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おまえが忠誠を誓えば、俺が一生犬として飼ってやる
kaiinu ni te wo kamareruna
いわゆる、読む人を選ぶ作品が大好きです。
こちらの作品はまさにそういう人間のどろどろとしたものが凝縮されている、ちょっと読む人を選ぶ作品かなと思います。
ストーリー重視の方はぜひ。
360Pを超えるページ数に濃厚な愛憎入り混じる夏乃先生渾身の1冊。文章力が凄まじかったです。
読みながら非常にゾクゾクとしましたし、この分厚さになるのがわかる濃密すぎるエピソードに読み進める手が止まらないとはこのこと。
こんな話が書きたかったという書き手の気持ちが文章からひしひしと伝わってくるようで、終始作品に飲み込まれてしまうような迫力がありました。
萌えただとか萌えないでは語れないのかもしれない。
とにかく凄い作品です。圧倒されました。
ささいなきっかけから始まった、数十年にも渡る長い愛憎と執着愛が描かれています。
少しずつボタンをかけ違ったまま進む2人の心理描写がとても丁寧で、普通の関係ではない彼らからふわりと香る危険な香りに気が付いていながらも、歪な形をした心地の良い唯一無二の関係性に身を任せてしまいたくなる。
こちらの作品をキーワードで表すのなら、きっと依存だったり狂愛や執着という言葉が合うのかなと一瞬考えましたが、私はこのお話は純愛なのではないかなと思うのです。
もの凄い熱量と展開の数々に、読み終えてからしばらくぽかんとしてしまいました。感情がざわつきます。
万人にはおすすめ出来ないかもしれません。
ですが、濃厚な人間ドラマが読ませる文章力で描かれた読み応えのある1冊でした。
傑作だと思います。
読み終わって2日経ちましたが、読後の高揚感と余韻が消えてくれません。助けてください()
ストーリーの内容は他のレビューで書いていただいているので割愛。以下感想です。
ものすごく萌える本に出会ってしまった!!
この本が読める時代に生まれてきてよかった!!
最初から引き込まれ、あっという間に読み終えました。
夏乃先生の言葉選びが本当に巧みで、すらすら読めながらも、一言一言が心に入り込んでくるんです。最初から最後まで。息を呑むような臨場感、自分もそこにいるかのような錯覚。主人公の一稀が感じている今その感情を、そのまま私も受け取りました。ストーリーの波に飲み込まれているうちに、現実の時間があっという間に過ぎていきました。
表現したい心情や物事一つ一つに対して的確な単語を選んで読み手に届けてくるので、読み手の日本語の表現力も養えていって一石二鳥(と個人的に思っています)
あとがきにも、夏乃先生の作家としての繊細で胸が詰まるような気持ちが書かれています。あとがきを読むのは、本編を読み終わってからがおすすめです。
表紙と挿絵も美しい。この小説をより引き立ててくれています。
端から端まですばらしい。心と日常に潤いを与えてくれます。まさにあっぱれ。
手放したくない一冊です!
BLが好きな全ての人に読んでほしい一冊です!!
坊ちゃんで女王様な受けがボロボロな使用人の息子を自分だけの忠実な犬にしようと躾けますが、チワワのような犬と思ったら実は狼並みの狂犬~!
精神的にも立場的にも上だったはずが、逆転して受けが怯える姿にはゾクゾクします。
受けを中心に世界が回っていて、受けと離れるくらいなら死んだ方がマシ、というヤバい攻めです。
受けに隠れて裏でヤバいことしちゃうし、受けに彼女が出来て殺したいと言っちゃえるくらい受けに盲目。
執着好きの私としては大満足の執着具合です!
他の執着系とちょっと違うなぁと感じたのは、ちゃんと受けも依存気味なところ。
本当は好きだけれど、社長子息で同性愛へのハードルが高く受け入れ難いだけ。
その偏見とプライドが高いせいで攻めにボロボロにされてしまい、どちらかというと受けザマァ展開なのですがこういう設定が好きな人はもう、この先ネタバレ見ずに買った方がオススメです!!
