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amakute setsunai
始まりは甘すぎる夢のような展開。推しが目の前に現れて、仲良くなろうとぐいぐいくる。が、それら全てがただの妄想だったと思わせるかのように、毎回母親が不快感とともに襲来する。この繰り返しで話が進み、最後に律が進むと決めた道は(私にとって)耐え難いものだった。
律は大人になった今では、親の言動がおかしいことを理解しており、内側には反発心も生まれている。だが何を言われてもすぐに謝ってしまうので、さらに相手が付け上がっていく。
毒親の気持ち悪さは言うまでもないが、律の対応も、倫太朗の対応も、良い感情で見ることはできない。
幼少期からの積み重ねを考えれば、律のような考えになるのも仕方ないんだろう。でもここまで生きてきて、母親が変わらないことを分かっていて、今後も背負っていく覚悟を倫太朗と共有したのはちょっと無理すぎる。
倫太朗が支えになり、律の精神的な開放は描かれたが、金銭面の援助は続けそうな描写。縁を切らないのなら、倫太朗に迷惑がかかる未来が容易に見えてくるのでは。
好きな相手に毒親を一緒に背負ってもらうような道に進む律が無理すぎた。毒親持ちとして、それだけは受け入れられない。
母親が強烈過ぎて、霞んでしまいそうな倫太朗。冷静に見ると、あまりに都合が良すぎる。律の全てを肯定し、言わなくても内面の深いところまでを理解してくれている。一昔前の空気を感じる。
弟の健児はとても好きだった。
ずっと、読もう読もうと思って積読になっていた、こちら。やっと時間ができ、読むことができました。
毒親との関係に悩む、不憫受け様の救済物語。年上攻めの包容力にグッとくる…!! (๑•̀ㅂ•́)و
主人公はショッピングモール内のメガネ店で働く律(受)。ある日、メガネが壊れて困っているという客に自分のメガネを貸し出したのですが、それが大好きで尊敬している作家先生でー
と展開していくお話です。
幼い頃から両親が不仲で、両親の離婚後は何をしても言っても毒づいてくることしかしない母親のもと、深い人間関係を作ることをせず、友達もいないまま暮らしてきた律。
そんな律が年上の作家、倫太郎(攻)と出会い、心を許せ、預ける存在として恋心を募らせていくー
その過程がじっくりと描かれていて、心が震えました。
最終的に、毒親である母親との関係が劇的に変わるわけではないのですが。
倫太郎がかけてくれた言葉のおかげで、今まで言えなかった本音を母親に対しぶつけることができ、作中で少し胸のつかえが取れたような倫と共に、自分も一緒にスッとして心地よかった!
性的な触れ合いを「気持ち悪いもの」としてしか捉えられなかった倫のトラウマを払拭し、愛し合うことは汚いことじゃない、と身体と心で目一杯教えてくれる攻め様…ありがとう✨(誰)
大人の余裕漂う年上攻めも良かったんですが、個人的に好きだったのが攻めの弟、健児くん!
ファミレスで倫の母親に噛み付く様、あっぱれ!でした◎スカッとした〜〜
健児とくっ付いてくれても全然文句なし、と思えるほど個人的に好きなキャラだった…( ̄∀ ̄)
作者様買い進行中の月村先生。
今作はハイスペな作家先生×毒親に育てられ自己肯定感がとても低い眼鏡屋店員のお話でした。
とりあえず毒親と称された母親にひたすらにイライラムカムカすること間違いなしなのでそこは覚悟が必要です。でも間違いなく作品に必要な存在でもあり、最後には完全解決ではないけど律の気持ちの成長というか上昇が読んでいてよかったなと心から思えるのでそこもご安心を。
個人的ベスト推しシーンは渋滞中の車内での告白シーンです。
早番といえど花火大会前であれば結構暗めの夕方で夕陽が差し込みつつライトもつけながら動いたり止まったり、それに合わせてボソボソと紡がれる律からの告白を倫太朗が聞くとはなしに聞いていて…という情景がとんでもなくリアルに浮かんできて読みながらしみじみものすごくいい告白シーンだと思いました。
毒親かつ自己否定的で精神的に辛い描写もありますが、そこから救い出してくれる本当に優しく心温まるお話でした。
yoco先生の絵に惹かれて購入、
白抜きの部分と描き込み部分、白黒の対比、内面描写を工夫されているな、と思った。
文学調の大人し目なタイトル、緩やかな展開、細かい心理描写
飛び込みの一見客に、自分の眼鏡を貸す律。その人は、律が愛読する小説の作家だった。
律の手作り弁当を気に入り、ID交換、友人・・と、西に押されて展開していく。
西兄弟との交流で、律は、毒母の虐待と共依存する自分に気付いていく。
「暖かい家庭ごっこを一人で再現」等の描写が沁みる。
恋を知る甘さ、気付きと脱依存の切なさを描く、いい物語だった。
横室律:ショッピングモール内のmeganeyaの店員。
「ありがとう」に飢えている。
・・不仲な両親の離婚、毒母のネグレクト。高卒で就職、独り暮らし。でも虐待は続く。
作家の西倫太郎のファン
律の認識は、眼鏡の平凡。だけど、倫太郎は「コノハズク色の髪のたおやかな美青年」と言う。
西倫太郎:芳川賞受賞の若手小説家
「八乙女町の人々」を連載中
三か月前に母が死亡、実家に戻り弟と暮らす
律の素朴な全てが好き
西健児:高校二年
律に「下心があるの?」と初対面で兄の性嗜好を暴露。
兄に反発、律には素直。
※健児が居なければ、笑いのない内容になっていた。
自己肯定感低めの律(受け)が西先生(攻め)に優しく愛されていくのがめちゃめちゃよかった!
