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ayashii kusuriua to minarai tanuki
作家買いです。
小中先生の書く人物の人の良さとかわいさがよく出ている作品でした。
子狸だったころに命を助けてもらった恩人(攻め)に恩返しをしようと頑張る受けのお話です。
半人前の化け狸である受けが、少しでも攻めの役に立とうとして料理を頑張ったり薬屋を手伝ったりするところが健気で可愛いです。
まだまだ半人前なので、焦ったり気持ちが動転すると耳や尻尾が生えてきてしまうところもキュート。
攻めの正体のネタバラシが本編の最後でわかりますが、なんとも切ない理由でした。
また、妖狐のキャラも魅力的で、できればもっと深く知りたかったです。妖狐の妹(?)のスピンオフとかないでしょうか。攻めだったらいいな、妹君。笑
恋人になったその後のお話では、攻めが過去に区切りをつけ、受けと攻めはようやく体を繋げることができます。
攻めが受けに対して真摯な気持ちでいることが知れた素敵なエピソードでした。
番外編SSも、人ならざるものたちが商店街で仲良く(?)暮らしている姿が見れてほっこり。
とにかくほのぼのです。
子狸が助けていただいたご恩を返すべく、漢方薬局を開く五明先生のもとを訪れ、毎日がんばる話です。
子狸の名前は里。
なんでも一生懸命ないい子。
純真無垢。
妖しい薬屋さんの名前は五名先生。
漢方薬局を営む麗人。
どこか浮世離れした雰囲気があります。
里は助けられた恩返しで、家事や漢方薬局の調合や雑務を一生懸命お手伝い。
自分のことは後回し。とにかく、五明先生が快適に暮らせるようがんばります。
その一生懸命さが、とてもかわいいです。
そして、五明先生を第一に考え、五明先生のために動く一途さもたまらない。
ゆっくり、何かお話を読みたい時にいいと思います。
前から気になってた作品でとうとう読めました。途中で諦めそうになりましたが。
とにかく里の一途さ健気さにこの評価です。
生き物の生と長く厳しい修行を乗り越えて、五明に会いたい一心で。
無事に化け狸になれて、なんとか五明を探し当てて、無事に雇ってもらえて本当に良かった。
再会出来た時の里の泣く姿を想像してうるっと来ました。
里は必死で狸の正体を隠してましたが最初から五明にバレバレだったんですね。
そして五明は早く里が大人になるようにとちょっかいを出したり。
何度も書きますが評価は里に対してです。
その他は萌かな。
まず白銀、出てくる意味あったのかな?当て馬要員?
五明の本音を引き出すためのイベント発生なの?
そして里久、いくら弟分で五明が悪名高いからといってあそこまでする?しかもやり方がなんか日本昔ばなしみたいで。決着ついたのに同じ商店街にお店を出してるし。
そしてそしてなんといっても五明。
愛する若君の為に人の理を越えて。何百年も孤独に生きて。苦しみながらも毎年若君と逢瀬して。
なのに里にはちょっかいを出すし。
若君と二世を契った仲だったのも…。せめて五明が片想いとか若君も五明の気持ちを知ってもそばに置いていたとかならまだ良かったなあ。
これで最後にしようと決めてお互い解放されて。
里が自分の券を五明にあげようとするのもグッときました。
浮世離れした感じの五明ですがやるときゃやるんですね。ちゃんと。
美しくてでも男の身体の魅力があり白髪の長髪で…。イラストからは男の魅力があまり伝わってきませんでしたスミマセン。
食べ頃に育てて伴侶に、ふむふむ。敬語攻めも良かったですね。
小中さんのレビューには半分くらいケチをつけてるようで心苦しいです。あくまで好みの問題なので見逃してください!
昔助けてもらった五明に恩返しがしたく、化け狸になった里。五明の薬屋でアルバイトを始めて一年。ドキドキすると狸に戻ってしまう里は、五明にバレないように必死に日々修行をするが。。。
何となく先は読めるのですが、そのほんわかさが堪らなく良いです。
分かっているけど、その通りに展開するのをのんびり読むのもBLの良さだと思うので、こちらの作品は、可愛さや癒やし、不思議な世界を堪能するのにオススメです。
里の素直で、相手を思いやれる優しさと、狸の姿の可愛らしさに癒やされました。
五明は、長年生きてるだけあって、頼りがいがある大人な男性。見た目といい中身といいかっこよすぎ!
