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君は私を抱けないだろう?
daddy darlin'
前作の『ダーティダーリン』で「アレ?なになに?もしかして…?」な空気を漂わせていたおっさん2人のお話。
表紙右側の息子がダーティの主役(=正児)、という繋がりのスピンオフです。
ストーリーはどちらから読んでも大丈夫な形になっていましたので、お好きなほうからどうぞ!
時間軸的には今作の2-3話あたりに前作のお話がまるっと入る感じです。
『任侠ヨーグルト』で作者の作風に心掴まれて以来、すっかり虜な管辺作品。
今作もあったかくて沁み入りました。゚(゚´ω`゚)゚。
管辺さんの描くお話はどれもこのまま夜9時のホームドラマ枠でドラマ化出来ると思うなー。
52歳(龍児)と54歳(花緒)の幼馴染み愛。
ふつーのおっさんとふつーのおっさんがモダモダしてるの、控えめに言ってもめちゃ萌えでした♡
この2人、ある日突然シングルファーザーになってしまった龍児に「重いものなら私が半分持ってやる」と花緒が男気を見せて、30代の頃に6年間くらい擬似家族をやってるんです。
だけど息子の正児が自分達の姿を見て男同士でも結婚出来ると思っていたことを知り、このまま自分が正児の母親がわりをするのは正児のために良くないと2人の元から離れてしまいます。
そのまま会うこともなく20年間封印して熟成され続け、2人がしっかり中年になってからその恋がようやく動き出す、と。
そんなの萌えないわけがないじゃない?
花緒さんはまぁ美中年かな?という風貌ですが、龍児はホントふつうに商店街の酒屋のおっさんなんで、本人達も作中で言ってるんですが、なんつーか2人がそういうこと(エッチ)をするのを想像出来るか出来ないかギリギリのラインなんですよね。
BLの地雷的な意味合いじゃなくてね。中年の“現役感”を想像出来るかどうかって話でね。
これが私的に結構グッときまして。
幼馴染みで、擬似家族をやっていた期間もあって、今50代で・・・同性愛者じゃないけどこいつとなら別にいけるんじゃねーかなって龍児はいかにも異性愛者の中年っぽい感じで考えるんです。
龍児にとっての愛はすでに、一緒にいたい愛=性欲と直結しない家族愛なんですね。
でもゲイの花緒にとってはまだ、欲してもらいたい愛=性欲と直結する恋愛なんです。
そこを花緒が鋭く指摘して、しっかりと擦り合わせていくんです。
ちゃーんと中年達の「恋愛」が読めるんです。
そこにもうねー、いい萌えが詰まってるったらなかったです!
身も蓋もない言い方しちゃうけど、男は勃てば要するにそういうことなんだから相手に伝わりやすくていいよね!
一番最初にレビューされているフランクさんが触れられている【「月が今日 めっちゃキレーだ」という龍児に対して「月はいつだって綺麗だよ。」という花緒の返事】は、きっとそうだよね。
漱石かな?と思いながらここに来たらフランクさんも書かれていたので、きっとそうに違いない!と思っておきます( ´艸`)
若い子達の会話だったら思わないけど、おっさん同士の会話ってところがさ、いかにも暗喩っぽくってここでさらっと使っちゃうのニクいなって萌えました。
ダーティの2人のその後もチラッとだけ描かれています。
汚かったはまさんがすっかりただのイケメンになっちゃってもはや別人ですねw
このシリーズ一の名脇役〔かじい〕も元気そうで何よりでした^^
またこの商店街のお話が読めて楽しかったです。
あ、今回もカバー下の4コマでまたいい萌えをもらいましたよ。
花緒さんかわいすぎか!
