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knife
ヘタレワンコ攻めのイメージが強い千葉リョウコさんの新作は過去、自分の身におきた出来事を後悔として抱えこんでいる所轄あがりの新人:佐久間と人に執着をもつことのない津積という硬質な刑事たちが主人公。
それゆえ、甘いテイストはありません。
千葉リョウコさんの新しい魅力に魅せられました。
【続きはまた夜に】のスピンオフとのことですが、登場人物はチラっと出るだけで本編には絡まず同じ時間軸というだけなので【続きはまた夜に】が未読でも大丈夫です。
刑事という仕事は趣味と実益を兼ねてるうえに、性的興奮すらおぼえると自分で認めている検挙率No.1の津積が不機嫌そうに寄せる眉間から醸し出す色気がすごい!
泣きぼくろの黒髪美人は艶めかしさを纏い、スラッとした容姿ながらも雄雄しい攻めでした。
しかも悪態つきながら面倒見のいいオカン(笑)
佐久間は真面目で無愛想というか表情のないクールな感じで、初見ではこちらが攻めだと信じて疑わなかったw
物語は背中に十字の傷を刻まれた中学生が被害者として発見された通り魔事件に端を発します。
それは現場に駆けつけた佐久間の体が変調をきたすほど11年前に事件に酷似していました。
かつて親友が同じように殺され、犯人を捕まえるために刑事になった佐久間。
11年前の犯人の足取りを一向に掴めないでいた警察は事件の当事者であった佐久間の証言をもとに捜査を展開します。
佐久間は捜査当初から悩まされているトラウマと発作のように押し寄せる行き場のない欲情を津積に体で慰めてもらいます。
発散という感じの激しいセックスが幾度も描かれていますが、この時点でふたりに恋愛感情はないため、エロさは感じませんでした。
津積は普段と違う顔を見せ、自分にない執着という感情に翻弄される佐久間に興味をもち(面白がってすらいる)、佐久間に至っては正常な判断ができていません。
その身にもてあます暗い熱を出すだけの行為です。
今作のすごく好きな部分は、この捜査の経緯に重点を置きすぎてなくて、ちゃんとラブになる部分も描かれていることです。
お仕事に固執してラブが薄味になってしまう話もあるなかで、どっちも見事に絡まりあって物語に厚みを加えています。
親友にこたえられなかった自分のせいで悲劇的な結末を招いたと思い込む佐久間の自責の闇を少しずつ拾い上げながら、並行してそんな佐久間をめんどくさがっていた津積が自分にはない執着という感情をもつ佐久間にどんどん惹かれていく姿が丁寧に描かれているからこそ、警察ものだけに終わらずに恋愛ものとしても読みごたえがありました。
自分を通して過去を見ている佐久間に空しさを覚えた津積が、その根っこの部分の感情の名前に気づいているのに自分から言い出せない不器用さが好きです。
生まれて初めての感情ですもんね。
事件解決とともに距離をおいて、再会したふたりがようやく心の内を口にしてからの濡れ場サイコー!泣
束縛や甘えを出すことができての脱衣セックス!
凄惨な陰がおちて表情が明るい…ベタですが心の通ってのセックスは本当に嬉しい。
俺様風味の津積が甘やかしに転じる姿が見たい~。
身長差も美味しい…ありがとうございます!
感情面では津積目線がメインのため、佐久間はどこから津積を恋愛対象として意識していたのか明確な表現はないので佐久間目線が知りたいなぁと思いました。
描きおろしの【extra】では少し触れてましたけど、たりなーい!もっと読みたいー!
キリッと締まった絵柄で互いの目線を意識したジャケットもまためっちゃカッコイイ!
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脇役スキーとして気になるのは上司たち!
