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utakata no uroko
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
「この作品がBLアワードにノミネートされなきゃ、死ぬ。」でこの作品がアップされてて、確かにこの作品埋もれるの勿体無いわっ!と思ったのでレビュー書きます。
ほんといいお話なんですよーと声を大にして言いたい。
(ただしごめんなさい、私自身はぎりぎり180Pに達していない某新人作家さんの作品を推しましたが)
初めて読んだときは、「そんなぁ‥‥」とショックで………。
その切なさに心締め付けられて思わず落涙し、すごくいいお話だけどレビュー書くためには読み返し必須なので、まだ読み返せない……と思っていたけど、埋もれさせたくないから読み返してみた。
で、また泣いた。
結末知っててもやっぱり泣いてしまう。
ていうか、泣くに決まってる。
だって純愛だもん。
繊細で、切なくて、相手への思いの深さに心締め付けられるぅぅぅぅ、めっちゃ愛だわ、愛……うううっ……ぐすっっ(涙)みたいなのが好きな方はたまらなくお好きだと思います。
メジャーデビュー直前に声を失った鉄太と、魅力的な声の持ち主・凪との出会い。
二人で楽しく過ごしたひとときは、本当に泡沫の日々、泡沫の出来事って感じだけど、でも永遠。
「いつだってそばにいる」がこれまた泣ける。
高村光太郎の智恵子抄からの一節「あなたはまだゐる其処にゐる」とか、谷川俊太郎さんの「あなたはそこに」とか、そういうのが好きな私は、ついそれらと重ねてしまい、これまたトドメのように泣けちゃうんです。
(ただし挙げた二つの詩は亡き人への想いを詠んだものなので、この作品とは少し異なりますが。)
でもきっと……と思わせてくれる救いがあるので、「泣ける」にビビらず読んで欲しいです。
うたかたって「泡沫」って書くことをこの作品通じて知ったのだけど、全編通じて、泡のはじけるような音、耳をくすぐるかのような凪の歌声、潮のざわめきに満ちていて、作品そのものが心を揺り動かす美しい音楽のようです。
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そして、作品の世界観壊すようなことを一つ言わせていただくとすると……
私が凪父なら、とりあえず山奥住むわ。
初レビューです!!!!!
いつもは見ているだけなんだけど…『泡沫の鱗』への愛をどうても伝えたい。
1度読んで…気持ちが溢れてもうどうしていいか分からない。今年の夏はずっとずっと2人のこと思っていました。この作品がきっかけで、水族館に久しぶりに出掛けて…水族館のシーンに美しい青い海の色が重なります。
ソライモネ先生の美しい絵とファンタジーの世界…まるで絵本の世界。2人のその後を思って私の心は今も泡沫の世界にただよっています。
パパの優しく見守るようなあの笑顔…
瞳から伝わる2人の感情…
美味しそうなごはん
パパとママの愛…
ご自分で「書き込み芸人」とおしゃっていましたが…
ことばやセリフじゃなくて、2人の表情から気持ちが伝わってくる。まるで映画を観ているみたい。水族館の魚たちはみんな表情があって可愛い!ソライモネ先生の作品への愛をすみずみに感じます!
人外ファンタジーですが、子供の頃に読んだ絵本を思い出す…そんな作品です。きっと抵抗なく心にすんなり入ってくると思います。
読んだ人向けのただの感想ですね…参考にならずスミマセン。。。。
2018年、作品世界に感情を引っ張られて、しばらく戻ってこれないことが三度ありました。
『ラムスプリンガの情景』、『エンドランド』、そして三度目が『泡沫の鱗』。
すべて心交社の作品です。
もちろん作品の良さは作家さんの力量です!
でも三作品とも設定が特殊だから、他の出版社だったら軌道修正されてしまったかもしれない。
心交社は「好きに描いていい」と言っているとおり(『このBLがやばい!2019』吾妻香夜先生インタビューより)、作家さんの ”描きたい情熱” を熱いまま読者に届けてくれる力がある気がします。
なかでも一番驚いたのが『泡沫の鱗』。
心交社以外に、この話を描くことを許す出版社があるだろうか?
