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kokoro wo hanbun nokoshitamamadeiru
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
「心を半分残したままでいる」第2巻です。
ある意味、ここから全然読めますが、1巻から読まれる事を強くおすすめしたい!!
何故なら1巻から順番に読み進める事で、構成の妙が際立つ作品だからです。
元々、ストーリーテラーとして定評を得ている作家さんだと思いますが、今作ではホント神懸かってると感じます。
張り巡らされた伏線に、読者に向けて巧妙に仕掛けられた罠。
今回、衛と真文の過去が語られます。
ここで、1巻で仕掛けられた伏線や巧妙な罠がたくさん明かされてと言った所。
普通にこの作品だけ読めば、二人が心を通わせて行く甘酸っぱい初恋ものなんですよ。後半につれ、グイグイ切なさは増すものの。
それが、読者側は二人を待つ未来をもう知っている・・・。
何気ない一つ一つのエピソードだったり、ちょっとした「セリフ」。
そんな一つ一つが、切なくて切なくて仕方ないのです。
「あっ、これは!!」と未来のエピソードとリンクして。
なんかもう、涙を堪えながら1ページ1ページ読み進める感じでしょうか・・・。
内容です。
家庭環境から髪を脱色し、世の中を斜めに見ていた中学生の衛。
そこに隣人として引っ越して来た、上品な母子・静良井。
人懐っこい静良井にしつこく話し掛けられ、徐々に心を許して行く衛。
しかし二人が恋人として付き合うようになっていたある日、静良井はまたもや記憶を無くしー・・・とストーリーは語られます。
で、2章に分かれていて、前半がこの衛視点。
後半が同内容を正文視点で語られます。
前巻では謎のままだった『M』の正体が明かされ、カナリーのオーナー・中上の微妙に不可解だった言動が今回で腑に落ちと、先に書いたように構成の妙に唸らされる今作。
そして、今回初めて明かされる中上の真実ー。
実は前作での、中上の反応が不思議で仕方ない部分があった私にとっては、なんともスッキリ胸に落ちると共に、悲しくて仕方ない巻ではありました。
だって、どれ程深く相手を思っていても、まだ高校生や大学生の青年にとっては重すぎる現実だから。
記憶を無くしてしまう静良井自身も切ないですが、無くすたびに恋人に他人と認識されてしまう衛の孤独は如何ばかりかと。
ここで、1巻での中上の「慣れている」と「恋人は死んだ」と言うセリフが胸に迫るリアルさを持って心に落ちる・・・( ノω-、)
哀しい。哀しくて仕方ない。
ところで、砂原先生は新書館の「エロ番長」と言う二つ名がございます。
今回、二人の初エッチが両視点で読めるんですね~。
静良井は事後の感想のみですけど。
で、静良井は儚げな美人なんですよ。中身はともかく。
そんな綺麗な年上受けに煽られまくる高校生・衛!!
いやもう、静良井の何気ない言動一つで、欲情を滾らせまくっている衛にはニヤニヤしちゃいました。
幸せそのものの二人を見ていると、切なくて仕方なくもなるんですけどね。
で、今回も「ここで!?」と言うラスト。
ここから1巻の二人にどう繋がるのか。
そして、1巻の衝撃のラスト-。静良井はどうなったのか・・・。
来月発売の完結巻をジリジリ待とうと思います。
『心を半分残したままでいる』の2巻。1巻がめっちゃ面白かったので2巻の発売を心待ちにしていました。
内容はすでに書いてくださっているので感想を。
とにかく文章の構成力とか、展開の仕方がすごくお上手。
1巻だけでもググっと惹きつけられましたが、2巻を読むことで1巻の伏線を上手に回収している。1巻で違和感を感じたところが、2巻で解明されていきます。
2巻は二人の過去の回想。
そして、「M」の存在も明らかになります。
1巻を読み終えて、2巻を読むまでは単純に1巻の「その後」が書かれていると思ったのですが、2巻はまさかの回想編。
なのですが、この順番がすごく良い!
