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攻め:表紙、向かって左側(奈良文)
受け:向かって右側の目が大きい方(一二三)
この「少年地獄」は短編集で、7編の物語が入っています。
■少年地獄
一見、不良×学校の人気者…というお話なんですが、実は受けの一二三は奈良文にだけは本性を見せている腹黒の悪魔で、攻めの奈良文はそんな一二三の(不本意ながらの)いいなり男。
奈良文の『思えば一二三尽くしの人生だったなぁ…』から始まる独白のリズムがよく、読んでいて気持ち良かったです。
■犬を使う男の友人
極道者の虎田(黒髪・男前)×「犬」の少年・犬井(デコ出し・無表情)
主人公は龍川というショートカットの眼鏡男。CPの二人の雰囲気は甘いです。
■ピンクの薬売り
大地主の小呉(和服)×薬売りの従業員大谷(和服・黒髪)
受けに一途な攻めと、どうして自分なんかを攻めが好きになったのか悩む受け。攻めが必死でかわいいです。
■海の水の甘い味
執事の紺野(黒髪・釣り目・タバコ)×財閥の隠し子・カヲル(和服)
カヲルに厳しく・意地悪く接する紺野と、紺野が嫌いなカヲル。
最後はハッピーエンドです。執事の紺野が好みでした。
■二人は罪に沈む途中
後輩(スーツ)×先輩(スーツ・黒髪・眼鏡)
先輩を言葉と身体でいびり続ける後輩と、抵抗も文句も言わず後輩のなすがままにされる先輩。
後輩はお見合いで金持ちで美人な女性に気に入られ、結婚を迫られていた。だが、「何かヤダ」という理由で彼女に結婚を諦めてもらうため、後輩は先輩を使い、ある時は自分たちのキスシーンの写真を匿名で彼女に送り付け、またある時は強姦まがいのセックス中の写真までも送ろうかとふざけていた。
そんな彼等の元に後輩の彼女が事故にあったと連絡が入る。
重傷を負ってしまった彼女。彼女は結婚を約束した相手である後輩が、自分ではない誰かを追い続けているのに不安を感じていた。
彼女は、匿名で送られてきた二人のキス写真が、誰から送られてきたのか分かっていた。
「ふざけた真似ばかりなんだから 仕方のない人ね…フフフ …結婚して くれるのよね」
そういう彼女の前で突然床に手を当て跪く後輩。彼女に結婚できないと謝りながら、先輩が好きだったと告白する。
後輩は自覚していた。自分の狡猾さや、本当の気持ちを。自分のしてきた罪を。
そして最後のページで先輩も後輩と共に床に手を当て跪く。
『―どうか オレ達が犯した罪を 償う方法を教えて下さい』
タイトルと最後の独白で、罪は後輩のものだけではなく、後輩を拒めず、なんの抵抗もしようとしなかった先輩の罪でもあるということに気づきました。
秀逸なタイトルだなーと思います。閉塞感がたまらない!!
このお話がこの一冊の中で一番好きです。
■君はカンイチ僕ロミオ
父親が洋食レストランを経営する晴海(髪長め・ちょっとヘタレ?)×父親が和食食堂を経営する天川(黒髪・やんちゃ)
彼等の父親は隣り合わせにある店で、それぞれ食堂・レストランを経営し、いがみ合っている。けれど同級生の息子たちは愛し合っていた…。というお話。
リズム良く楽しく読めました。父親もかわいい。
■変える男
女にモテる人気者・村崎(着崩した制服)×ヘタレで悩める野球部員・浅香(ユニフォーム・短髪・ちょっとなまってる)
野球部員の浅香は同級生の村崎の事が好きだった。浅香は村崎のひそかにユニフォームの胸のあたりに村崎の写真を入れ、想いをはせていた。
ある日その写真を無くし、探しているところに村崎と村崎を取り巻く女の子たちとはち会ってしまう。村崎を取り巻く女子たちに嫌味を言われながら、写真を一生懸命探す浅香。そんな浅香にことあるごとに「どれがいいと思う?」と聞く村崎。浅香はそれに歯切れのいい返事ができず、女子たちをイラつかせてしまう。
二人の立場の違いと、女子に嫌味を言われる浅香の居心地の悪そうな感じがリアルでした。
実はどちらも同じ気持ちなのに、浅香は必死で隠すし村崎は伝え方が下手というか分かりにくいというか…。
最後のシーン、ふと自販機の前で浅香に「どれがいいと思う?」と聞く村崎が歯切れのいい返事ができない浅香に「浅香はどれが好き?」と聞きなおすところ!すごくいいです。
浅香が好きだと言ったものを一本浅香にあげて、「オレも同じのんにする~」と言った村崎と、そんな村崎の背後で笑う浅香。
この本の中で二番目に好きなお話です。
ちなみにどのお話もベッドシーンありです。
とてつもなく長くなってしまいましたが、猫田リコさんの短編集、おすすめです。一度ハマると作家買いしてしまう作家さんですよ~!
一二三がクソガキすぎてダメでした
犬を飼う男の友人 中立
主人公が脇役過ぎるかな
変える男 中立
浅香は攻めが良かったな
学園のアイドル一二三は、かわいい顔に反して、幼馴染みの奈良文を力づくでものにしているつわもの。
かわいいのに強いってキャラ好きだな。かわいいだけじゃ物足りない感じがするので。
猫田先生の描くものは、懐かしいような、不思議な色使いのカラーが多くていいですね。
表題作の受けが素晴らしく女王様でしたw
見た目はおとなしそうな優等生一二三(ひふみ)。そんな一二三は奈良文を下僕のように扱いますw
疲れたから姫だっこさせたり、とにかく一二三に振り回される奈良文w
一二三の猫かぶりはすごかったですw奈良文と2人きりになった途端一人称「俺」だし煙草は吸うしw
「俺はお前の言うことだけ聞いてればいいの!」とか「お前俺に嫌われちゃうよ?それでもいーの!?」ととにかく女王様な受け。
でも「奈良文しかいらないのに…」とデレる部分も。
もう奈良文は一生一二三に振り回されてればいいと思いますw
短編集でしたがどれもおもしろかったです。
『ピンクの薬売り』は受けも攻めも相手が好きすぎて悩んでいるのがよかった。恋に効く薬なんてないんですよねw
『海の水の甘い味』は鬼畜な執事攻め。受けが隠し子の子供で、家族からの扱いが酷く、執事にもちゃんとしろなど言われぶたれてちょっと痛かったですが、いつも側にいてくれたのは執事ということに気づき2人が一緒になるというストーリーは良かったです*
他の話も猫田ワールド全開のストーリーでした!