片田舎で生まれ育ち、
高校入学を機に上京した狐塚光臣(25)は、
会社をクビになり実に10年ぶりに帰郷した。
昔と何一つ変わらない田舎町。
しかし、昔と違っていたのは、
近所の熊井のじいちゃんの家に
養子として迎えられた同い年の
大和との出会いだった――。
会社を立て続けにクビになり、
どこか素直になれない光臣と、
優しく人当たりのいい方言男子・大和の
ほっこり田舎BL!

「なぁ…なんであの時キスしたんだべ?」

おっとり方言男子×ツンデレつり目☆

表題作リスタートはただいまのあとで

熊井大和,25歳,施設育ちで熊井家の養子
狐塚光臣,25歳,会社をクビになり地元に帰る

その他の収録作品

  • さよならのあとに(描き下ろし)
  • あとがき
  • カバー下イラスト

レビュー投稿数19

田舎と家族と方言男子

ココミ先生の新刊が発売されていると知り即買いました。
あくまで個人的な感想でレビューさせていただきます。

本作もとても優しく、温かく、さわやかで、穏やかな時間がながれるような透き通っている作品でした。
まっすぐすぎる性格ゆえあちこちでクビになってしまう光臣(表紙左)と光臣が昔お世話になったおじいさんの養子となった大和(表紙右)を中心に、正反対ともいえる2人が支えあい、ゆっくりと互いが互いにとって大切な存在になっていくお話。

今回の舞台が「田舎」ということもあり、少々閉鎖的だったりするんですね。すぐ噂になってしまったり。また、大和が養子なので「家族」についても考えさせられる場面もありました。大和の過去も衝撃的でしたね。

2人が手をつないでいたり、イチャイチャしているところは、幸せになってほしいと心の底から思ってしまうほどかわいらしく、温かいものでした。方言も最高でした。結構地元に近いような感じで勝手に懐かしくなっていました。ああいう方言って案外どこでも似ているんですかね。

と、感想をだらだらと書かせていただきました。ここまで読んでくださった方のお力になれれば幸いです。初レビュー失礼致しました。

13

穏やかな笑顔にも

田舎が舞台のココミさんの新刊!!
ほわほわさせていただけるに違いない!と思っておりましたが
それを通り越してなんかじわーっとさせられました…。

ちょっと無愛想で気が短い光臣といつも笑顔で働き者の大和が
お互いに支え合うお話なのですが
親との関係性、他人でも気にかけてくれる人達との交流、
口は悪いけど心配してくれる友人など
田舎ならではの長所短所もまじえてハートフルに展開していきます。

あんなに温和な性格でにこにこしている大和に
語りたくない過去があったのが意外過ぎました。
冒頭でさぞ温かい家庭で育ったのだろうと思いきや…。
大和の心もとない表情ややりきれないような顔が切なくて
つい涙ぐんでしまいました。
側にいてくれたのが光臣で、どれほど頼もしかっただろう。
繰り返し名を呼んで欲しいのは他の誰でもなく光臣だけだったのでしょう。

勿体なかったのが!!二人のお初シーンが!!!ない!!!!!
ていうかHそのものがない!!
いえね、ソコが重要なお話ではないのは勿論分かっております。
でも年越しの感じだと既に二人はそういう関係なんですね…??っていう雰囲気で
ハジメテはいつどこでどんなふうに!?!?と思わずにいられませんでした…ww

ココミさんのコミックスで一番好きなので神で!!

10

尊いとはこのことだな

私の心まで透き通ってしまうかと思うくらい気持ちの良いお話でした。

高校の頃上京し、25歳で会社をクビになって帰郷した光臣。
施設で育ち高校の頃、熊井のじーちゃんの養子になった大和。

怒りっぽくて思ったことをすぐ口に出す光臣は田舎に帰ってきてもまた喧嘩してクビになってしまう。。。
そんな光臣を「手伝い」と称して連れ出したりしていつも一緒にいる二人を見ながら「お前らほんとに出会って数ヶ月かよ」と突っ込みたくなるくらい仲良し~!