「あびるあびい」から「ソライモネ」に改名して初のコミックス。
絵のクセが強いので、前PN時代の作品は読んだことないのですが、本作は色鉛筆の輪郭に水彩を重ねたような表紙に惹かれて購入しました。
元ハンドマンと、歌に出会った男の話なのに、どうして表紙は海の中をイメージしたものなんだろう?
その答えは【作品】から感じとったほうが良いと思います。
元バンドマンの鉄太は、メジャーデビュー目前に喉を壊して歌えなくなってしまった。
昔の知人から曲を作って欲しいと頼まれても、自分の音楽を他人に託すことはできないし、かといって曲を作ることもやめられない…
絶望のなかから抜け出せない鉄太にとって、この時の一番の望みは、”元通りに自分の歌を歌えるようになること” だと思う。
そんな鉄太が、海辺で、空と海の間の色の瞳をした綺麗な凪に出会います。
凪の歌声は海のなかの泡沫が煌めいているような印象的なもので、絶望の中にいる鉄太がはじめて自分の歌を託したい、歌って欲しいと思えたんです。
凪は歌なんて歌ったことがないし、なにより自分をかばって死んだ母をまだ愛している父のそばに居たくて、鉄太の願いにうなずくわけにはいかない。
凪は「毎日俺のこと説得しにきてよ」と小野小町のようなお願いをして、鉄太は深草の少将のように毎日、凪を説得しにやってきます。
絶望のなかにいた鉄太と、母を殺した罪悪感から自分の人生をどこか諦めていた凪、二人は一緒にいることが楽しくて、傷は癒され、救われていきます。
そして凪は鉄太の歌を歌うことを決心して、二人のはじめてのミニライブは大成功!
鉄太と凪は音楽でも人生でも唯一無二のパートナーになって生きていけるはずだったのに…
まるで違うストーリーがはじまったかのような急展開…
失うことで得られた代償は、凪からの精一杯のメッセージで、かつての鉄太が一番叶えたかった望み。
でも、鉄太が本当に叶えたい望みは凪と出会ったことで変わってしまったから…
代償でかつての望みが叶うことは苦しくて、悲しくて、そしてどこか美しい。
だから表紙はあの絵なんだ、タイトルは『泡沫の鱗』なんだ。
読み終わった時に「人魚姫」が思い浮かんできました。
苦しくて、悲しいのに、美しくもある。
バッドエンドなのかハッピーエンドなのか終り方は曖昧です。
たぶん読んでる人それぞれが判断して、その未来を信じればいいんだと思います。
私は希望はあると思っています。
代わりに叶えられた望みよりも、本当の望みのほうが叶うはずだと信じています。
二人のお互いを想う気持ちはそれだけの強さがあるはずだから…
あとがきは無いので私の憶測ですが、ソライモネ先生は作品構想のなかで「人魚姫」のことも考えた気がします。
悲しさと切なさの中にある美しさ、それを描きたかったんじゃないかなって思います。
最初から最後まで、鉄太と凪の表情はもちろん、ひとコマひとコマ、背景の一つ一つから、ソライモネ先生の「この話が描きたい!」って情熱が伝わってきました。
作者さんの強い想いが込められた作品だけど、昨今のBLはハピエン以外は描いてはいけない風潮があるから、心交社以外だったら、このストーリーのラストはもっとわかりやすく変えられてしまった気がします。
もしそうなっていたら、ソライモネ先生の ”情熱” はここまで伝わってこなかったし、作品世界に感情を引っ張られて、しばらく戻ってこれないような力強さも感じられなかったと思います。
この作品は、BLはイチャっと甘く終わらせなければいけない、そんなBLセオリーに安心していた私に「喝」を入れてくれた気がします。
「この作品がBLアワードにノミネートされなきゃ、死ぬ。」で取り上げられてからレビューを目にすることが増えて読んでみようと思った作品。
(広告やCMと一緒でレビューも3接触目くらいで目に止まりますね。書いてくださったレビュアー様方に感謝です!)
※以下、少しネタバレ気味なので未読の方はご注意ください。
アワード投票中に読めばよかったなってくらい、とても良かったです。
大人が読みたい絵本のような作品でした。
物語も素敵だけど、何よりまず絵での表現がすごいんだ。
色とか音とかが溢れてくる感じなの。すごいの!
