誰がお前なんかと結婚するか!

dare ga omae nanka to kekkonsuruka

誰がお前なんかと結婚するか!
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神60
  • 萌×230
  • 萌11
  • 中立1
  • しゅみじゃない5

--

レビュー数
14
得点
454
評価数
107
平均
4.3 / 5
神率
56.1%
著者
千地イチ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
yoco 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
価格
¥689(税抜)  
ISBN
9784778127374

あらすじ

高校教師の椿征一は、婚活パーティーで軽々しくプロポーズする派手な金髪頭の藤丸レンに呆れていたが、同じヘヴィメタル・バンドのファンだと知り意気投合する。気づけば泥酔し親友への秘めた想いまで喋っていた。藤丸はそんな椿にキスしプロポーズする。ろくに抵抗できないまま抱かれてしまった翌日、藤丸がウェディングドレスブランド『Bararauka』のCEO 兼デザイナーで、椿の親友の仕事相手だとわかり――。

表題作誰がお前なんかと結婚するか!

「Balalaika」CEO兼デザイナー
婚活中の私立高校の数学教師29

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数14

素直になれない事情持ち

千地イチ先生の主人公は、ほとんどが地味。
この作品の主人公も、真面目な地味系。

高校教師の椿征一は、高校教師。
片思いの北斗が結婚すると知り、傷心。
婚活パーティーで、プロポーズしまくる藤丸レンと、推しのヘヴィメタバンドで意気投合、泥酔してベッドイン。藤丸は椿にプロポーズ。
翌日、藤丸の部屋で目覚めた椿は、北斗の訪問に驚く。
『Bararauka』のCEO兼デザイナーで、北斗の仕事相手だと知り、驚く。

北斗の依頼を断れない椿が、レンの生活の面倒を見ることになる。
レンの寂しい生い立ちを知り、どんどんレンが気になり、構いたくなる椿。

色々あって、二人な相愛の仲になり、椿の要望通りのプロポーズをするレン。
最後まで、素直になり切れない椿が、面白かった。

0

胸が苦しくなりました

「あれ?これ、千地イチさんの本じゃん」と気づいたのが先月末。
どうもタイトルと斜め読みしたあらすじがしっくりこなかったんですよね。
読んだらもう夢中になっちゃって。

いや、あらすじにちゃんと書いてあるんですよね。
『泥酔し親友への秘めた想いまで喋っていた』って。
ここをねー、ちゃんと読んで匂いをかぎ取ればよかったんですけどねぇ。最近アンテナの感度が悪くなってきたのかもしれません。

何が良かったかって、椿征一という男はね、高校時代に自分の窮地を救ってくれた北斗という人気者の同級生と友人でいる為に必死で勉強をし、身なりを整え、人当たりを考え、おまけに料理までも覚えちゃうんですよ。
それまでは、人の陰に紛れる様な目立たない生徒だったのに。
ただ自分を救い上げてくれた北斗の側にいて、彼に徹底的に尽くすために生きてきたの。29歳になるまで。
おまけに椿は自分がゲイである自覚がないのよ。
北斗から結婚式での友人代表スピーチを頼まれて、自分では気づかずに投げやりになって藤丸とそういうことになった時に指摘され、初めて気がつくんですよ。これが失恋であることに。

この『鶴の恩返し』感とでも言うか、自分の世界のほぼすべてが『大切な人』のためのものになってしまう感じがたまらんかったんですよ。
椿は北斗の為に無理をしているの。
その無理をすること自体は喜びではあるんです。でも、苦しくなるの。
不可抗力で藤丸と一緒に婚活に行くようになって、自然体でいる楽さを始めて知ったりするんですね。

このお話で私が「素晴らしい!」と思ったのは、そこまでやった椿の想いがきちんと報われることなんですよ。
それは『恋』という形ではないのだけれど。
それがあって初めて、椿は次に進んで行けたんだと思ったんです。
「北斗がダメだったから藤丸に」って言うんじゃなくね、自分がやって来たこと全てが『良い悪い』を超えて自分のものとして蓄えられるって言うか。
私はそのシーンで泣きましたよ。
ああ、いい話だなぁ……

3

素晴らしかった…

タイトルにつきます。素晴らしかった……
二人の感情の動きや恋していく過程が、これでもかと丁寧に書かれた純度の高いラブストーリーでした。文章がキラキラしてた…

デザイナーでCEO、婚活、プロポーズ、ヘビメタなど……目に入りやすい設定は多いですが、私は二人の日常の描写に惹かれました。
想いってこういう何気ない生活の中で、二人にとっては特別な瞬間を積み重ねて、育まれていくものだよな…なんて柄にもないことを心から思ってしまいます。