里が両親に会う場面や、五明のケジメや告白がすごく好きです。
様々な作品を書く小中先生なので、あえて分かりやすい展開のほんわかな作品を書いているのでしょうね。とても良かったです。
漢方堂の主人・五明にその昔、罠から助けてもらった子狸の里。
恩返しがしたい一心で化け狸となり、念願叶って攻めの五明が営む漢方堂の住み込み見習いに……というほのぼのモフモフ系です。
まず受けの里がかわいい。
家族たちとも離れ、化け狸となる修行を始めた里。
念願叶ってようやく化け狸になれたんだけど、実は半人前なので、ドキドキしたりビックリすると狸の姿に戻っちゃうんです。
狸であることは五明には隠しつつの同居生活なんだけど、時々うっかり狸に戻ってしまい、キュウキュウ言ってアワアワしてる姿がかわいいし、地域の人達から可愛がられている様子も和みます。
攻めの五明は、美麗な漢方堂の主人なんだけど、真っ白な長髪・年齢不詳感といい、ただものではないだろうな…という予感と、彼の正体は何なのか?という謎を漂わせながら、お話は進みます。
五明がもっと腹黒い、意地悪攻めかと思ってたら、里に対しては最初から最後まで丁寧な言葉遣いで優し〜く接している様子に萌えた。
(もっと受けを虐める系かと勝手に思い込んでいたので。)
ただし周囲からはやたらと恐れられていて、どんな事をやらかしたのかははっきりとは書いていないのだけど、本気で怒らせたら多分とてつもなく怖いんだろうなぁ……というのがなんとなーく透けて見えるんです。
里に対してはとてつもなく優しいんだけど、里に何かしたらお前の命はないぞ!と声高ではなく静かに周囲に知らしめてる感が漂ってました。
罠にはまっていたところを五明に救ってもらった里。
だけど里だけが救われたのではなく、五明は里と出会ったことによって過去と決別し、救われたという巡り合わせの妙が楽しめました。
脇役もいい味出してるキャラばかりで面白かった。
五明にギャフンと言わせたい!という目的で、里にちょっかいを出した白銀という妖狐。
もっと厄介な存在かと思いきや何だか愛すべきキャラだったし、里の修業時代の先輩も人の話をまったく聞かない暴走ヤロウだったし、本当に悪いやつが出てこなかったところも私は好き。
何故かわからないけど、ファンタジー系に微妙な苦手意識があって(多分、設定を呑み込むまでが億劫という)積極的に読んでこなかったのだけど、最近、小中先生のファンタジーを何冊か読んでみて、ファンタジーもいいなぁと思うようになりました。
何も意識しなくても、その世界にすっと入って、ええっとコレって何だっけ??みたいなことが一切なく読めて、ファンタジー初心者にはとても読みやすいです。
表題作+短編
表題作は子狸の里(受け)が五明(攻め)に助けられ、化け狸となり恩返しをしに五明が営む漢方薬局に転がり込み、恋人になるまで。
短編は常世と現世が年に一度つながる祭で、死に別れてしまった両親兄弟にきちんと別れを言う話と二人が結ばれるまで。
<表題作あらすじ>
里が五明の元へきて1年。五明の手伝いが板につき、近所の商店街の人たちとも仲良く楽しく暮らしています。
五明は腕がいい漢方薬局の薬師です。
そのうえ、五明の薬局には「時間外の客」というこの世ならざる者が薬を買いにやってくる不思議な店でした。
ある日、近所にハーブを使ったおしゃれなカフェが開店し、突然閑古鳥が鳴き始めるのです。気にしなくてもよい五明は言いますが、里は焦ります。敵情視察に出かけるとその店の店長は妖狐で、なにやら五明と因縁がある様子。
里は、子狸だった時罠にかかった里を助けてくれた五明に恩返しがするため、親兄弟の反対を押し切って化け狸養成学校に入り修行に励みます。まだ半人前ですが、人間の五明の命が尽きる前にと卒業を待たずに人間界へ降りてき、探し当てた五明の薬局にアルバイトとして雇ってもらうのです。
化け狸となっていまったため、死ぬことができなくなりましたが、五明が老いて死ぬまでそばにいて薬について学び、死後は五明のように人や動物の病気を治すと決めていました。一途で一生懸命でとても好感が持てます。
薪で風呂を焚いていたのに今は便利だなどといつの時代の話だと違和感を覚えながら読んでいましたが、時間の概念があいまいになっていて100年ほど経っていたのに気が付かなかったというのもなんとも里らしいです。
五明は表題作の最後の方まで得体のしれない薬屋という体ですが、何百年も生きている人の理から外れた存在です。仕えていた病弱な若様の病気を治すため外法に手をだしたため人でなくなってしまったのです。
狸だとばれないように一生懸命頑張ったり、自分の妹(男の娘)が五明にもてあそばれたと勝手に勘違いした白銀のせいで里がピンチになったりしますが、それほど危ないこともなく、さらっと解決し二人は恋人になります。
