そらのだいじな旦那さま

sora no daiji na dannasama

そらのだいじな旦那さま
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神136
  • 萌×274
  • 萌19
  • 中立4
  • しゅみじゃない9

--

レビュー数
23
得点
1037
評価数
242
平均
4.3 / 5
神率
56.2%
著者
野原滋 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
サマミヤアカザ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
そらのだいじな旦那さま
発売日
価格
¥630(税抜)  
ISBN
9784344839038

あらすじ

難産の末に母が亡くなったせいで父に疎まれ、双子の姉の身代わりに人質として新興の小国に嫁がされた捨(すて)。しいたげられた生活の中でも捻くれることなく無垢なままに育った捨は、強く優しい夫の高虎に「空良(そら)」という名前を与えられ初めて生きる意味を見つける。高虎の役に立ちたいとけなげに振る舞う空良だが夫婦の契りに関しては知識がなく……?

表題作そらのだいじな旦那さま

22歳,隼瀬浦の領主
16才,小国「伊久琵」領主の子

その他の収録作品

  • 冬の晴れ間 雪解けの道
  • あとがき

レビュー投稿数23

ツボに入りまくり

初読みの作家さまでしたが、可愛らしいタイトルと表紙につられ購入。ほっこり可愛いお話かと思いきや、序盤はシリアスムード満載。薄幸・健気受けさんが大好物なので、初っ端からがっつり食いついて読んでしまいました。





主人公は捨(受け)。彼視点で話は展開していきます。
とある国の領主の息子でありながら、出産時にトラブルがあったことで実母は他界。愛する妻を亡くしたことを息子のせいにした父親は彼を実質的に捨ててしまい、孤独で過酷な幼少時代を過ごします。
領主の逆鱗に触れぬよう、住民たちも彼に対して冷たく当たり、名前も付けてもらえずにいます。数人に「捨」と呼ばれるだけ。

そんな捨ですが、小国との取引の材料として嫁として出されることに。男であることがばれたら相手の逆鱗に触れ殺されてしまうことは分かり切っていてなお、「自分(父親)のために嫁として行け」と言われた捨は、失意の中相手国へと出発するのです。

道中、男とばれたら殺される可能性があるためついてきてくれた自分の国の人が逃げていく中、嫁ぎ先の小国の人が迎えに来てくれるのですが…。

というお話。

自分の父親に大切にされることもなく、また父親の代わりになり保護してくれる人もいない中育った捨が、健気ちゃんで切ない。自分の境遇が「哀れ」なのだという事も理解できないんですね。

その捨に、「空良」と名付け、大切に、深い愛情を注いでくれるのが嫁ぎ先の高虎。高虎が空良を愛するようになった過程がややご都合主義的な感じはあるものの、イケメンで強くて、そして一国の跡継ぎというスパダリさんで、もうカッコいいのなんのって…!

こういう「身代わりもの」って、男だとばれないようにと腐心するものが多い気がしますが、この作品はしょっぱなから男ってばれちゃってて、ちょっと斬新でした。

見返りのない愛情を注いでもらったことのなかった空良が、高虎からの愛情に包まれ幸せになっていく過程にとっても萌えました。
空良が性的にまっさらさんだったのも高ポイント。そんな彼を徐々に開花させていく高虎がエロかった☆

この二人もとっても良かったのですが、高虎の弟や家臣の魁傑といった脇キャラもいい味出してました。
ぜひともこの二人のスピンオフを出していただきたい。

薄幸・健気受けさんがお好きな方や、溺愛攻めがお好きな方にお勧めの、とっても可愛らしく、温かなお話でした。


22

ティッシュ何枚使ったかな…

久しぶりに、本当に久しぶりにここまで泣いたんじゃないかな…ってくらい泣かされた、とても素敵なお話でした。
最初からウルっとくるとこが何回かあり、「あー…これ、やばいかも」と読み進めていたのですがやっぱり途中から涙が止まらず一端読むのを止めなきゃいけないくらいで…笑。

受けさんの空良があまりにも不憫で…それでも、産まれた時からその境遇・仕打ちが当たり前だったので、決していい子ぶってとかではなく自分を不幸とも思わずただただ自然とだけ友達のように生きていた姿に、涙を誘われつつも好感の持てる健気設定でした。
そんな空良の名付け親にもなる攻めさんの高虎は、最初からどの行動も空良の為を思ってやっていることばかりで、わかり易く口にも態度にも出さないけどその高度の端々から空良を大切にしている事が伝わってくるので、初めて空良は本当に幸せになれるんです。
あとはいちゃいちゃ溺愛して終わりかなー…と思ってたら最後の最後に事件があって、空良の真の心強さと本当の健気さというものを見せられた気がして、この数ページに何枚ティッシュを使ったかわかりません。