また攻めの藤丸レンが……こんな純粋で真っ直ぐな男が世の中にいるのかと…!
温室で育ってきたような男ではないのですが、彼の飾らない、そのままの言葉には心を撃ち抜かれます。
車の中で椿さんに言ったあのセリフ……!読んだ瞬間、一旦本を閉じて放心したあと、部屋中転がり回りました……やられた…

迷ってないでもっと早く読んでおけば良かった…そしたら特典とかも色々あったのにな…悔しくて発狂しそう…
どんな形でも、この二人にまた会えたらとてもとても嬉しいです。

4

割れ鍋に綴じ蓋

面白かったです。
途中まで椿の頑固さに気が滅入りかけましたが、レンの前向きな姿勢が小気味良かったです。

椿に言われた恋愛について真面目に考えてどんどんレンは良い男になっていきます。それに対して椿は親友の北斗を好きだった時から成長しなくて、勝手に誤解してた時はハラハラしました。レンを好きだと確信してから住む世界が違うと臆病になって迷走してます。レンがちょっと気の毒になりました。

椿の誕生日にレン自らが作ったスーツを贈り、高級ホテルで夜景の見える席でディナーを食べて、衆人環視の中で赤い薔薇の花束と指輪を渡して「俺と結婚して下さい」でニヤニヤしてしまいました。
椿にはそれくらいしないと素直にならないと思います。

2

お前は本当に結婚したいと思っているのか!

レンは仕事の為に、椿は好きな男を吹っ切るために婚活パーティに参加していて、多分その先の現実的な結婚生活は求めていない。最悪。

レンは初っ端から椿にプロポーズし続け、でも椿は「好き」から始まる恋愛を経ての結婚にこだわっているので相手にしない。
椿はレンの前では素でいられるし、北斗への想いも知られているので、ピッタリの相手だろうにくっつかない(北斗はいい男なので、スピンオフが読みたいけど、女性と結婚してしまい残念)。
結局、体の関係が早すぎた以外は、出会いから嫉妬や告白や色々普通に恋愛していたようだし、よりお互いの想いに気付けたんじゃないかと思う。
レンが最後の方で「恋愛はやっぱり面倒くさい」「だから俺の恋愛は一度きりでいいし、それは全部、あんたに捧げる」と言ったのが印象的。このセリフで神評価に。

BLでプロポーズのシーンが良く出てくるけど、現実ではせいぜい養子縁組なので、早く法律が同性婚を認めるといいね。

2

性格が真反対な二人による恋のシーソーゲーム

千地イチさんの新作ということでとっても楽しみにしてました。

誰でもいいからとりあえず結婚したいという、なんだコイツ!感全開な攻めなんだけど、違和感なく読み進めることができ、いつしか二人の気持ちにしっかり寄り添って読むことができる。
最高でした。

仕事のために結婚したい攻めと、14年間思い続けた親友の結婚にショックを受けるもいまだにゲイである自分を認められず結婚に逃げたい受け。

それぞれ不純な動機で婚活パーティに臨んだ彼らが出会い、マイナーバンドのファンという共通項で盛り上がり、酒の勢いもあって寝てしまう。
翌朝、一夜の過ちとして無かったことにしたい椿(受け)に対して、結婚を迫るレン(攻め)。
性格が真反対な二人による恋のシーソーゲームが面白かった。

レンはウェディングドレスのデザイナーなんだけど、結婚の意味を理解しないと良いウェディングドレスが作れないと言われたからとりあえず結婚したいとか言っちゃうキャラで、「好き」という感情を知らないんですね。

そんなレンが、椿に出会って椿の言葉や存在に化学反応を起こして、「好き」という感情に目覚めていく箇所が好き。
母エピソードを絡めてああいう風に自分を肯定されたら、そしてあんな風に一緒に笑えたら、そりゃ恋に落ちるよね、わかります。

そして「恋愛なんて面倒」なんて言ってたレンが、椿の教えを守ったり恋愛セオリー本を読みまくったりして、教科書通りの恋をしようとするんです。
なんとしても椿を手に入れるために。
不器用なんだけど、一生懸命に。

そこがもう とにかくかわいすぎました!!!
恋は人を変え、成長させるわーと思いました。

一方、親友への気持ちは憧れだと言い聞かせてそばにいた椿の14年にも渡る片思い。
その想いにきちんと終止符を打つところが、切なくも晴れやかで良かったです。
そして、完璧な親友にふさわしいように完璧な自分を演出し続けてきた椿のために、レンがお手製のスーツを作って「完璧な姿」にしてあげる。
切ないのだけど恋を葬った湿っぽさはなく、晴れ晴れとしていてまるで卒業シーンのようだった。
ここがすごく印象に残ります。