常に笑顔の大和が、生い立ちの事で「可哀想」と思われたくなくて笑顔でいるようになったのが切なくなったけど、光臣といる時は”その笑顔”じゃなくて心から笑ってる笑顔なのが本当に癒されました!!

自分の戸籍を調べに行こうと思えるようになった大和が東京の役場へ行った際、自分が知っていること以外載っていなかったが対応した職員から「大和」の名について聞くシーンは思わず泣いちゃいました。

5

心が洗われた!

はぁー、心が洗われた!なんかいいなあ。
男友達っていいよね。

田舎で噂話がすぐ駆け巡って、10年住んでもよそ者扱いで。田舎あるあるですね。
大和がいい子なんですよ!光臣のことを話を聞いていたから初めて会った気がしないって。
もしかしたら妬ましく思う場合だってあるのに、大和は愛されて育った光臣に会いたいって。

前半は光臣が大和を好きになって、大和のおかげで田舎にも馴染めてきて。後半はこめかみにキスされた大和が光臣を好きになれるか。大和の反らしてきたこれまでの話を光臣にする。そして自分の捨てられた場所へ光臣を連れて親の情報を探しに東京へ。

ずっと隣にいるってお互い思ってて、田舎で結婚しないで三十路前なのに男同士でいつも一緒にいて。
多分色々厳しいだろうなあ。
それでもしがらみをはね除けてずっと隣にいて白髪を見つけたり入れ歯になったりしてほしいな。

エッチなくても萌えとかどうでもいい。いいお話だった。一度萌2にしたけどやっぱり神で!
みんなに読んで欲しい。

3

あとがき

表紙から感じられる、暖かくて優しいほのぼのBLでした。
ただずっと優しいだけではなく、登場人物たちの境遇が少しつらいスパイスになっています。

ーーーーーーー感想とネタバレーーーーーーー
個人的に衝撃だったのは、ココミ先生が書かれたあとがきの文章でした。
かなりいろいろ省いてざっくり要約すれば、”この先に2人は別れる道もある”ということです。

これを読んだときに衝撃が走りました。
無意識のうちに、くっついた後はこの先も2人一緒にいるんだ、と思い込んでいたと気づかされたのです。付き合って恋人になったとしても、もちろんこの先、友達に戻ることもあるし、別れてもヨリを戻す可能性だってある。
今までは普通の日常にあふれている”恋”にどこか当てはめていませんでした。

それぞれの境遇を乗り越え、一緒になった2人でも、これから先が必ずずっと幸せなものではない。
ただ、先生も書かれていますが、2人が一緒に笑っていられる関係だったらいいなと思います。

日常にあふれている”普通”にどこまでも溶け込んでいる2人でした。

1

寄り添い合う

続編発売を機に再読。
田舎を舞台に繰り広げられる、心の交流がとても心に優しい作品です。
Canna Comicsは良作が多いですね。

途中までは光臣が主人公なのだと思って読んでいたけれど、最後まで読み終えてみると、これは大和が主人公な気もします。
都会から田舎に出戻りをした光臣と、農家の家に養子として迎えられた施設育ちの大和という青年2人を中心に描かれた、表紙のイメージ通りのほのぼのとした雰囲気のお話です。
生まれも育ちも真逆な2人がゆっくりと心を通わせていく様子を描きながら、田舎が舞台ということで、のんびりとした田舎の良いところも窮屈で面倒なところもさり気なく描写されているのが非常に上手い。
閉鎖的な田舎感がリアルだなと感じます。

愛され方を知らない青年が、愛されて育った青年と出逢ってリスタートしていく。
タイトルも素敵なんだよなあ。
光臣の成長物語でもあるよねと思いつつ、やっぱり大和に気持ちが持っていかれてしまいますね。
相手の考えていることや気持ちが知りたくても、無理矢理気持ちをぶつけるのではなく、本当にお互いのことを想って寄り添おうとする2人が良かった。
入れ違いになった10年間を知らない2人だったからこそなのかも。
戸籍を取りに行った先の職員さんとのエピソードがたまらなく良いシーンでした。

そして、ちょっと不思議だなと思うところがあって。
もちろんコミックですから、当たり前にモノクロ印刷なのですが…
このお話は、なんだかあたたかい陽の光がページ全体に広がっているように見えるんですよね。
ココミ先生の描かれるお話の雰囲気がそう思わせるのか、コマ割りやアングル、トーンの貼り方なのか、絶妙な余白なのか、登場人物たちの表情etc…全ての要素が合わさってなのかは分かりませんが、そこがとにかく魅力的。
ひだまりのようなあたたかな空気を纏った2人にぴったりじゃないですか?