また、脇キャラとして主要人物並に出てくる次郎丸と魁傑も本当に好きです。
この2人あってこその1冊だと思います。

心温まること間違いないお話なので、是非1人で静かな環境で読んでほしい1冊です( *´︶`*)

10

高虎の献身と空良の清廉さに感動。

サマミヤアカザさんのイラストと歴史モノという設定に惹かれました。ひたすら甘い溺愛モノかと思いきや、切ない場面もあり、見応えのある一冊となっております。

領主の息子として産まれながらも、父に疎まれ幸せとはいえない子供時代を過ごした捨(のちの空良)。けれど、旦那様である高虎と出会うまでは、そもそも幸せがどういったものであるかすら知らなかった為、自分が不遇だとは思っていなかった。

高虎に愛され、過去の自分がいかに憐れだったかを知った後も、自分の父や故郷を思う空良に心打たれました。
そして生死を彷徨っていた空良を献身的に看病する高虎にも、涙が止まりませんでした。高虎がずっと声をかけ続けていたからこそ空良は戻って来ることができたのだと思います。

他の方々も書かれてますが、私もゾ◯リ(あ、魁傑のことね)と次郎丸のスピンオフはぜひぜひ読みたいです!

8

愛し愛されていっぱい幸せになってほしい2人です

 私の萌要素がたくさんあって、たいへんおいしく読ませて頂きました。

 自分が傍からみればひどく不遇な境遇にいることを知らず、虫や鳥などの動物とのふれあいや、自然の恩恵を大事にして生きてきた受け様の空良。
素直で純真無垢、でも庇護されるだけの子ではなく大事な者を守る為に頑張れる強さと優しさを持ったたいへんいい子でございました。

 包容力があり、強く優しく男前な攻め様の高虎。
こちらも空良を優しく穏やかに包み込んで、言葉でも態度でも溺愛丸出しでたいへん高得点な攻め様。

 空良があまりに無垢なのと、初めに怖がらせてしまったのを後悔した高虎が、手を出すのをためらっていたのを、家臣の魁傑にハッパをかけられ、手ほどきをしていく訳ですが…。
ゆっくりゆっくり、時間を、どころか日数をかけてやさしーく心も体もとろけさせていっていて。
自分が育てて花を咲かせると思えば楽しみだ、と言ってた通り、空良の体はもちろん気持ちも無理をさせないようかわいがっていて、溺愛好きな私にはたまりませんでした。

 高虎が戦に出かけた隙をついて敵が襲ってきて避難してる時、助けに戻ってきた高虎の目の前で切られてしまう空良。
生死の境を彷徨う空良を献身的に介護する高虎の姿にまたしてもたまらない私。
受け様が危ない目にあったりして、それに焦燥したり慟哭したり切羽詰る受け様の姿を見てその心中を妄想するのが多分一番の私の萌ツボなので、ここはもうね、切なくて切なくてよかった。
空良を抱きしめて口移しで薬を飲ませながら、切々と空良にこれからも共に生きていこう、と語りかける高虎。
死んでもいい、と思っていた空良に生への執着を芽生えさせていく高虎のひたむきな愛情にきゅんきゅんでした。

 2人はもちろんよかったのに加え、家臣の魁傑と弟の次郎丸のやり取りも微笑ましくてとても幸せな気持ちにさせてもらえた一冊でした。

7

いっぱい泣きました

表題作とSSの二篇

「そらの大事な旦那さま」

時は戦国時代。空良(受け)は小国の領主の息子、双子の弟として生まれました。
この時代双子というだけでも忌まわしいものなのに、姉が生まれた後も一日以上も出てこず、生まれ落ちたときには母親は体力を使い果たし儚くなってしまいます。忌子として即座に殺されるところを母親が最後までかばってくれたおかげで殺されることなく、とはいえ世話をされることもなく、厩番夫婦のところに預けられ名前も付けてもらえずにこき使われます。
16歳になり、美しく育った姉の政略結婚に反対の父親に、戦の時間稼ぎのため代わりに嫁ぐように言われます。

