お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
suna no shita no suimyaku
作者様曰く「総ハッピーエンド」。
しかし読後感は…
どこがハッピーやねん⁉︎と突っ込んでしまいますよ!
いや、やっぱりハッピー…なのよね?良かったね…で終わるもんね…
「0.02」コンマゼロツー
不憫眼鏡登場。
一応高校生BL。好きな上野に騙されるようにヤられ、しかも一部始終を撮られ、面白半分にその動画を友達に曝される大人しい篠田。
そんな鬼畜上野をブン殴る真島。篠田は礼のつもりなのか真島に「やろうか」と誘ってくる。なぜなら真島と上野の声がよく似ているから…
切ないねぇ。
ラストは数年後社会人になって偶然会う真島と篠田。どうやら真島自身の声が篠田に届いていたらしい。これから2人は恋人になるのかな?
「BITER」バイター
ビッチな教え子(高校生)に辟易とするカテキョの大学生。
当然、広海はカテキョの閑谷が好きなの。でも閑谷がホモ嫌いだから傷ついちゃって閑谷が家に来る日にわざと男とヤってるわけ。痛々しい青春ね。
でも結局は初めて見た時から閑谷は広海に心を動かされていた…ってこと。
広海の、傷ついた心を隠す時の目と、少年の素顔のような笑顔のギャップの表現がさすがです。
「Trillium」トリリウム
不憫眼鏡再び。
一言で言ってしまうと、双子の愛憎に巻き込まれた男の話。
片方の恋人だった男は、元々絡み合っていた双子の愛憎の環の一部となって3人でひとつの花になって咲く…
暴力と倒錯、そしてかすかに耽美の香り。
「春宵値千金」
これもどこか寂しい話なんだけど、他の収録作に比べるとホッとするハッピーエンドです。
下宿の隣部屋の先輩と恋人になるが、夏休み中に先輩の家族が皆事故死してしまい、ひとり残された祖父を助けるために先輩は大学を辞めてしまった…
自分にはどうすることもできない。独り寝にも慣れるだろう。でも…
別れを受け入れようとする受けの心が切ないし、強いね。
「砂の下の水脈」
ミステリー仕立てのダークなお話。
記憶の混乱、薬物、監禁、そして殺人のほのめかし…なんとも恐ろしい展開イメージが続きます。
明かされる真相もまた陰惨で…愛憎をついに越えて幼い時の詩的な想い出に戻っていく感覚…ラストは文芸的。
「あとがき」
ダークな作風と打って変わって楽しいあとがきです。ここでクスッと笑って中和される感じです。
短編集なんだけど、どれもストーリーが濃いし心にズンと響く。暗かったり悲しかったりするストーリーの下の水脈には愛を信じる心が流れている。
久々に読み返しましたが記憶にあった内容よりも、登場人物たちが辛い目にあっていてこんなハードな内容だったけ??と驚きました。
あとがきで「総ハッピーエンドの一冊」と描かれていますけど、深井さんらしいハッピーエンドといいますか、そう易々と幸せを掴ませてはくれず、ちょっと気の毒になるほど辛い目にあった末にようやく得るハッピーエンドって感じです。
高校の同級生同士を描いた【0.02】、家庭教師と教え子を描いた【BITER】どちらも痛々しく傷ついた末に得た幸せを描いていますが、圧巻はやはり表題作の【砂の下の水脈】だと思います。
何層にも重なる仕掛けがあって、最後まで何が真実なのか判らず目が離せません。シリアスな痛みを逃げずに描ききるところが深井さんらしい作品だと思います。
愛し合う二人の前に現れた双子の片割れという三人模様を描いた【Trillium】これはガチ兄弟のセックス描写はあるし、ハッピーエンド??と言えるのかどうか判らないメリバっぽい作品です。
【春宵値千金】はアパートに下宿する先輩後輩を描いたおり、この一冊の中で一番穏やかでハラハラせずに読める作品となってます。
深井さんの作品らしく?陰気な話のオンパレード。
でも結果オーライばかりなので、バットエンドがダメな人も大丈夫かと。
表題作が少し長めで、他は短編。
「春宵値千金」
このコミックの中ではライトテイストでほっこりしてて好きでした。
桜吹雪を寝転んで見上げるのはいいな~と思いました。
「Trillium」
双子ネタ。歪んだ三角関係は嫌いじゃないです。
むしろ好き。
近親って閉鎖的なストーリーになりがちだけど、私的にはそれも良いです。
初出2000年とかだから大分前になりますね。
この方、わりとピッチ早くたくさん描かれてて、
ストーリーは結構いつも好きなのだけど
時々絵がちょっと雑かなと思っちゃうことがあって…
それがこの方のスタイルなのかもしれないけれど…
もう少し絵が丁寧ならもっと好きかだな~と。
その辺がちょっと残念に思います。
どの話も、わりと遠回りしてのハッピーエンドなイメージの短篇集でした。
甘いの読み続けていたので急激に重たく感じてしまった1冊だったのですが
どれも面白い作品でした(*´∀人)読んで悔いなし
>>0.02
好きだった相手は、自分の好きな男に犯されていることを知った。
もちろん、相互の恋愛感情は成立しないまま
そこから~なお話。
夢中で人を好きになって~からなお話なのですが、
誰も歌わない歌を大声で歌う。それが数年後に巡り巡ってまた聞くことになり~な
はっとするようなキュンをいただきました。
幸せになってほしい。ラブなその後が読めたら~と思う反面
画にしなくても見えるようで良かった。こういうの好きです
>>バイター
好きな相手とはHしたことがないという教え子は、いつも攻が家庭教師に入るのにあわせて男を連れ込む。。。。
受の気持ちを考えるとちょっぴりセンチメンタルなのですが
その不器用さが若さなのかなと思いました。
>>トリリウム
双子と~な話。ちょっと難しくて結局なにがどーなってどーなのか
わからなかった。。。。ん~・・連結は萌えた←ぉぃ
>>春宵価千金
季節めぐって繰り返す。
ほのぼのしてて好き(ノ∀`)
親公認ってスバラシス
>>砂の下の水脈
お風呂のなかでコポコポいってる死体の画が忘れられません・・
ヤクザ~なお人のものがたり。
記憶を断片的に失っている受。目の前にいた男との関係は・・!?