強いて言うなら、律くんが母親とどう付き合っていくのかは気になります。
その後の彼ら、みたいなものを見れたらいいなぁ~!
月村先生初読みです。
あとがきで地味めな作品とおっしゃっていましたがとんでもない!
最高に優しくて暖かい、また月村先生の作品を読みたくなるお話でした。
主人公の律は母親の影響でひどく後ろ向きで母親と関わるたび鬱々としています。
こういった暗い部分を持っている登場人物が主人公だとその描写ばかりが繰り返され、分かったから先に進んでよ!ともどかしい思いをすることが多々ありました。
しかし律の場合はそんなことがなく、スムーズに読み進めることができます。
律母の毒親パターンが豊富なことも一因だと思いますが何より健児の可愛さと倫太朗の甘やかし具合が絶妙で、律と一緒に気分が上がったり下がったりするから鬱々とした場面もくどく感じないのかなと思います。
律の後ろ向きはプロ級です。
さすがと思わず感心したのは倫太朗から買い物に付き合ったお礼にと財布とキーホルダーをプレゼントされたシーン。
これはもう自分に気があるのでは!?期待しては駄目だと分かっていてもしてしまう!の一択かと思いきや、仰々しいお礼が必要なほど距離がある相手という選択肢が出てくる不思議。
言われてみれば考えられなくもないけれども!倫太朗の態度は!もう!脈アリでしょう!?
後ろ向きすぎて苦笑ものですが、そんな律が愛おしくもあります。
ほんとにいい子なんです。
母親との関係も絶縁やざまぁがあって欲しい所ではありますが、そうしないのが律でそうしようと言わないのが倫太朗なのかなと思います。
現状維持の様で大きく変化しているさまはかっこよく律の成長に感動しました。
「ありがとう」と言われる仕事が好きから始まり、根本は変わることなく+αの感情が芽生えて終わる筋の通り具合も好みです。
何か小説読みたいなー高評価だしこれにするか!とノリで購入した本でしたがとても良い出会いでした。
母親が毒親そのものというレビューを読んで、うわぁ絶対にこれ私は消化不良になるやつだ……と積んでたのに、それをすっかり忘れて読んでしまいました。
途中で登場した母親のありえなさに、なにこいつ?となり、はっ!これは例の…と気づいたけど、時すでに遅し……。
でも読んで後悔はなかったです。
攻めはめっっっちゃ好みのタイプだし、受けは被虐待児で自己肯定感が低いなりにも「自分の人生を、自分のできる範囲でしっかりと前向きに生きよう」と一人暮らしを初める前向きな健気さがあって全力で応援したくなる子。
確かに、愚痴と当てこすりしか言わない受けの母親の口に象の糞でも突っ込んでおきたい衝動にかられるのは事実なんだけど、でも見事なまでの毒親っぷりに逆に哀れみの感情を抱いてしまったんですよね。
この女は負のスパイラルに自ら陥ってることにも気づかず、日々不平不満にまみれながら年老いて死んでいくだけなんだろうなぁ……ザマーミロ!と。
そしてきっと母親の親も毒親で、母親自身も愛を知らずに育ってしまった人間なんだろうなぁとも思います。
白いものを「黒」と言って育てるような親の元で育ってしまうと、異常さにも気づけないからどこか変だと思ってても母親に言い返せない受け。
それが、攻めと出会ったことで母親に言い返せるようになったところが良かった。
すごい成長だと思うし、一人では絶対に不可能だったと思うんですよね。
完全に縁を切って母親がのたれ死んでも構わないと思えるような子ではないので、端から見ると確かに生ぬるいようにも感じるけど、あれがベストだと思いました。
それにあの女は制裁しても自分の非に気づくどころか全力で縋ってきそうというか、死なない限り治らないタイプだと思うので制裁しても無駄というか……。
攻めは穏やかで包容力あるイケメン。
めっちゃ好みのタイプの攻め様でした。
そんな攻めが「かわいいね」「きみは本当にかわいいね」って何度も言うところが好き。
