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作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
3巻が発売になったので、今更ながらですがレビューを。
嬉野君さん原作、夏目イサクさん作画のコミカライズ。非BL作品ですが、嬉野さんらしいテンポの良いストーリーと魅力的なキャラがたくさん登場し、序盤から一気にストーリーに引き込まれます。
そしてイサクさんの絵がすっごい綺麗なの。
イメージにぴったり、というのか。嬉野さんの面白さと、イサクさんの魅力が相まって、より面白さをアップさせていると思います。
ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
主人公は女子高生の真咲。
大地主・雪村家の一人娘です。良家のお嬢さまなのですが、しきたりに囚われず明るく天真爛漫な女の子。
彼女は良いところのお嬢さまなので家督を継ぐ儀式をすぐ控えている…、はずが、ある日突然母親から勘当を言い渡されます。この少し前、大伯父である周作(周作と真咲は仲良し)が急死しているのですが、周作は毒殺され、その犯人が真咲だからだと母は言うのです。
もちろん真咲はそんなことをしていませんが、彼女が犯人だと断定できる証拠が見つかり、母親は遠縁の藤堂という弁護士に家を継がせると言い放ちー。
というお話。
伯父殺しの汚名を着せられ、警察に追われるようになる真咲を助けてくれたのは、真咲が子どもの時からいてくれるばあや。
実はばあやは、周平から真咲宛の荷物を預かっていました。自分にもしものことがあったら真咲に渡すように言われていた、というその荷物の中には、手紙と鍵が。その鍵をもって日本を脱出し、そして燭銀街に行き、遺産を受け取るように、という指示の下、真咲は海を渡り燭銀街へ向かうのだけれど。
伯父の残してくれた遺産とは。
そして真咲は伯父殺しの汚名を返上できるのか。
そこを軸に進むストーリーです。
伯父が残した遺産。
それは琥珀、翡翠、そして珊瑚。
と名乗る、宝石ではなく三人の男たち。彼らは『宝飾店』で働く優秀なボディガード。依頼を受け、依頼主を守る仕事をしています。
なぜ、周平が『宝飾店』で働く三人の男たちを遺産として真咲に知らせたのか、そこはまだ明らかにはなりません。そして、リーダーである琥珀に、真咲は出会った時から「マリア」と呼ばれます。まだまだ序盤ということもあって、ベールに包まれている謎が多い。
とりあえず1巻では、『宝飾店』に依頼された子どもたちを人身売買目的で誘拐しようとするマフィアから守り、無事に船に乗せ、そして逃がすこと。
このミッションを4人でこなしていくストーリーです。
様々な試練が彼らを襲いますが、その試練がとにかく複雑。単純なストーリーではなく、二転三転します。
ストーリーももちろん面白いのですが、キャラもみんな等しく魅力的。
真咲という女の子は箱入り娘なのでとにかく世間知らず。
と言っても悪い意味ではない。
正義感が強く、一本筋が通った、かなり男前な性格です。無鉄砲、でもあるのですが、そんな彼女を守り助けるのが『宝飾店』の3人の男たち。
リーダーの琥珀。
元軍人という経歴を持つ彼はかなり強い。
寡黙で武骨ながらも先見の明があり、リーダーの素質を兼ね備えている。
『宝飾店』のメンバー・翡翠。
狙撃の腕は一流で、料理の腕も一流。綺麗なビジュアルを持ちながらも口も態度も横柄。そんな彼が唯一慕っているのがリーダーの琥珀。
同じく『宝飾店』のメンバー・珊瑚。
人当たりが良い。不思議な力を持っている…、ようだけれど、1巻ではその力は明らかにはなりません。
子どもたちを無事逃がすことに成功する彼らですが、ここでよかったね、で終わりません。
子どもたちを逃がすために不本意ながらマフィアの名を借りてしまった彼らは…?
というところまでが1巻のお話。
この作品は非BL作品ですし、主人公は女子高生。
ジャンルとしては少女コミックになるのかな。
が、登場する男性たちがとにかく皆さんイケメンぞろい。『宝飾店』の三人はもちろんとして、ヒール役として描かれているマフィアの親分、ドン・ロッシしかり、真咲に人殺しの罪をかぶせた藤堂しかり。眼福です。
ストーリーも面白い。
舞台となっている燭銀街。ここは日本ではありません。イメージとしては香港とか、その辺りなのかな…?
多種多様な人種が入り混じる、不思議な匂いがしそうな街。
治安は決して良くない場所、として描かれていますが、エキゾチックな魅力にあふれています。
1巻はまだ序盤といったところ。
謎は多いですし、続き物なので完結してから読みたい、という腐姐さまにはお勧めしづらい作品です。
が、とにかく面白い。
ミステリーの要素あり、謎解きの面もあり、そして真咲の行く末と『宝飾店』の謎はいかに。
イサクさんの絵柄で紡がれるコミックはもちろん魅力がたっぷりですが、嬉野さんの書かれる小説も読みたいな、と思わせる非常に面白い作品でした。