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kono tsumibukaki yoru ni
ドラマCDを先に聴き、すごく素敵な話だったので原作も購入。
読み終わったときには完全に清澗寺家の虜になっていました。
途中、行為以外に暴力的というか痛々しい表現があるので苦手な方は注意が必要ですが、基本的に誰でも気軽に手を出せる作品です。
受 国貴様
「様」を付けなきゃ呼べないくらい高潔で美しい人でした。こんなに真っ直ぐで一途な国貴様を嫌いな人なんていないんじゃないかと思うほど。
普段すごく冷静でクールで頭の回転が早い分、遼のことで頭がいっぱいになっているときや行為中のかわいさがより際立ちます。ギャップです。
喘ぎは控えめなのに乱れ方に色気がありすぎる。
攻 遼
序盤は国貴様に対して若干きついですが、全てのことに説明がついた瞬間「国貴様を誰よりも心から愛している素敵な人」に早変わり。他の清澗寺カップルの攻めと比べると(個人的に)いちばん優しいなと思います。国貴様と同じくまっすぐで正義感の強い、見ていてすっきりするタイプの人です。
これを読んで清澗寺家のみならず和泉桂先生のファンにもなりました。ストーリーの時代背景もかなりしっかりしているし、なによりひとつひとつの描写の言葉選びがすごく綺麗なので、全体的にとにかく「美しい」お話です。なにを読もうか迷っていたら是非読んでほしい。全力でお勧めできる一冊です!
私はドラマCDにて興味を持ち小説を読み始めた逆パターンです。
この作品がはじめて読んだBL小説です。
活字が苦手な私でも楽しく読むことができ、小説を読むことがすきになりました!
発行されたのが少し前なので書籍が見つからない場合は電子で買えます!
Kindleの無料期間で「この罪深き夜に」とシリーズ次の巻、弟の和貴に視点を当てた「夜ごと蜜は滴りて」の二種類が読めます!
身分の差がとても苦しく胸がぎゅーってなります。(下手か)互いを思いやる気持ちがもどかしく、2人の心情、不安な気持ちが心に来ます(すき…)
『清澗寺家サーガ』をついに読み始めてしまいましたよ。
2014年の電子化なのですけれども、残念なことにイラストはなし。あとがきはありました。
『とにかく長い、メロドラマ』という予備知識しかないままに読み始めたんですけれど、どうもこの一作目は私には合わないような気がしました。
幼い頃に惹かれ合い、身分違い故に引き裂かれ(お坊ちゃまである国貴の方は事情を知らない)た後、再会するも、片や反体制活動家、片や陸軍中尉。互いを想っていながら、それぞれの立ち位置によって敵対するしかない、というお話は「おー、メロドラマじゃん!」と盛り上がりかけたのですが、途中で『しゅん』となっちゃったんです。
多分、国貴の性格が私にはダメなんだと思うのですよ。
男を喰うしか能がないと思われている父に代わって、清澗寺家を守るために必死で『長男』をしているのですけれども「自分にはその役割が向いていない、僕はダメだ」と、繰り返し繰り返し思っているんですね。
これがまだ気概を感じるようだったら好きになったと思うんですけれど、国貴はとても繊細で、どっちかって言えば、心がひ弱。
なんかねぇ、ブラック企業でボロボロにされちゃった人みたいで『可哀想萌え』する以前に、憐憫をいだいてしまって。
「いいから、もう休め」って、何度言いたくなったことか。
『恋のためにすべてを捨てる』ことがカッコいいのは、捨てるものに価値があるからですよね。
でも、国貴や遼一郎は自分の捨てたものをそれほど大切にしていた様な気がしないんです。「ひょっとして、そもそも今までの人生から逃げたかったのではないの?」とゲスの勘繰りまで芽生える始末。
長いお話ですから、全編が読み終わるまでには彼らを好きになれますように……
和泉桂さんの「清澗寺」シリーズの1冊目、
和泉さんの作品は、過去に2作読んだけど、どうかなぁ...と思っていたけれど、良かった。
私の萌えどころとは何の関係もない作品ばかりだけど、いやいや、エロのバリエーション、シチュエーションというかテイストの多彩さがまた良かった。
しかしさ、この世にこんなにホモホモさんがいても良いのだろうか?