西条管理官と宇部というふたりのオッサンズ。
柔道強くて渋い〜。
そんなふたりが佐久間を心配してわちゃわちゃしてる姿が可愛いかったなぁ。
そして被疑者の望月。
彼の行動や当時の感情も語られていますが家庭環境が描かれていることでどうしてあんなことに至ったかがハッキリわかります。
淡々と語り表情がない分、狂気を感じました。
検挙率トップの刑事・津積と、捜査一課に抜擢された新米刑事・佐久間。
二人がコンビを組んで半年、15歳の少年が殺された。少年の背中につけられた十字の傷は、11年前の中学生連続殺人事件と共通していて、新人時代に捜査に加わった津積は事件解決に意欲を燃やす。いっぽうの佐久間も事件にこだわりがありそうだが体調も悪いし様子がおかしい。
津積が佐久間を送っていくと、家に着くなり、佐久間は津積の胸に顔をうずめ、股間をすりつけ、しゃぶり、自分で穴をほぐしはじめ…
津積に「仕事しかしてませんみたいな顔してるくせに」と言わせるくらい無表情で堅物だった佐久間が津積を求め続ける…エロすぎる豹変ぶりに目が釘付けでした!
朝になると、佐久間は記憶は曖昧だけど体調は良くなっていて、津積は「体調が悪くなったらいつでも抱いてやる」と、+セックスの刑事コンビとなる。
津積は遺体を前に微笑み、事件解決をゲームのように楽しむ。来るもの拒まずで誰にも本気になれず、男とも興味だけで付き合ってきた。だから佐久間も豹変ぶりがおもしろくて受け入れた。でも傷ついて縋りついてくる佐久間に、今までとは違うなにかを感じ始めてるようで…
津積の執着の無さとタバコを絡めて、佐久間との違いを対比させるあたりがうまい!
佐久間と過去の事件の関わりが明らかになっていき、犯人は意外にアッサリ捕まるのだけど、すべてが傷つけたい人間をより傷つけるにはどうしたらいいか計算して仕組まれたことで、犯人の心の闇に寒気がしました。
事件解決後、桜の花びらが舞う再会シーンが印象的でした!
佐久間が捜査では話さなかった過去の罪悪感、トラウマのこと、津積の存在について話すエピローグできっちり話が締められます。
捜査を楽しむだけだった津積が人に執着を見せはじめ、重荷に囚われていた佐久間が解放されていく。殺人事件を背景に、対照的な二人が影響し合って生まれ変わっていくようなお話でした。
とくに佐久間は、事件が起こるまでの不愛想さ、事件が起こってからの悲壮な表情、セックスを罰として受け入れる苦しそうな顔と、最後のやわらいだ表情は別人で、事件もトラウマも解決したんだなって晴れやかな気持ちになりました。
殺人事件というダークな雰囲気のなかで、キャラ達の行動にちゃんと理由があって、気持ちの変化にも納得できる、完璧に組み上げられたストーリーでした。
いままでの千葉先生の作品も、絵とストーリーの完成度は高かったと思うのですが、今作品はナイフで心を刺すような鋭さが加わって深みが増しました!エロも濃厚になってます♪
『続きはまた夜に』のスピンオフですが、二神と同じ警察署って繋がりだけでストーリー主軸には無関係なので、前作未読でも話はわかります。
この世界観でまた新しい話が読みたいな。
紙本の帯はヨネダコウ先生の絵と推薦コメント付きのようです。
私は電子で購入しました。電子特典漫画は4ページで、刑事復帰直前に佐久間が伸びた髪を切ると言い出すと、津積はかわいいのにと残念がり、かわいいと言われて佐久間が慌てる。恋人になった二人の日常のイチャつきでした。
「続きはまた夜に」のスピンを謳ってますがスピン感はほぼゼロ。
こちらだけも単体で読めます。
「続きはまた夜に」と雰囲気が違い、辛口な内容です。
1冊通してじっくりと事件を追いつつ、シッカリBLさもあって、
『Knife』のタイトル通り、尖った印象の作品でした。
殺人事件をメインに扱う漫画は中々ないので新鮮でした。
キャラを思うと重く苦しく、事件内容の後味の悪さもありますが、
綺麗ごとや正義感だけでまとまってないのが良いです。
