終わりなき夜の果て 上

owarinaki yoru no hate

終わりなき夜の果て 上
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神26
  • 萌×21
  • 萌4
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
8
得点
147
評価数
33
平均
4.5 / 5
神率
78.8%
著者
和泉桂 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
円陣闇丸 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
シリーズ
この罪深き夜に
発売日
価格
¥998(税抜)  
ISBN
9784344820593

あらすじ

清澗寺家の当主・和貴の前に深沢の義弟が現れ、彼の過去をくわしく知らないことに和貴はきづき…。さらに父・冬貴が倒れ、追い詰められた和貴は、深沢から離れようとし…。
清澗寺家シリーズ第一部完!!
3兄弟・お父様総出演!
(出版社より)

表題作終わりなき夜の果て 上

深沢直巳
清澗寺和貴

同時収録作品罪の褥を満たす愛

伏見義康
清澗寺冬貴

その他の収録作品

  • 宵闇
  • 滴る蜜

レビュー投稿数8

世界は貴方でできている。

待ちに待っていた清澗寺家シリーズの第1部最終話上巻。

「宵闇」
貴久と嵯峨野の話。
個人的にはこの2人の関係性もいろいろと気になるところではあるので、あとがきで和泉さん自身も書いてみたいみたいなことおっしゃってましたが、是非読んでみたいところです。

「終わりなき夜の果てに」(前編)
和貴と深沢の関係性がメインですね。
相変わらずの2人ですが、少し進展したような。
とにかく、このシリーズ内ではこのCPが一番好きなのですが。
それはひとえに和貴のどうしようもないくらいに深沢が好きすぎるところに要因があるんですが。
今回は和貴なりに深沢のことを思いやった結果、自分にとっては苦渋の選択となってしまったり。
それでも、そこまで深沢のことを大切に考えることができるというのはやっぱりスゴイなとも思うのですが。
深沢もそのことに非常に喜んでいたので。
そこに至るまでの別離とか心中まがいのこととか。
なんだか胸に痛いことも多かったような。
でも、その心中まがいの時でさえ、和貴の中心は深沢でしかありえないのがなんともステキでした。
そんな和貴への躾と称して深沢がしたことはといえば………。
深沢ったら、何てことするのー!
針って!!!!!
ちょっとビックリしてしまいました。
いや、同人ならそれなりにいろいろいろいろしてるのは知ってるのですが。
まさか本編でもここまでとは…。
どんだけ歪んでるんだ、この人。
でもって、それを結果として受け入れる和貴って。
ま、全ては「だって、好きだからしょうがないじゃん」になってしまうのかもしれませんが。
2人の問題はこれでひとまず片付いたといった感じでしょうか。
後編は国貴と遼一郎メインになるのかな。

「罪の褥を満たす愛」
冬貴と伏見の物語。
実は何を隠そうノベルスとしてこの2人の物語を読むのは初めてだったのですが。
CDで聞いたしいいか、と流してしまったのですが、これを読んでいたら、原作も読んでみたくなりました。
これまで冬貴という人物は捉えどころのないいわゆる魔性だとしか思ってなかったのですが。
今回のお話を読んでみると実に真っ直ぐにかわいらしい人物であったのだなと思いました。
いや、前作でも実は真っ直ぐで純粋なところは見られたのですが。
今回のお話は非常にかわいかった!
伏見のために、というか、伏見と在るために。
ただ、それだけのためにいろいろ画策して。
自分の武器が何かをわかった上で、それを最大限に利用して。
互いが互いに唯一無二の存在で。
常に冬貴の言葉は少ないけど、時に口にする言葉は端的でシンプルで。
純粋な言葉だからこそ響くものがあるのだろうな。
冬貴の口にした「死ぬ」という言葉が非常に印象的でした。
そして、冬貴もまた身体を繋ぐことだけでなく、ただ伏見と寄り添うことで満たされることに、やっぱり和貴と親子なんだなーと感じました。

