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taishou moebius line
あの長いシナリオをよく単行本一冊に纏められたなぁと感心しました。
コミカライズ担当の方のご苦労が窺えます。
都合上カットされたり、改変されたシーンも多少はありますが、概ね原作に沿ったストーリー展開でした。
京一郎が軍人となり千家の部下として術式作戦に関わることになる、所謂「進軍ルート」がベースとなっているようです。
前述した通り、長いお話をかなり圧縮して漫画にしていますので、1ページ1ページの情報量が非常に多いなと感じました。
しかし、テンポが速すぎるということもありませんので、ゲームを一通りやっている方であればすんなりと読めると思います。
省ける部分は徹底的に省き、重要な場面はしっかり回収していて、全体的に過不足の無い印象です。
このように物語自体は切り詰められていますが、ラブシーンにはそれなりにページが割かれています。
ゲームではスチル化されていなかったところも描かれていましたので、個人的には非常に満足でした。
もう一つ嬉しかったのは、ドラマCD「終の棲家」が描き下ろしでコミカライズされていたことです。
ストーリーは幸せに満ちたものですが、2人には再びこのような穏やかな日々は巡ってこないのだろうと暗に察せられ、読み終わると切ない気持ちに満たされます。
特に、京一郎が時折見せる物悲しそうな笑顔には胸が締め付けられるような思いがしました。
長々と文が続きましたが、千家ファンの方も納得の素晴らしい出来だと思います。
サブタイトルに千家編とありますが、他の攻略キャラの分もこの先出るということなのでしょうか。
そちらにも期待です。