全体的に里に甘く、ピンチにはちゃんと来てくれる甘々な話でした。
<薬屋狸と望郷の祭り あらすじ>
恋人にはなりましたが、まだまだ半人前の里はどきどきすると狸に戻ってしまうため、五明と最後までしていません。
それなのに、こ最近五明の様子がおかしいのです。
しばらくそんな日々が過ぎ、ある日「祭り」に行かないかと誘われます。
その日は常世と現世のつながる日で常世の人と会えるというのです。
「祭り」に出かけると、養成学校の先輩・理久と再会し、五明には若様がいるか
ら里は弄ばれているんだと教えられます。
面倒見はよいけれど思い込みが激しく人の話を聞かない理久にはイラっとしますが里を純粋に心配しているのはわかるので憎めません。
里のことを心配した理久の五明への挑戦では、二匹の狸の「ポン太と(里の幼名)」と
「タヌ夫(理久の幼名)」の「狸チャレンジ!」が開催されますが、これが想像するだに可愛くて癒されました。
ただ、恋人になってほしいといわれたけど好きだと言われてないから、と不安になる里がとても可哀そうです。
若君にさよならを言って筋を通してからというのは納得できるのですが、その機会が一年に一度しかないというなら、せめてちゃんとそのことを先に話しておいてほしかったし、ちょっとでも手を出すべきではなかったと私は思います。
表題作の最後の方で一年前からのアプローチとあったのに、まだ覚悟が決まってなかったのかと思うとすごく不誠実に感じ、一気に萎えました。
里は五明が若様を忘れられなくても自分は好きな人と一緒にいられるのだからと思っているのが余計に切ない。
そんな里の自分への深い愛情をを知って、会えても会えなくても終わりにしようと思えたようですが、それまでは会えなかったらまた一年里を待たすつもりだったなんてがっかりです。
この件で五明への好感度がダダ下がりになりました。これで☆−1です。
とはいえ、里が唯一の未練だった家族へときちんとお別れできたのは良かったと思います。
五明がけじめをつけてから里に手を出してたら言うことなかったのにと思うと残念です。
それにしても、気になったのは「時間外の客」は一体何を処方してもらっていた
んだろう、物の怪に薬が必要なのか?そして、五明は必要とされているはずなのに何故あんなに忌み嫌われているのか、私にはわかりませんでした。
二人とも寿命のない生き物になるきっかけは同じなんですね。
五明は若様のために、里は五明へ恩返しをするために。
五明がずっと若様から離れられなかった未練を断ち切ることができたのは里の行動が自分と同じだったからなのかなと思いました。
電子限定おまけ
商店街のまつりでイベントを計画する話。
本編で五明から制裁を受けた白銀と近所に蕎麦屋を開いた理久と里たち4人でまつりのイベントを計画するようにと会長に押し付けられます。
理久は相変わらず人の話を聞かず、ずけずけと話するので五明が静かに怒っていることに気が付かずどんどん泥沼にはまっていくのですが、それを里が必死にさりげなく普通のイベントへと話を持っていく様子がおかしくて。
結局、五明にうまい具合に乗せられてリーダーとサブを押し付けられた理久と白銀は最後まで気が付かずにイベントを成功させるのでした。
五明は穏やかに笑っているようで、実はすごく黒い部分があるのは本編でもわかっていましたが、里がフォローしなければ平気で相手を再起不能にしそうで怖いやら面白いやら、本編ではけじめのつけ方に萎えたのですが、ちゃんとくっついてからの二人と愉快な仲間たち?との話は面白かったです。
この4人の話をもっと読みたいと思いました。
狸や狐のという言葉の前に『子』という文字が付いただけで、どうしてこんなに可愛くもいじらしい響きを持ってしまうのでしょう?里くんの子ども時代、何度か『子狸』という単語が出る度に「キュゥゥゥン」となってしまったのですが、これってあたしだけかしら?『恩返し』というイメージが植え付けられちゃっている為かとも思うのですが……ひょっとして新美南吉の所為なのかな(あれは狐ですがね)。
どうして新美南吉を思い出しちゃったかと言えば、里が『人に化ける』ということ以外は何も出来ない狸だからだと思うんです。『恩返し』なのに、美しい織物を作る訳でもなければ金銀財宝の在処を知らせる訳でもない。子狸の頃に命を助けてもらった五明の為に彼ができることといったら、側にいて努力することだけなんです。
「できることが日々、ゆっくりとだが確実に増えていく。それが里の誇りであり、幸せだった」
という一文がお話の初めの方にあるのですが、これにやられた。
相手に何も求めないんですよ!