「滴る蜜」
和貴と深沢のその後。
かなり甘かった。
というか、和貴がかわいかったvv
ぐずぐずというのとはまた違うと思うんだけども、すごく甘えてる部分があって。
かーわーいーいー(笑)

とにかく、最終的な印象としては和貴も冬貴もかわいかった!!
「ン」というセリフがいろいろなところに出てくるのだが、このセリフが2人のかわいさを表現しているようですごく好きです。

来月には下巻、そしてCDも発売されます。
基本的にセリフは脳内変換して再生されていたわけですが、そうか…針かぁ……。
のじがどんなふうに啼いてくれるのか今から楽しみで仕方ありません!!
名前呼びで照れるとか感じるとか超楽しみー!

ちなみに。
応募者には書き下ろし付きプレミアムBOOKが!(応募者負担800円振込)
上巻下巻どちらか1冊の応募用紙で応募できるというから、こちらも楽しみです。

4

津軽海峡冬景色~♪ 

和泉桂さんの「清澗寺」シリーズ6作目、
2作目で登場した和貴と深沢のお話。

すごいヘビーだった。
和貴はいつもの疑心暗鬼というか、愛するあまりの行動を取るのだが、
度を超えた純愛で今回も津軽海峡冬景色とばかりの、確認作業。
心に刻み付けて、刻み付けて……

私の心も満たされ、とても良かったです。
挿絵の円陣闇丸さんも毎度ピッタリ耽美で良かった。

3

この2カップリングが一番スキーっ(><)/

本の厚みもあり、読み応えありそう~で、読み応えありました(笑)
あっ、密かにというか最初のお話は嵯峨野のお話。
それも4ページ?!えっ??


まあそれは置いといて、
深沢×和貴と伏見×冬貴という豪華カップリングメインの本でした。


何だか今回も和貴はフラフラ?(毎回のことなんだけどね)
なんで深沢に全てを預けないんだよ!と、ちょっとイライラ(笑)
そして今回はとうとう深沢も和貴に手をかけるシーンまで!!
すぐに楽にしてあげられない、そんな想いの深沢が痛い。
だけど結局は深沢の為に生きたいと願う和貴。
和貴の全ては本当に深沢なんだよね。

とりあえずは落ち着いた訳で、その後に待っていたのが、深沢の本能?!
いや~、そうですか~針ですか(^^;)

この本を読む前に、他の方のレビューを読むと
皆さん「針」を強調してたもので、とがってる針を想像してたのですが
なるほど、「かんざし」みたいなものなのですね。
まぁ何処に入っていくかは解ると思いますが(笑)
とりあえずは散々深沢に愛されてとても可愛い和貴なのでした。


そして次は伏見×冬貴編

伏見を自分のものにする為には、自分の体使って他人を陥れるのを悪いとも思わない。
(その辺、和貴と違うところ?!
和貴は好きだからこそ深沢を手放そうとするし、
逆に冬貴は絶対に離さない!!)
だけど相手を思う気持ちは、一緒といいましょうか
冬貴にとって伏見が一番!!

このカップルは本当に好き~っ。

でも和貴、深沢と完全両想いいなんだから、
他の人にフラフラしない(流されない)ようにね(^^;)
チュ~もだめだよっ。

2

突き詰めた願望の果て

BLに何を求めるか、みたいなことをとことん突き詰めると、
こういうことになるんじゃなかろうか、と。
前編読了後思いました。

このシリーズでは和貴が一番好きです。
だから彼の究極の願望を深沢には叶えてあげてほしかった。

「死にたい」と懇願する人間に、
「生きたい」と言わせる。
それも口先だけじゃなく、
その場のノリじゃなく、
心の底から、魂の叫びとしての「生きたい」。

これが攻めへの願望の最果てかつ根元だと思うのですよ。

そこへ持っていくための道のりに、
どんな物語が用意されてるか。
薄っぺらいとつまらないし、
リアルすぎても冷めてしまう。

まぁ、現実にはこんなホモだらけの財閥があるわけないのですが(笑)、
適度にファンタジックで、
適度に現実味もある、その匙加減が絶妙というか、
自分にはすんごく美味でした!