最終的に、攻の人・・・昔は受のオヤジのイロ・・ということは攻守どっちでも・・・・はぁはぁ・・に、落ち着いてしまった自分が憎い(´;ω;`)
記憶を失っている間、それまでのこと、思い出したこと、残ったもの。
その関係すべてが最後につながるためにと思うとすごく良かった。
どんなに恨まれても、どんな仕打ちに耐えてもそばにいて
好きという気持ちを貫いた攻に乾杯。うんうん。
深井さん大好きなんですよ、どれ読んでもハズレ無し。
ストーリーテラーでマンガも面白い。
若い頃の自分は、絵はちょいダサ入ってる位の方が絶対マンガは面白い!!と主張してたんですが(まあ若さ故の主張って事で~)深井さんはこの法則にばっちり当てはまります。
短編集ですが、どれも読み応えあり。
痛さ、甘さ、エロ、恋愛、人の感情の交差、愛憎、ストーリー展開、色んな要素がぎゅぎゅっと詰め込まれてる一冊。
あとエロはやっぱちょい汚い位が(汚いっていうと語弊があるけど)生々しくてエロいと思います!
体毛の感じとかもエロいー、受のすね毛加減もいいです。
表題作は二転三転する展開はこれだけで一冊行けそうな密度。
他の話も全部好きだけど、「0.02」の痛さと甘さの匙加減とか好きだなあ。
ちなみにデータとして書いておくと自分の手持ちは2008年2月の2刷版です。
初版は2005年。
もしこの表題作だけで一冊だったら、ものすごく重くて暗くていたたまれなかったかもしれませんが、心をえぐるドラマの造りが素晴らしいです。
何度も書いてしつこいようですが、深井さんのストーリーは本当に上手いです。
主人公、絹一郎が目を覚ますと大人になっていて、慕っていたお兄ちゃんの基哉は高校生だったのにもっと大人になっていた。
タイムスリップでも何でもなく、絹一郎の嫌な時代の過去の記憶が一切飛んで行ってしまっていたのです。
ミステリー仕立てで進むこの話。
幸せだった頃の自分に退行したまま進む、基哉との閉ざされた世界で、お互いを好きと言えた時間は短く、絹一郎の記憶が次々とよみがえってきます。
失った記憶の間に何があったのか。
基哉は一体何をしたのか。
絹一郎の前から基哉が姿を消して数年後、政治家の父が亡くなり、基哉を探し出した絹一郎の告白は、あまりに衝撃的でした。
罪を犯した二人は、離れられない二人となる。
甘さの欠片もない、シリアスストーリーですが、ドラマチックとはこのことだと思い知らされます。
他の4作品も、ビターな味わいの作品群でした。
「0.02」=視力の悪い篠田が、髪をそめたら自分の好きな人にそっくりになった真島に勘違いして、うっかり発言をしたことで起きる切ない事件。
でも、最後に社会人になって再会する二人が登場してほっとさせられました。
「BITER」=家庭教師先の少年広海は当てつけのように関谷に違う男を見せつける。自分がゲイだったことを否定された嫌がらせだったのに、関谷の鈍感さにイライラ
「TRILLIUM」=譲と恋人の桐原は、ある日突然譲から別れを切り出される。そして訪れた譲は、余りに別人のようになっていて。
譲は一卵性双生児の衛から逃げていたのでした。その衛に捕えられた譲と桐谷。
双子とのダークサイドへ落ちる話。
「春宵値千金」=実家へ帰るため別れなければならなくなった二人。
先輩は風のような人でした。
全体的に全く明るいタッチのトーンではありませんが、がっつり読みたい方にはお勧めの一冊です。
表題作「砂の下の水脈」は心から「ハッピーエンドでよかった・・・」と
思わされるお話でした。
記憶喪失と殺人事件という重いテーマと
基哉と絹一郎の甘い時間の対比で読む側はハラハラ。
記憶を失った絹一郎の態度や言葉は
基哉にとっては欲しくても手に入れられなかったもの。
だから基哉を守るためにすべてに背いて、背負うことを選んだんだと思います。
最後にその選択を勝手だ、と否定して罪を分けていこうとした
基哉を見たとき、見てるこっちまで涙が。
愛情とも、憎しみともとれない感情で繋がっていたふたりが
互いを「許しあう」ことで初めて向き合えたんだな、と。
読んでいる間、題名の意味をずーっと考えていたんですが
基哉の言葉でやっと判りました。
すごく深くていい題名だと思います。
短編集です。
表題作はミステリーちっくで、せつない感じがすごく伝わってきて思わず読み入っちゃいました(*´д`*)
17才の絹一郎が、ドラッグのオーバードーズで記憶障害に陥り、12才の頃に逆戻りしてしまい、何故か小さい頃よく来た山陰の別荘にいます。
そこでは基哉と2人きりで、基哉はやさしく面倒を見てくれてます。
ネタバレになっちゃうので余り詳しくは書きませんが、単行本1冊の中にうまく納まってるなーって思いました。
この人のたまに書くミステリアスな話が凄く好きです。
反対に妙に現実的な話もあったり 笑
最初に読んだのは随分前ですが、凄く印象に残った1冊です。