【電子】ebj版:修正-、カバー下○、裏表紙・カバー折り返し○
はじめましての作家さん。
いやぁ、なんで今までノーチェックだったかな、この作風すごく好き。
どうもレーベル的にBLで引っかからない&BL系の新刊が最近出てないぽい。
この本も、たまたま書店の一般の新刊棚で、オッサン二人のカバーイラストに「恋にしなかった。だから今もそばににいる。」の帯が目に付いて、好物かもって思って買ってきた。
幼馴染の拗らせ愛パターンその物も好みなんだけど、拗らせて、離れてから20年たって、ようやく再会してからもなかなかくっつかない。
むしろ、年齢を重ねてしまった分、本当に後戻りできないし、後戻りしないって確信が持てないと踏み出せない。
若さゆえの勢いがない分、その踏み出す一歩が重い。
すごく好みのお話でした。
『ダーティダーリン』(2017)のスピンオフで、まるごと表題作。
仕事に没頭する毎日の裏側に、20年間秘めた想い。クローゼットにそっとしまっておきたいような気もしますが、ぜひたくさんの方に読んでほしい一冊でもあります。
本作『ダディダーリン』が始まったと知った時は「あぁ読者たちの願いが叶った!」と喜びました。しかし彼らの親世代のお話に、こんなにハマっちゃうとはなぁ。けっこうお腹に力が入ってしまうお話でもあるので、自分としてはしょっちゅう読み返す類いの作品じゃないはずなんですが、新刊のタワーを横目に今日もこの本に手を伸ばしています。
幼少期の正ちゃんの描写。これはズッキューン♡かわいいのはもちろんだけど、今の正児を、花雄さんを知っているだけに、最初の4ページでもうなんか泣けてくるんです。正児を自転車で保育園に迎えにいく若い花雄さんは、やはり美しかったし。ビジュ的にも開きたくなるんですよね。それに、ほしい言葉もあるし。正ちゃんは、ふたりの性格をうまいこととって、豪快さと繊細さを併せ持つやさしい子に育ったんだな…と、勝手に思ってニヤニヤしております。いつか花雄さんと正ちゃんが、じっくりゆっくり語ることができますように。ほろ酔いで。
そしてなにより主人公ふたりのやりとりが、段階ごとに「言葉」が表すものが明確になっていく感じが、何度読んでもいいなぁって思えるんです。ふたりの温度が同じというか。とても心地よいんですよね。だからセリフのやりとりも、スーッと入ってくる。「愛してる」の奥深さに、いろんな種類の愛情にホロリとなる作品でした。一方通行に見える気持ちは他の誰かから見ればそうではなかったり、そもそも大事なのはそこじゃなかったり。人生最大の迷いは、それが後悔になってからでも晴れる時がくる。よかった、よかったよ〜。彼らにこんなお話があって。
医師・羽場さんの新たな恋の始まりを祈りつつ、今日も本を閉じます。
あのとき裏ではこんなことが…なんてのもあるのでぜひ『ダーティ〜』と合わせて本作を読んでいただきたい。私のオススメとしては『ダーティ〜』(2017)→『ダディ〜』(本作)の順です。ただなんとなく、ですけどね。
カバー下、これも…なんかもうすごくよかったです。
キャラの一番それぞれっぽいところ全出しって感じで。
装幀:徳重甫+ベイブリッジ・スタジオ
表紙は淡いグレーに小ドット、裏表紙はそれを反転させた組み合わせ。背表紙も真ん中で2色に分かれています。
帯バキュームで購入しましたが、本当に素晴らしく好みのお話でした。
オジサンものは初めてだったのですが、本当に丁寧に感情の動きが描写されていてよかったです。
スピンオフとは知らずにこちらを先に読みましたが、問題なく読めたのでどちらから読んでも大丈夫だと思います。
拗らせた感情のモノローグが本当に良かったです(2回目)
前作、「ダーティダーリン」のスピンオフです。
「ダーティダーリン」の攻め受けの親世代にスポットを当てたお話で、「ダーティダーリン」のカバー下に載っていた、「年下の幼馴染・龍児が、<あんたの子です>と書かれた段ボールに入った赤ん坊を抱えて、どーしよう花緒さん……と泣きついてきた」という四コマ漫画の内容そのままからスタートしています。
そのカバー下の「その感情を恋と呼ばなかったから 今でも(幼馴染の)彼と普通に酒が飲めている」というフレーズに激萌えしてたので、いよいよ彼らの話が読めると知って嬉しかった。
突然の出来事で狼狽える龍児に対して「重いものなら私が半分持ってやる」と言ってやって以来、献身的にサポートし続ける花緒ですが、幼い正治が、自分と同じゲイであることに気づきます。
幼稚園のお迎え時、みんなを前に「大くんとケッコンする!だってはなおさんととーちゃんはケッコンしてるよね?いつも仲良しだもん、だからおれもケッコンする。」と主張する正治の姿を見て、龍児への気持ちはひた隠しにしながらも、家族のように過ごしている自分の存在が悪影響を及ぼしていると思った花緒は二人の前から姿を消します……
それから20年。
再会して酒を飲んだ勢いで花緒は「君のことが好きだから 支えることを選んだ」と吐露するんだけど、その「好き」は幼馴染として、友達としての意味しか含ませないようにして伝えてるんですね、あえて。
だからそれを聞いた龍児が「男を好きだったことあんの?」なんて無神経なことを聞けちゃうんです。
そして、ここでいよいよあのカバー下のモノローグが、台詞になって登場します!!