って言うか人類は早晩滅びるかもね。
読み比べれば、この作品は
「長男らしさ、主従関係、駆け落ち」となかなか堅くて個性的で良かった。
挿絵の円陣闇丸さんもピッタリ耽美で良かった。
和泉桂さんの清澗寺家シリーズ、第一弾。
◆あらすじ◆
今回の主人公の清澗寺国貴(26)は、清澗寺伯爵家の長男。
大正十一年の冬、軍人になった彼の前に、長年再会を待ち望んでいた成田遼一郎(28)が現れます。
遼一郎は清澗寺家の使用人の息子で、国貴とは幼馴染み。子供の頃「ずっとそばにいる」と約束した仲であるにもかかわらず、国貴の前から姿を消してしまった男です。
しかし、ようやく再会した遼一郎は、今や社会主義運動家として当局に目をつけられた要注意人物。
彼を当局の追捕の手から守るため、国貴は、陸軍士官学校の同期で、国貴に思いを寄せる憲兵の浅野と取引をする一方、遼一郎に思想を捨てるよう説得するのですが――
◆レビュー◆
帝国陸軍のエリート軍人が、愛する男のため、カラダを武器に憲兵と取引!
そのかたわら、愛する男を社会主義思想から転向させるため、こちらでもカラダを差し出して懇願!
( ゚∀゚)o彡°昼ドラ! 昼ドラ! と、やりたくなってしまいますが・・・やー、これは全て国貴の美しさがイケナイのでありまして。
しかもそんなコトをされて体は感じてしまう国貴!
ちなみにこれは清澗寺家の「快楽に弱い」血のなせるワザ。この血のせいで一家の男全員が淫蕩なホモになってしまった清澗寺家の人々の物語が、この後連綿とシリーズ化されていくわけであります(・∀・)
時代背景にリアリティーがあるだけに、BLでは珍しくないはずのこの昼ドラ展開がちょっとばかり安っぽく思えたり、円陣闇丸さんの挿絵の国貴が、軍人なのに長髪で違和感を感じたりもするんですが、じゃあ萌えないのかというと――
超 萌 え る ・ ・ ・ (≧▽≦)
とにかく設定が魅力的!
身分差下剋上、体格差、軍服、幼馴染み・・・そして、攻め受けのまさにロミジュリな階級的対立関係。
遼一郎は反体制運動家、国貴は軍人と、表の顔は、硬派でストイック。淫猥な濡れ場描写との落差も萌えツボ♪
ここまで萌えどころを積まれたら、諸手を挙げて萌えるしかありません!
しかし個人的に最高にツボなのは、遼一郎の左目の、義眼。
BLには隻眼の男がたまに攻めとして登場しますが、隻眼ってどうしてこうも萌えるんでしょうか?
左右色が違う遼一郎の眼は、彼の抱える秘密の匂いを際立たせています。
一体彼は味方なのか、それとも敵なのか??
国貴の眼を通して描かれる遼一郎の、時折見せる得体の知れない冷たさがミステリアスで、激しく魅力的。
祭りの夜2人が人混みではぐれてしまうシーンでの、遼一郎には義眼の側にいる国貴が見えず必死に彼を探し続ける・・・という辺りの描写にも、切なさを煽られます。
もし遼一郎が義眼じゃなかったら、萌え度は随分目減りしてたかも。
逆に気になったのは、2人の行動原理が全てお互いへの愛であること。
国貴が軍人になったのも遼一郎への愛、遼一郎が社会主義運動家になったのも、国貴への愛。
とてもスケール感のある作品なのに、2人の世界はあくまでも閉じてるんですよね。
愛とは別に夢や理想があって、どちらを取るか苦しんだ末に夢を捨てるという展開は好きなんですが・・・この辺が少しスケール感を損ねてる気がしました。
まあ、2人とも愛が全てだったからこそ、後日談「この夜が明けても」で喪失感なく幸せに暮らしてる2人が読めるわけですが。
こういう部分も、ハピエン前提だからこその難しさなんでしょうかね。。。
円陣さんの挿絵が本文のイメージ通りなのも嬉しいところ。
本文だけでは十分には味わえない軍服萌えも、挿絵でしっかり補完されています。
時代ものは年月が経っても古臭くならないのがいいですね。
ゆっくり楽しみながら、シリーズ制覇を目指します。
大正時代、華族制度という名の下に誰もが平等ではなかった時代…。同じ子供でありながらの身分差、華やかそうに見えながらも困窮した生活、こんな時代を軍人の国貴とかつての幼なじみの遼一郎は生きていたのです。
