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ani wa motokare
家族愛を描くことが上手な作家だと思った。初読み作家。
書評が凄く良いので、選びました。
弟視点で見た、兄の恋。
弟の遊は今、中学生。兄の学は、建築系の会社員。
母が死に、父が蒸発。それから兄が夜昼、土日も働いて、弟を8年間養育してきた。
やっとまとまった養育資金を作れたのか、兄は土日の仕事を辞めている。
仕事一筋の真面目な兄。
兄宛ての著名な写真家の招待状を見つけて、こっそり女友達と展示会に行く弟。
会場で写真家と会い「お兄さんは、未だ煙草をすっている?」と尋ねてくる。
その後、自宅に写真家が訪れて、弟に「お兄さん(を)そろそろ返してよ」と告げる。
この場面で、なんとなく全部わかっちゃう。
真面目な兄の恋人は、その男性写真家だった。
弟の養育の為に全てを費やして犠牲にしていた兄、恋人にも犠牲を強いていた。
弟は、兄の犠牲があって今があり、兄を恋人に返す時が来たことを理解する。
土手で恋人と別れた兄。
その時、幼い自分を抱きしめて兄が泣きながら歩いていたのを思い出し、
兄の背を押して恋人へ行かせる。
この場面は、本当に泣ける。
この作品の良さは、いつまでもウェットではないところ。
幸せな今を描いているので、重くない。
読んでみて欲しい作品。私はとても感動しました。
クリスマスが近づくと、ヒューマンもので感動したくなる。良い作品だった。
前々から表紙に惹かれて読んでみたいなーと思っていた作品。
読んだ方のレビューを読んでますます期待が高まっていたんですが、期待を超える素晴らしい作品でした。
「兄は元彼」というちょっと意味深なタイトル。
最初兄弟モノか?と思ってましたが違いましたね。
途中回想シーンもありますが、ほぼ弟目線で語られる歳の離れた兄とその元カレのお話。
幼い弟を養育するために恋人との別れを選んだ学。突然の別れから8年経っても想いを引きずっている穂高。
弟・遊のとった行動によって再会するふたり。時を経てもなおお互いへの想いは残ったままで・・・そんな恋する兄の姿を今まで見たことのない遊。
この3人が3人ともほんと魅力的で。遊の幼馴染(のち彼女)梅子もいいキャラです。
なんていうのかな・・・言葉にするのが難しいですが何度も読みたくなる作品です。デビューコミックスとのことですが、物語としての完成度が非常に高いと思う。
単巻の作品て、面白くてもちょっと最後足早だったり少し物足りなかったりがあるんですが、1冊に非常によく纏まっているというか、読後の満足感が高い作品でした。すぐ3回は読み返しました。
またBL描いてくださることを願ってます!
セリフバレしてます。ご注意ください。
ラブの中に混ざるシリアスとコメディのバランスが良い上に絵も上手い!デビューコミックスから時間経ってますが、漫画は描かれてらっしゃるようなので、また先生の作品を単行本で読める事を願うばかり。
◾︎国重遊(弟,主役)
◾︎国重学(兄)×来島穂高(兄の元彼)
私が見たい兄弟モノはこういうのです!!!兄弟モノって書くと語弊を生じるかもしれない。兄弟の間に恋愛的なラブは一切ないです。弟目線で描かれる兄の恋愛と、弟は弟で女の子と恋愛してます。男女の恋愛が一切存在しないBL漫画より、男女の恋愛が存在して男性同士の恋愛も存在するBL漫画に尊さを感じる。
グッときたセリフはこれでした。
「心はこういうヤツに奪われると…無傷じゃ絶対返ってこない」
グッッときた〜あ〜来島にも学にも大恋愛だったんだな…で、来島は彼氏がいるけど学にはいないのもグッッッッ。来島だって別にその間、学のこと忘れてたわけではないんだけど、そういうの大好き。今は来島にも相手空席でほんと良かった!別の血を見る可能性あるよ!
すごく良かった。映画観たみたいな気持ち。
登場人物がもれなく魅力的で、一人一人に感情移入してしまいました。
いい人とかいい奴じゃなく魅力にあふれてるのにどこかにいそうなリアリティを感じさせるキャラ設定に引き込まれてしまった。
学と穂高はお互いに本当に特別なただ一人の人だったのに、学の弟の子育ての為に心を残したまませつなすぎる別れのシーンにはもらい泣きしそうでした。
学の弟を育てるには全力でやらなきゃできないという覚悟もわかるし、穂高もわかるからこそ縋れない。
学と遊の兄弟愛というか親子愛の様なお互いの幸せを願う関係がすごく良かった。
遊がノンケなのもリアルな感じで梅子ちゃんと仲良くて良かったな。
ガサッとした線なのに綺麗で穂高の長髪の束感がなんともいえない…。
お話としては中学生の弟・遊が、親代わりに育ててくれた兄・学の
元彼で現在写真家・穂高と再会する、といった内容で
とびっきり斬新とかではないのですが(すみません)
なんだか惹き込まれる!!