さすが砂原さん、としか言いようがない。
時系列のつなぎ方。
1巻の、ちょっとしたエピソードが、二人にとってどんな意味を成すものなのかを読ませる展開。
そして言葉のチョイス。
どれをとっても圧倒され、そこそこ厚みのある作品なのですが一気に読んでしまう。というか、途中で止められない。
1巻は静良井視点で描かれていますが、2巻は衛視点。
二人の複雑な家庭環境。
彼らが歩んできた歴史。
大切に育ててきた恋心。
まだ若い衛が、真文を一途に愛し、そして何度でも「はじめまして」と声を掛けようと決意した。彼の想いに涙が止まらなかった。
この作品は真文の記憶喪失と、彼の恋人の「M」を探すという展開だけに非ず。
どんなに自分を忘れても、ずっとずっと愛し続ける。
そんな壮大な愛のお話でした。
衛が営む、喫茶「カナリー」。
そして、カナリア。
衛が大切にしてきたものの意味が、2巻を読むと理解できる。
次巻で完結のようですが、これらをどううまくまとめて行ってくれるのか、今から楽しみで仕方ないです。
二巻は衛と真文の過去編です。
学生時代の二人、仲の良いお隣さんから恋人へと変化していく様子が衛視点で綴られていました。
私はこういうのに弱いんです。
決して泣かせようとしている文章ではないのだけど、ところどころたまらなく悲しくなってしまってハンカチ無しでは読み進められませんでした。
「なにがあっても、あんたが何度忘れても傷つかない、絶対。だから安心してろよ。」と誓う中上。
だから一巻で、あんなにも冷静に振舞っていたのか(涙)とか、金色の髪とか(涙)、二人で仲良く出かけた動物園とか(涙)、一巻で登場したエピソードが、ああここに繋がるのか!と判ってその都度、涙腺を刺激するんです。
とどめは一巻で衛がやっている喫茶店の佇まいやオリジナルコーヒーが、かつて語った真文の夢、そのものだったというのを知った時。
ちょ……愛が深すぎるんですけど。
一巻読んでる時点で、もしかしてそうかなぁ?と思ったけど、やっぱりそうだったかと。
もう涙腺ぶっ壊れたわ。
と思ったら、さらに涙腺崩壊爆弾が投下されまして。
なんども繰り返される「君は誰?」と「はじめまして」の自己紹介が、もう苦しくて切なくてたまらない。
繊細な文章が本当に素晴らしくて、衛が思いを自覚するときの河原のシーンなど、本当に素敵でした。
衛にとって一生忘れられないものになるのだろうと思わせる隣にいる真文の美しさ。
傾いたおひさまの光の粒が睫毛の先にまで宿ったかのようなひととき。
きらきらと儚い光に包まれたかのような夕暮れ時の描写が切ないまでに美しく、心の琴線に触れた回想シーンでした。
二巻でこんだけ泣いてしまったのに、三巻で私はどうなるの?
もうタオル用意したほうがいいかなぁと不安になるくらい、心揺さぶられました。
全三巻の真ん中なので、構成としてはありよりのありなのですが、読者としては1巻の続きが読めると思っていたので、続きが気になりジレジレしてしまってます。
2巻は、前巻の続きではなく、過去編になります。
過去編なので、1巻で謎だった色々が紐解かれています。
そして、本編は攻視点、夏の裏側と朝の裏側は受視点で過去の二人の間の出来事が記されているので、その時々の感情が両視点で楽しめました。
甘いシーンもあるのですが、どうしても「記憶喪失」というキーワードが横たわっているので、衛が感じてたコーヒーの苦みを感じるような巻でした。
3巻が来月に出ますが、本当に待ち遠しいです。
そして、これは3巻出る時に再度1巻から読み直して3巻読もうと心に決めました!
