「何って…そんなん……あんたに会いに来てんじゃん」

片道映画一本分

katamichi eiga ipponbun

片道映画一本分
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神82
  • 萌×227
  • 萌15
  • 中立12
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
25
得点
575
評価数
139
平均
4.2 / 5
神率
59%
著者
日乃チハヤ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
茜新社
レーベル
EDGE COMIX
発売日
価格
¥648(税抜)  
ISBN
9784863496057

あらすじ

メガネとチャラ男は映画館で映画を観る間だけの関係。
特に約束もなく、ましてや友達でもないふたりだが、
何故か毎週末を一緒に過ごすように――。
しかし、そのリズムが崩れる出来事がおきて…?
新進気鋭のデビュー作がついに単行本化! !

表題作片道映画一本分

大学生, 攻め?
社会人, 受け?

その他の収録作品

  • レビュー
  • プロローグ
  • キミまで映画何本分?(前後編)
  • みんなのレビュー

レビュー投稿数25

恋と言わせず恋を描く

日乃先生作品読むの5作目です。この後、もう1作読みます。
本作とても気になっていてやっと読めました。
期待通り…いや…期待以上によかったです。うれしい。
出会いのエピソード〜離れて〜再会後からラストまでずっといい。
構成やサブタイトル、みんなのレビューも全部いい。
出会った時、やさしくしてもらってから時尾は毎週メガネくんに会いに映画館に来ていて。
それを知ってメガネくんも時尾を意識するようになって。その前からメガネくんの中には時尾がいたんだけども。映画のことはわからないのにスクリーンに釘付けになる時尾、その時尾を見るメガネくんのシーンすごく好きです。恋が始まる瞬間を切り取ったかのよう。
メガネくんの映画好きのポイントがわかる〜となるのも楽しい。

「会いたい」「仲良くなりたい」って好きってことですもんね。
それが双方の視点で順を追って語られるのがいい。どちらかの視点だけじゃここまで萌えない。
対照的な2人だけどどちらの気持ちもわかるのがおもしろい。
時尾の天然がかわおもろくて憎めないし、それについ怒っちゃうメガネくんもわかる。
時尾が無自覚にメガネくんに会いたくて走る姿、時尾にイラッとしちゃうメガネくん、どちらもそのさまが恋ですよね。
本人たちだけがまだわかっていない。そこがいい。なのにめちゃくちゃ恋である。「好き」と言わせずこんなに恋愛を描くのがすばらしいです。

館長、時尾の友だち、映画館の女性客など周りから見た2人の描写でより浮き彫りになるところもめちゃくちゃよかったです。

1

本人達だけが気づいていない関係にニヤニヤしぱなっし!

タイトルがなるほど〜!ってなる、名前のつかない本人達だけが気づいていない関係にニヤニヤした。

人との繋がりなんて、案外「友達になりましょう」って口約束じゃなくて不思議と気づいたらできてるそんなものなのかもしれない。
人が何回も同じ場所、同じ時間に出会う。1回目は偶然、2回目はたまたま……それが毎週続いたら奇跡なんかじゃなくてそこには人の「会いたい」っていう意思があるから成り立つものなんだろうな、と思わずにはいられなくなるお話。

お互いを探しながら映画館に"わざわざ"通って一緒に観た同じ映画を思い出す所が素敵だった。改札口のすれ違いシーン大好き。やっと自分の気持ちに素直になって覚悟した時の表情いい。

そこからの、やっぱり名前を知らずに"アイツ"と"メガネ君"でやり取りし続けてるのも、段々それだけじゃ物足りないって思えるような相手にお互いが徐々に気づいてく所良かった。

館長とマキちゃん達のキャラいい。マキちゃんの友達絶対腐女子説ある笑笑

付き合うまでにあと映画何本分の時間が必要かな〜と思わせるラストで、満足度の高い1冊でした。

0

背景まで細かくてキレイ

『お憑かれさまです』が面白くて、日乃先生の過去作品も気になり読みました。また本作も面白い。
マッチングアプリでは絶対に出会わない二人。
登場人物みんな魅力的。背景も細かくリアルで、もしかしたら自分の街にも今この瞬間こういつ出会いが起こってるかも!?って思わせてくれます。