夏乃穂足先生の作品は「ワンコは今日から溺愛されます」以来なんですが、こちらの作品はずっと本棚に眠ってたんです。厚さに怯んでいたんだと思いますが、なんでもっと早く読んでなかったのかと後悔してます。
多くの方がレビューして下さってるのですが、備忘録程度に感想を書きたいと思います。
まず「愛玩飼育」での一稀が、とても嫌な奴なんですよ。傲慢で自分だけが不幸だと思ってて、他者にも痛みや思いがあると思って無いです。ガチガチに凝り固まった常識やこうあるべきだと理想に縛られていて、唯一無二の存在である猛に出会っているのに最初から失敗してるんです。そして失って初めて損失感に苛まれる事になります。
そして二人が再会する「調教不全」、ここでも一稀は何にも変わってないんです。猛のセリフに何度も変われるきっかけともなるヒントが隠されているんですが、ガチガチに凝り固まった思考の一稀は気付きもしない…。そんな中、一稀が社長を務める四ノ宮グループを狙ったテロ事件が起きて、それをきっかけに一稀は猛の手によって全てを奪われて行きます。
ハッキリ言って一稀が嫌な奴なんで、この時点で気の毒だとか可哀想なんて思いませんでした。一稀がとうとう壊れてしまった時には、これからどう展開して着地点をどう持って行くのかドキドキした程です。
猛の一稀に対する執着や全てを捨てても構わないという激しいまでの愛にとても萌えました。
そして終盤の一稀と父親の会話で父親の愛情にやっと気が付いた様子にホッとしました。
そして明かされた猛の父の苛烈なまでの一稀の父への愛に感動さえしました。
再びの別離を経て今度は一稀が猛を失わないように行動に移すんですが、なかなか首を縦に振らない猛にドキドキしながら読みました。やはりここでも一稀は鈍感なんです。肝心なことが分かって無い。でも一稀が社長の座を託した白木の言葉でやっと気が付くんです。
一稀の言葉を聞いて初めて泣き顔を見せた猛と、唯一無二の存在をやっと手に入れた二人にとても感動しました。一稀が猛の為に用意した思い出のアレにも、なるほどと唸ってしまいました。
あとがきで知ったんですが、こちら夏乃先生の復帰作なんですね。素晴らしい作家さまが戻って来てくれた事がとても嬉しいです。
過去作を調べていて「茜色デイズ」は何となく記憶があるので読んだ事があるかも知れません。本棚から見つかったら再読してみようと思いました。
長かった。物語も時間の流れも読むのも。
なんとも壮大なお話ですね。
飼い犬の下剋上?いやそんな一言では表せないですね。
何がいけなかったのか、どこで間違えたのか、どこから何から負の連鎖が始まったのか。
元を辿ればいつき(変換できず)をこんなふうに育てた両親に行き着くのか。
それともいつきが期待を背負わずプライドを持たなければ良かったのか。
可愛い飼い犬を手に入れ、せっせと磨き世話をし勉強も何もかも教えて立派な牡犬に育て。
だけど猛の心の底までは見てなかったいつき。
猛の自分への執着、過去のトラウマ、独占欲、受け止めてあげられなくて。思春期のいつきにはまだ無理だったのかな。それとも作り上げた立場がプライドが自意識が信じる常識が勝ってたからかな。
本当は一番大切な存在だったのに二人の関係に名前をつけるのを間違えたのかな。
猛をとんだ狂犬にして失ってしまったいつき。悲しみ傷つき待って。
そして10年後に現れたのは…。
ここから先はもうさらに読むのがキツくて。
用意周到に張り巡らされた猛の策に堕ちていくいつき。
何もかも壊されてしまい、もう猛ですら反省しかけていたところに…。
最後は初めていつきから猛へ愛を捧げて。
白木さん何者?きっと薄々気がついていたのかな?
間違えたならやり直せばいい、もう二人は自由なんだから。もう狂わない、何もかも脱ぎ捨てやっと本当の自分で生きていけるんだから。絶対に猛を離さない。
猛もいつきを離さない。
かけがえのない二人の長いお話でした。
「愛玩飼育」「調教不全」
愛玩飼育では、受けと攻めの出会いから思春期までの2人を。
調教不全では、大人になってからの2人を。
萌えという観点からみれば、私は中立かな。しかし、物語りとしたら面白かったので…評価の難しい作品です。。
お話について(猛×一稀)
庭師の息子(猛)を犬として飼うだなんて、なんともアッパークラスの世間知らずの坊っちゃん(一稀)らしい設定でワクワクします!
