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netsushintouritsu
□表題作
いちばん好きでした。
なんと言っても玄がいい。
低体温で不思議ちゃんできれいでかっこよくて。
「発情期」という言い方がエロに興味がなく、生物としての本能とだけ捉えているようでおもしろい。
そんな玄が岳人にくっつく智也に怒り氷をぶちまけ、氷をくっつけて智也に攻撃するのが笑いました。
□愛玩生物
扉絵で3P的なこと?と想像はできましたが。
石崎が西園寺を呼んだのは以前犬を飼っていて、タロウ?に興味を持つだろうからってことですかね。
西園寺がゲスい顔で下世話なことに興味を持ったので、他に理由があるのかと思ったらそれはなさそうで。
タロウの母親とデキていて、西園寺がタロウの父親かも?というくらい。
でも石崎はそのことを知らない…んですよね。
石崎が変わった人なのはわかりますが、全体的によくわからないお話でした。
国枝先生、初読みです。
絵も綺麗だし面白いのですが、ちょっと文字が多めだったような気がします。
やはり、なんといっても表題作が印象深いです。
男前だが変わり者の玄とワンコ系男子・岳人が友達から恋人?になっていくお話です。
とにかく、玄が相当な変わり者で、見た目は文句なしなのにトロいし鈍いし…とにかく変なんです。
対する岳人は、お母さんのように世話焼きで人懐こい男の子で、玄に片思いしています。
一見、何にも執着しないようにみえる玄だけど、岳人には少しずつ執着していくのが良かったです。
かなりぶっ飛んだ玄だけど、岳人ならなんとか上手くやっていけそうな気がします!
短編集でしたが、表題作の2人をもっと見たかったです。
表紙の白鳥が西川貴教に見えてしまいました。
色気のあるイラストに反して、内容はおもしろせつない感じです。
【熱浸透率】萌2
ものすごく低体温体質で感情の起伏がない白鳥と、いろんな意味で熱い男・岳人。
白鳥の平熱をあげようと、おかんのように動き回る岳人がかわいい。
感情の起伏がないというより、感情あるの!?という感じの白鳥の言葉を文字通りにしか理解しないところや合理的な性格をかわいいと思えたらハマる作品だと思います。
DVD鑑賞のシーンや初めてやる気を出した後の白鳥が真骨頂すぎて笑えます。
当て馬あり、笑いあり、胸の痛みあり、のぎゅっと詰まった話でした。
白鳥は言わずもがな、斜め下からの角度で描かれた岳人の色気がたまらんです。
【愛玩生物】しゅみじゃない
「母は亡くなりました。僕はあなたの子どもです」と突然現れた、大学時代に付き合った女性の息子と、種なしの男、それにその頃からの親友。3人の話です。
タイトルよりはひどい話ではなくて、コメディタッチで進みますが、登場人物3人の考え方がどれも好きじゃなくて、自称息子は年齢のわりに「狼に育てられたの!?」っていうくらい世間知らずで子供っぽい。
おじさん2人も気持ち悪くて、何もかもがだめでした…。
【儀式】しゅみじゃない
「郁也を偲ぼう」と現れた、昔好きだった男の異母兄弟。昔話でまだ癒えていない傷を抉られ…。
切ない話かと思ったら、結末でどんでん返し。上手いですね。
でもビッチや小さい頃からの支配的なのとか身代わりは地雷なので、無理でした。
最後、それぞれがけじめをつけて、どんなに綺麗に仕上げられてもこころが拒絶してしまった。
【目の上のたんこぶ】【生え際のライン】萌
「耳たぶの理由」からの軽い短編。
最後にこの短編が入っていたことでどんなに救われたか…。
あとがき後の「熱浸透率」の番外編にも相当救われました。
待ち合わせ場所に居合わせたかった。
ビッチや暴君、おとなの駆け引きや遊び心といったものが楽しめない方には途中の2つは楽しむよりもイライラが前に出てきてしまってだめかもしれません。
こういう作品も一歩引いて楽しめるようになりたいのですが、どうもこころに余裕がなくていかんです。
この作家さんの作品は以前一度だけ読んだ事がある程度で、皆さんおっしゃる国枝節というのが私にはよくわからないのですが、そこかしこに出て来るデフォルメされたコミカルなコマのことかな?
途中途中キャラ達がデフォルメの姿になり、何て言うかコミックエッセイにありそうな感じのイラストになるんですよね。
良く言えばコミカル、悪く言えばちょっと古い感じのイラストに。
けして嫌いじゃありません。
むしろそのコマは結構好きで読み進めました。
主人公の岳人が泣いてても、そういったイラストのおかげであまりシリアスにもならず、シリアスが苦手な私としては良かったです。
ただ、二人の心情と接近をもうちょっと丁寧に描いてほしかったかなあ…。
岳人の思いを無下にするような言動の玄に岳人が「もうダメだ」となり、離れようと決意しても、結局惚れた弱みでなあなあになるというか、なし崩しになるというか…。
仲直りするの毎回早すぎ…。
嫌いな作風ではないですが、イマイチ私には合わなかったかなあ。
国枝先生が作るストーリーの幅広さといったら!
