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jusha no kuse
アラブものってウブウブが「アーレー」か、ツンデレが「ツンツン、でもでもだって」にスパダリがグイグイきたよーってお話が9割を占めてるんじゃないだろーか?と思ってたんです。
既視感ありありだけど、それ上等!
アラブものっていやぁ、そのあまあまの王道を愛でるモノ、あとはお衣装や王や王子の纏っている宝石がキレイに描かれてればとそれだけでいいと思ってたんですよ。
そしたらそしたら!
本作はなんてステキな骨太アラブ!
まずは攻め君がしっかりとした意見、意思、仕事を持ってるクールガイ(女性からみたらクソガイだけど)とこれまたしっかりとした意見と先見の明をもってるイケメン王子。
この王子さま、アラブものにしてはお衣装がちょっと寂しいけど、とにかくお顔が美しい。
線はたしかに細いし、女顔っちゃー女顔だけど目力かな?
とにかくその漢ぶりも相まってカッコいい。
私が読んだアラブもの王子さまのなかでもダントツストライクです。
表紙はちょっと惜しいけど、ぜひぜひ無料ページで王子のお顔を確認してください。
王子のちょっとした表情にぞくぞくきます。
エンディングが読者の意見が分かれるかもしれませんが、オトナな主人公とオトナの読者のためにオススメしたい一冊。
世の中天国もありゃ地獄もあるよ。
そしてお若い腐女子の皆さま、上から目線で申し訳ないけど、今は「こんなアラブもの納得いかないわ!」と思われるかもしれませんが、一年ほどBLの沼につかっていれば半分くらいの方は「これもアリ!」と思ってくださるんじゃないかなー。
って、最後はやっぱりオバハンの説教でしめてしまいました。
王と認めたくなる人もいる。
王子様との身分違いの恋の物語を現代の設定で描くならば、舞台は当然のようにオイルマネーの砂漠の国的などこかでしょうって感じの設定で、でもメインキャラの王子様は、ビジュアル的には萌えを優先して金髪をなびかせた褐色の肌の細身の美形がいいよね、そして王子様のお相手となる日本から来た技術者は、和顔のシュッとした「端正で賢さのにじみ出たお顔」です。
会うべくして会ってしまった、王となり従者となる運命の相手との恋。
おとぎ話としては、こんな風に美しい王子様もBLらしくていいんじゃないでしょうか。
アラブものってあまり好きじゃないんですが、みよしさんの絵柄がとにかく好きで衝動買い。今まで読んだ、いわゆる「王道」と呼ばれるアラブものとは一線を画す作品だったように思います。
主人公は商社勤務の瀬戸。
インフラを整えるため、社命でとある砂漠の国へと赴くことに。恋愛とか、愛情とか、そういったものに重きを置くタイプではなく、どちらかというとドライなタイプ。
そんな瀬戸は、訪れた砂漠の国の次期国王・ジアの圧倒的なオーラに思わず傅く。自分が服従する相手、を本能で感じ取ったのだ。希薄な人間関係しか築けない瀬戸が、初めて出会った存在。ジアのためにも仕事をきっちりこなしたい。そんな思いに駆られていく。
ジアは人としても王としても有能な人物だが、そんなジアに夜這いされる。驚き、一度は拒絶した瀬戸だが―。
お金持ちで、お金にものを言わせて受けさんを翻弄する、圧倒的なスパダリ。
そしてそんなスパダリさんに愛され、幸せを手に入れる受けさん。
個人的にアラブものに抱くイメージはそういったものですが、本作品は次期国王が受けさん。
ジアという男性がめっちゃカッコいいです。
次期国王としての自覚と、そして瀬戸に惹かれていく葛藤。
視点が瀬戸だからか、ジアの感情はやや控えめに描かれています。あっさりなんです。あっさりなのに、けれどにじみ出るジアの葛藤の描き方が実に秀逸。瀬戸への抑えきれない想いが、この描き方だからこそ読者に訴えかけてきます。
しいて言うのであれば、もう少し瀬戸、そしてジアの感情の機微がもう少しじっくりと描かれていたのなら、あるいはもう少し万人受けしたのではないかなあ、なんて上から目線な感想を抱きました。
そして、国王となったジアが、国王としての責務から妻を娶るシーンが、個人的には非常に好きでしたね。
BL作品ゆえに、「女性と婚姻関係を結ぶ」というストーリーを受け入れられない方は多いのだろうとは思います。
思いますが、瀬戸を愛し、けれど妻を娶らざるを得なかったジアの国王としての覚悟が、この描写に端的に表されていると思いました。
圧倒的な人望と、国王としての有望さと、そして美しさを兼ね備えたジア。
イケメン、でも人として何かが欠落している瀬戸。
そんな二人のビジュアルと、感情の描き方がとってもお上手で、一気にストーリーに引き込まれました。
著者様の前作がとても好きで今作も迷わず購入しましたが、うーん今作は正直に言ってしまうと殆どハマれませんでした。
まず設定というか一般的なハッピーエンドに到達することが難しいであろうという雰囲気を途中で感じてしまい、ページをめくるペースが落ちぎみに。
こうするしかないと言われてみれば、府に落ちるかもしれませんが…王子も王子の前に一人の人間として一度ぐらいは自身のセクシャルに素直に恋をしたかったのでしょう。
完璧なハッピーエンドじゃないからこそ、それによってご都合主義になりすぎずに良かったのかな?
でもやっぱり花嫁とどうのこうのしてくる件は自分には厳しかったです。
読了後はう~んとならずにはいられませんでした。