あとがきが終わって、一番最後のカラー絵。(親友の結婚式の後だと思う。)
レンの笑顔が本当にかわいい。
一緒にいると思わず笑顔がこぼれる、そして相手の笑顔が見たくなる、そんな関係。
作中の「笑顔」にまつわるエピソードの数々が思い出されて思わずジーンとしちゃいました。
何度でも見返したくなる挿絵でした。

教科書通りの超王道のプロポーズをしたレンだから、次はゼクシィでも買い込んで結婚式のリサーチに励んでほしいです。
こぼれんばかりの笑顔で、全身から幸せを撒き散らして永遠の愛を誓う二人の姿が脳内に広がります。
(でも椿は男同士なのに人前で誓いのキスなんて!と抵抗しそうだけど)
もちろん二人はレンお手製のウェディングスーツを着用です。
きっと、そんな素敵な結婚式を挙げてくれることでしょう!

4

「好き」を知らないプロポーズ男と真面目な頑固教師


親友に失恋した真面目な男が酔った勢いで関係をもってしまった「好き」を知らない男。実は親友の仕事相手だったことが判明し、親友の頼みが断れなくて世話をしていくうちに失恋の傷が癒され新しい恋をする話。

<あらすじ>
親友に失恋したことを契機に婚活を始めた数学教師の椿(受け)が、ある会場で隣のテーブルに座ったのは会う女性すべてに「俺と結婚しよう」とのたまうプロポーズ男でした。
後の反省会で藤丸レン(攻め)と名乗るその男が言うには「恋愛は面倒くさいが仕事のために結婚はしたい。だから誰でもいい」と。
絶句する椿でしたが、レンは椿が好きなヘヴィメタバンドの大ファンだとわかり酔った勢いもあり意気投合します。
気が付くと、レンが持っているというお宝DVDを借りるためレンの部屋を訪ねていました。
記憶がない中で自分が何故婚活を始めたのかという話をしてしまったらしく、失恋男と結婚したい男で「俺たち、結婚しよう」と流されて関係をもってしまいます。
次の朝、酷い二日酔いと後悔で頭が痛い椿の前に現れたのは親友の北斗でした。
実は、レンは北斗の仕事相手でウエディングドレスのデザイナーだったのです。天才肌のレンに手を焼いている北斗は椿とレンが婚活で友人になったという嘘を真に受けて、レンの婚活を一緒に手伝ってほしいと頼まれます。
親友の頼みを断れない椿は内心嫌々ながら承諾し、レンの面倒をみることにするのです。


椿は高校1年の時北斗に助けられてから、モデルのようにかっこよく文武両道な北斗は椿の憧れでした。彼の親友として隣にいるため、あらゆる努力をしてきました。そんな彼が結婚すると聞いて素直に喜べなかった自分に驚きます。
自分は北斗が好きだったのだと気付き愕然とするのです。
どおりで女性と長続きしないはずです。
椿は北斗を忘れるために婚活に力を入れることにするのです。


レンは母子家庭で早くに母親を亡くし、ただひたすらがむしゃらにウエディングドレスのデザインをしてきました。
天才的な能力を持ちながら、人と接してこなかったため他人を思いやれない性格になっており、現在スランプに陥っています。
「結婚の何たるかを知らない」と言われたことで手っ取り早く結婚してしまおうと婚活を初め片っ端からプロポーズしまくっていたのです。


気楽に「結婚しよう」と言ってくるレンとは関わり合いになりたくなくとも、北斗の頼みにNOはない椿は仕方なく、ことごとく失敗しているプロポーズに対して
「自分を選んで貰いたければきちんと口説け。相手の価値を知り、自分の価値を相手に知らしめろ」とアドバイスします。
婚活にも同行し、服装や行動や言葉遣いに至るまで細々と面倒を見て、極上の男に仕上げるのです。

北斗の親友として、女子高教師として完璧に演じることで自分を保ってきた椿が初めて演じなくていい相手がレンでした。
レンはどっさり渡されたアドバイス本通りに椿を口説いていき、北斗の結婚式でそれは最高潮に達します。
そこでくっついていればめでたしだったのですが、椿は面倒な男でした。
北斗への失恋や病弱な弟がいたため両親に関心を持たれなかった思春期は彼を自己肯定感の低い男に育てていたのです。
すっかり極上の男に育ったレンを見て、自分はいらないんじゃないか、もっとレンにふさわしい女性がいるのでは・・と。