「恋ではないんだ そう呼ばないと昔決めた」
「そう呼ばないから 得られるものがあった」
「あれを恋と呼ばなかったから こうして酒が飲めているんだ」
とほぼ酔いつぶれながら、花緒が龍児に言っちゃうんです。
涙が出そうになった……。
なのに、それを冗談ですましてしまう花緒ときたら!!
ほんと、おっっっさーーん!!頼むよー!!といい歳したおっさんのモダモダっぷりに萌えまくった。
以下、感じたこと
・「月が今日 めっちゃキレーだ」という龍児に対して「月はいつだって綺麗だよ。」という花緒の返事には漱石流の「I LOVE YOU」が含まれてるのかなぁ?
・「ダーティダーリン」と時間軸が結構重なってる部分があって、正治の彼(あの元ホームレス)が息子さんをくださいという挨拶にやってくるんです(!)
男同士なのになんでこんなわざわざ?というその答えと、龍児と花緒が家族のように過ごしたかつてが重なったシーンは泣けた。
・「アンタが望む関係でもいい」という上から目線気味な龍児の言葉に埋まらない差を感じ「私は君に欲してほしかったんだよ。」と告げる花緒の切なさに泣いたわ……。
・そこからの急展開にはちょっとえっ?!&でもそこが龍児らしいかも…。でもやはり妙に駆け足ぎみでそこが神に至らなかった理由。
・衰えた身体でのエッチは見たくないなぁと思ってたら、寝たのねという事実とポジションがわかる台詞という描き方なのでホッ。
・いい歳した弁護士が、年下の幼馴染のおっさんを「三田君」呼びしてるところが何気に萌えます。
・普段は優秀な弁護士としてキリリとしてるくせに、龍児の前では20年の愛をひた隠す健気なおっさんになってる姿は強烈にいじらしくて涙を誘うんです。
それに対して龍児がなぁ、ちょいとキャラ的にいまいち。
店のSNSで「幼馴染のおっさんに告白???されたっぽい」と呟けちゃう無神経さとか、そもそも正治の母親も誰か判らないけど心当たりはあるというだらしなさといい。
いまいち、この男のどこがいいんだろ?感が消えなかった。お互いにいい男だなぁと思えたら、神だった。
フランクさん
コメントありがとうございました!
そうそう!花緒さんだけがそんな気持ちを含めてのあの言い方なんじゃないかなーって思ってます。
いつだってがね、いいですよね♡
ほんとよき萌えが詰まってました!
中年同士のジレジレ感がめっちゃよかった〜
ダーティダーリンのスピンオフ、ってことで終わり方はみえてましたが
よかったーーー!の思いで萌×2です。
50代のおっさん二人が
20年前に失ったものを取り戻して幸せなる感じがよかったです~。
しかしお互い20年間浮気的なものがないって...
魔法使いかよって感じですが、そんな下世話なところは気にせずすっとばして
とにかく20年こじらせ幼馴染愛をとくと拝見しました。
ダーティダーリンでは最後に元にもどった(?)かじぃがちょいちょい、いい味だしてます。
かじぃも愛にあふれた人だなあと思います。
どちらかというとかじぃのせりふにグッときてしまいます。
結構ほんいきのシワ感で描かれているので、50代に芸能人張りの若さをみてるひとは
んーってなってしまうかもしれませんが、
そのシワでさへかわいいと思えてきました。
たまに読み返してジーンとしたいです。
『ダーティダディ』のスピンオフです。
イケおじ二人の切なくもモダモダした恋が可愛すぎました^^
20年ぶりの再会を果たした幼なじみの花雄と三田。
花雄は三田のことがずっと好きなんですよね……
なんと、20年以上前から!