相手の為にできることが増える、そのこと自体に幸せを見いだすという……
何ていじらしいんだろう。
思うに小中さんは『努力する人』を描くのが大変お上手な作家さんですよね。
それも『前に出てくる』人ではなく、努力そのものに価値を見いだすような人。
このお話でも、里は常に頑張っているのです。化け狸になるのも長い長い努力を必要としましたし、五明の所に来てからも仕事の手伝いから家事のあれやこれや、延いては家計のやりくりまで。
こんないじらしい子をきちんと見てくれて、ちゃんと評価してくれる、そして好きになる(でも、あまり大げさに愛を語らない)攻めさんが出てくることが、真っ当に「いいな」と思っちゃいます。
五明にも哀しい過去が色々あって、里に見せている『親切で懐の深い、出来た大人の男性』が全部ではない、というのも捻りが効いています。
お話は『ほのぼのコメディベース』で進みますが『死』に関わる重要な逸話が挟み込まれていて、その部分はサッと哀しい色を挿している様で、可愛らしいだけの話にはなっていません。
お若い姐さんから古の腐女子の皆さんまで、全年齢が読んで「おおっ」と言える一冊だと思います。
作家さん買い。
これはアレです。
ファンタジー・ほんわかほのぼの甘々ストーリー・モフモフ好きさんは
是非読まれることをオススメしたい1冊でした。
受けさんのポン太改め里は、子狸の時に人間の罠にハマり動けなかった所を
攻めさんの五明に助けられ。
恩返しという名目で化け狸となり五明の元を訪ねることに。
漢方を専門とする薬局を営んでいた五明の元で弟子として働くうちに
恋心が芽生えていくのですが…
と、恩返しストーリーではあるある設定だなあ…と読み始め。
ですが、ん?んんん??と、謎が深まるばかりの気が付けばどハマりするほど
面白かったお話でした。
白銀の出現・「時間外のお客」・何と言っても1番気になる五明の正体。
少しづつ明らかになっていく真実と、
書き下ろしでの若君と五明の決別と、
里の家族との逢瀬による心の成長と。
どれをとっても大事な要素で本当に楽しめました。
欲を言うなら
里久そば店主×Cafeしろがね店長の番外編なんてあったら嬉しいです★笑
子狸が本当にこんなに可愛いなら、一家に一匹欲しいものです(●´ω`●)
過去に助けてもらった恩返しをしたく、化け狸の学校に入り修行を積んだ里(受け)は、その恩人で漢方堂の店主・五明(攻め)の手伝いを申し出て住み込みで働くようになる。
五明も漢方堂の常連さん達も優しく、商店街の顔馴染みの人達にいろいろお裾分けやおまけを貰ったりと何かと可愛がってもらっている日々だ。
たまに狸耳や尻尾が出てしまう時もあるが、五明に気付かれないように上手くやり過ごしている、つもりだが、彼は最初から里の正体を知っているのかも知れない。
そんな五明も何となく普通の人じゃない予感がして済み進めていくと…
狸から人の姿に化けている時の里の見た目が可愛らしく、高星さんの挿絵の影響もあってショタっぽかった。
男同志でもできると知らなかった初心な里に、五明は無理矢理ではなく慈しんでいる気持ちに溢れて抱いているのでやましさといったものはなかった。
人の姿、狸に戻った姿のどちらの里も可愛がっている五明の様子にはほっこりした気持ちになる。
ちなみに、里の他にも人外さんが登場するものの、オカルトっぽさはなく始終ほのぼのとした雰囲気だ。
ファンタジーなはずなのだが、アットホーム色のほうが断然勝っている気がする。
後半の短編はちょうどお盆の時期にぴったりな話で、化け狸修行に明け暮れるうちにいつの間にか世を去っていた家族を懐かしむ里が癒される内容となっている。
それにしても、五明ってば漢方堂での"時間外の客"達にも仲間なはずの人達に遠巻きに恐れられていて、過去に何かトンでもない事でもしでかしたのだろうか?
