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honnou
全体的にものすごくタイプのお話でした。
登場人物の名前が明記されていないお話もあり、ミステリアスな感じが演出されていて良かったです。
中でも気に入ったものをいくつか、レビューします。
「本能」
とりあえず暗かったです。(褒めてる)しかも、とても好みの暗さでした。
子供嫌いな教師が、ある日いけ好かない生徒の弱みを握り体の関係を持ち始める、といった内容。
受けの須田くんはツンツンツンデレで、泣き顔も行為中の顔もとにかくかわいかったです。くちびるがぷるぷるなところも推せますね。とても背徳的で素敵でした。
あと攻めの顔が、どことなく某歌のおにいさん漫画()の主人公っぽくて個人的にド性癖でした・・・。
「彼は知らない」
大人しい陰キャラくんがクラスの人気者に恋するお話。好きなのに、じゃなくて好き「だから」、普通のことじゃダメなんでしょうね。他人から見れば嫌がらせでも、彼なりのアプローチなんでしょう。
受けくんが困っているのを見て、陰キャラくんの「嫌ってるとも限らないよ」という台詞でああ、そういうことか〜と気づきました。これくらいじゃ気づかない受けくん、おバカでちょろかわいいですね(笑)後味悪く終わりました。
「堕ちる穴」
ピアス穴と意味が掛かっていて、オシャレなタイトルです。不良な先輩×コミュ障後輩。友だちができなくて、教室で馴染めないところ階段でぼっち同士仲良くしようぜ、と声を掛けられます。危険な香りはしますが、色気のある先輩で惹かれてしまうのも分かります。しかもセンタータンも開けてるんですよ、反則すぎ・・・。耳にピアスを開けるシーンは見ているだけで痛くて、大変素敵でした。
ただ、後輩のクラスメイトが思いを寄せていそうだったのが少し切なかったですね。いい人すぎて損するタイプ。
もしこちらとくっついていたら、確実にまた違うエンドだったと思います。
「ドランク×ドランク」
ギャグのセンスもあるとは・・・。酔った勢いでヤってしまい、しかもそれを動画に撮っていた、という何ともアホかわいいお話(笑)攻めの「俺別になにもなかったと思うけどなぁ〜」と言うところのとぼけ顔がツボです。あんな目の描き方もされるんですね。しかも2回目は、お互い大告白大会(?)が開催されていてものすごく笑ってしまいました。幸せになってほしい2人です。
と、ここまでダラダラ書き連ねてきましたが短編集としてとても楽しんで読むことができました。絵柄も綺麗でお話もしっかりされているので今後も期待しています。
短話7編。
プリミティブ(素朴、幼稚)な感情って裏表紙にも記載があるように
動物的な素朴さ幼稚さ?痛々しいけど繊細さもあり
どのお話もほの暗くてあと引く。面白かったです。
絵も好みなので世界観に惹きこまれました。
『すごいネコの匂いするね』ってグサッときました。
イタイ、病んでる、変態、囲って逃げ場なくしてく系でぞわぞわ。
最後の1編はちょっと雰囲気が変わって、
おバカで可愛くて、うぅってなってた気分も回復!
好きが重くて不器用で皆、可愛い(よく言えば)
『ドランク×ドランク』みたいな実はバカップルだろ!
みたいのはもちろん、不良の先輩に取り込まれちゃう『堕ちる穴』、
イケてないと思ってるのは自分だけな『ネスト』も良い…
人は選ぶかもしれませんが、病んでるのも癖があるのも好きにはグッとくる、
「本能」ってタイトルがぴったりな作品集でした。
他の方が、詳しくネタバレしているので感想だけ。
ゾクゾクしながら、楽しく読めました。
タイトルが、「本能」・・・
仄暗い、主人公達の黒い闇の部分だけを抜き切って書かれているので、背徳感が半端なかった。
重めだけど、痛くて辛くなるような所までは行ってなかったので、続きを考えたら、ハッピーエンドも想像できたかな。
最後の、ドランク✕ドランクは〜大爆笑した!