しかし、私、この一稀をどうしても好きになれず…。物語りを通して起こるアクシデントを常に自分のせいでは無いと思っているように私には感じられました。
こんな環境で育ったから。全ては猛に出会ったから…って。
簡単に生きものを飼っちゃダメでしょ、生きてるものには責任を持たなきゃいけないでしょ。って常にモヤモヤしました。
しかし、一稀を作品を通して見るのではなく、1人の人として見ると愛すべきキャラクターなのです。
家督を継ぐ重圧に幼い頃から晒され、親の目、世間の目を常に気にしなくてはいけない環境。それでも誇り高く生きるさまには胸を打たれました。
一稀に犬として飼われるまで、生きる意味も知らず、誰にも必要とされず育った猛は、一稀を盲信的に慕い、一稀が自分の存在理由になるのは無理もない事でm(_ _)m
そりゃ一稀の為ならなんでもするでしょうよと、どうしても猛に肩入れしてしまい、余計に一稀を厳しい目で見てしまったのかもしれませんね。笑
ストーリー自体は、停滞する事無く面白いまま、おー、こんなところまで切り込むかぁと唸るところがあったり、楽しめました。
最後は、2人とも良かったねと笑顔になれる終わり方で、一稀に対するモヤモヤも、彼らにとって最善と思える方法で責任をとってくれたので私の中でキレイに消化できました(^_^)v
新興の都市開発グループ御曹司の受けと、庭師として突如転がり込んできた男の息子である攻めとの、執着因縁もの。
彼らが出会った中学時代から話が始まり、高校生、社会人と、時系列に沿って話が進んでいきます。
前半部分は両親の期待に応えて品行方正・成績優秀であろうとする受けの、それ故に甘えられない寂しさだとか内に秘めた鬱屈した思いの心情描写がとても精緻で、幼少期に虐待を受けていたらしい攻めとのちょっとアブノーマルな関係性に、その後の展開を期待しながら読み進めました。
後半は、背景となる都市開発グループの設定も自然だし、文章も読みやすく、スリリングな展開をそれなりには楽しめましたが……、あまりにも予定調和すぎて、一番の泣かせどころでガッツリ感情移入できなかったところが、評価が「中立」の所以です。
もちろん、素直に感動される方もたくさんおられると思いますが。私の場合は、前半からの期待が大きかっただけに、不完全燃焼で終わってしまった感が否めず……。
こういう作品は、最後を普通のラブラブカップルで終わらせるのではなく、二人の関係の異常性、危うさを少し残した余韻の方が私は好きです。完全に個人的な意見ですが。
2019年刊。
夏乃さんの小説は初読みながらも、渾身の作と言っても過言じゃない力を感じた一冊だった。
大手不動産会社の跡継ぎである一稀にとって謎めいた男・荒原に連れられてきた見窄らしい少年・猛の出逢いは13歳の頃だった。
自分だけの特別な”犬”として手塩を掛けて猛を育てあげた3年間。
そんな猛は高校生になって執着の塊となって常に一稀に付き従おうとするが、彼の秘められた狂気を恐れて距離を置いた途端に姿を消してしまう。
10年後、父親の跡を継いだ一稀は社会的地位を確立した猛と再会を果たすも、猛は外堀を埋めるかのような追い詰めかたで確実に一稀を我が物にしていく。
…そんな二人の半生を360ページにかけて追っていく事となる。
再会後は過去優位だった関係を覆す下剋上、よりによって猛に苦汁を味わせられる
展開で”受けざまぁ”として捉えてしまった。
何しろ13歳にして初対面の猛を僕だけの”犬”として扱う一稀に気味悪いものを感じてしまったのだが、サイコ味から段々と嫌なガキ、嫌な男ってふうにトーンダウンしていって逆にほっとしたかも知れない。
猛みたいな荒んだ男が一稀の元に這い上がってくる為に、執念を原動力にしてきた異常さには恐れ入る。
それ以上に凄かったのが、コンサルティング会社を設立し、人脈の伝手を作り、はたまた秘密の会員制サロンオーナーと登りつめながらも、呆気なくその地位を自ら壊した狂犬の一面だったが。