白銀さんとの過去の因縁も、一体何があったかはっきりせずに有耶無耶なんだよね。
そんな外野のヒソヒソ話には一切取り合わない大人な一面があるかと思いきや、里の兄貴分の狸くん・里久にはイヤミ返しで牽制して大人げなく張り合っている。
どうして狸の姿で里久と里をきちんと見分けられたのだろう?ってのもあるし、一冊読み終わった後でも五明の過去や性格にはちょっとした謎が多いのだった。
表紙のイケメンの腹黒そうな笑顔にひかれて購入。表紙通りの二人で満足♡です。
小説chara掲載分150Pほど+その続き90P超+先生のあとがき でした。ファンタジーの設定を生かしてちょっとしんみりしちゃう部分も含んでいるところが良いなあと思うのと、超王道っぽいしなあと悩んでしまって・・・萌2よりだけど萌にしました。
舞台は本田町銀座という商店街の端っこにある「五明堂薬局」という漢方薬局。創業100年以上の由緒正しい薬局で1年前から住み込みで働いている里が、お買い物を済ませて薬局に帰り、主である五明やお客さんに迎えてもらって・・・とお話は続きます。
攻め受け以外の登場人物は
白銀(五明のことを目の敵にしている)、里久(里の化け狸養成学校時代の先輩)ぐらいかな。
白銀が一枚挿絵で出てくるんですが、めっちゃカッコいいんです。この人、もう一回出てこないかな、妹共々すごく面白かったのですが。
*****以下は内容に触れる感想
里が半人前の化け狸だから、どきどきしちゃうと狸に戻っちゃうところが、超可愛い!!!!
狸に戻ると「キュウキュウ」と鳴くしかできなくなっちゃって、話が進まないしw。うぶうぶど天然には弱いです。ネコとかウサギでもなく、たぬきってところがまた愛らしさを倍増させるのかも。
しぐさの記述も超可愛いく、脳内は〇ーソンのポ〇タ。
かたや、五明の腹黒さは、ちょっと足りない、もうちょっとあくどさを出してくれてもいいんだけどなと思いました。
そしてビジュアルはカッコいいんだけど実はヘタレってないかと思う白銀。1か所偶然なのか、ガ〇ダムのアム〇の台詞を意識したのか??と勝手に妄想してしまう箇所があり、一人でげらげら笑ってしまいました。
後半の中編は、思いを残していた方々へ捧げるお話となっていて、きちんと思いに始末をつけるところが切なく優しく嬉しい限りでした。
ただ五明の定義が今一つはっきりしなくて、なんでそんなに嫌われてるんですかね??などと気になってしまったです。またもや読み飛ばしたか私・・・・
少々気になる点はありつつも、全体としてはとにかく「たぬき」が可愛くて、こっちもキュウキュウ言ってしまうお話でした。
今回は不思議な漢方堂の店主と
住込みアルバイトの化け狸のお話です。
それぞれが隠している秘密がばれて
お互いの気持ちが通じ合うまでと
それぞれが亡き人への未練を断ち切り
恋人として結ばれるまでを収録。
受様は1年前から
商店街の端にある老舗の漢方薬局で
住込みのアルバイトをしています。
受様の少し丸っこい顔立ちと
クリっとした目は
受様を童顔に見せて
未成年と言われる事もあり
今日も買い物中の商店街で
古本屋の主人にからかわれつつも
皆に可愛がられていました。
受様はこんなに自分が
皆に受け入れられるのも
薬局の主である攻様のおかげです。
なぜなら受様は
人間に化けた狸だったのです♪
攻様は生まれつきの白髪が見事な
町でも評判の美丈夫です。
その上、漢方医としても優秀で
町には西洋医が少ないと言われるほど
攻様の漢方薬局は評判です。
受様はまだ普通の小狸だった頃に
住んでいた八坂岳で古い罠にはまって
動けなくなっていたところを
攻様に助けてもらった過去がありました。
攻様の手当のおかげで
負った傷が跡もなく回復した受様は
どうしても攻様に会いたい、
お礼が言いたいと思うようになります。
受様は八坂岳に住む化け狸の爺様から
化け狸の学校を紹介されて修行を積み
変化の術を身に着けます。
卒業までには更なる修業が必要ですが
受様が一人前になるまでに
攻様が死んでしまう可能性もあり
受様は中退して人里に下りました。
そしてやっと攻様に会えた時には
安堵と感動で涙が溢れまてしまいます。
攻様は押しかけバイト志願の受様を
店は万年人手不足だからと
快く雇ってくれた上に
一緒住まわせてくれます。