なにこの、おバカな2人は(笑)これ系は、大好物だわ。
初の作家さんでしたが、面白かったです。
次回作も、楽しみにしています。
なんというインパクトのある表紙でしょう!!勢いでポチってしまいました。病みまくった7編の短編集。16ページ、24ページ、32ページとどれも短いお話で、主な登場人物16人の中でも名前があるのは5人だけ。それも名字だけとかあだ名だけだったりします。その上、彼らの人物背景もチラリとしか出てきません。そんな短くて説明のない物語なのに、しっかりと読ませる展開で、ダークな依存愛が楽しめます。これがデビューコミックスとは驚きです。
病んで暗いお話の中、『ドランク×ドランク』だけはコミカルでシュールなお話ですが、攻めの目つきのせい?おかげ?なのかな、すんなりと他のダークな短編に馴染んでいます。
私が好きだったのは『ネスト』。コミカルとダークがすごいバランスで共存しています!オタクのお話なので楽しかった。
一番、色気があると思ったのは『堕ちる穴』。ピアス好きにはたまらないんじゃないかな。表紙にビビビと来たのなら読んで損はないと思います。
もう少し長いお話を描いた時に、短編での魅力が倍増するのか、それとも半減してしまうのか、次の作品が楽しみです!買います!
本屋さんで表紙の彼と目が合っちゃって、ビビっときてお買い上げ。7つのCPが収録された短編集。
ネタバレ含んでいます。苦手な方はご注意を。
表題作『本能』
高校の教師でありながら、わがままで自分勝手な子どもが嫌いなセンセイ(作中では名前が出てこない)。
成績は優秀だけれど生意気で陰キャラ、友達もいないボッチくんの須田くん。
須田くんの起こしたトラブルに気付いた先生は、黙っている代わりに行為を迫り…。
というお話。
はじめはいい先生だと思っていたのですが生徒の弱みに付け込んでの行為。
けれど自分に優しい言葉をかけ頭をポンポンと撫でてくれるせんせいに取り込まれてしまう須田くん。彼の家庭環境に理由がありそうなのだけれどそこまでは描かれていません。
『彼は知らない』
友達も多くリア充の男子生徒。
一方ボッチで内気な男の子。
どちらの子も名前は記載なし。
内気な男の子はリア充くんのことが好き。でもリア充くんは内気くんのことなど歯牙にもかけていない。
ある日、リア充くんの下駄箱に「ヘンなもの」が入れられていて。それを内気くんが助けてあげたことで急速に仲良くなる二人ですが。
結末は想定内のお話。内気くん、病んでるなあ…。
『堕ちる穴』
教室内で友達もおらずぼっちな「彼」。
彼に声をかける同級生もいるけれど、なじむことができずひとりぼっちでいるところにピアスの穴がいくつも開いた先輩が声をかけてきて。
ボッチだった彼に急速に近づく先輩ですが、ある日「ピアスの穴をあけてみる?」と聞いてきて…。
というお話。
わざと痛く感じるようにピアスの穴をあける先輩と、それすらも受け入れる彼。
孤独だと思っていた彼ですが、実は彼に好意を寄せていた同級生もいて。それに気づかず、先輩と一緒に闇におちていく彼が気の毒なような気がしました。
『Bad Cure』
コンビニでバイトをしている高校生。
ある日、そのバイト先のコンビニに客として来ていた男に殴られ財布を取られ。
その男もまたほかの男に殴られ、お金を取られ、そして家ではクズな母親がいるだけ。
うっぷんを晴らすかのように高校生の前に現れては暴力をふるう男ですが…。
実は孤独を抱える男と、その彼に執着心を見せつけられて彼に惹かれていく高校生のお話。
『狂依存』
要領が悪くいつも会社で怒られてばかりの大橋くん。
彼の働く会社の社長である小谷社長。
そんな二人は実は体の関係があって…。