学の、それまではわりとぐーたらだったのに弟を育て上げると決意した潔さ、
それによって悲しい別れとなりながらもずっと想い続けた穂高、
そんな二人をどうにか復縁させたい遊、といったキャラの確立した雰囲気が
絵柄でとても引き立ってるんですよ。
兄弟愛も美しかったですし。
穂高は別れた後荒れた時期もあったようですが
荒れずにいられるかってなもんだったので学は責められないなぁ。
8年って長いようで過ぎればあっという間ですけども
誰かを想うにはやっぱり長い気がします。
それだけ“彼”でなければ意味がないということなんでしょうね。
あーなんか好きだなー……。
ずいぶん長い間温め、今やっと読みました。
結論から言いますと、非常に面白かったです。
『兄は元彼』というタイトルからして、弟妹視点のお話なんだろうなーと思っておりましたが、弟視点のお話でした。
表紙の長髪の男性が、兄のお相手・穂高です。
兄・学と穂高は大学時代に恋人同士でしたが、学の親が亡くなったことで弟・遊を育てるために学は全てを捨てます。
学は穂高と別れて遊のために働き続け、遊が中学生の時に穂高と再会します。
お互いに未練タラタラな2人を再び結びつけようと尽力する遊。
全てを遊を育てるために捨ててきた兄への罪悪感だったかもしれないし、大好きな兄への恩返しだったかもしれませんが、まだ中学生の遊はとても大人な対応をしたと思います。
そして、やっと兄としてではなく1人の男として穂高に向き合い、また友達から始める2人。
友達同士ではしないことを色々やってますけど…
最後には遊は大学生になり家を出て行くのですが、その頃には穂高の方がすっかり遊に過保護になっており、離れたくなくて泣いているところが本当に可愛くてほっこりしました。
別れてから8年も往信不通で、それでも大好きで忘れられない人。
穂高のトラウマであり元彼であり、運命の人…という表現がとても心に残りました。
穂高にとっても学は運命の相手なのでしょう。
ずっと2人で幸せに歳を重ねていってほしい…そう思える2人でした。
いやこれ、新書館さんグッジョブです。いい作家さん見つけてきましたねー、という感じです。
せつ泣ける、でも暖かい、そんな作品。
タイトルが結構どきどきしますね。兄のところにくる写真展のはがきを拝借して、友人の女の子と出かけていったら、写真家が超美人だった。その美人な国重は、何か兄と因縁があるようで。。
きれいな写真家を好きになってしまう弟の話かと思ったら、なんと弟は語り部なんですね。身寄りの亡くなった弟を育てるために、国重と別れ、仕事を始めた兄。
兄に振られた後、ステディを作らずに遊んでいた国重だが、今も兄は特別のようで。。
二人の思いに気づいた弟が、二人を引き合わせる。
兄が別れを告げて号泣するシーンが何とも切ないです。
その後、家族同様になる国重が、弟をべたかわいがっているのも微笑ましいし、しゅっとした好青年に成長してモデルになった弟が家を出るシーン、好きだった幼なじみ(女の子)とつきあうことになる展開も素敵。
ぜひ漫画を世に出し続けて欲しいです。
切ないお話だと思ってずっと積んでました。
確かに切ない、8年間離ればなれで。会おうと思えば会えたのに。
クズ親が幼い弟を放置し学は大学を辞めて職を見つけ実家で弟を育てることに。そして大好きな恋人の穂高に別れを告げる。心中してもいいほど好きで、最初から穂高の描く絵に夢中でラブラブだったのに。
河原での別れのシーンはお互いに泣いてて切なかったです。
必死で弟・遊を育てる学。会社勤めをしながら週末 も働いて。
大学生がいきなり子育てを背負うのに恋人はいてはいけないと思ってしまったのでしょうね。
もう少し年齢がいってれば、もしくは両立できると思えたら。
学は穂高と別れた後は誰とも付き合わず枯れた暮らし。ひたすら弟の為に。
弟遊も兄と穂高の後押しをします。
意外とすんなり元サヤに収まって良かったです。もう弟も中学3年ですもんね。時が来たんですね。
弟グッジョブです。
お互いに忘れられない人生で一人だけの人なんですね。
二回読んだかな、もう一回読みたいけど、泣いちゃうからなー。この作品文句なく私の神作品。
そして、映画化を熱烈希望!