2

求む、文庫化!!

深沢×和貴の一作目『夜ごと蜜が滴りて』から短編を挟んでのメイン長編巻!!
伏見×冬貴も一作目『罪の褥も濡れる夜』からの書き下ろし長編収録!!
加えて第一部完結の上巻ということもあり、三兄弟の曽祖父(実は祖父)にあたる貴久と彼を支える嵯峨野のプロローグまで入ったとても豪華な一冊です。

現在書籍版の入手は難しく、挿絵のない電子版だけが正規の購入手段というのがとても苦しい状態なので、どうか文庫化を願っています…。

それでは推しカプの深沢×和貴についてレビューを!
『夜ごと蜜が滴りて』ではモノローグすらなく謎に包まれていた攻めの深沢、短編では彼視点の描写もあり人間味を感じられるキャラになりつつも、どうしてこれほどの執着心をもって受けの和貴を絡め取ろうとするのか?が分からないままストーリーが進んでいました。

その深沢の過去に迫り、いよいよ全貌が明らかになる巻といっても過言ではありません。
ゆえに超絶ドラマティック!海外が舞台となる長男カプや三男カプと比べて場所の移動が少ない次男カプも、今回は帝都を離れ深沢の故郷・能登に向かいます。
作者さまが当時の時刻表なども調べて作品を書かれたそうで、舞台と時代描写にどんどん浸りながら二人の旅路を見守れるの本当たまらないですね…。
今巻も含めて和貴の弱さがフィーチャーされがちな次男カプですが、深沢の脆さに読者も受けも心を打たれる、そんな素晴らしい展開が待っています。

もちろん旅のお楽しみ(?)、エロシーンも濃厚すぎるほど濃厚!
財閥企業の社長同士ですが家では主従関係に近く、「和貴様」「深沢」呼びがデフォルトの二人が名前で呼び合うのは卑怯ですよ…。
レビューなのでここまで頑張って「和貴」と書いてますが、私ごときが呼び捨てにしていいのか!?と思い出しては興奮で顔が赤らむラブラブ描写です。
またお道具プレイもこの二人ならではですね。針…簪のお店を見つけるとつい蝶の飾り付きのものがないか探してしまう癖が付きました。

旅のシーン以外にも見どころはたっぷりで、冬貴と和貴の受け×受けっぽい絡みは電子版で挿絵ないの許されないと思っています。。。
BL続編に出がちな当て馬…ではなく、男色嫌いなのに深沢の才能を欲しがる脇役かつキーパーソンの久慈も良い味を出していますね。

この二人の話が一段落後、急に場転して道貴と国貴の再会シーンから下巻への期待が高まるのも最高の引きです!!
2023年の今年は『夜ごと蜜が滴りて』の発売から20周年ですが、『終わりなき夜の果て』上下巻の文庫化などで改めてシリーズが注目されないか…と願ってやみません。

2

どこまでも深い愛…

何年経とうが変わらぬとこしえの愛を今回も見せてくれます。
だけどそれは決して綺麗なものではなくて……

人間らしい負の感情もまざり合いつつどこまでも深く…
それこそまるで深淵で愛し合っているような…とてつもない重みを感じます。


『終わりなき夜の果て 上』はドラマCDで散々堪能しているのですが、原作を読み改めてこの世界にとりこまれました。
リアルで追っていた方にとっては3年ぶりだったんですね、私だったら待ち遠しくて発狂しそうな長さですよ。

