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katakoi green days
『きみの笑顔だけを』がとってもツボだったので作家買い。
ネタバレ含んでいます。ご注意を。
主人公は小さな村で林業に携わる寛治。
寛治の住む村に、林業で働くために都会からやってきた新の世話係を請け負う事になり、同居し仕事を教えようとする寛治ですが、仕事をやらせても失敗ばかり繰り返し、そのたびに不貞腐れた態度を取る新を叱る寛治ですが…。
というお話。
都会から寂れた村に就職するために新がやってきた理由。
新が仕事をきちんとこなせない理由。
そのあたりを軸に新の抱える内面が徐々に見えてくる。
ストーリーとしてはシリアス寄りなのかなと思いますが、攻めくんが方言バリバリなので雰囲気としてはシリアスすぎずほっこりな感じで、バランスが良いです。
寛治は小学校教諭をしている先輩にあたる男性に片想いをしている。その先輩は婚約者もいて、という展開。
先輩に恋心を抱いていることを新に見抜かれ、割り切った体の関係を持とうと新たに提案されて、でもその新も実は過去に切ない恋をしていて。
新の過去の片想いの話はチラリと出てくるだけ。
このチラ見せ加減が凄くお上手で、ちらりとしか見えていないからこそ新の哀しさがより伝わってくる。
それゆえに、でもなぜ寛治に恋をしたのか、という点についてちょびっと甘いのが残念。
過去の失恋を忘れるためにセフレがいたようだけれど、そのセフレではなくなぜ寛治に恋をしたのか、という肝心の部分の詰めが甘い気がしました。
そして寛治の方も。
手を焼いていたはずなのに、なんか急に「お前が好きなんじゃ」って…。
なんで?と思ってしまった。
設定やストーリー展開は非常にお上手なのに、設定を盛り込みすぎて回収しきれなかった、という感じを受けました。新にはセフレがいたり、寛治の先輩に対する片想いのつらさはあまり描かれていないためか、帯の文句で書かれている、
同性を好きになってしまう事に苦悩した二人が出会う セカンドラブストーリー
という文句が上滑りしてる感じ。
萌えなかった、という事はないのですが、設定や展開がツボなだけにもう一声欲しかったな、というのが正直な感想です。
あ、そうそう。
前作『きみの笑顔だけを』に出てきた藤宮くんがちょびっとだけですが出ています。遠恋中のようですが、恋に仕事に頑張っている様子が見れて嬉しかったです。
山村の林業に従事している攻めと、攻めが指導することになった新人受けのカプです。
主に攻めの視点で話は進みます。
攻めは面倒見のいい、人好きのするタイプで、新人受けの面倒を嬉々として焼こうとします。でも受けは無愛想でいつも仏頂面、攻めにもあまり構ってほしくない様子。
打ち解けようとせず、仕事でもあまりやる気が見られない受けをこてんぱんに叱る攻め。でもその受けの態度には、実はある事情があって…という展開。
最初の印象の悪さでイラッとしたのですが、受けの事情を知り、攻めとともに「そうだったんだ」と目からウロコな気持ちになりました。でもそれはまあ普通に好意を感じる程度であって、恋に落ちるほどのことでもないな、という気持ちはしました。受けのほうも、攻めはたしかに面倒見のいい良い人ですが、どこに明確に惹かれたかと考えると「…どこだろう?」という感じ。
ふたりともゲイだという設定なので、余計に安易にくっついた感があったかもしれません。
でも全体的に穏やかな、いい雰囲気の作品でした。読後感だけで言えば評価は萌×2です。
作者さんの前作『きみの笑顔だけを』の関連作で、そちらの表題作の攻めがちょろっと出てきます。話には絡まず「ちょっとキャラの立った脇役」程度の登場なので、前作を読んでいなくてもまったく問題はありません。