そしてハードさを前面に出しながら
徐々に変わっていく関係の中に、小さくほのかに生まれる甘さに萌えました(∩´///`∩)
【捜査にしか興味がない変わり者×無愛想で可愛げのない新人】
15歳の少年が襲われる事件が発生。その現場を見た無愛想だけどキチンと仕事の出来る新人刑事(受け)の様子がおかしくなります。コンビを組む先輩刑事(攻め)はさして他人に興味がなく、特に気遣うことなく放置してたのですが、上司命令により家まで送り届けると、新人刑事が抱きついてきて。普段の寡黙で無愛想な表情が一転、欲情しきった顔で二重人格のように雰囲気が変わって、攻めは少し興味を持つようになります。
一方、事件の捜査を進めていると、新人刑事が過去の事件に絡んでたことが明らかになりーーー。
(念のため、事件内容は控えます。)
刑事モノの醍醐味と言いましょうか。
夜はエローいセックスして一緒に寝ているのに
昼間はコンビとして淡々と捜査しているギャップは萌えますね!!!( ´͈ ᐜ `͈ )
そんで受けのギャップ詰めにキュンキュンします。
寡黙で無愛想な子がエッチでトロトロに乱れて、
子供のように泣いて、
人肌に触れて安心してホッとした顔で眠りにつく。
昼間と違い過ぎる…!!(∩´///`∩)
↑といっても、これはPTSDで苦しんでる姿であり、
一概に萌え!と言えないのですが…。
事件を追っていく中で、過去が蘇り苦しむ姿が、読んでいて辛かったです。
その苦しみを和らげ、見守ってる攻めの姿はすごく良かった(∩´///`∩)
捜査以外興味がないと言って飄々としてるゆるい系の攻めが徐々に変わってくのに萌え!
少しヤキモチっぽいのが見え隠れし、受けが特別な存在になったんだなぁとジンワリ。
あとビジュアル面で、口を突き出したようなへの字口が可愛いかったですw
わかりやすい甘さや「好き」もないけれど、
傷にそっとキスするのに愛が見えてキュンキュンしました♪
余談ですが、受け攻めを逆に勘違いしてて、ええええ?!と叫んだ…。
てっきり寡黙年下攻め×ツン美人上司受だとばかり…( ;´Д`)
思い込みのせいで最初は違和感が拭えなかったのですが(←自業自得)
全てが明らかになると新人刑事が受け側でストンと納得出来ました。
受けにはこれから幸せになってほしいと願わずにはいられない読後感です。
BLでありながら刑事ドラマ顔負けの展開で、犯人が誰なのか事件の真相は何なのか、佐久間は何を隠しているのかを読んでいるこっちも夢中になり、事件によって佐久間が心に大きな傷を追って心を病んでしまい苦しむのですが、津積がそんな佐久間を支えていきお互いが無くてはならない存在になっていくところが本当に切なくて辛いのですが、とても素敵な作品に出会えて衝撃と興奮で眠れなくなりました。
なので寝る前に読むのはオススメしません笑
間違いなく神作品。
ぜひ2作目をお願いしたい。
千葉先生のどの作品よりカッコよく、深く読み込めました。
そして、なぜ「警察もの」をBLというジャンルで描くのか。
ストーリーの根幹に両方が関わり、
作品が成立するという、非常にベテランのマンガ家さんでなければ描けない作品でした。
私の少ない警察BL作品もののなかでは、
ダントツで「神!」
いくつか作品読ませていただいたのですが、
どこか絵が固くて動きがなかったり、大事なシーンなのにギャグに走っちゃうなど色々と惜しい作家さんだな〜と思っていました。
しかしどの作品もストーリー運びはキラリと光るものがあったので、1番評価の高い今作を読ませていただいたら……
まぁ素晴らしい!!
事件もしっかり描かれているのに2人の恋も淡白になることなく描かれていて、
お仕事恋愛モノとしてダブルで美味しい作品でした(♡´▽`♡)
恋愛重視のBLも大好きだけど、お仕事もしっかりしている姿を見られると、
二次創作の同人誌を読んでいるような……少年漫画がまさかのBL展開キター!!みたいな
謎の背徳感が味わえるんです!!!!
