"僕"はだれだ?

I -イトウさん 2-

i itou san

I -イトウさん 2-
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神125
  • 萌×222
  • 萌5
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
17
得点
729
評価数
154
平均
4.7 / 5
神率
81.2%
著者
冥花すゐ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
茜新社
レーベル
EDGE COMIX
シリーズ
イトウさん
発売日
価格
¥680(税抜)  
ISBN
9784863496620

あらすじ

組織から殺人と性の技術を教え込まれたコードネーム"I(アイ)"。
機械のように生きてきた"I"は、娼夫のキョウスケから"イトウ"という名を貰う。
これは、"イトウ"と"キョウスケ"の始まりと再生の物語ーー。

表題作I -イトウさん 2-

イトウさん,31歳,殺し屋
キョウスケくん,18歳,男娼

同時収録作品I-イトウさん-2

組織のボス
イトウさん、殺し屋

その他の収録作品

  • Parallel World
  • Never Gone(描き下ろし)

レビュー投稿数17

素敵な作品。

完結してから2巻まとめて買って良かったと、本当に思える作品。
これは、是非読んで欲しいと、おすすめ出来るな。
暗殺者のイトウさんも、男娼のキョウスケくんも、幼い頃からの生い立ちが壮絶で、そんな2人がまた再会して・・・ハッピーエンドをむかえた時には、何度読んでもホッとする。
容赦ない描写があるから、読み応えがある。
イトウさんの上司は冷酷かと思いきや、ちゃんと情はあったんだね。
解放してくれて良かった。
番外編、学園もので口直しに丁度良くて〜面白かった。

素敵な作品をありがとう。

1

満たされた…

1巻のレビューにイトウさんがボスに仕込まれたのかと思うと萌える…と書きましたが、まさしくその描写がこちらにありました。

本作は"I"ことイトウさんの過去から始まっています。
組織の殺し屋として、ただ任務を遂行するだけの為に生み出された存在の"I"でしたが、ボスは無自覚に愛を与えてたんじゃないかな、と思います。
ボスもまた愛を知らずに育ったから"I"への気持ちが愛だとは気づかなかったんではないでしょうか。

愛を知らない生活の中ででも、拾ったあの黒猫に似たキョウスケに会って自然と愛するようになっていた人間らしさがイトウさんには残ってたんですね。

こんな幸せが2人に訪れるラストで良かった…って思いました。
辛い過去からのハッピーエンドで心が満たされ、癒されました。

パラレルワールドの2人もなかなか良かった。
映画の中の殺し屋と娼婦(夫)がリアルなのかもしれないし、教師と生徒がリアルなのかもしれない…とか妄想できる楽しみがありました。

4

素晴らしい

とても素晴らしい作品だった。
完成度が高い。1巻が絶版なので紙でも読みたいのに残念。
表紙も素敵だが、背表紙のイトウさんも幼い頃の面影があってかわいい。

イトウさん好きとしては彼の過去が書かれているだけで大満足だった。個人的には主×イトウさんがツボすぎて、二人の不器用さに悶えた。こういうもどかしい関係性が好きすぎる。

メインの二人もなんてかわいい!切ない!
ifの話から現実に引き戻される描写が素晴らしくて鳥肌が立った。
何回も読み返したい作品。

2

失いたくない想い

1巻で疑問に感じた謎の答えは、2巻にありました。
「キョウスケ君が持つ何か」とは?・・「誰にも消せない想い」だったようです。
・・・・そうか! あのチビ猫と似ていたのか。

★始まりと再生の物語
▶記憶消去
父親に言われて、訳も分からず身売りをした先で仕事人のIと遭遇。
いつもは非情な仕事を行うIなのに、ボスに処分されたチビ猫に似ているキョウスケを、記憶を消去して助ける。

▶一回目の記憶消去の後の再会。
キョウスケ君はイトウさんを思い出せないままIを客に取る。「イトウさん」と呼び名を付けてIに愛を抱く。
Iの処分に来たボスに、Iの助命を条件に記憶を消去する