このままの勢いで下巻へ進みます。

1

欲しいのはあなただけ

清澗寺家シリーズの総まとめ(?)となる本。
今までのシリーズを読んだのがかなり前で若干記憶が曖昧に…。

和貴と深沢は一番好きな組み合わせです。
ですが、お話としては、前と同じことを繰り返してる印象でした。一区切り付いたと思ったのに、どうして同じ行動を何度も何度も互いに繰り返すのか…。
一重に和貴の境遇と容姿と性格の所為なんですが、それを乗り越えるにはまだ前回では足りなかったという事でしょうか。
和貴というキャラクターは小悪魔的であるけど色んなものを背負って、綺麗で脆い、やりすぎると非常にくどいともいえるキャラクターなのですが、何故か惹かれてしまう。
作ろうと思うと作り易く、けど完成させようとすると大変難しいキャラクターだと思います。和貴がいてこそのこのシリーズだと(後半も読んだ上で)思ってます。

背徳的ですがお父様×和貴の挿絵は非常に萌えました!

後半は冬貴と伏見の組み合わせ。
色んな事の元凶(?)である冬貴のツールを垣間見れるお話ですが…ごめんなさい、私はどうしても冬貴というキャラクターが苦手でした…。
霞を食べて生きているようなおよそ人間らしくないキャラクター、脇役を担うならいいですが、主人公としてみると理解は出来ても共感は難しかったです。
輪姦されそうになっても逆に喰らってしまうあたりは、肉体的な淫乱というより精神的なほの暗さを感じずにはいられませんでした。

冬貴と伏見の互いに「欲しいのはあなただけだ」という台詞。
歌のフレーズによくありあそうな言葉ですが、別に口説き文句で使っているわけでなく、正に物理的にそのままの意味でこれはこの2人の真理なわけです。
結局誰を不幸にしても周りを省みずともそういう事なんだろうと思いました。

1

怖かったパパが愛らしく感じた

『清澗寺サーガ』第一部の最終話ということでパパも息子もおじい様方も総出演です。時代も維新の頃から昭和の初めまで、飛ぶ飛ぶ。
上巻は深沢×和貴、伏見×冬喜。プロローグでは嵯峨野と貴久のおじい様方も。
長かった一族のお話のグランドフィナーレ。この神話に登場した全員がシャンシャンを手に持ち、羽根飾りを背負って大階段を降りて来て、スポットライトがあたると二人で踊り出す、的な感じ。

レビューを読むと皆さんには『深沢×和貴』が人気なんですね。
私は苦手で……特に『お互いに肝心なことを話し合わずに、同じことを繰り返す』のがダメで。
深沢が「私が全てを引き受ける」と言い続けている間は、和貴の自己肯定感は萎縮したままだと思うのですよ。その結果、何度も「自分に価値がないから○○になってしまう」と自暴自棄になっちゃう。
深沢は和貴の自立を阻んでいるのを自覚しているのだと思うのですが、それが和貴の身を危うくしているとは思っていない風で、その辺もどうも彼を好きになれない理由です。今回見せた様な弱みを、もっと早く和貴に見せてあげれば、二人してこんなに追い詰められる必要はないと思うのよね、あたしは。
こちらのお話は個人的には『中立』評価です。

小父様×パパは昔の話です。
パパ、素晴らしい。さすが妖怪。自分の力をとことん使い尽くす逞しさです。
こういう過去があるから「また我慢できず男を銜え込んでいたのか」「お前がいない所為だ」なーんて言う『究極のラブラブ会話』が出来る訳で。「怖い怖い」と思っていた冬喜の、なんと愛らしいこと!
この二人を見ていると「諦めからゆとりが生まれ、ゆとりから愛が生まれている」と思うのですよ。
こちらのお話は『萌2』なので、全体に対する評価は間を取りました。

大団円に向けて下巻へ続く(鞠子の言動に不穏を感じちゃうのですが。これはこのお話では決着が着かないんじゃないかな?)。

1

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