小谷社長は大橋くんに酷い行為をされている関係ですが、タイトルの通り、共依存の関係。「共」ではなく「狂」の文字を使っているところに、この作品の病み加減が表現されています。
『ネスト』
コミュ障でオタクなシュウとざっきー。
視点はシュウです。
いつも一緒に遊ぶ彼らですが、ある日ざっきーが「合コンに行く」と告げたことでシュウは恐慌をきたします。
なんで?コミュ障なのに?と。
けれどシュウが友達がおらずボッチなわけは…。
というお話。ざっきーの執着心が半端なかった。
『ドランク×ドランク』
どちらかというと馬が合わない男の子二人。
一緒に飲んだ翌日の朝、起きたら裸でベッドに一緒にいるのに気づいて…。
というお話。
ほとんどの作品が病んでる感が半端ない中、この作品だけはちょっとあほの子っぽくてかわいかった。実はスマホで行為の一切を録画しているというのも良い。それを一緒に見て赤面する彼らがめっちゃ可愛かったです。
終盤に『狂依存』と『Bad Cure』の彼らが出会ったときの小話が収録されています。
特に『Bad Cure』の話が好き。
男が、高校生に執着するようになった理由が描かれています。
その気持ちをその時に普通に伝えてれば…、と思う一方、彼のすさんだ生活環境が彼をゆがませてしまったのかなあ…。
7つのお話が収録されていますが、どの話も病んでます。痛いです。
甘くてやさしいお話がお好きな方にはお勧めできないかな。
けれど痛いその陰に潜む相手への恋愛感情だったり執着心だったり、というのがツボでした。
そして我島さんの絵柄が、こういった病んでる感じにぴったり合ってる。
登場人物たちも名前が書かれていないものも多くて、その異質感っていうのかな。そういうのも作品の病んでる感をアップさせていました。
BL的な萌えという点ではさほど高くないのですが、一つの作品としてはかなりハイレベルな作品かと思います。
正直好みが分かれそうな作品ですが、これがデビュー作とはびっくり。
絵柄もきれいで、ストーリーの構成も良かった。
今後もチェックしたい作家さんです。
表紙とちるちるのインタビュー記事で気になったので購入。
7篇もの短編が収録されていて、1話1話がとても短いです。え、ここで終わり?という話も幾つかありました。が、読了後にちゃんと満足感があるのです。
これが作者さんの初コミックだそうですが、物凄い新人来たなーという
話も設定もそこまで異色ではない(あくまで個人の見解ですが)のですが、何か光るものがありました。
きっとこの作者さんも短編で輝くタイプの人ですね。
と、前置きはここまでにして、ここからは1話ずつ感想を
【本能】
本作の表題作で、表紙のドアップの彼が受けです。
(生意気な)子供が嫌いな先生(攻)が、ツンツンとした受の弱みを握って…というお話。
共依存エンドなのかな?嫌いじゃないです。
この後を見てみたいと思いますが、これはこれでいいかなーって感じ
【彼は知らない】
クラスで目立つ感じの男の子に恋した、目立たない感じの男の子のお話。
でも、愛が重い!!普通に犯罪のような…でも、それで満足しちゃっているのが切ない。
好きな感じの話でした。
【落ちる穴】
本作で一番好きな話。
でも、BLといっていいのだろうか…なかなか微妙感じ。
校内の腫れ物のような存在の不良、彼と純粋に仲良くなりたいが為にどんどん落ちていく主人公。
当て馬(?)の彼が気になりました。本当は主人公に想いを寄せてたのかなーなんて思ったり。
【Bad cure】
うーん…ぶっちゃけ、よくわかんない(笑)
描き下ろしの前日談で、攻がこじらせたツンデレ(ヤンデレ?)だということがわかりますが…よくわかんない!
