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君には悪い癖が出てしまう――
ore ni horetara tabeteyaru
一冊まるごと、大人な雰囲気の定食屋オーナーと、野良猫みたいに警戒心の強い常連客の話です。
二人の関係の変化を丁寧に追っていくところに毬田先生らしさが出てました。
ストーリーは定食屋オーナーの三嶋視点で進んでいきます。
”のら”は、精神ボロボロな感じで店に入ってきて、泣きそうになりながらご飯を食べ、それ以来、店の常連客になった。
三嶋は自分の料理を一番美味しいと言って食べる”のら”のことが気になるけど、”のら”は三嶋がつけた渾名だし、本名も、どこで何をしているのかも全くわからないミステリアスさ。
そんな時、ゲイスポットでの修羅場を経て、二人ともゲイで、かつての三嶋は複数人と気軽に付き合っていたクズ系だったことが判明。
三嶋の「遊ばない?」って誘いを、”のら”は断るかと思ったのに「つっこみなしの一回きりなら」と意外な返事で…
警戒心のかたまりのような”のら”が、三嶋に頭を撫でられて感じてしまったり、それに気付かれたとわかって赤面したり、いつもがいつもなだけに余計にかわいく見えてしまうよぉ~。
それから、三嶋の提案「エッチ一回で5食タダ」を、”のら”は「5食たべたらエッチ1回」に条件を変えて、二人は関係(※挿入なし)を続けていく…
読者としても”のら”が何を考えてるのか全然わからなかったけど、この条件が”のら”にとってどんな意味があったのか、後半で”のら”の生い立ちや気持ちがわかってくると、もう”のら”のいじましさが愛おしくて、背負ってる悲しさも寂しさも全部ひっくるめて抱きしめてあげたくなる!
三嶋も”のら”に出会ったことで、相手への思いやりや、自分の生き方にマジメに向き合えるようになってる気がします。
自分だけの大事な人をやっと見つけられた二人、これからはお互いを大事にしあう幸せそうな未来を作っていけそうです。
中盤が切なかっただけに、最後の”のら”の笑顔の輝きは格別♪
電子特典はマンガ1ページ。”のら”こと大和の職業に関わる制服プレイを楽しんじゃいそうな二人のほのぼのとした日常です。
エロも攻めた『アングラ・ブルー』は一味違いますが、二人の気持ちの変化や関係を丁寧に追うのが毬田先生の持ち味だと思ってます。
今作も毬田先生らしいのですが、”のら”がずっとミステリアスで、後半にわーっと”のら”のことがわかっていく展開は、いつもと違う”勢い”を感じました。
社会人BLがお得意なイメージのある毬田ユズさん。本作は、飲食店店主x謎の多い常連客のカップリングです。
ある大雪の日。遅い時間に『ランチありますか』と店に来た男。あまりに疲れて傷付いてボロボロの、野良猫のような印象のその男に、有り合わせの食材でなんとか食べさせた三嶋は思わず『また来てよ!』と声を掛けた。それからずっと通うようになったその男は自分の事を何も言わないので、のら、と呼ぶようになった…
ある晩、ゲイバーでのらと会ってお互いがゲイとわかり、元々気があった三嶋は軽いノリでセフレにならない?と誘って関係が始まり。
セフレになってもあまり打ち解けないのらだったが、「家族同然の友人」の存在を知り、のらの本当の姿を知る事になる…
親の愛を知らず、恋愛は上手くいかず、兄妹のように育った友達の輪から弾かれたように感じて仕事に逃げ、過労もあってボロボロになったあの日。
優しくしてくれた三嶋に惹かれ、三嶋が軽い男と知っても関係を始めれば好きになってくれる可能性があるかもと思ったり。
そんな健気なのらに本気になる三嶋です。今まで寂しかったのらが幸せになるといいなぁ!
ほっとする甘いハッピーエンドでした。
定食屋店主の三嶋と謎の青年のらの出会い〜2人の関係性の変化とともに2人の過去が明らかになっていくのがドキドキワクワク!
後半の種明かしでそうだったのか〜と謎がわかりおもしろい。
その間、きゅん萌えエロを挟みつつ2人のLとストーリーが絡み合う。
引き込まれるストーリー展開がほんとお上手。
個人的な趣味で言えば、2人とも好みな感じなのになぜかキャラ萌えせず。
三嶋の見た目はどストライクなのに、どうも軽く薄っぺらく感じるからか。
のらの見た目も性格も好きだけど、三嶋がかわいいと思うのらの表情がどうもそんなにかわいらしく見えないからか。
惜しい!!と感じてしまいましたw