空良は何も持っておらず、馬小屋で暮らし自然の中で生かされてきたため、自然を読むことに長け自然災害などを予知することができます。が、忌子であることに加え、それが余計に周りに恐れられる結果となり孤独の中で生きていくことになります。ただ、皆が寄ってこなかったため酷いいじめに遭わなかったことだけが僥倖だったと思います。幸せを知らないため自分が不幸であることにすら気が付かない空良が不憫でなりません。
何も望まない空良が初めて欲しがったものが名前だったなんて、名前は親が最初に送る贈り物だと思うと本当に何ももらっていないんだと切なくなります。

高虎(攻め)は隼瀬浦という新興勢力の小国ではあるけれど、勇猛果敢な戦上手な国の領主の息子です。側室腹なので跡継ぎではありませんが、弟で嫡男の次郎丸を可愛がり国のために力を尽くしている強く優しい人でした。

読んでいる間半分くらいは泣いてました。
空良の境遇に泣き、ばれたら即処刑とわかっていて故郷のために姉の身代わりに輿入れする健気さに泣き、未来の話をしていてもそれを見ることはかなわないだろうという切なさに泣き、やっと幸せになったとおもったら、戦に巻き込まれて重体となり、忌子と言われてきた自分が人のために死ねると安心して逝こうとするのを見ては泣きました。ほぼ一気に読み終わった後は泣き過ぎで目が痛くなりました。

でも、平和な時の高虎が空良を幸せにしようと気を遣うところや、高虎を慕っている弟の次郎丸と高虎の従僕の魁傑の二人のじゃれあいはとても楽しく、空良の心を明るくしてくれます。

さんざん泣きましたが、嫌な気持ちになることもなく、読み終わった後は幸せな気持ちになれるお話しでした。
本当の意味で夫婦になったのは本当に最後の最後なので、砂を吐くほど甘々になりそうな高虎との甘やかしをもっともっと読みたかったのが本音です。
でも、二人が夫婦となったときからずっと高虎は空良に甘々なので絡みは少ないですが満足です。

気になったのは、時代劇は苦手だということなので時代劇っぽいファンタジーみないになっているのは仕方ないとしても、領主である高虎の父親の存在感がないのが気になりました。作中に名前しか出てこないというのは不自然に感じました。嫡男ではないにしても息子の嫁(たとえ男だとしても)に一度も会わないってのは変だなと、隼瀬浦を守った功労者として最後家臣にも嫁だと認められたんだし祝言をちゃんとあげてほしかったです。


「冬の晴れ間雪解けの道」
高虎の弟次郎丸視点。雪解けのころに高虎夫婦と次郎丸、魁傑の4人で湯治に行くお話です。高虎は相変わらず甘々です。

「長く甘い冬のはじまり」(電子限定おまけ)
空良のケガが少しずつ良くなって、本当の夫婦になるために高虎が空良の身体を少しずつ解していく話。

電子書籍は挿絵がないので紙書籍にしたのですが、電子のおまけが読みたくて結局電子も買ってしまいました。ルチル文庫の電子書籍はすべて挿絵がないので他の電子書籍と同じように挿絵をつけてほしいです。

7

次郎丸きゃわたん

久しぶりにBL読んで泣きました〜。
スパダリと不憫受けにきゅんきゅんです。
受けは不憫な生い立ちではあるのですが、捻くれもせず、純真無垢に育っています。しかし、いざという時は芯の強い勇気ある性格なのも良かった。攻めも包容力があり優しくて、主人公が幸せすぎて夢見たいって思ってるんですが、読んでる私も夢心地でした。読んで損なし!絶対オススメです!!
また、脇を固める攻め弟と攻め家臣の漫才?にもほっこりさせられました♡
この2人の話も是非読みたいです!!

4

ここ最近で一番!

レビューを見て気になっていたんですが、
もっと早く読むべきだったとほんとに思った作品です。
空良の口からはなんてことない事のように出てくる言葉達が悲しくて切なくて
でも空良はそれが当たり前で、
自然と共に生きていて自然の美しさを誰よりも知ってて
言葉にできないくらい最高の一冊でした。

高虎側のみんなも良い人ばかりで(空良が来たばかりの受け入れ難いみたいな所はあまり出てこないのでそこはもう少しあってもよかったかな)と言っても高虎の頑張りでもあるのかな?