仕事も家事も1つ1つ丁寧に教えてくれ
受様は今では家のことを
すっかりできるようになります。
攻様に憧れてやってきた受様ですが
姿を見るとドキドキしてしまうと
変化が解けてしまいすが
攻様は狸になった受様を見ても
迷い狸かと可愛がってくれたりするので
受様はますます攻様に惹かれていました。
そんなある日薬局の近くに
オーガニックカフェがオープンし
薬局の客足がめっきり減ってしまいます。
カフェのオーナーはなんと妖狐で
攻様を妹の敵として商売の邪魔をしようと
しているようです。
ただでさえ受様をやとってから
物入りの薬局で客足が鈍ったら
店がつぶれてしまうとヤキモキです。
果たしてこの騒動の結末はいかに!?
雑誌掲載作のタイトル作に
続編を書き下ろして文庫化です。
自分を助けてくれた恩人のため
人間になった狸のほのぼのな恋物語です。
自分を助けてくれた攻様の側にいたいと
変化の術を身に着けた受様ですが
修行途中で学校を退学したため
平常心が保てなくなると狸の耳が出たり
変化の術が解けてしまうことがあります。
攻様も実は普通の人間ではないので
受様が狸である事も、それを隠している事も
承知の上で受様を雇うのですが
健気な受様が一生懸命な様子に
すっかりほだされて受様を
憎からず思うようになります。
そんなところに攻様に恨みを持つ妖狐が
接触してきたことでテンヤワンヤ
というかドタバタの騒動となるのですが
実は強かで策士な攻様には
全てお見通しというか予見出来ていて
攻様の活躍で妖狐の企みは退けられて
2人が気持ちを通じ合うまで
楽しく読めました♪
雑誌で表題作を読んだ際には
攻様の時間外の患者さん達関係が
ちょっと気になったのですが
書き下ろしは
そのあたりの攻様の過去にまつわる
諸事情が少し絡んだお話であり
表題作では受様がドキドキしすぎて
最後の一線が超えられなかった2人が
やっと身も心もな恋人になれたのも
とっても良かったです (^-^)
妖狐兄妹や受様の先輩狸と
脇キャラも魅力的だったので
スピンオフを期待したいな(笑)
今回は狸繋がりで1作
本宮榎南さん『狸といっしょ』をおススメします。
こちらの受様もお間抜ぶりがプリティです♪
「夜啼鶯は~」を読んでそんなに月日は経っていないので、作風の広さに改めて驚かされました。今回は少し不思議な面もある甘々で可愛いお話です。
山で罠に嵌った子狸(のちの里)はその時に助けてくれた人間に恩返しがしたいと人に化けて山を下ります。そして恩人でもある五明の店の漢方薬局でアルバイトという名の助手をする事になる、という物語です。
里は人間に化けるようになるために家族と別れるという決意をして修行をしました。大変な修行であり、寿命も変わるので修行期間が分からないという時間の間隔も無くなっています。五明が生きている内に会いたいからと里は一人前になる前に山を下りてしまいます。その為、ドキドキしたりすると狸の耳としっぽが出てきてしまいます。
里は五明に狸であることは秘密にしていますが、バレバレでした。バレバレというのは結構最初の方言動で読者は予想がつきます。里可愛いし、知らんぷりをしていたくなる気持ちも分かります。
オーガニックカフェが近所オープンし、そのオーナーである妖狐の白銀が五明に恨みがあるので里が巻き込まれてしまうという一波乱あります。しかし、五明の為にも一生懸命頑張る里の印象が強いので、事件面も安心して読めます。
既に言われていますが、この白銀なんだか憎めないキャラというのもあると思います。悪役なのに可愛いとも思えてしまいます。
里の修業時代の先輩が五明の悪名を聞いて引き離そうとしたり、五明が漢方に詳しくなったのかという若君についてなど、ちょっとした事件がありつつもほのぼのしていて面白いです。
想い続けたからいいという訳でもないすが、若君との事が里と出会ったたった1年で変わったというのが里のひたむきで一生懸命だったからこそと言えば良いのですが、そんなにあっさりと別れられるのかと少し思ってしまいました。
とにかく一生懸命に頑張る里が可愛いです。ただの守られるぽやぽやな子ではないので、応援したくなります。
作家買いです。
痛いシリアスものなんかも書かれる作家さんですが、今回は超正統派が来ました!!