▶二回目の記憶消去後の再会。
昔を思い出そうとすると頭痛がするキョウスケ君。
二人で行きたかった南の海に「イトウさんと行きたい」とキョウスケ君がお願いする。
イトウさんに請われてキスをしたら、涙がわけもなく流れる。
思い出したかったのは、イトウさんへの想いだったことに気づいたキョウスケ君。

★パラレルワールドの二人も、恋人になりました。

ずっと「記憶を失ったキョウスケ君が求めてくる日」を待っていたイトウさんの愛は、深かった。
キョウスケ君が失いたくなくて、消去されても残っていた記憶は「イトウさんへの感謝と愛」でした。

愛 アイ I で、キョウスケ君が付けた名が、イトウ。

1

タイトルが秀逸

1.2巻通しての感想です。攻めも受けもアンダーグラウンドな職業。小説だと結構好きな展開ですが、なかなか漫画では多くない系統だと思います。答えて姐さんで見かけて興味を持ち購入したので質問した訳じゃないけど教えてくれた姐さんに感謝。

受けのキョウスケも攻めのイトウさんも救いようのない悲惨な境遇で育ちました。18歳になってからも男娼キョウスケの悲惨さは変わらず周りの悪い大人に弄ばれその命は風前の灯という所まできていました。命が危険だったのはイトウさんも同じか。暗い人生を送ってきた2人が出会えて救いのある方向へ進めて良かったです。

悲しいのはあれから5年後を描かれてもキョウスケが23歳でしかない事や、最後の方の同じキャラで教師×高校生の話の方が現実で殺し屋×男娼の話の方がパラレルだったらどんなに良かったか、と思ったけどこのストーリー上はやはりそれは逆だったという事。でも後味は良いので安心です。

タイトルが1巻も2巻も秀逸でした。このストーリーで名前はとても重要な意味を持つので。なんでカタカナ?と思ってたけど読んで納得でした。

1

「イトウさん」の育て方。正しい愛(アイ)の育み方。

多くのレビュアーさんが、この続編と併せて読む事をお勧めされていて。その事に納得が行く。
前半は、前作の為のプロローグにあたり、「イトウさん」の成り立ちの説明になっている。
「イトウさん」はやはり、マッドサイエンティストであるボスに、幼ない頃に拐われ、脳をいじられ、殺人兵器として育てられた。名前を付ける事は、余計な感情を生むと思われ、この頃彼は「I」というコードネームを与えられる。
I=アイ。これは後に「愛」そのものによって変わってしまう、「I=私」とも掛けられていて、アイロニカルに感じられる作りになっている。
ボスは、自身で作り上げた「I」を最高傑作だと信じ、彼なりに慈しんでいたのだと思う。
冷酷非情な彼なりに、「I」を愛していた。その瞳に漂う光を敏感な「I」は確かに感じ取っていた、という描写がある。ただ、「I」は、愛とは何か、を知らずに育った。
感情を動かす事なく、完璧に仕事を仕上げる。一人前になった頃、「I」は、一度「殺されるべき」悪い大人に性暴力を受けていた子供を助けた。何故、助ける気になったのか、当時の「I」には分からない。
初めて湧いて出た憐憫という感情。そして、その子供こそが後に出逢うキョウスケくんである。
二度目にキョウスケくんと出逢った頃、「I」は、それがあの子供だと認識している。これは 運命だったのだ、というのが何ともロマンティックで。出来過ぎかもしれないけれど、それはどうしても心を震わせる。

後は前作と同じ。事件の裏側を「I」視点を持って語られて行く。ボスの破滅への序章。

後半は、前作の数年後。記憶を失くしたキョウスケくんをそっと見守る「イトウさん」は少し歳をとっていて。キョウスケくんは、自分でも分からないけれど、「イトウさん」に好意を持っている事に気付く。辛い記憶は封印されたままだけど、キョウスケくんはまた、「イトウさん」に恋をする。
きっと、何度でも。何度でも。