それから、ココミ先生のあとがきの一文が2人への愛情にあふれていて好き。
今後の2人を想像しつつ、続編を読みたいと思います。

0

優しさ成分100%で鼻がツンとくる

作者さんのインタビューをみると攻め受けは決まっているみたいですが
作中でそういった描写は匂わす程度でほぼ無し・キスも軽いものでした。
初心者さんやアダルト描写が苦手な方は安心して楽しめると思います。

フワッと撫でる風が心地良いほっこりした田舎BL。
絵の雰囲気と相まって優しさに触れるお話でした。

インタビュー記事に書いてあった
「縁側でお茶を飲んでるような長年連れ添った夫婦の空気感」がしっくりきます。
出会って1ヶ月足らずで既に醸し出てる阿吽の呼吸…!
ズケズケと言い合ってるようで根底にある優しさがとても良かったです(﹡´◡`﹡ )


受けの光臣は考えるよりも口に出ちゃうタイプで
東京で会社を首になり、帰郷して働いた先でもソッコー首になり…。
好き嫌いがハッキリしてるというか感情がまっすぐなのですね。
なので大和に対し恋のような感情が交ざり始めた時も割合スッと認めてました。

大和が好きだから大和をもっと知りたくて。
大和が好きだから大和が踏み込んで欲しくない壁が淋しくて。
そんな感情を持ちながら隣で寄り添う姿にキュンとします。

攻めの大和は複雑な生い立ちでした。
高校生で熊井家の養子となり、熊井のおじーちゃんの子供として生活を共にし。
農業を手伝い、町にも馴染んでいるのに、口さがない人には余所者扱いされ。
それでもいつもニコニコしてて、何言われてもニコニコしてて…(泣)
そのことで光臣が怒るシーンは胸熱でした(;///;)

でもその笑顔は大和にとって自我を守るためのもの。
自分の生い立ちに引け目があり「人を好きになる感情」に自信が持てない。
光臣にだけ見せた大和の内面は泣けました;;

喜怒哀楽がハッキリしてる光臣と
ただ笑うことしか出来ない大和。
2人が足りない部分を補い合いながらいつも隣に(;///;)
優しさ成分100%で出来てる関係が尊い…ッ+゚。*

友人の原田くんはやんちゃな顔に反して(?)いい人で
原田のおじちゃんも熊井のおじーちゃんも良い味と存在感があって微笑ましいです。
この3人は個人的にめっちゃ好き!ヾ(*´∀`*)ノ

男同士の関係は田舎では目立つけれど前向きで
人を好きになることに疚しさはないと思わせてくれる点も非常に良かったです。

7

表紙を裏切らない

表紙買いの初読み作家さんのコミックス。
このカバーイラストは、つい買わずにはいられないタイプのやつだ。
内容も、カバーイラストの印象を裏切らない、誠実で爽やかなお話でした。

会社を辞めて田舎に帰ってきた光臣が、大和と関わるうちにだんだんと変わっていく前半のストーリーは、光臣サイドに恋愛要素はほぼないが、そこから徐々に大和を恋愛対象として意識していく過程が自然で説得力がある。
最後までエロ度「なし」の軽くキス程度の接触しか描かれていないけれど、ちゃんと恋愛として成就しているし、この誠実なお話にはかえってエロなしで良かったと思った。

4

表紙買い。イメージ通りのほっこりいいお話でした。

“良い意味で裏切られる”ってのも大好きなんだけど、“良い意味で裏切られない”ってのもいいもんだ。
期待通りのものが読めた1冊だったなと思います。
この方言はどこかな?
〜してーから(したいから)、〜だべ、〜んでね?って感じ。北関東らへん?