究極の一途ですよ‼︎
三田の息子・正児を愛しく思っているけど、
決して三田と家族になりたいわけじゃない。
あくまでも恋してほしい、自分を求めて欲しい……
という花雄の想いが切ない。
実は三田の心に居たのも花雄で、
アラフィフ二人は両想いなのですが、
今度は抱けるかどうかという問題がーー…⁉︎
しかし、これは難なくクリア^^;
三田が意外とやる気満々で、それも微笑ましかった♡
残りの人生、お互いを思い合って生きていくのでしょうね。
そう思うとまた一層こみ上げるものがありました。
いやぁ、20年越しの恋愛には痺れました。お互い顔にシワもたくさん刻まれた、中年のおじさん同士の恋。前作の『ダーティダーリン』の時から花雄のことが気になっていたので、彼の話をメインで読むことができてとても嬉しかったです。幼い正児を通して刹那に築いた家族のような関係。当時の3人が本当に温かい雰囲気で描かれていて、3人ともが幸せそうで、ああ皆がこのままであったらいいのにと思うのだけど、現実はそう簡単な話ではなく。
花雄がどうしようもなく三田に求められたいと望んでしまうこと、同性なのに仲睦まじい自分達の関係が正児に影響を与えてしまうのではないかということ。それらを無視して擬似家族を続けられるほど、花雄は図太くはなれなかった。あくまで家族愛のような感情しか持ち合わせてない三田との温度差も、彼には辛いものだったでしょうしね。20年の時を経て、再び何度も何度も微妙にすれ違いながら、じりじりと数センチ単位ずつ心の距離を縮めていって、やっとお互いの心の温度が同じになった時には感無量でした。すれ違い期間が長かったので、おじさん同士の濡れ場や、恋人になってからの日常を正直もっと見たかったなとは思いましたが、ストーリーは良質で大満足。20年分の愛を三田が花雄に返せるといいなと思います。
オヤジBL。50代x50代。
順序通り「ダーティダーリン」の方から読みましたが、こちらだけでも大丈夫そう。
駄菓子屋のかじぃの息子で、20年振りに顔を出した弁護士の花雄が主人公。
「ダーティ〜」の主人公・正児を、幼少時に幼馴染の三田と一緒に育てていたんだけど、正児がお父さんと花雄が夫婦だと思っていて。
自分の存在は良くない、と関係を絶って出て行ってしまった。
…という設定があっての、20年ぶりの再会から物語が動き始める、というストーリーです。
で、私的には色々関係ない部分にちょこちょこ引っ掛かりを感じて、イマイチBLとしてのストーリーに入り込めない気分を感じ。
例えば。
なぜ花雄は20年もお父さんと話もしなかった?とか。
口の悪い病院の救急医とか。
かじぃが急に正気になってるとか。
一方BL部分でも。
花雄の「一途」は筋金入りすぎて、やっぱりちょっと重いかな…
終盤に急にバタバタするような感じもあり。
ただ、ノンケの三田君が花雄を受け入れてくれたのはこちらも胸アツ。花雄のこじれて重い感情を半分持ってくれたんだね。
一気に肉体関係まで行ったのはちょっとビックリ。ここがバタバタしてた。
あとは、他のレビューでも触れられてますが、ちょっと外見的に年取りすぎ?顔はシワいのに体型はスッキリしてるし?
この辺は読み手も色々だし難しいとは思うけど…
若すぎてもリアリティが…ってなるし、シワハゲデブすぎると見たくないわ…ってなるしねぇ。
ストーリー自体は読み応えもあって良かった。総合「萌」で。
フランク
こんばんは!
やっぱ漱石かな?と思いますよね。
独りよがりな思い込みかなぁと思ってたんだけど、みみみ。さんもそう思われたとの事でちょっとホッとしました。
龍児は漱石流の意味なんか込めてなくて、ただ事実を述べてるだけだと思うんだけど、花緒はきっとその返事に想いを込めたんだろうなぁと。
とりわけ「いつだって」というのに激しく萌えました。
この作品、ほんといい萌えがいっぱい詰まってましたよね♪