語彙力がなく伝わりづらいと思いますが、2人のビジュアルが好みなら読んでみて損はないかと思います!
個人的に攻が美人さんで受が短髪男前なのもストライクでした(∩´∀`∩)
ここは好みが分かれるところだと思うので、ご購入前にきっちりご確認くださいね。
刑事物、サスペンスみたいな作品が読みたいなあ、と漠然と思っていたら、巡り会えました。絵がキレイで読みやすく、事件の内容がしっかりしていて読みごたえがあり、何より二人の想いが次第に通じていく展開に大満足させていただきました。
仕事以外興味がないという津積と優秀な部下の佐久間。発生した事件が、過去に自分の親友が殺された事件と手口が同じで、体調を崩してしまいます。上司の命令で津積が佐久間を部屋まで送ることになるのですが、佐久間は欲情していて…というところだけは、佐久間が具合悪い感じと、発情している様子がもっと明確に描き分けてもらえたらもっと萌えたなあ、と少し残念に思いました。
ただ仕事人間の津積が徐々に佐久間にひかれていって、最後、ラブなエッチも良かったですし、前髪伸びた佐久間を可愛いと言ってるところ津積も素敵でした。
他の作品のスピンオフ的な作品とのことで、そちらも読んでみます。
2017年2月のこの作品は、ひょっとしたら、かなり深く心理学や生理学を学ばれた後だからできた作品なのかもしれません。過去の作品と比較すると深みと凄みを感じました。
例えば、「犯行後、犯人は再び現場に現れる」という行動。これは事実。コワイ。
2017年7月にご自身の体験を元に書かれた作品:「うちの子は字が書けない-発達性読み書き障害の息子がいます」を読みました。この本で、初めて「発達性読み書き障害」を知りました。
ご子息に起きている症状の原因と何故を探し続けた時に得た情報が、こうして作品に生かされているのじゃないか、と千葉リョウコ先生の努力に敬意。立派な働くおかあさんだと思います。尊敬。
刑務官から刑事になった知人が言うには、同じ病を持つ人にしか心の病を持つ人の心の動きは理解できないのだそう。だとしたら、この作品に登場する恋人たちは、みんなどこか心に傷を負っているってことで、癒され切っていない状態で完結しているので後味悪い。
神評価。
警視庁捜査一課の敏腕刑事×新人の相棒、というバディものBLです。
何より現場と捜査が大好きな攻め。捜査以外はどうでもいい感じで、愛想はいいけれど社会性には欠けているワーカホリック。
そんな攻めと組んで半年になる新人刑事が受け。こちらは優秀ですがまったく愛想のない仏頂面の刑事。
お互いに相手を優秀だと認めてはいるものの、気が合わなくてやや犬猿の仲状態の2人です。
その関係が、ある事件を機に劇変する、という展開。その事件というのは、かつて受けの親友が被害者になった未解決事件と同一犯だと思われる殺人事件です。
事件のPTSDのためか、いつも堅物真面目な受けがエロエロに変貌。このギャップがすごい。攻めも、事件が好きすぎて色恋にあまり執着なしのキャラなのに、そのギャップに引きずり込まれてこちらもえらいことに。
精神的に普通じゃない状態の受けとそれに飲まれる攻め、というシチュエーションに非常に萌えました。三回四回当たり前の濃厚エロ。受け攻め2人とも体力があるし、身体は筋肉質でガッシリだし、この濡れ場はとっても眼福でした。心が通じ合ったあとのエッチで、攻めの尻からのアングルがあったんですが、悶えるようなエロさでした。筋肉質な尻肉たまらん。しかしなぜここに吹き出しが…!(←邪魔なところに吹き出しがあったのです)
エロも萌えもほぼほぼ文句なしだったのですが、PTSDのためエロエロになっちゃう、という心理状態がややぴんと来ず、それでひとつ評価下がっています。
『続きはまた夜に』という作品のスピンオフ。そちらのキャラも出てきますが、未読でも何ら問題はありません。