確かに受けはお料理上手で健気でめっちゃいい子で本当にかわいいんだけど、〜してくれるからかわいい、〜だからかわいいっていう意味じゃないと思うんですよね。
親って子供が素直でいい子だからかわいいとかではなく、憎まれ口叩いてこんにゃろぉぉ!とか思いつつも、無条件にとにかくかわいいんだなって自分が親になってわかったんだけど、それと同じというか。
本当は実の親から「かわいい」「かわいい」と言って育ててもらえるはずだったのに愛してもらえなかった受け。
攻めからの「かわいい」には本当は親からもらえるはずだった「そこにいるだけでかわいい」という無償の愛みたいなものが感じられて、そこがすごく良かったです。
あと攻めの弟がこれまたかわいい思春期男子!って感じで良かったです。
受けの律の心の浮き沈みが、個人的には性格と環境を表していて良かった。楽しく嬉しいことがあった後にそれに罪悪感を覚えてかき消す様に不幸な事を考えて…実際事が起こり、この感情の振ればが大きければ大きいほど自分とリンクして切なくなったりした。
律に感情移入して胸がいたくなったり…一喜一憂するのが、変な言い方だけど楽しかったし、これぞ読書の醍醐味だな〜って思ったり。
後半が律の性格を考えると個人的に少し駆け足のような感じがしたけれど、心情と行動原理は辻褄があっているので気のせい、で済ませられるかな笑
『倫太郎に自分のレベルまで降りてきてもらうのではなく、自分が倫太郎のレベルに近づきたくて』って一文にすごく恋心を擽られた!そうだよな〜って共感もするし、相手もそう思ってくれてるよ〜!って応援したくもあった。
律がすごくいい子で、今までが今までだからもっともっと幸せになってほしい。もちろん倫太郎と。
yoco先生の絵が雰囲気に合っていて、表紙も扉絵も素敵で…本当にいつも先生の絵だからと表紙買いをしてしまう。そして今回は大好きな月村先生の作品でもあるので作者買いは当たり前の流れで即購入(笑)
律の手仕事の腕前と倫太郎の弟くんの恋模様を機会があったら書きたいと作者様が仰っているので…是非とも読みたい〜!
律と倫太郎がもっともっと甘く幸せになるところが読みたかったので期待したいけど…弟くんの話がスピンオフで出ても、律の話は少なめかな〜と予想しちゃうとちょっとションボリ…(´・_・`)
そんな風にもっと読みたい、2人の話を追いたいと思うくらい大好きなお話の1つになった。
甘くて切ないお話は大好きです。
そのうえ薄幸な主人公が優しい人に出会って幸せになっていく姿を見ていくのはもっと好きです。
そんなキーワードに萌える人にお勧めしたい作品です。
主人公の律は、母親に産んで育ててくれた恩を返すためにどんな理不尽なことを言われ傷ついても嫌えない健気な子です。
毒親に虐待され賢く聡明なのに切り捨てられず、「大事にされている人は、大事にされるだけの徳を積んだ人」だから自分が誰にも大事にされないのは当然なのだと思いこんでいるところがとても悲しいです。
料理から手芸や手作り石鹸など素敵な趣味なのにそれを『あったかい家庭ごっこ』かもと自虐するところなど涙なくしては読めませんでした。
人から褒められたがり感謝の言葉が欲しくて仕事をする自分はあざとい人間で、よく思われたいがために親切にする感情を厭う律に、他者に認めてほしいと思うのは当たり前なことだよ、と言ってあげたくなりました。
倫太郎には、否定され続けてきたから自分さえも自分のことを肯定できなくなっている律の優しい心根を認め傷だらけの心を癒してくれたいいと思いながら読んでいました。
刹那的で今の幸せは長く続かないものだなんて思えないくらいに末永く幸せにしてあげてほしいです。
最後まで母親の身勝手で自分本位な性格や物言いは変わらずこれからも改善されることはないでしょうが、大人で心が広い恋人とハッキリ物言うその弟のおかげで少しずつ関係性が変わっていくような気がして安心できました。