かつての幼なじみは共産主義運動を推し進める立場で、国家軍人の国貴とは敵関係にあるのです。昔知っていた遼一郎と今共産主義運動をしている遼一郎は、まるで違う人なのに、何とか彼を助けようと国貴が画策するのです。
まるで国貴が遼一郎の罠にはめられているようなストーリー、国貴の父も性別を問わずに人を愛せる人だったことなどの物語の中の伏線がが怖かったです。国貴の「地獄に墜ちてもいい」という台詞がこの切羽詰まった感じがどきどきでした。
一度関係を持ってしまえば、きっと抜け出せなくなってしまう危なさ、もうどこにも戻ることのできない国貴と遼一郎ですが、きっとどの道を選んでも二人は悩んだのかなと思うと、悩ましいです。国貴と遼一郎以外の黒幕、事件の真相もミステリー小説のようでした。
和泉桂先生の作品を読んだのはこれが初めてだったのですが、どうして今まで読んでなかったのかと後悔するくらいハマってしまいました。
すごく作り込まれた世界観で、激動の大正時代がまるで目に見えるよう。
そしてサブキャラも設定がおざなりではなく、しっかり生きているように描かれていて本当に読んでいてうっとりしてしまいました。
当然この時代はまだ身分制度があり、伯爵家の長男である国貴と使用人の息子である遼一郎は幼い頃にそれで引き裂かれてしまいます。
大人になって再会し、国貴も遼一郎も心を通わせ合うようになるのですが、やはり身分の違いからその壁を超えることはありません。
なんといっても両思いなのに身分の差にとらわれて二人が行き違いをしてしまう様がもどかしい。
二人の最終的な思いは一緒なのになかなかお互いに通じないんです。
そして浅野という男の存在です。
彼はただの当て馬では終わらないくらい策士でした。
国貴が自分から浅野と取り引きするシーンも実は浅野の手の内だったという…。
そんな悪役な彼なのに国貴のことが本当に好きなんだなというのも感じられてちょっと切ない。
嫌いにはなりきれないキャラです。
すべてまるく納まったハッピーエンドという感じで終わらなかったところも好きでした。
続編も読んでみたいと思います。
華族が主人公ですが、華やかな社交界などでは無く、(第一次)大戦直後の不況も色濃く退廃的な雰囲気漂う大正もの。
主人公の国貴は、陸軍大学校を主席で卒業して中尉になったという絵に描いたようなエリート軍人。清澗寺家という名門に生まれて、没落し掛けということもありそれなりには苦労もあるものの、一般階級の人間から比べれば有り余る程恵まれた環境で育ったお坊ちゃま。
かたやの遼一郎は、清澗寺家の使用人の子供として幼少期を国貴と過ごしたものの、とある事故で側にいながら嫡子である国貴に怪我を負わせてしまい、その身分差故に一方的に批難され、二人はそのまま引き離されてしまいます。
そんな二人が再会を果たしたところから物語は展開して行くわけですが。
とにかくこの国貴の、自分はわかってる、自分がどうにかしなければという思い込みと、実際には何もわかっていない坊ちゃん然とした危うさが、遼一郎でなくとも庇護欲にかられてついハラハラしてしまうというもの。
国貴の学友で憲兵の浅野も、腹黒い部分があるのは否定しないまでも、端で見ている分には随分と国貴に甘くて別の意味でハラハラします。
弟の和貴も面と向かっては憎まれ口ばかり叩くけど、本当は兄様大好きなのがそこはかとなく感じられます。何より、出番はわずかながら続刊への期待が高まるような強烈な個性を放っているのが見どころ。
そんな個性的な登場人物の中にあっても、国貴のまっすぐな気質は見劣りせず、私欲に負けて状況に流されながらも最後の一線で潔癖たろうとする強かさが、ただの世間知らずでは終わらせません。
欲を言えば、浅野にはもっと軍服を活かしたマニアックなプレイで頑張ってもらいたかったところですが、国貴の「軍人として」「清澗寺家の次期当主として」「私人として」それぞれの立場での葛藤に揺れ動く心理描写がとても読み応えがあったのでよしとします。
プロレタリアや活動家、赤狩りといった一時代の要素に魅力を感じる人なら十分堪能できるのでは無いでしょうか。
私は軍服というストイックさの象徴に淫欲を重ねる背徳的なエロスが大変好物なので文句なしに萌えました。
ただし、軍服属性が色濃いのは国貴編のこの巻のみです。