一冊の本から何が出てくるかわからないのはブラックボックスみたいです。
この本も期待を裏切りません!
「熱浸透率」
低体温でテンションも低い白鳥と、小型犬のように無邪気な岳人。
正反対な二人は友達。そして白鳥の数か月に一度やってくる発情期でエッチなことをしてしまって…
好きだって気付いた岳人と、恋というか人の気持ちがいまいちわかってない白鳥、この二人の噛みあってなさぶりが切ないやらおかしいやら。
でも白鳥なりに岳人は特別なようで、離れたくないから努力しようとするんですが、その努力が斜め上すぎて…
私、映像のワンシーンで目が点になり、タイトルで吹き出し、岳人の瞳の中に写っているモノに気付いて時が止まりましたw
白鳥はモデルもしてる美形だけど目が線だけのデフォルメ率が高い。
デフォルメ絵って手抜きに見えるから好きじゃないけど、白鳥の線目はテンションの低さが伝わってきてピッタリ!
岳人は目がクリクリで男の子って感じがかわいいです。
コミカルなのに、キュンとさせてくれる場面もありおもしろかった。
そして、国枝先生がストーリーテーラーぶりを発揮する短編が2編。
「愛玩動物」
主人公は50代のおっさん。数十年ぶりに大学同期から「拾った犬を躾けて欲しい」とお願いされて家に行くと、いきなり美貌な青年から襲われて…
短いページの中に、因縁、復讐、愛ゆえの衝動、隠され続けた気持ちが詰まってて、でもシリアスになりすぎない絶妙な話運びで世界観に引きこまれました。
おっさん二人に挟まれた白い美青年の表紙が印象的です。電子では扉絵の後にカラーがついてましたが、紙本だとピンナップみたいです。
「儀式」
家に帰ったら見知らぬ男がくつろいでいた。
正確には全く知らないわけではなく、大学時代に付き合っていた男と一緒に住んでいた男。顔は知っていても話したことはない。
なのに突然「命日だからあいつを偲ぼうと思って」と言いだして…
この話も短いページの中に複雑な関係や、捨てきれない気持ちのやり場の無さが詰まってて、最後まで目が離せませんでした。
過去には戻れないし、取り戻せないものがある。
でも人は生きていかなきゃいけないから、”儀式”で区切りをつけて次に進もうとする。
余韻が残る話です。
「目の上のたんこぶ」「生え際のライン」
『耳たぶの理由』の二人が社会人になってからのショートストーリー。
山口が石川大好きなのと、石川のツンデレは相変わらず。
石川の未来への約束が甘いようで腹黒くもあり、還暦になっても一緒にいてこのままなんだろうなって思えるのが微笑ましい。
あとがきには「今ある原稿をとりあえずまとめて一冊に」と書かれてますが、表題作で恋すると世界が楽しくなるよねと思わせた後に、短編で大人が抱えて生きなきゃいけない業を見せつける、この何が出てくるのかわからないのが国枝先生らしくて良いじゃないですか!
国枝先生のストーリーテーラーぶりにしびれました。(特に短編)
国枝先生のお話はシリアス系かギャグ系か…とどちらの心構えで読むべきかとなるんですが、今作は短編集で、シリアス系ギャグ系そのどちらもです。
計4つのお話がありますが、私は表題作が好きでした(´∀`*)
表題作の『熱浸透率』は不思議キャラの玄と世話好き岳人の話。
くっつくかと思えば微妙な距離で、でも確実に育っていく恋にモダモダしながら笑いつつ萌えました。
DVDの件は笑った〜!何故それ選んだ…(^^;;
微妙な距離感の2人が一緒にエロDVD観て萎え、でも動物ドキュメンタリーで盛る展開なんて始めて観たわ(笑)
電子限定だと思うんですが、最後に玄と岳人の初デートの話。
智也セレクトの限定の洋服に吹きました…!
内容はギャグでしたが、幸せそうな2人で何よりです(笑)
たべたら しぬで (注)
とでも言いたくなるような国枝彩香さんの紡ぐ物語たち。
その本当に綺麗で美しい絵で展開する薄暗〜いお話が大好きなのですが、本作は何とも可愛らしい?お話から始まります。
「熱浸透率」
この、何考えてるのか全くわからないボーっとした玄。こんな人がいても私なら多分関わらないだろうなあ。そこをグイグイいく岳人もやっぱり変人だよなぁと思います。
そんな2人の恋の展開具合もまたズレまくってます。玄が買ったDVDのくだりは爆笑。
「愛玩生物」
薄暗系きました〜!設定面白い。
でもよく考えるとヘンな話だぞ。チョイ悪の西園寺を何故呼んだのか。石崎は何か知ってたの?