描き込みが凄いんだけど、いわゆる漫画家さんの「描き込みが凄い」ってのとはまたちょっと別モノで、アート的というのかな。
で、この絵が物語の説得力にばっちり繋がってる。
心を揺さぶってくるのは、本作ではセリフやモノローグよりも間違いなく【絵】でした。
そして物語の方はというと・・・この結末はきっと誰にも予想なんて出来ないと思うな。
歌声を失って自失したシンガー〔鉄太〕が心を揺さぶる声を持った青年〔凪〕に出逢って生命力を取り戻していくお話なんだけど、最初は分かりやすい萌える関係性が描かれるんです。
第5話まではバンド漫画/バンドBLのセオリー然りと進んでいきます。
そこからが衝撃でした………
読み終わった直後は正直感想がまとまらなかったです。
ただ、それとは別に作者の死生観のようなものを感じるところがあって。
それが残ったんですよね。
「鱗」っていうのは自分を守ってくれるものって意味かな。
ソライモネさんが何を想ってこの物語を描かれたのかは分からないけれど、
一番大切なものを失った時に失ったことを嘆くんじゃなくて、それが残してくれたものに目を向けよう。それがきっと君を守ってくれるから。
そのことにちゃんと気づいて大事にできたらきっと君は強くなれるだろう。
そんなことを作者が作者自身に言い聞かせているようなお話だと、読み終えて1日経った今は感じています。
「自分の一番大切なものを置いていく」
この言葉が凪が置いていったものと繋がった時、涙が止まらなくなりました。
【電子】booklive版:修正-、カバー下なし、裏表紙なし
まさかのファンタジーでした…
あらすじを読まずに読んだので驚きました。
表紙のイメージ通り人魚姫のようなお話です。
ラストに凪が鉄太に残したものに涙です…
歌えなくなった元ミュージシャン・鉄太
✖️
不思議な青年・凪
夢破れ、歌うことを諦めた鉄太だったが、
偶然出会った凪の声に惹かれ、
2人で夢を追いかけ始めます。
2人でいれば強くなれる…
しかし、目が覚めたとき凪は側にいなかった…
誰も凪のことを覚えていない。
そして明かされる、凪の正体とは?
鉄太の前から姿を消した凪が、
最後に鉄太に残した大切なものとは?
楽しかった2人の日々を思い出すと辛いです。
描き下ろしもない…
でも、ほんの少しの希望が残りました。
あとは、自分の中で想像を膨らませます。
久しぶりに心に深く残る作品に出会いました。
独特な世界観が素晴らしいソライモネ先生の作品を、
もっと多くの人に読んで欲しいです。
ネタバレ
予想外の展開に困惑。状況を受け入れられていないのに凪の残した物のシーンで次から次から涙が勝手に流れてくる、という多分初めての経験をした。凪ーー
それまでの鉄太と凪の物語が自分の中で「これ最高に好き!」というレベルの良さだったから…
とにかく私は凪みたいな素直で可愛い、キュート、チャーミングな男子が大好きなもんで、こういう子に出会えるからbl大好き!!って思いながら読んでたから。でも、その凪が急にいなくなっちゃって…。
やだやだこの展開、ファンタジー好きだけど今はいらないよ、幸せそうな凪と鉄太が見たいんだ…って気もそぞろで読んでたら、あのシーンになってもう分けが分からないぐらい涙が。美し過ぎる自己犠牲。
しばらくはショックが大きかったけど、凪の願いは鉄太の歌声が戻る事、そしていつまでも一緒だよっていうこの結末が今は気に入っています。美しいお話でした。すっっっごく切ないけど。
久々に文句なく素晴らしい作品に出逢いました。
これはネタバレしない方がいいと思うので、ぜひ前情報なしで読んでほしい、そして多くの人にこの素敵な物語を読んでほしいなぁと思います。
歌えなくなってしまったミュージシャンが、一人の青年、凪に出会う。きらきらして、屈託なく、でも影も持っている、目が離せない凪。二人の紡いでいくお話が、一つ一つの会話が愛おしい。
背景も丁寧に描かれてて、街並みとかずっと眺めてしまう。登場人物の表情とか、セリフとか、そういうものを通じて作者さんの想いが強く伝わってきます。本当に素敵な作品です。
