Pour la vie『TOMOI』商業番外編

Pour la vie『TOMOI』商業番外編
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
1
得点
5
評価数
1
平均
5 / 5
神率
100%
著者
秋里和国 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
サークル
BIG斉藤<サークル>
ジャンル
オリジナル
シリーズ
TOMOI
発売日
価格
ISBN

あらすじ

『眠れる森の美男』、『TOMOI』の主人公・友井久嗣と同じ名前をつけられた、甥の久嗣の話。

表題作Pour la vie『TOMOI』商業番外編

友井久嗣(『TOMOI』と同姓同名の甥)
シモン(フランス人スチュワード)

レビュー投稿数1

「ずっと笑っていてくれ ずっと愛しているから」が代わりに叶うような…

TOMOIシリーズから12年後に描かれた同人誌。
祖父(友井にとっては父)から、叔父と同じ名前をつけられた久嗣の話です。
友井がリヒャルトに振られて帰国した時に、赤ん坊だった久嗣と会ってます。

入手困難だと思うので、あらすじも結末も全部書きます。

成長した久嗣は髭を生やして、叔父の友井にソックリ。
12年も経つと絵柄が違うから、友井そのものには見えないけど、周りをうるさがったり、逃避願望があるところが友井っぽい!

モデルの久嗣はショーのオーディションを受けるためパリへ。
その飛行機のなかでフランス人スチュワードのシモンと出会う。
シモンは戸惑いなく久嗣を誘うけど、久嗣はゲイじゃないので断る。

デザイナーに約束をすっぽかされた久嗣が、パリの運河を散歩していると、偶然にシモンと再会する。
シモンにとっては、普段搭乗しない日本便の中、そしてパリの運河、二度目の運命の出会いで、あまりに嬉しそうにしているから、今度は久嗣も断れず、一緒に写真展を見に行く。

作品の中に「P.L.V.」と彫られた木があり、久嗣が意味を訪ねると、シモンは永遠という意味の「Pour la vie」で恋人たちが愛を誓う時の言葉だと教えてくれる。

久嗣に「いつからゲイなの?」聞かれ、シモンは「いつからヘテロなの?」と返す。
答えにつまった久嗣は、叔父の友井の話をして「ゲイは遺伝すると思う?」と聞くと、シモンは「今は遺伝して欲しいと思う」と答える。

でも二人はここでは始まらないんだな…
その理由は空港へ向かう車の中で久嗣から語られます。

久嗣は祖父から「叔父の生まれ変わりだ、立派な医者になれ」と言われて育ってきた。
祖父は、家を捨て、N.Yで男絡みの刃傷沙汰を起こした挙句に、アフガンでのたれ死んだ息子・友井の代わりに、孫の久嗣を自分の望んだレールに乗せようとしていた。
そして母(友井の姉)は、息子が弟のように同性愛者になってしまうことを恐れている。
久嗣にとって友井は不幸な人生を歩んだ象徴で、自分は絶対にそうなってはいけない”呪縛”そのもの。
だから久嗣は医者にならないし、N.Yにもアフガンにも行かないし、ましてやゲイには絶対にならない…

シモンに触れられた手を振り切って、久嗣は熱を感じながらも日本へ帰国。

その後、久嗣は友井の写真を見つけてソックリだったから髭を剃ったのだけど、そのことを話す表情はスッキリしていて、呪縛から逃れたいから髭を剃ったのではなく、友井と自分は別人と納得してるような感じがします。

そして春の訪れを感じて、フランスもあったかくなっているんだろうなとふと考え、巨乳女性のラッキースケベに「仕方ないよね。女性にはときめかないんだから」ってシモンの言葉を思い出していると、

「イサツグ トモイ」の声が!
(フランス人は”H”の発音ができない)
久嗣が鎌倉の由比ガ浜に住んでいると話した情報だけを頼りに、シモンが江ノ電の駅で久嗣を待ってたー!
フライト担当を日本便に変えて、三度目の運命を引き寄せるシモンはすごい!

そして、そして、そして、久嗣はそのままシモンにキスするんです!
観光シーズンの江ノ電の駅で、ですよ。
キスの後、「いつからゲイになったの?」と聞かれて「そんなこと考えたこともない」と答える久嗣の表情はやっぱりスッキリしていて、友井の呪縛はどこからも感じられない。

それから二人はホテルへ。
事後に、久嗣が高校生なことを明かす。シモンが法律に引っかからないか心配すると、久嗣は「ひっかかる。私の腕の中に禁固100年の刑。そしてお尻にP.L.V.の焼き印」と言ってシモンを後ろから抱きしめる。

読み返すことができなくなるくらい重苦しかったTOMOIシリーズとは一転、呪縛から解き放たれて、運命と結ばれる萌えストーリーです。

友井とマーヴィンが死ぬより前に、久嗣もシモンも生まれているはずだから、二人は生まれ変わりのはずはない。
でも「久嗣のことが大好き!」って気持ちを隠さないシモンは、友井が大好きだったマーヴィンに重なるんです…
友井とマーヴィンが強かになって戻ってきて、今度こそ「ずっと笑っていてくれ ずっと愛しているから」を成就させてくれるような錯覚を感じて、涙が止まらない。

久嗣とシモンの話だとわかっているんですが、友井とマーヴィンがどこかで幸せになってると思っていたいんです。

7

kaze

以前からこの作品が気になっていました。あなたのレビューを読んで、この本を探しまくり、幸運にも手に入れることが出来ました。もう、20年以上前の作品なんですね。。。あー、でも、読み終わった後、何だかその頃の自分と、日本や外国で起きていた事件や事故、そしてエイズやバブルなど色々なものが私の頭の中で交差しました。パリにも2回旅行に行った事もあり、この作品が出された頃、自分はまったくこんな素晴らしい作品を知らずして人生を歩んで来て。。。それが何か解らないのですが、大事な落し物をしてしまったのでは?と思うぐらい焦りました。
この作品に出逢えて良かった。そんな言葉しか浮かばなかったのですが、BLという小説や漫画を本格的に読み始めてたった1年、私の心を掴んだ愛すべき作品となりました。

レビューランキング

漫画(コミック)

人気シリーズ