逢魔が時の花屋で会いましょう

ouma ga toki no hanaya de aimasho

逢魔が時の花屋で会いましょう
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神9
  • 萌×212
  • 萌9
  • 中立2
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
9
得点
122
評価数
34
平均
3.7 / 5
神率
26.5%
著者
海野幸 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
コウキ。 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784199011054

あらすじ

仕事帰りの暗い夜道で、誰もいない背後に視線や息遣いを感じる――幼い頃から人には見えない存在に悩まされてきた光春。そんな日々の癒しは、毎週金曜日に通う花屋だ。買った花を一晩で枯らしてしまう光春に、店主の蘇芳は妙に優しい。むしろ「何か困ったことはありませんか?」と真剣に気遣ってくれて!? 無自覚な霊媒体質のリーマンと、元僧侶の花屋――特異な能力に翻弄される二人が、黄昏時に重ねる逢瀬♡

表題作逢魔が時の花屋で会いましょう

蘇芳恭介、商店街の花屋さん27
遠野光春、内装工務店の経理部兼総務部の事務員24

その他の収録作品

  • 華と言葉を束にして
  • あとがき

レビュー投稿数9

ラブもいいけど、しっかりきちんと怖い。

海野先生のオカルトなお話、きっちりしっかり怖いです。
特に書き下ろしの方は、霊に憑かれるのも、その姿を見るのもイヤですわ。
でも、怖い話、好きなので、楽しく読ませて頂きました。

受け様は霊に好かれやすい体質の遠野。
攻め様の蘇芳は色気のある超絶美形の花屋さん。
遠野の体調が悪い時に蘇芳に助けてもらい、以来花を買いに訪れるように。

「あなたは特別」と時に優しく気を使ってくれ、時に色っぽく微笑んでくれる蘇芳。
ん~?これ、遠野にアプローチしてるよね(*´艸`*)と思うのに、はぐらかすのもお上手でして。

幼い頃から周囲の人には見えない、物陰に潜む人影が見えて、虚言癖を疑われてきた遠野は、自分の意見とか気持ちを告げるのが怖い。
どうせ信じて貰えない、という諦めが、言葉にするのを躊躇ってしまう。

そんな遠野が蘇芳によって、言葉にして伝える勇気を持てるようになるのが、とても気持ちよかったです。
また霊に対して、寂しい気持ちに寄り添い、誠実で真っ直ぐな言葉をかける遠野の優しさが沁みました。
これは、好かれるわ(^_^;)

でもって、LOVEの方ですよ。
「待ってるより仕掛ける方が性に合ってる」なんて言っちゃう蘇芳に、きゃーー、トキメク"(ノ*>∀<)ノ
服を脱いだら匂うように香水をつけてるのにも、クラクラしちゃう。
(´Д`)ハァ…

2人がお互いに相手の言葉に背中を押されているのも嬉しい(*^^*)
言葉にするのも、それを信じるのも大切なんだよなぁ、としみじみでした。


8

胸きゅんと同時に結構ガチで怖い

 光春(受け)のバチバチな片思いからはじまる。攻め←←←←受けという構図が好きなので、わくわくして読んでましたが、どうやら最初から両思いみたいです。

 光春のお人好しがじわじわと不快になる。光春に憑いていた霊が女なのもあって、成仏してこの世に居ないのにそこまで気にかける? とずっとイライラします。
 色んな男を抱いてきた蘇芳の熟れ感がエロい。脱いだ時に香るでしょ、と腰に香水つけてる理由を明かしたシーンがえっち過ぎた。
 あらゆる仕草、動作、言動が、過去に付き合って男にもそういうことしてたのかなって考えちゃって、光春が嫉妬する――みたいな描写があってもよかったのになって妄想するくらいには良い攻め。
 後々、蘇芳の元カレが現れて、光春がもやもやするところを見れて満足。受けの嫉妬と独占欲は国宝級の可愛さ!