続きが非常に気になる1巻の終わりからの過去編の2巻で、先生も後書きでおっしゃってましたけど、こんなに続きを待ってたのに~ってなります。でもでも、確かにここで必要なお話なんだなって納得。
真文が探していた恋人「M」が誰であったのか。
2巻でようやくそれがわかります。
大好きな攻め様視点で進むお話にです。
川面が反射する光のように、きらきらと眩しい思い出。
ぎこちなく距離を測りながら初めての恋にとまどいつつ恋人になるまでの2人の姿が、とてもきゅんきゅんでかわいくてあまずっぱいです。
できることなら、このまま閉じ込めておきたい青春の甘さ。まぶしさ。
衛が真文を見失ってから再会するまでの長い長い時間。
カフェのマスターになって、真文の好きなオリジナルブレンドコーヒーを作って、真文に見つけてもらうまで。
2人の別離が切なすぎです。
また、2巻を読んで1巻を読み直すと、真文は過去に言っていたことをそのまま口にしている所が多々あって、いくら過去を忘れても真文の本質、核、というものは変わらないんだな、と思わせてくれます。
だからこそ、自分を忘れて本人も気付かないで同じ事を聞かされて、真文さんは真文さんなんだって突きつけられる衛の心を思うと胸が痛いです。
書き下ろしは真文視点で、ここで初めて私はあら、真文も最初から同じ気持ちだったのか、と気付かされました。
受け様、攻め様視点、どっちにしても眩しい初恋の思い出。
ラストの゛僕は君に恋をする。……君は、僕の「M」だから。゛
この言葉が全てだなぁ、と涙腺刺激されながら2人を見守っていく気持ちになったのでした。
1巻が「っでどうなっちゃうの?」というところで終わっておきながら、いきなりの過去編です。
という構成が海外ドラマを見ていての発想で、思わず続きを見せてよと言いたくなるという作者の経験からだそうですが、確かに…。
1巻でなんとなくそかもと思っていた通り、中上が中3でと静良井が高2の時に出会っていました。
それから大学までの二人の日々や友情以上の感情に揺れたりいつかまた忘れてしまうことへの恐怖や悲しみが綴られていました。
忘れる方も忘れられる方もどうにもできないことへの不安に押しつぶされそうになりながらその日その日を大切に懸命に生きる姿に感動しました。
母親が言う何度も「あなたは誰?」と言われる哀しみが苦しかったです。
1巻での中上と静良井の行動や会話の元となった出来事(静良井は忘れていても中上は覚えている)の場面では1巻の中上の切なさがここに来て一層よく分かりました。
中上と静良井の出会いから失踪するまで。
そして失踪直後に久遠と出会って…1巻の話につながっていくわけですね。
再度1巻を読みたくなりました。
二巻は記憶障害に纏わる深イイ話でした。ますます筆が乗った二巻。
衝撃の結末から一転。衛と真文の青春の甘酸っぱいエピソードを基に明かされる事実の数々。言葉の一つ一つに力があります。感性で紡がれる世界は美しい・・!
衛と真文のBL展開もとても瑞々しくてキュンとしました。描写が丁寧なので、衛像や真文像が頭に鮮やかに刻まれました。真文君に負けないくらい衛君萌えに激しく陥りましたww
徐々に読み進めると、なかなかに壮絶な人間ドラマが繰り広げられます。
記憶喪失では無く、記憶障害がテーマでした。真文の症状は思ったより深刻で、一過性のものでありませんでした。よくある記憶喪失ネタでなく、真剣に記憶障害と向き合った作品なので、涙と感動があります。自分の知る範囲での記憶をテーマとしたドラマや漫画、小説のどれとも違っていて新鮮な驚きがありました。一巻で示されたあの空白の期間にこんなエピソードがあったとは。衛の心情、真文の母の心情、真文の心情が交差して、涙無しでは読めなかったです。
この巻には衛視点の本編と真文視点の書き下ろしが収録されていましたが、一巻に比べて本編自体のボリュームは少ないながらも、内容が集約されていて、神がかっていました。
この小説を読んで考えさせられたのは、記憶障害で悩む当事者の真文視点の書き下ろしよりも、側で支える衛視点の本編の方が数倍もドラマがあった事です。献身的な愛情や時には残酷な優しさや色々な複雑な想いが渦巻いていて。人間は知らずのうちに周り人達のさりげない気遣いに支えられて生きているんだと気付かされました。世の常として、きっと失くして初めて気づくものですが。。。
また自分の記憶にある事は、相手にとっても記憶に残っていて、全く別の映り方であるかもしれないし、自分がとても大切にしている思い出でも、相手にとっては二度と記憶が取り出される事の無い、取るに足らない出来事かもしれない。この小説でも幾つかのエピソードが両視点で描かれていたり、どちらかの視点だけだったりとエピソードに対するそれぞれの思いの度合いの差も感じられて面白かったです。