めっちゃ甘くてほのぼの、そして可愛いです。癒されまくりです。
私はシリアスからメリバと何でもアリなのですが、やっぱ原点とも言うべき甘々ほのぼののラブコメが大好きなんですよー!!
最高に楽しく読めました(*´▽`*)
内容ですが、ほのぼの甘々なケモ耳ものでラブコメです。
2作収録されていて、表題作の「怪しい薬屋と見習い狸」が二人の馴れ初め編で雑誌掲載作。
山で罠に嵌まった子狸の里が、助けてくれた命の恩人・五明への恩返しの為に山を降りて・・・と言うもの。
そして書き下ろしの「薬屋狸と望郷の祭り」が恋人編。
五明の過去との決別と、二人が本当の意味で結ばれるまでになります。
で、こちら先にも書いたように、とにかく甘くてほのぼの。
里がですね、めちゃくちゃ健気なのです。
自分の命を救ってくれた人間に恩返ししようと、化け狸になる決意をする。
そして長年の修行の末、山を降りて五明の元を訪れ、彼の助手として働く。
この二人の同居生活が超ほのぼのでして。
不器用なりに五明の為に一生懸命身の回りの世話をし、仕事の助手を務める里ですが、彼は実は半人前。
ちょっとした心の乱れなどで狸の姿にもどっちゃうんですね。
狸になっちゃっては「キュウキュウ」言って、焦ってる里がめちゃくちゃ可愛いんですよー!!
また、そんな里を優しく見守る、どこか浮き世離れした感のある五明。
一見、紳士的でおっとりして見えるのですが、実はわりと腹黒な部分があるのもこれまたいいのです。
狸になってしまった里を「迷い込んで来たのかい?」と可愛がるのですが、これ里だと分かってて、明らかに気付かないふりしてるじゃん!!と丸分かり。
こうゆう、実は食えない男が、受けに対してはめちゃくちゃ甘くて優しいと言うのがツボなのです。
周囲から恐れられてるのに、天然な受けだけが「先生は優しいなぁ」とやってるのもこれまたツボ。
五明を心酔しきってる里の視点でありながら、読者に彼の食えなさをバッチリ印象付ける文章が巧みだなぁとも唸らされます。
で、そんな平和な二人が暮らす商店街に、突如オープンするオーガニックカフェ。
漢方堂の客足が減ってしまい、元々それ程儲かってない上に、売り上げがさらに低迷して危機感を覚える里。
また、そのカフェのオーナー・白銀と五明の間には、過去に因縁があるようで・・・と言った展開。
こちらもちょっぴりハラハラさせられますが、基本的にこの作品はほのぼの路線。読者は安心して構えていられるんじゃ無いでしょうか。
何と言っても、悪役のはずの白銀が、これまたいいキャラ。
ちょっと抜けてて根はお調子者と、愛すべき悪役です。
なんか、彼の事が好きで仕方なくなってきた・・・。
と、とにかく出て来る人(?)は全員いい人。
そしてひたすら甘々ほのぼのと、超優しい作品。
あと、(寿命が変わってしまうので)家族と離れ離れになろうとも、五明の為に化け狸となった陸の健気さ。
また、「怪しい薬屋」である五明の、これまでの孤独な日々-。
と、しっかり心に響く部分が書き込まれているのも良かったです。
甘々ものが好きな方に、全力でおすすめしたい!!