高虎のスパダリ感と空良の健気で愛らしいのが最高でした。

4

切なくて泣けました ベストオブ健気不憫受け

生まれた時から何も無くそれが当たり前の毎日に、自分が不幸だとか不満に思うこともないまま精一杯生きている少年が幸せになっていく物語です。

誰にも愛されず誰にも顧みられることもないまま16まで生きて来た少年。
難産の末亡くなった母を愛していた父親に恨まれ名さえも与えられずに馬屋で雑用をしていた少年は、領主の父親から同盟国の領主(高虎)の元に花嫁として嫁げと命じられる。
バレれば命は無く死ぬまでの間にせめて時間稼ぎをしろと言う。
少年は、これまで生かしてくれた故郷のために身を捧げる決意をして隣国へと旅立つのでした。

お産で愛する妻を失ったからといって、怒りや悲しみのやり場に弱い幼子にぶつけて発散させるとは人間以下の父親です。
その上駒のように差し出し、なんの役にも立たなかったのだからせめて生まれた理由を見せてみろとは非道すぎます。

少年の父親が新興国だ小国だとバカにしていた国の領主の息子はそこへいくと聡明で凛々しく男らしいです。
不憫な少年の生い立ちに同情し空良という名を与えます。
素直で思いやりのある少年との日々に癒されいつしか恋愛感情が生まれてくるのも不思議ではないでしょう。

初めての精通にうろたえ、体の変化に病だと思う空良の無垢さに『どうしてくれよう』と悶える高虎の姿に萌えました。

初めは偽の花嫁だと命を取られそうにもなったけれど、誰にも必要とされなかった空良が新たな地で愛を知り大切にされ居場所ができて本当に良かったです。

脇キャラの次郎丸と魁傑とのやりとりが漫才のように面白かった。
察しがいいんだか悪いんだか、次郎丸はまだ子供な面もありますが、男女の機微に疎い二人が補い合いながらいい感じで笑えました。

2

ひたすら健気

ドつぼにはまった作品でした。

難産の末に生まれた捨(空良の元の呼び名)。
そのせいで母が亡くなり父に疎まれ、双子の姉の身代わりに隼瀬浦に嫁ぐことになった。
早々に身代わりと言うことがバレ殺されそうになるのだけど
そこを助けてくれた高虎(空良の嫁ぐ相手)に「空良(そら)」という名前を与えられ初めて生きる意味を見つけます。
そしてー…。

本当に空良が健気で儚くて目を離せませんでした。
ずっと馬小屋で馬と共に生きてきた空良。
それが普通の事で自分の事を可哀想と思ったこともなくそこに私は悲しさを感じました。
高虎もだからこそ幸せにしてやりたいと思ったとのちに言うのですが、
ほんとに読んでいると幸せになって欲しくてたまらなくなります。

途中で困難なこともあるのですがそれも乗り越え
空良が幸せそうな場面では涙なしでは読めませんでした。
一つになれた時もよかったねぇ…!の一言だったし、
ほんとに高虎に出会えてよかったなぁと思いました。
全てが初めての空良を大事に大事に育てていく高虎。

これからもずっと何回も読みたい作品です。

0

萌え萌え

リーマンものが得意な作家だそうですが、時代ものも上手だと思う。

ありそうで無さそうな御伽話。
多分戦国時代の日本、三雲高虎の元に、双子の姉の身替りに嫁ぐことになった忌み子のシンデレラ物語。
三雲家から、末子を嫁に出すようにと政略結婚の話が起きたが、娘は嫁ぎ先が決まっていた。
末子の息子に名も付けず、馬小屋に捨てたように放り出していた領主である父親は、捨てた息子を呼び出して、愛する妻が難産で死んだのは忌み子のお前のせいだと責めて、藩のピンチをお前の命で救って贖えと言う。
・・・なんて勝手で鬼畜な父親なんだ!

頭が悪いのか、聖者なのか、捨(すて)と呼ばれて育った忌み子は、父を恨まない。誰も責めないで、自分が悪いのだと、男子だとばれた時には死ぬ覚悟で嫁ぐ。
ばれて、騙した罪の処罰を恐れて、嫁入り行列に随行する者が徐々に逃げて減っていく。
・・・トップが薄情なら、家臣も薄情。義も道理もない現金さに呆れた。

縁組相手の若武者、三雲高虎は、とても情け深い義の人だった。憐れな美しい忌み子は、気に入られて嫁として扱われ、「空良(そら)」という名をもらう。そらには、特殊な能力があり、気象の予測や、動物の耀宇から侵入者の有無などが察知出来た。
この後、敵の襲撃を受けて、庇って受けた傷でそらは死にかけて、

あとがきを読むと、どうやら、不憫、健気、無垢の結晶が「そら」というキャラ。
・・とあって、不憫受けって、こんなに不幸に見舞われるものなのか、そしてどんだけ不幸に襲われても死にそうで死なない、不憫で健気な受けキャラは不死身設定なんだな、と感心感動してしまった。


面白かったので 神。

0

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