一、二巻通して思い切ったシリーズ構成でした。AVGではよくある周回して楽しむ仕様でした。最近では「古書店街の橋姫」が印象に強いです。周回して色々な事が見えてきて、更に考察が楽しめる形式になっています。小説には珍しく仕掛けが巡らされた意欲作で、ここまで見る限り成功していると言えますね。次は三巻に進まないといけないのに、一巻に戻りたくなりますww あの時はこうだったのかと登場人物の心情を思うと、とても切なくなり涙が・・。
今巻も前巻と同じくとてもいい所で終わってしまい、「えーっ!ここで終わる??」と絶句しました。ここまで読んで、三巻を買わない人は恐らくいないと思います(笑)ので、作品戦略としては正解かも。良い意味で予想を裏切られた二巻でした。
表紙のイラストもとても素敵で飾りたいくらい。余計に本を開ける楽しみが増えました。表紙イラストも挿絵も小説の世界を堪能する大きな構成要素なので、毎回楽しみにしています。
衛と真文に、こんなに眩しく、悲しい過去があったとは。
中学生の衛と高校生の真文。ご近所になった二人は、やがて互いにかけがえのない存在になっていきます。
「何度忘れられても絶対に傷つかないから、安心して。」
衛を強くし、真文を支えた約束が、二人の恋の始まりだったのでしょう。大人へと近づいていく二人がいつもキスした河原のキラキラとした光、衛の部屋で初めて体を重ねた朝の二人を包む陽の光が、眩しく鮮やかな印象を残します。
出会いからわずか4年後。真文を襲った記憶障害と母の事故死、そして真文が行方不明になる壮絶な描写に、本を持つ手が震えるようでした。
1巻で、喫茶店で初めて真文と知り合ったようにふるまう衛を思い出します。
そっけない態度は約束を守るためだったのだと、二人の過去を知って初めて分かりました。
喫茶店『カナリー』の周りから浮くような興味を引く外観、個性あるブレンドコーヒーも、昔、真文が語った夢そのものだったのですね。二人の過去を知って1巻を読み直すと、それまでと全く違う景色が見えてくるようでした。
真文がいつか戻ってくることを祈るように待っていた衛の想い、そして昔の約束を一途に頑固に守ろうとする衛の姿に、胸が締め付けられました。
衛の約束は、終わりがないのでしょう。
「傷つかない」と約束しても、真文が記憶を失うたびに衛の心は傷ついてしまいます。
それでも約束を守ろうとするのは、きっと記憶を失っても変わらない真文の心を信じているからなのだろうと思いました。
昔、記憶を失っても、衛の初恋を遠慮なくからかったり、とっておきの場所から遠くに見える海を喜んだ真文の中に、衛が変わらない真文を感じる場面が、とても心に響きます。記憶を失っても変わらない心は、タイトルに通じるエピソードでもあります。
一途で切ない衛の約束。終わりのなさに、衛の心が真文の母親のように壊れてしまわなければいいのですが。
真文視点の「夏の裏側」では、どんなときもきっと自分は衛に恋をする、という真文の密かな熱い想いが綴られています。
衛の約束と真文の想いは、どんな形で重なるのでしょう。ドキドキしながら、最終巻を読みたいと思います。
攻め視点。(衛視点)
初っ端から前巻の伏線回収にゾワっとした。
前回の金色ってその事だったんだ、と納得。金髪はあながち間違いではなかった。
前の巻から思ってたけど、真文足滑らせて転びすぎだよ……読み進める度に、地面が濡れてる描写がないか、気を張ってしまう。
数年平和に過ごしてて、いつ発端の記憶喪失になるのかビクビクしてたら、濡れた地面でも階段でもなくて意表を突かれた……。
中学〜大学までの回想エピソード。微笑ましいはずなのに、一巻の出来事を思うと胸がぐっと苦しくなって、素直に癒されないのが悔しくて泣けてくる。
タイトル通り、1巻では触れられなかった静良井がなくしていた、中上と出会った中上中学生、静良井高校生の頃から中上が大学生になり、静良井が玄関に置いていた非常用持ち出し袋を持って飛び出して行った夜までの回想が中上視点と静良井視点から書かれていました。
1巻で謎だった静良井の脚に残る火傷の痕の理由、静良井が非常用持ち出し袋を持って家を飛び出した理由、中上との出会いが解き明かされました。静良井の母親の最期まで…。
好きな相手、それも思いを通じ合わせた相手から「君は誰?」と言われる衝撃の大きさを身をもって体験したことは無いけど、それがどれだけ自分の身に大きくショックを与えるかは想像にかたくないです。それを覚悟していたとは言え、病院で幾度となく繰り返されるその衝撃的な再会は中上にとってもとても辛かったはず。そしてそれを7年後、繰り返すことになるのだから…。
2巻で回想を挟んでいるからきっと3巻は1巻の続きですよね…。本当はもっと時間をかけてこのシリーズを読む予定だったんです。なのに先が気になりすぎて結局一気に読んでしまいました。ちょっともったいない気もしますが、もうこうなったら3巻まで一気に読み進めたいと思います(ただの決意表明ですみません)。