誤解されたのは悪い偶然が重なったからとはいえ、「丁寧に口説いて見せろ」と言われて頑張って口説いたのに、洗練されてきたから自分なんかいらないんじゃないかといじけられるとはレンは夢にも思わなかったのでしょう。あんなに椿のいいところを語ったのに・・・
恋愛なんて「面倒くさい」と言っていたレンがよくも頑張ったものです。

最後のプロポーズは、大っぴらにプロポーズしまくっていたレンらしく、結局大注目されますが、レンの想いの重さは何故か自分に自信のない椿にはぴったりで寂しい二人が喧嘩もしながらも仲良く暮らしていくのでしょう。


登場人物は二人に加え、椿の親友・真崎北斗と椿の教え子JK・井上。
井上は何でも持ってる子なのでやる気がなく椿の劣等感をそそる娘ではありますが、椿推しでレンと椿を応援している子です。
北斗は椿の親友で片想いの相手。
ただ、北斗は椿のことをどう思っていたのかはよくわかりませんでした。
北斗の親友でいるため隙を見せず完璧でいようとする椿を北斗は寂しいと思って
いたのではと思うし、椿の家の事情とか個人的なことすら話していなかったというのは親友なのにと思ったはずです。
もしかして椿の気持ちに気づいてた?
結婚式で意味深にこめかみにキスしたのは何か意味があったんじゃないかと思ってしまうのですが(普通男友達にやらないでしょ)、本当の椿を見せていれば北斗とワンチャンあったのかな。凄ーく気になりました。


「俺はゲイじゃない」と言い張っていた椿が「俺はゲイだから」と言えるようになって良かったです。

0

表紙とタイトルにインパクトがある

つかみはバッチリってやつですね。「どんな話なんだろう?」と読みたくなる。芸術家肌のデザイナー23歳×真面目な高校教師29歳。ちょっとご都合主義な展開もあるけどテンポが良く先へ先へと読みたくなるストーリーでした。

平凡な年上男がやんちゃな年下男に少しずつじっくりと堕とされていく様が良い。あと何百回と使い古されたとしても高校時代からの親友に何年も片想いし続ける設定は1番萌える。その恋が成就してもしなくても。あの親友は受けの気持ちになんとなくは気付いていたのでしょうか?優しいような残酷なような。それともプラトニックな友達以上恋人未満位の気持ちは自分にもあったのでしょうか?

千地さんは一人称で書かれた作品が多い気がするので三人称のものも読んでみたいです。個人的に話が良くても受け目線の一人称だと萌えメーターが少し下がってしまう傾向があるので。

0

ギャップがきつかった

あらすじだけ見て購入を決めたのですが、本編内容とのギャップが凄くてちょっとびっくりしてしまいました。

とくにそう感じたのは、登場人物たちの人となりについて。
性格が想像していたよりも明け透けで、とくに受けの性格が個人的には受け入れられず...
本当の自分を出さないように取り繕って頑張ろうとする姿勢は、切なくて共感できました。でも最初の方はどうしてもだめでした...
攻めもちょっと強引で、そんな思考になる?!とびっくり。

内容については、お互いにまさかの斜め上の行動をしていき、すれ違っていく様はもだもだとさせられました。
最初の性格ギャップはどうしても受け入れられませんでしたが、後半へ行くに連れて成長していく2人が見られて良かったです。
決して叶わない片思いを秘めている受けって、どうしてこんなにも魅力的なのか...

最初に収録されているyoko先生のカラー絵は必見です。
こういう風に画面の構図を使うのってすごいなあと、素直に思いました。

4

愛のレッスン

婚活パーティで偶然出会った相手と、まさかの偶然が重なりに重なってしまったお話。

ウエディングドレスのデザイナーなのに、愛することや結婚することについてはわかっていないと言われ、とりあえず誰でもいいから結婚さえすればいいとばかりに、婚活パーティに参加していたレン。
親友への感情を認めたくなくて、完璧な結婚を求めるている高校教師の椿。
そんな二人が、好きなヘビメタバンドの話題で盛り上がって、つい、一夜を共にたら、、、。
このお話、椿の職業が高校教師だという設定がとてもよくいかされている。
レン、椿、椿の教え子の女子高生、それぞれの結婚観が、三人互いに作用しあって、それぞれに自分の内面をちゃんと見つめて、それぞれ成長していく。
特にレンの成長が著しくて、とんでもないスパダリに変貌していく。
超ハッピーエンドでした。

7

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