【狂依存】
他のやつと比べると普通かな…
これはもうちょっと続きが読みたかったなーという感じでした。
攻が受をどうして好きになったのかがあやふやな感じで少しモヤッとしました。
【ネスト】
この話も好きです。
狂依存よりも共依存ですね。
この話ももうちょっと長く読みたかったなー
でも、しっかりとまとまってたから、これはこれでアリなのかな。
【ドランクドランク】
酔った勢いで思わず…ってやつです。
最後までコメディータッチで安心しました。これもまた2転3転あるのかと…
1番応援したくなるcpでした。
全体的に病んでる感じで、自分の好みドンピシャでした。はらだ先生とか好きな方にはオススメできますね。
でも、短編ということもあってか、キャラクターの詰め込みがあまく、表紙裏のキャラクター設定を見ないとわからないことも幾つか……でも、とても良かったのでこれからも追いたいと思います!
一つひとつの作品がかなり短いので、いくつかもうちょっと長く読みたいなぁと思ったものもあったのですが、あらすじにある通り衝動的だったり若さが目立ったりするような作品ばかりでとても読み応えがありました。テーマこそ共通しているものの、ストーリー展開は作品によってまったく異なるので、飽きることなく読み進められると思います。個人的にすごく萌える!というものから、まったくハマらないというものまで振れ幅が大きかったので萌評価にしましたが、お気に入りの作品は本当にオススメです。好きな作品をピックアップしてレビューします。
◆堕ちる穴
ピアスがたくさん開いている先輩と知り合ったぼっちの受けは、友達になってもらうことと引き換えに自分もピアスを開けられます。痛がる後輩を見て興奮する先輩と、痛いのは嫌だと言いつつも初めて友達になってくれた相手を拒めない受けが痛ましくもあり可愛らしくもあり。受けの善良なクラスメイトが何度か止めようとして失敗するのも、救いようのない感じが増して良かったです。
◆ネスト
オタク同士2人だけでつるんでいたつもりのシュウですが、片割れのざっきーが合コンに誘われたことに愕然とします。彼にも友達はいないと思っていたら、本当に孤独なのは自分だけだった。でも、実際にはいざ他の人と話す機会があると、シュウは自覚がないのですが意外と相手に面白いと思ってもらえることが多く、本来は友達のできやすい性格なんです。それに気付いていたざっきーは、今までずっとシュウが孤独になるよう仕向けていたんですね。こういったダークな執着を見せてくれる攻めは大好きです。
◆ドランク×ドランク
飲んで起きたら隣に苦手な奴がいて2人とも裸で記憶がないことに焦る受けですが、ばっちり行為を録画されていて、それを攻めと一緒に観る羽目になりショックを受けます。しかし、動画に映った自分を可愛いと言われちょっと相手を意識してしまいます。そんな折にもう一度2人で飲むことになり、煽られた受けは飲み勝負に乗って再び冒頭と同じ有り様に。また撮っていたらしい動画を見返すと、情事中に攻めに好きと言われ、自分も好きだと返している受けが。お酒を飲んで緩んでいる時にだけ素直になる受けがとっても可愛かったです。
病んでるものが多い、短編集。
同級生へのいたずらを見逃す代わりに体を要求する教師の話、明るい人気者を振り向かせたいために隠れて陰湿ないじめを行い、フォローする高校生の話など、犯罪までは行かなくとも社会的に考えてひどい行為が描かれており、よい気持ちがしませんでした。
幼なじみが社長と社員となり、隠れたSM関係にあるものは、まだよかったです。誰に迷惑をかけるでもなく本人たちがお互いを必要としているわけですし。こちらは巻末に出会い編があります。
あとは、気になったコンビニ店員を徹底的にいじめるヤンキーの話。
最後は、酔った勢いで致してしまうけど全く記憶がない二人の話。スマホに行為の動画が残っているのですが、酔った勢いのはずなのに録画するとか、起きたらそれすら忘れるというのがちょっとアンリアリスティック。
でもかわいいお話なので、この単行本の中では楽しめる方のお話です。