0

人の描き方がリアル

※ラストのネタバレありです

メインの二人も友達も、本当にどこかにいそうなくらい人間味がリアルでした。
なぜ隣に座るのか、なぜ映画館に来るのか、なぜ電車に乗って…
お互いの行動の「なぜ」が作品の軸になっていると感じました。
外から見るともう答えが見えてきているんですが、本人たちはまだ知らず。
付き合うところまでいきません、Hもありません。
正直その後の二人は気になりますが、
独特の雰囲気の魅力はこの終わり方だからこそだと思います。

本当に秀逸でこれ以外はあり得ないと感じるタイトル。
物語の余白を楽しみたい方におすすめです。

0

絶妙な距離感に萌える~

関係性萌え!!!
タイプが真逆の二人が絶妙な距離感を作り上げています。
えー萌えるー!!!
見てるとこっちの方がソワソワしてしまうよw

その均衡が崩れたときがもう…素晴らしい!!

二人の今後を妄想すると止まらなくなります~
大好き♡

0

一見クエスチョンマークが浮かぶタイトル

著者初コミックス。
タイトルの意味は、中身を読めばすぐに分かります。

空席の多いこじんまりとした映画館にわざわざ並んで座る二人の表紙が印象的で、自分は表紙買いでした。
表紙と中の絵柄にほとんど差はないので、表紙買いだとがっかりすることはないと思います。

チャラ男はおバカだしメガネは根暗なので関係性がなかなか進まず、続編来いよ~!って感じの終わり方です。次回作に期待したいです。

(2016年12月30日読了)

1

著者はきっと人間観察好き

映画を観る都度、何故か隣に座る奴がいる。
独りで見たいのに、何故かいる。そしていつも猛烈に食っていたり、泣いたり、話しかけてきたり、煩い。
映画が終わって、いつものようにそのまま別れる二人。
金髪の男は大学生。メガネの男は会社員。
実は・・・独りで見たいメガネ男は転勤で転居するので、その映画館にもう行けない。
メガネ男は、引っ越し作業の途中、映画のパンフレットをめくりながら煩い男を思い出す。

そして引っ越した町の映画館の中で、その男に「あんたに会いに来てんじゃん」と言われたことを思い出して・・・片道2時間かけていつもの映画館へ足を運ぶ。

まるで映画のシーンをコマ割りで描いたようなマンガ。
一番最後の「みんなのレビュー」が、ほほえましいというか、みんなに迷惑かけながら生暖かく見守られていて面白い。「まだなにも」という映画館の館長の言葉。二人の進展状況は分かりやすくて、みんなにバレバレなんだー。みんなに、映画のように鑑賞されている二人の恋って、想像すると少し恥ずかしくなります。

味わい深い作品ですが、なんとこの作品がデビュー作なんですって。
実力派だと思う。
多分、人間観察フェチ(fetishism)。

映画館でなければ味わえない臨場感が私も大好き。でもコロナ禍が終わるまで辛抱しなきゃ。

0

何度でも読みたくなる

作者さん買いです。こちらがデビュー作と今さら知り、驚いているところです。
表紙も素敵。

名前もお互いに知らない正反対の2人が映画館で出会い、無自覚に惹かれていくお話。
これ、この2人きりのお話だったら、いい感じに進まなかったと思うんですが、周りの人たちがいい感じに作用してくれて(敢闘賞は館長)、ようやく何かが始まった状態までいっております。

友達じゃない、恋人でもない、名前のない関係が動き出す…その瞬間を切り取ったようなむずキュンなお話でした。
このじれったい関係で終わってるのが良いのですよね。
続き見たいというのは野暮でしょうか。この2人、めちゃイイので、もっと見ていたいです!