もつれる人の心の不可思議な薄暗がり。
…と考えるまでもなく、もしかしてただ国枝さんがオヤジを描きたかっただけだったりして。
「儀式」
これは裏切られちゃったー。
途中までキタ闇系!でもBLの禁じ手で萎え〜。正直萎え。結婚するなよ〜。
でも、アクツさんの最後の表情にグッときました。ガラ悪いルックスが効いてる。いい人なんだね。アクツさん幸せになってほしいです。
「目の上のたんこぶ」「生え際のライン」
安定の山口x石川。ずーっと相変わらずの2人で、あーまだやってる…って思った。
(注)1984ー1985年に起きた「グリコ・森永事件」。スーパー内にこの言葉「どくいり きけん たべたら しぬで」が書かれた紙が貼られた森永製品が置かれており、中に実際に青酸入りの菓子が混入されていた。企業脅迫の大事件。
20代の姐さんはまだ生まれる前の事件ですね。
作家買いです。表紙がちょびっとエロエロしいですが、中身はいつもの国枝節炸裂なお話でした。短編集で、表題作含む4つのお話が収録されています。
ネタバレ含んでいます。ご注意を。
表題作『熱浸透率』
主人公は大学生の岳人。とあるアクシデントをきっかけに、同じ大学に通う白鳥くんと知り合いに。
この白鳥くんという青年、見た目は超イケメンでありながら低体温の身体に他人の気持ちを思いやる気持ちが欠けているという、心身ともに「冷たい男」。
低体温の白鳥くんの身体を心配した岳人はせっせと温かい料理をつくって食べさせたり体温が上がるものを白鳥くんに渡すのですが、当の白鳥くんはそんな岳人の好意を喜んではおらず。
そんなある日、「体温をあげるならコレじゃね?」と迫ってきて…。
というお話。
常に全力投球で猪突猛進な岳人くん。
他人に無関心で、人との付き合い方が不器用な白鳥くん。
全く真逆の二人ですが、岳人が白鳥くんに恋してしまったから、さあ大変。二人の恋のゆくえはいかに。
『熱浸透率』はscene1~3までの3話で構成されていますが、少しずつ距離を縮めていく二人が可愛いです。
特に白鳥くんが岳人くんの気持ちの応えようと男同士のセックスについて調べようと手に入れたAVが…!それは初心者にはハードすぎやしないかい?と、爆笑してしまいました。
あとがきで『熱浸透率』の二人はこれで打ち切り、と書かれていますが、そんなこと言わずにずっと描いていってほしいCPでした。
『愛玩生物』
主人公は石崎(50歳代)と「タロウ」(名を名乗らないので石崎が勝手に名付けた)という名の26歳の青年。
なのですが、視点は石崎の友人・西園寺で描かれています。
自分の父親ではないか、と石崎の元を訪ねてきた「タロウ」。
君の母親のことは知っているが、父親ではありえない、と関係を否定する石崎。
そして、石崎に「犬のしつけ(タロウのこと)をしてほしい」と頼まれ石崎邸に呼ばれた西園寺。
常に飄々としている石崎と、彼のもとに現れたタロウの目的。
そして、その二人をかき回す西園寺。
国枝さんらしい、というのか、エロスとギャグとシリアスが混在する作品でした。
『儀式』
主人公は善治。
善治はリーマン?なのかな。服装がリーマンぽくないし、記述もないので今現在何をしている人かはちょっとわかりません。
その善治のもとに現れたのが、過去に因縁のあった日野という青年。
何しに来た?と問う善治の問いへの答えは、「今日は郁也の命日だから二人で偲ぼうと思って」というもの。
そこから彼ら二人が語るのは、かつて彼らが大学生だった頃のお話。
郁也というのは日野の腹違いの弟。
そして、善治の恋人。
日野と郁也はお互い執着心が凄かった。けれど、彼らが恋人同士になることはなく。
そこに加わった善治。
日野と郁也の関係。
そして善治の存在。
なんか、すんごく良かった…。
「郁也の命日」が意味しているモノも良かった。
ああ、そういう意味か、という。
最後のページでうっかり落涙してしまいました。
『目の上のたんこぶ』
『耳たぶの理由』の山口くんと石川くんのその後のお話。
瞼にものもらいができてしまった石川くん。
山口くんに「目薬さしたら?」と言われるけれど、実は石川くん、目薬を差すのが苦手で…。
『生え際のライン』
10年前の写真を見ながら二人で談笑中。
この頃は可愛かったな、いや今も可愛いけど、と言う山口くん。
そんな山口くんは見た目が全然変わらない。くっそー!と思う石川くんですが、実は山口くんにも老化が見られる場所があって…。
相変わらずのバカップルな二人がここにいます!
可愛いお話でした。
表紙をめくってすぐのカラーの口絵は『愛玩生物』の三人の絵柄ですが、めっちゃ色っぽい…!
国枝さんて絵柄がとても綺麗なのですが、その綺麗さを裏切るギャグ色がこれまた良い。綺麗な絵柄に見合ったシリアスな展開かと思わせてからの時々入るギャグがめっちゃ好き。
なのですが、この作品もその国枝節を損なう事のない神作品でした。