 絵が綺麗だしキャラデザも最高だから挿絵もっとほしかった。
 ホラーのハラハラ感も味わえる新鮮な作品でした。

5

自分にしか感じられない存在とは

今回は商店街の花屋店主と工務店の事務員のお話です。

受様が攻様との出会いで怪異事象を解決するまでと
攻様の元カレが登場する続編を収録。

受様は物心着いた頃から度々怪しい人影を見つけますが
大人達は受様のいう不審な影を見つけられず
虚言壁を疑われた受様は誰とも口を利かなくなります。

そんな受様を気にかけた母方の祖母宅で
ひと夏を過ごすと不審な影を目にすることが減り
大人達は受様の気のせいだったと決めつけます。

しかし受様を追う気配は消えず
高校の時に惹かれていた同級生にも相談しますが
冗談で流され、受様の口はさらに重なります。

そんな受様の今の楽しみは
毎週金曜日に攻様の花屋を訪れる事です。

半月前、帰路で体調不良になった受様に
声を掛けたのが商店街の花屋の攻様でした。

攻様は恐ろしいほどに整った顔の美丈夫ですが
回復した受様が借りたタクシー代を返しに行くと
親し気な微笑を向けられ、恋に落ちるのです。

受様は部屋に飾る花を買う口実で通っていますが
ある日に買った芍薬が変わらない手入れをしてたのに
1週間も持たずに枯れてしまいます。

その話をきいた攻様は受様は特別なのでと
店特性の栄養剤だと白い紙包みをくれ
受様はアジサイと共に浮足立って帰路につきますが
見えない気配に追われることになります。

その後、夜道を歩いていると後ろから足音がついてきて
振り返っても誰もいない、という日が続きます
受様が感じる気配は本当に気のせいなの!?

雑誌掲載されたタイトル作に
本編後の続編を書き下ろしての文庫化で
人に見えないものが見える受様と僧侶から花屋になった攻様の
オカルトミステリー風味の恋物語です♪

この帰路での出来事の他にも朝の玄関先に
アパート前に髪の毛らしきものが置かれたりしますが
証拠写真もなく誰にも相談できずにいましたが
攻様はそんな受様にこう言うのです。

受様は不必要な嘘をつくような人じゃないでしょう。
これでも人を見る目はあるんです。

実は攻様は駅近くの大きな寺の次男坊で元僧侶で
人には見えないものが見える人で

受様は自分を見舞う不可思議な事象が
霊障であるとはじめて知り、攻様の助力を得て
解決方法を探していくことになります。

受様がけっこうなネガティブさんなので
受様はかなりグルグルしていますし
元僧侶の攻様の背景と心理もちょっと複雑なのですが

受様の周りで頻発する怪異の謎を解いていく事で
死者にも寄り添おうとする受様の優しさは
攻様のトラウマも払拭していく展開で

な展開なので
のハラハラと2人の恋の行方にドキドキしつつ
楽しく読ませて頂きました。

続編も攻様の元カレの登場で引っ掻き回されるのかな
と思いましたが、攻様の気持ちは揺るがなく
安心して読めて面白かったです。

4

No Title

前情報無しで読んだら「えっ」ってなりました。えっ、ホラー? 逢魔が時って、そういう……?

タイトルの後半部分が「花屋で会いましょう」で、私はその部分にばかり注目してしまい、「逢魔が時の」の不穏さをスルーしてしまったんですね。よく見れば、表紙の赤いリボンも滴り落ちる血みたいでした。

ホラーBLですが、マジもんのホラーほどは怖くなかったです。一番怖かったのは、冒頭の蘇芳の初登場シーンです。こんな禍々しい登場のしかたをする攻め様っている!?(いなくはない。) てっきりこの人が怪奇現象かと思いました。

のっけからビビりましたが、中身はホラー系ヒューマンドラマといった感じで、BL部分以外のストーリーも面白かったです。

BL部分はというと、溺愛で甘々な感じ。両片想いからの相思相愛で、受けの遠野が蘇芳に甘え過ぎてはいけないかもと葛藤するけど、結局欲望に負けるところが、ほほえましくて良いです。

0

暑い夏にピッタリなオカルトラブ

オカルトチックなストーリーというか、心霊ミステリー色が強いですね。この猛暑が続く今年の夏にピッタリかも?ヒンヤリ涼しくなるしBLも楽しめる。一石二鳥な作品かと思います(^ ^)


つい最近もオカルト系の作品を読んだばかりで、やっぱり夏に発刊する作品の中にはこういったテイストのお話は多いんでしょうかね。
私は割と霊障や心霊関係の情報にミーハーで、あー分かる分かる。そう言うのよく聞くし知ってる〜。とか思いながら楽しく読みましたが、心霊ものが苦手な方はどうなんでしょ。敬遠しちゃう部類に入ってしまうかもですね。

一応、オカルトが作品の主軸ではあるんですが、それをベースに恋愛が展開されていくお話なので、そこまでホラー色は強くないです。かと言ってソフトタッチってわけでもないですが。

元僧侶で霊感の強い花屋の店主・蘇芳と、蘇芳に惹かれて花屋に足繁く通う霊障に悩む遠野の出会いからストーリーが始まっていきます。
元々花好きだったことも幸いし、蘇芳に惹かれていた遠野。幼いときからちょっとした霊現象に悩む遠野に、蘇芳が理解を示し寄り添うことで更に2人の関係が近くなっていくBL展開です。