なので、「Parallel World」と題された、別の世界の物語には、ホッとさせられる。
キョウスケくんは、貧しいかもしれないけど、少なくとも5歳の子供を性玩具として売る様な毒親の元ではなくて、フツーの家庭に育ち、母親に愛されて、フツーの高校生をやっている。そして、大人の「イトウ先生」に恋をしている。「イトウ先生」も、生徒に手を出すなんて、色々アウトだが、心からキョウスケくんを愛していて。それは幸せな両想いなのだ。この世界は優しくて、ずっと続いて欲しいな、って、心から願う。
そして。この世界でも、どの世界でも。2人は必ず恋をする。

描き下ろしの「Never Gone」は、それに呼応する様な、後日談。
温かくて優しくて。
本編を読み直すのには勇気がいるけども。巻末の2つのエピソードなら。何度も読み返していたい。

7

幸せな行く末を信じたい

フォロワーさんから数が月前にオススメされていた『イトウさん』
題名はポップなのに、中身がものすごくてしばらく手を付けられずにいた。
今回勇気を出して(苦笑)読んでみたら…ドハマり。
すぐに『I』を読みました。

『I』の出自。成育歴。
彼が何故こうなったのか。
キョウスケとの真の出会い。
再会。そして恋をして…イトウさんになる。
ああ…これは本当に痛い。
壮絶すぎる。こんな不幸があるのだろうか。

救いはどこに求めたらいいんだろう。
彼らに幸せは訪れるんだろうか。
絶望感を感じながらも、少しだけみえる
光を手繰るようにして読み続けた先にあるもの。

記憶をなくしたキョウスケが求め続けた眩しい海。
それを二人で見られた事でふたりは幸せになれたのだろうか…

とりあえずパラレルでの伊藤さんと恭介が幸せそうだからよかった…よかった(と言い聞かせる)

1

この作品は間違いなく「上下巻」ものとして発刊すべきでした。

1巻だけ読んで合わずにやめてしまった人がどれだけいたかと思うと悔やんでも悔やみきれません。
2巻目は間違いなく「神」です。最高に切なくて愛おしくて心が洗われるような素敵な1冊でした。
もちろん1巻あっての2巻なので、できればレビューも1・2合わせてという形で表記させてほしいくらいです。

1巻の、どことなくファンタジックな展開。映画のような世界観。悪く言えば中二病の夢物語。
内容が濃いようでなんだか薄い話(正直初読了後の感想です)があの形で完結して、ハッピーエンドなのかもしれないけれどどこか消化不良を感じていいたところに!こちらで続刊の存在を知って、あの彼らのその後が知れるとなるといなや秒でポチっていました。

間違いなく2巻読了後、もう一度1巻を読み直したくなる作品です。何度でも読み直しそうです。
Iでありイトウさんとキョウスケのその後。また、出逢いの真実。彼らが彼らとその未来を取り戻すまで。
全部詰まっていて本当に素晴らしかった。

なぜイトウさんがあんなことをしたのか、あんなことをいったのか、なぜキョウスケが。
の謎が全て解けますので。是非1巻でモヤモヤしたあとに2巻で浄化されてください。

あと私は地味にボスの存在が大好きです。

6

殺伐とした世界から、愛の世界へ

 イトウさんの生まれた経緯、恭介の過去が明らかとなる2巻。イトウさんとボスとの関係については、ボスからイトウさんへの矢印には愛も性的興味も含まれていて十分BLとしての要素はあったものの、個人的にはあまり引き込まれず。ただ、イトウさんが恭介に会うまでどんな日々をどんな感情で送ってきたのか、それを理解するには非常に重要な回想だったので、単純にストーリーとして面白かったです。子猫を拾った時点から、イトウさんの自我は少しずつ成長していったのかな。