スゴく映画になりやすい要素を持ってると思うんです。
普遍的ラブあり、山場は誰もが納得する山場になると思うし、エロはライトだからBLだからといってそんなにハードルも高くないはず。5歳児から中学生男女出てくるしその子らの成長記録的面もある。遊のプロローグなんてひねたイマドキ中学生?の描写がグッとお話に引き込むし。そして遊のエピローグ!!!この終わり方本当に映画向き!そんなにいじらなくて即映画に出来ちゃいそうなんですがねー。タイトルも謎めいてて映画向きだと思うんだけどなー。
でも、ホントにこの作品、見逃さなくめ良かった!レビューは少ないし、この少ないレビューにしてはしゅみじゃないレビューもあるし、神レビューもあるし
しかし大正解!。こんな私も冒頭の弟くんカップルの軽い謎解きごっこから惹きつけられてグングンと読み進めていきました。この私がエロもないのに(^◇^;)!
コレは弟くんにストーリーをはこんでもらったおかげかな?
あとは、この2人の絵と性格と、美大卒(そもそもは自由人だったというのがよくわかるし、私自身が不器用で小さくまとまってる凡人なのでこんな美大生に憧れちゃうのも入ってる)というキャラ付け、大事なシーンは河原でという舞台がいい!
女の子が1人出てくるけど、こりゃあ将来、先が思いやられるわ〜弟くん頑張れ!な性格だけど、このストーリーは彼女が突っ走る事で進んで行く事も多いから必要だね。
こんな登場人物達なので本作は状況のように映画化出来る!と。主役2人は男女物でも行けるかなーって思うけど、やっぱり、自由だ!あの時は何物にもとらわれてなかったぜ!感を出すためにはボーイ同士でなくてはいけなかったかな。
片方女子だとへんな湿っぽさが出ちゃう事もありそうだし、キーワードの「そろそろお兄ちゃん返してくれよ」も女子が言ったらうわっ!感じ悪るっ!だけど、男の穂高が言うから「なんですと?」くらいで済んでる面もあるしなー。
こうやって妄想が捗るのも私的神作品の条件の一つだな。
しかし、この学さんはあれから誰とも〜働くばかり〜なんて言ってるし、設定になったけど会社じゃ女の子がほっておかないタイプっすよ、きっと。 告白はバンバン受けてるはず!
あと、上記のタイトル。私事ですが(何だソレ)小説でも漫画でも一冊読み終えたあとにタイトルを見て作者さんが言いたかった事ってコレかぁ、あ、これがモチーフになってんだなぁと噛み締めてるのも読書のもう一つの楽しみなんですが本作の「兄は元彼」ってタイトル、穂高は「兄の元彼」だよな?弟視点から語られてるしさ、兄弟で絡みあっちゃったなんてお話でもないよなーとズーーーット思ってたのですが、他の方のレビューを見て 『オレの"兄は"彼=穂高の"元彼"なんだ"』と気づきまして(笑)
コレ、映画のタイトルにしたら普通の人はエンディングロールで「お!」って気付かれると思うんです。
私はニブチンだったので他の方のレビューでやっと理解できました。おかげで今タイトル噛み締めて余韻に浸ってます。味がなくなるまでこのガム噛み締めるよ。
しかし、こんなに短いけどいいタイトルだなー。助詞ひとつでこんなにいい仕事するんだもの。先生がお考えになったかな?編集さんと相談されてかな?とにかく良いセンスの方なんだろーなー。絵とストーリーにも溢れてるし。
そうそう、「優秀タイトル、助詞部門(なんだそれ!そして細かすぎか!)」といえば、ヨネダコウさんだなーってのもかねがね思っていて。
「どうし"ても"〜」や「それで"も"〜」って。続編ものという面でもゴロがいいし。
("ても"は接続助詞らしいですが)
忘れてた!「優秀タイトル、ファーストインプレッション賞」なら
「チクビンゴ〜」や
「やりチンビッチ部〜」
なんていう神作品もあったー。いっけね、いっけね(`∇´)
うん、BLの沼の底はまだまだ見えないぞー\(^o^)/。
兄は元彼ってどーゆー意味?とタイトルや表紙から印象的な作品でした。
弟の目線から見た自分を養ってくれたお兄さんの再会愛のお話でした。
カップルのお話より、学生時代ダラダラで自由人だったお兄さんが弟を養おうと恋愛まで諦めて一心に頑張っている姿が本当に偉いなーと家族愛にジーンと来ました。
ただ、BL的な萌え要素は個人的には薄めでした。
出てくるキャラクターもナチュラルで人が良くて、読後感が爽やかな作品でした。