遠野に憑いた"モノ"をさりげなく祓う際に身体を近づけたりボディタッチしなきゃならないのですが、それが却って遠野に意識させたり、自分にとっても役得だったり…まるで霊が2人のキューピッドみたいになっています。

遠野が悩んでいる怪現象に、蘇芳とともにその謎を解いていきます。命の危機を感じてしまうレベルの深くて重い背景に解決は難航。でも最終的にはスッキリ解決に至りますのでご安心下さいね。
自分に取り憑いていた悪霊であっても、霊に対する敬意を抱き優しく寄り添う遠野の姿から、彼の誠意ある人となりが分かります。
強制的に"祓う"のではなく、霊自らが"成仏"するような道を……。
蘇芳の祓う力がなくとも遠野の優しい心が霊を癒し救うことに繋がり、最後はなんだか少し気持ちが温かくなる終焉でした。

こんだけの状況を2人で共有し過ごしているのですから、そりゃますます好きになっていきますよね。「吊り橋効果」ってやつでしょうか^ ^ 元々惹かれ合ってる2人だったので結ばれるのも時間の問題ではあったと思いますが、霊が1つのキッカケになったってのもありますね。

遠野は色々と憑かれやすい体質みたいだし、蘇芳が会うたびにサラッと祓ってくれるので最高のパートナーと言えるんじゃないかな。
お互いの存在が仕事やプライベートの充実度をを高めることにも繋がっているので、2人の今後は明るそうです。


心霊描写はどうしても暗くどんよりとしたテイストになってしまいますが、どのエピソードも最後は遠野の優しさが生きる終わり方です。なので、読んだ後味は悪くなくむしろリフレッシュする感じ。

心霊ものとしては読みやすい方だと思うので、気になっている方は夏のお供に読んでみてはどうですか^ ^

10

怖かった…

怖い夢見そう…と思ってたらボーイズラブがちゃんとありました。

久しぶりに先の読めない展開(私だけ?)でした。
いつも主人公が苦しんで卑下して恐ろしい目にあって。

そんな中出逢った花屋のイケメン。彼は味方なのか?そうではないのか?

お互い花のような二人なんですね。

あまりネタバレを見ないで読む方が良さそうなお話です。

作者さんはこの本を書いてる間無事だったのかな?と心配になるほど怖かったです。
読み終わった本を部屋に残すか迷います。

4

コワイヨー

先生買い。雑誌で読んでいたのに、もう一回読んで、ぐいぐい引き込まれるんで、面白いんだと思いますが、特に後半コワイ。読み返すのは躊躇われるレベルで、恋話をぶっ飛ばしてしまったので萌にしました。雑誌掲載の本編150Pほど+書き下ろしの本編続き140Pほど+あとがき。カーテンの隙間が怖い人は要注意です。

朝夕に鐘をつく寺がある町に住む光春。少し前に体調を崩した時に助けてくれた花屋のイケメンが忘れられず、しょっちゅう花を買いに立ち寄っています。買った花を持って帰る途中、ふと首筋に視線を感じて・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
受けの会社の上司、同僚、攻めの元カレ、怪異ぐらいかな。海野先生の怪異系のお話では、怖さレベルあがった気がします。

++攻め受けについて

攻めは寺の次男坊。元から霊力強かったためか、修行していざ寺の仕事をがんばんべと思っていたら、その霊力の強さに死者の霊たちがざわめいて、鎮まらなくなってしまったという経緯あり、あきらめて花屋になったという方(ちょっと可哀想)。そんなことがあったので一時荒れて二丁目界隈でブイブイ言わせていた模様。(その時の知り合いが後半登場)。ちょっと軽めな感じがしました。

受けは昔から人に見えないものが見えていて人に信じてもらえなかったため、周りとの関わり方が上手くいかないことがある方。真面目でいつも人の様子をうかがっているような印象でした。そんな方が自分が見えていたものを肯定してもらえ、あまつさえ祓ってくれるイケメン(攻め)には惚れること間違いなしですよね。

攻め受けの恋話はふんふんと呼んだのですが、とにかく怖かったのが怪異。
可愛くない。怖いの一点張り。怖いもの大嫌いな私にとって、「読めない!」というレベルより二歩手前ぐらいでしたが、怖かったー。特にカーテンの隙間話。ダメですよ、カーテンはきっちり閉めないとね!