 そして、幼い恭介とイトウさんとの初めての出会い。たった5歳の子供だった恭介が、怯えながらも必死に小児性愛者のなすがままになるシーンは、それなりの数の性的虐待シーンを見てきた私でもかなりの嫌悪感と痛ましさを覚えるほどインパクトがありました。5歳という年齢があまりにも低過ぎるということもあるし、恭介の澄んだ真ん丸の瞳が失われるのがとても怖くて。でも、この時恭介を救ったことが、イトウさんの心に深く刻まれる出来事になったんですね。

 恭介はイトウさんのことを忘れてしまっていたけれど、男娼として再び出会いイトウさんに恋をした。対するイトウさんの方も、かつて恭介を救ったことと、彼にイトウという名前をもらったことで自我が決定的に確立され、恭介の存在が特別になった。イトウさん目線で読む2人の逢瀬は、1巻とはまた違った印象で、至極温かな愛に包まれた時間のように思えました。イトウさんが常に恭介に愛を持って接しているからこそ、そう感じられたんでしょうね。

 結局、恭介はまた記憶を失ってしまうけれど、もう一度イトウさんに恋をする。イトウさんが恭介の前に現れる限り、彼はその魅力を感じずにはいられないのでしょう。惹かれ合うべくして惹かれ合う2人が、とてもロマンチックでした。自分の意思を殺してきた2人だからこそ、今度こそ穏やかに過ごせる時間を手に入れて欲しいと思いました。

5

生物のヒトを”人間”にさせるもの。

『イトウさん』の続編で2となってますが、前作の過去編やその後が語られ、続編というより、時間軸が交差するオムニバスのような構成になっているので、2冊まとめて読むことをオススメします。

イトウさん、いえ組織のコードネーム”I”がどこで生まれた子供なのかはわかりません。
ただ最初の記憶がボスで、ボスのために生きろと言われ、その通りに暗殺者として生きてきた。
感情も、自分で考えて行動することもない、組織の部品でしかない無機質な塊。

でも仕事をしていくうちに、人間の瞳に宿る”光”に気付き、その光の正体”愛”がどんなものか気になった”I”は黒猫を拾う。その黒猫をボスに目の前で撃たれても「床が汚れてしまいました」って感想しか出てこないのが、”I”がどんなに人間とかけ離れた存在なのか見せつけられたようで胸が痛かった…
でも黒猫に名前を付けていたら黒猫の死を悼むことができたのだろうかと考える”I”には自我が芽生えたように思えました。

生物のヒトとして産まれたから”人間”なんじゃない。
”名前”を与えられ、人間達の輪のなかで”名前”を呼ばれて、関係を作っていって、”人間”になっていくんだなと考えさせられました。

”I”はキョウスケから”イトウさん”って名前を与えられて初めて、”人間”として生きることを許されたのだと。
キョウスケや私達には”名前”があるのが当たり前で、なぜイトウさんが名前を与えられたことにあそこまで固執しているのかわかりませんでしたが、”I”の生い立ちを知って、イトウさんにとって”イトウさん”って名前がどんなに大事かってことが痛いくらいに理解できました。

ボスは旧ソ連で脳を弄って意識操作する研究をしてきた。
でも、前作でイトウさんは脳を操作されたのに命令通りキョウスケを撃つことができなかった。
そして今作でも、キョウスケは全ての記憶を奪われたのに、イトウさんへの感情だけは心が覚えている。
人間が持つ強い想い、”愛”は脳という細胞を操作されても、心から消せるものじゃないんだ!
それは、そうであって欲しいって夢物語かもしれないけれど、イトウさんとキョウスケには夢物語を貫いていって欲しいです。

前作『イトウさん』はヒットマンと男娼の刹那的なストーリーに圧倒されるばかりでしたが、『I イトウさん2』ではイトウさんがイトウさんであることの理由が語られ、いろんなことを考えさせられました。

2

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