ラストは、、あれしかなかったと、今では思います。切ないけど、愛しい、そんな感じ。
この作者の絵は、下手に見える崩した画風で、魚の絵が生々しく感じてしまう。
読んだらきっと心が震えると思う生き別れの悲恋。
凪の生き方は一粒の麦もし死なずば・・みたいな殉教に通じるものがある、他を活かす為の自己犠牲。
海の近くで父親とレストランを営む美しい青年、凪
喉の手術で歌えなくなったシンガーソングライターの鉄太
海で溺死した母を持つ凪は、海の水に触れてはいけない秘密がある
・・これだけ知っただけで、なんとなく結末の予想が付いちゃう。
titleの通り、ほんのひと時だけの交流で、泡がパチンとはじけるように生き別れで終わる恋。
人魚といえば、“美声と失声”のアンデルセンの物語や、美声で歌うローレライを思い出します。
凪は、「陸で生きる人」鉄太の為に、凪の大事なものと鱗一枚を残して消える。
父よりも大事な人が出来てしまった凪は、鉄太の為に自分の運命を受け入れる決心をする。
凪の笑顔は、切なくて眩しい。愛する人の為に命を燃やすって、こういう形なのかもしれない。
凪の父は、凪の母が残した大事なものを失ってしまう。
鉄太は、「凪の大事なもの」と一枚の鱗をよすがに、凪と何時かまたどこかの海で再会できる、と信じて生きる。
また再会できるといいな、と思いながら読了。
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泡沫:
「泡」も「沫」も訓読みで「あわ」
1 水面に浮かぶ泡 (あわ) 。「泡沫の如 (ごと) く消える」
2 はかなく消えやすいもののたとえ。
人魚:
人間の上半身と魚の下半身を持つ種族の名称。
男の人魚をマーマン(Merman)女の人魚をマーメイド(Mermeid)と呼ぶ。
「歌で人の心を魅了する」能力を有する。
使徒パウロの「目から鱗が落ちる」:
「迫害者サウロ」が改心して「使徒パウロ」が誕生する場面
”そこでアナニヤは出かけて行って、その家に入り、サウロの上に手を置いてこう言った。
「兄弟サウロ。あなたの来る途中、あなたに現れた主イエスが、私を遣わされました。あなたが再び見えるようになり、聖霊に満たされるためです。」
するとただちに、サウロの目からうろこのような物が落ちて、目が見えるようになった。”
新約聖書 使徒の働き 使徒の働き 9章 17-18節
読後思ったことは「なんで此処に住んでんだよ親父!!!!」でした。
いや、分かりますよ。父もね、母との思い出の地に住み続けたいとは思うんです。でも海の近くに居を構えなくてもさ〜〜〜〜でもあれか?いずれは自然と引き寄せられちゃうの?どうなの?
すごく好きです。すごく好きですけど父へのモヤモヤを拭い去れない。勘弁してくれ父。
絵柄もストーリーにぴったりで、描き込みのバランスも大変良かった。恋愛感情が曖昧なまま進み、ライブ後に高まって致してしまうという音楽マンぽさ(偏見)もそれはそれで大変良く、じわじわじわじわと高まってたところからのズドン。ほんとズドン。
ラストは人によって解釈違うでしょうね。私も私なりに読み取ります。
声をなくしたシンガーソングライターが、ある出会いから、歌を取り戻すお話。
メジャーデビューまでもう少しだったのに、喉の手術で歌えなくなってしまった主人公の鉄太は、他の歌い手への曲の提供は拒みながらも、それでも音楽とは離れきれずに、中途半端なバイト生活を続けています。そんなある日、堤防でギターを弾いている時、海辺のレストランの息子・凪と知り合います。
鉄太が、凪との出会いをきっかけに、自分の音楽を取り戻していくことと、凪との間に愛を育んでいくことが丁寧に描かれていきます。
凪親子の営むレストランでの初ライブの成功。
そして、さあこれからという時に…。
以降ネタバレ
タイトルや帯からお察しの通り、凪は実は…で、結局二人は離れてしまうのですが、音楽さえあれば、どこにいても、いつかまた会えるよって言うラストが、明るくて、切なかった。