海野先生、あとがきによればホラーがお好きらしいです。先生、勝手な物言いですが、次回はちょっと可愛げのある怪異にしてください・・・よろしくお願いいたします。

3

ホラーBLと言うけれど、本当に怖かったのは、、、

元僧侶のイケメン花屋と幼い頃から異質体質で自分の意見を口にするのが怖いリーマン。

レビューで、寝る前読むと怖いとあったのでビクビクしながら読んでいたら、身構えていたこともあってか、そこまでホラーではありませんでした。

2作収録されているのですが、後半のお話に出てくる攻めの元カレが受けにストーカーして現れるほうが、よほどまりあげはにはホラーだった。
人間ホラー。

それ以外はいつもの海野先生で、攻めがめちゃくちゃ受けを溺愛していて、過保護っぽくて甘々で良きでした。

2

オカルトとBL



元僧侶の花屋と憑かれやすいサラリーマン


光春(受け)は体調不良を押しての仕事帰り、誰かの視線に怯えながらふらふらしているところを、花屋の蘇芳(攻め)に助けられます。
蘇芳に一目惚れした光春は、元々家に花を飾るのを習慣にしていたので、それ以来蘇芳の店に寄るのが習慣になります。
蘇芳がフレンドリーに接してくれるので勘違いしそうになるのを自省する日々です。
そんなある時から、ストーカーと思しき誰かからの視線や奇妙な出来事を誰にも相談できず神経がすり減る毎日を送っていると、心配した蘇芳に‥


「闇に香る赤い花」「花と言葉を束にして」の中編2編。
前半は光春がずっと執着されてた霊との話と2人がくっつくまで。
後半は、元カレが出てきて引っ掻き回される話と蘇芳の未練に光春が背中を押す話。


昔からいつも誰かに見られている追いかけられている気がする光春。
が、それは他の誰にも見えなかった為、虚言癖を疑われ、自分の言葉をいつも疑われるようになってしまい、嘘だと思われないよう気をつけるせいで余計に怪しまれることになってしまい、話すのが苦手になってしまいます。
実は、光春は霊感が強く霊の気配を感じていて、共感してもらえる人が周りにいなかったため虚言癖を疑われていたのですが、そのことには全く触れられないまま話は進むので前編の真ん中くらいまでは何が起こっているのかわかりません。
その上、蘇芳も思わせぶりな言動をするので、実は蘇芳が黒幕なのかとミスリードされる展開になっています。


オカルトとBLという好きなものを一緒にした美味しい話と思っていたのですが、恋愛部分がなかった方が良かったのではと思いました。
特に、前半で蘇芳が遊び人だったことがわかった時はかなりがっかりしました。
私が受けの遊び人は許せて身攻めの遊び人は嫌いだという勝手な理由です。
それまでの言動で、崩れた色気があるとはいえ、包容力のある頼れる存在と思って読んでいたので、爛れた生活をおくっていた人だと明かされた瞬間勝手に裏切られた気がして読む気が失せてしまって困りました。まだ前編少しと後編丸々残ってたのに。
後半部分でそんな気持ちになるのもわからないでもない気の毒な人だと明かされるのですが、それでもやさぐれるなら色事の方にやさぐれるのではなく別の方向に行って欲しいかったなと思いました。

そしてそのまま、慣れない光春にがっついてしまうのもちょっと嫌な気持ちになりました。
自分は二丁目で散々遊んできたからそういう付き合いだったかもしれないけど、誰とも付き合ったことのない光春相手なんだから、自分本位にがっつかないでゆっくり進めてほしかった。
前半では挿入までやらなくてもいいくらい。
最後の早急な展開にガッカリして、それまでの怖くてでもいい話が台無しになった気がしました。

読むのを断念しようかと思ったくらい読む気が無くなったのですが、頑張って読んだ結果、後半はオカルトも恋愛も良かったと思います。
元カレがきて引っ掻き回されるのはよくあるパターンですが、横入りしようとするのではなく怪異がらみと元カレの性格の悪さの話なので面白く読みました。
元カレに同情する安定の光春でしたが、自業自得の嫌いがある元カレくんはちゃんと自分の行動を顧みるまで安らぎを与えてはいけない思います。
とてもそんな日が来るようには思えないけど、いつか誰かに刺されるんじゃないかしら。


光春は身近に霊感のある人がいたならきっと早くから自覚して対処がとれ、このような孤独な人生を送らなくても良かったと思うと気の毒。

蘇芳が、見目の良さから苦労してきて、僧侶修行で生き甲斐を見つけたのにも関わらず、生来の霊感の強さのせいで道が閉ざされ、やさぐれてしまうのもまた気の毒ではありましたが、爛れた生活の方へシフトしてなかったら神評価にしてましたね。
ただの性癖なので私はすごーく気になりましたが、気にしないのなら良いお話だったと思います。



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