一稀は持ち前の計算高さ、猛はどん底の人生経験を何一つ無駄にしていないかのような用意周到さがあるのに、20年余りの年月をかけて『やらかした事の後始末』を背負ってきた感があるのが何だか不思議だ。
だからだろうか、この話に限っては読後に引っ掛かる部分とか、登場人物の〇〇がもうちょっとこうだったら、といった心残りが無く、作者が”書ききった”のだなと受け止められるのだ。
この二人の全ての後始末を済ませて新たな人生を見届けられたら良しと思えて、他の登場人物の行く末までは頭が回らなくなってくる。
明るく健気で努力家な受けや、コミカルで楽しく読める軽めのストーリー、動物が出てくるハートフルなストーリーが多いというイメージがある作家様だったので、このようなハードな展開の作品を書かれるとは思っていませんでした。
タイトルとカバー絵に二度びっくりし、読んで3度びっくりの嬉しい誤算でした。
物語は幼い頃から親や周囲の期待以上に出来の良さを披露してやがて一族の当主として立派にグループ企業を経営すことを目標に日々努力する御曹司が主人公。
甘やかされている弟においしいとこだけを奪われても、どんな時も期待されるべき受け答えが出来る優等生です。
そんな少年にも口に出せない鬱屈した思いが溜まりどうしようもない気持ちになることも…
そこにやってきた父親の知人の息子。
自分だけを頼り自分だけに忠実な『犬』として磨き育ててたはずが、可愛らしい忠犬ではなく狂犬だった!?
執着度合いがハンパない。
好きすぎていじめてしまう攻めや独占欲のあまり自分だけを見ろとばかりに何もかも奪ってしまう攻めは数多いますが、その発現が強烈すぎて怖いほどでした。
一稀が幼い頃から忍耐と努力の人でいい子すぎるのが哀れでした。
でも犠牲にしたものも多かったけれど、ちゃんとお互いの思いに気がつけてよかったです。
一稀が猛の異常な執着をうまく制御できれば抜群のビジネスセンスでいつか実家の企業を追い抜く日も遠くない、と思うのでした。
ご褒美のエサをちらつかせしっかりリード握る一稀が目に浮かびます。
今年読んだ本の中でも 一二を争う傑作です。
一気読み まだ余韻でクラクラしてます。
お久しぶりの夏乃先生ですが 熱量が凄い。
長年に渡る因縁 執着 依存で
普通の関係 恋愛には辿り着けず
互いの感情が愛なのか憎しみなのか
壊れるまで追い込みあう壮絶な2人。
後継者として 父からは厳しく育てられ
母は甘え上手な弟にかかりきり
学校でもヒエラルキーに縛られ気を抜けず 抑圧されている一稀が手に入れた自分だけの「犬」猛。
不幸な生い立ちの猛にとって 一稀が与えてくれるものが全て。盲目的に一稀に傾倒していきます。
一方 一稀も猛を 思春期独特の気まぐれで
弄んだり 甘やかしてみたりと 素の自分をさらけ出せる相手として 自分だけに従順な犬として育てていきます。
何も知らない猛に自慰を教えたり
ハーネスをつけて散歩に連れ出したり
仕込んでますw
成長するにつれ 猛の一稀に対する依存は
度を越した執着となり
可愛い従順な犬は発情期を迎え獰猛な雄犬へ。
飼い主である一稀への欲情を抑えられなくなります。
その後 離ればなれになった2人が10年後に再会。
人生全てをかけて一稀を手に入れる為に生きてきた
猛の執着は凄まじく 憎しみとも思える方法で
一稀を囲い込んでいきます。
手段を選ばない執着犬が とても好きです!
もう愛しているのか憎しみなのか
共依存で壊れていく様が ゾクゾクして
読むのが止まらないです。
一稀が暴走する猛を止めきれず こんなふうに育てたのは自分の責任でもあると。
どんな犬でも捨てる事は出来ないし、許す理由を探している 「次はないぞ」って。
最後の2人は幸せそうです。
久しぶりに読後の余韻が震えるような本に会えた!
感動です。