高校入学で上京した主人公が10年振りに地元に帰ってきて始まるお話です。
「リスタートはただいまのあとで」ってタイトル、読み終わってなるほどね、素敵ねと思いました。
リスタートするにはまずちゃんと「ただいま」を言わなくちゃいけないってこと。
胸の内に溜まったモノをひとつずつ潰していく作業というか、自分の中できちんとあれこれに折り合いをつけるというのかな?
逃げたものに向き合い直していく作業というのかな?
そこに焦点を当てて丁寧に描かれていくお話で、じわりじわりと心に効くものがありました。

主人公の〔光臣〕がそうやってちゃんと向き合うための手助けしてくれるのが、10年前に地元を出て行った時にはいなかった〔大和〕の存在なんだけど、光臣だけが助けられるんじゃなくて、大和は大和で光臣の存在を助けに借りながら、彼もまた自分自身の心のつっかえに向き直していくんですね。
片方だけの話じゃなかったのが良かったです。

田舎のゆったりとした風景の中でゆっくり変化していく2人の関係が読んでて心地よかったです。
田舎育ちだから思い知ってるけど、別に田舎って都会の人が思うような癒しの場所じゃないと思うんだ。ハッキリ言ってめんどくさいコミュニティですよ。
そこらへんをちゃんと描きつつも、田舎のあったかみをしっかりと感じさせてくれるよいお話でした。

【電子】シーモア版:修正-、カバー下○、裏表紙○

3

ほのぼの田舎ライフだけじゃない

BLアワードにノミネートされなきゃ死ぬリストでピックアップされ、
電子で積み本になっていた本作に気付いた…なんでもっと早く読まなかったんだろう?

ただのほのぼの田舎BLじゃなく、しっかり「人」が掘り下げられている。
ココミ先生の作品は、二人だけの恋愛ではなくて、家族や人生も描かれて、
BLはファンタジーなのに、少し現実味を感じさせてくれるのが魅力なのかもしれない。

田舎を出て10年で出戻りの光臣と、入れ違いで近所の農家に養子として迎えられた同い年の大和。
口が悪くて人と折り合いをつけるのが下手な光臣と、いつも笑顔でおっとり優しい大和。
態度の悪い光臣に何故か懐いてくる理由がステキだった。
10年間も光臣の家族や大和のじいちゃんから、光臣の話を聞いていた大和にとっては、
周囲に愛されて育った光臣は知らない人じゃない。

光臣にとっても大和という存在は稀有で、今までのダメな自分を振り返る切っ掛けになる。
そんな二人が心地よい関係から恋愛関係に進展…と、のんびり楽しんでたら、
本当に描きたかったのは光臣のリスタートよりも、大和のリスタートだと気づかされる。

おっとりして優しくていつも笑顔の大和が抱える闇。
施設育ちでトラウマものは虐待が多いですが、
大和は生まれて直ぐに捨てられ施設育ちで、虐待などなく周囲に恵まれ普通に暮らしてきた子。
それでも周囲から「可哀そうな子」として見られる自分を否定する為に、
必要以上に笑顔を見せて生きてきたことが解る。

自分が何者か解らないまま生きる辛さを抱えていた大和が、
光臣に支えられてようやくアイデンティティーを確立することができる…大和のリスタートに涙。

田舎のしがらみは半端じゃない、狭くて面倒臭い小さな世界で、
男二人が寄り添って生きていく事ができるか、現実的にはかなり厳しい。
描き下ろしの3年後の二人は幸せそうで、じいちゃんもまだ元気そうで、
両親や同級生も公認で知っている人もいる中、このままの二人でいて欲しいとじんわりさせる。

その後で、あとがきを読むと現実的な言葉にしょぼ~~~ん。
そこが、BLはファンタジーなのに現実味があると思わせる所以なのだと実感。

そうそう、帯で方言男子を謳ってますが、こてこての方言ではない感じ?
もっとガッツリ方言だと嬉しかったけど、余計にリアルではあるかな。

10年前に実は出会ってる二人、絶対大和は覚えてるよね?
読み手をニマニマさせる描き方が上手い作家さんです。

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