0

クセになるコーラ

評判が良かったのですっごくすっごく期待して読み始めましたが、ダメでした。まさかの事態に自分でも驚いています。

先達のレビューを拝見するに、これは無自覚×無自覚を楽しむモノなんだなと理解。それなら自分が萌えられなくても仕方ないか…というのもせっかちかつ自己理解をハッキリさせたい、させて欲しいという欲求が強いので、曖昧にしたものに魅力を感じられないところがあり。答えが欲しい。(ただし正解がわからないとか、正解がないというのもまた一つの答えではある。それは受け入れられるから結局自分のさじ加減なのかもしれない。)
動機をぼんやりとさせたまま、毎週数千円(映画代、パンフ代、食事代を含めれば毎週1万弱使っているのでは)を使い続ける彼のストーリーに入り込めなかった。

そもそも映画館で喋る、寝るということが許せないので序盤からくじかれてるんですけどね。

まずいと思っていたコーラに実ははまっていた、というのが隠喩なのはわかるのだけれど、自分は結局苦手な味のままだったな…

読み返して感想変わることを望んでおります。

2

とてもいい!

もう何回も読んでるお気に入りの一冊です。
映画館で知り合った名前もしらない全然タイプの違う
なんとも言えない友達未満の2人の萌え萌えなお話。
タイトルも素敵だしはじめは電子で買いましたが
暗い映画館で2人が並んでる本の表紙デザインが
実際見たらとても素敵でエロもなしなのに本でも買ってしまいました。
名前も知らない年齢や趣味も全然ちがう2人が
毎週約束もしないで一緒に並んで映画を見てる。
って設定がもう最高に萌えです。
真面目メガネが転勤で街の映画館に来れなくなったにもかかわらず金髪ヒゲチャラ男に会いたくて片道映画一本分かけて毎週映画館に通うという。
何回も読んでると年上映画ヲタのメガネ君は
すんごいめんどくさい奴で全然かわいくない。
なんであんな奴に会いたいんだろうってずっと納得できなくて1人で勝手に怒ってる。
まあわかりやすい思いの裏返しな訳だが相当な困った君である。
対して金髪ヒゲチャラ男はアホだけどおおらか?愛嬌のある奴でひょうひょうとしてるし友達にも好かれてるしで天然タラシなんだろうな。
最後の「みんなのレビュー」がめっちゃ好きです。
周りから見た2人。
ふだんいいかげんな金髪がメガネ君に会いたすぎて
時間は守るはドタキャンはしないしで
友達からみても完全にホモってゆうね。
なんやかんやうまくいきそうな2人。
大好きです。

1

メインキャラの魅力を理解しきれず

 全体的な雰囲気はとても良かったんですが、正直萌えたかと言われるとほとんど萌えは得られなかったかな、と思いこの評価に落ち着きました。まず、時尾の性格があまり好きになれず。人を苛々させるけどなんだかんだ憎めない奴、的な立ち位置なのですが、ひょうきん過ぎる性格は私には魅力的に感じられず、ただ無鉄砲で周りの状況を理解するのが遅いキャラという印象が残っただけになってしまいました。

 対する倉持も、根暗で時尾に苛ついているシーンがほとんど。お互い相容れないジャンルのキャラが仲良くなっていく展開は好きですが、この作品は最後まで2人の距離がそんなに縮まったようにも見えず、萌えどころがないなと思ってしまいました。映画で繋がる関係というのがとても素敵だっただけに、ハマれなかったのが残念です。

1

なるほどこれはいい!

真面目地味なメガネくんと見た目も性格もフットワークも軽い金髪ピアス顎ヒゲくん、
待ち合わせていたわけでもないし名前も知らないのに
同じ映画館で映画を毎週観るようになっていたなんてスゴイ!!(語彙)
メガネくんはちゃんと映画観に来てたけど
金髪くんは上映中話しかけてきたり5分で寝ちゃったりお前なんなんだ感が激しかったんですが
メガネくんが引っ越した先に捜しに行くなんてギャップの塊過ぎてやばい…………。
誰とでも仲良くなってすぐ連絡先交換して437人友だち登録してるとか引くんですけど
映画館以外の接点がないメガネくんと仲良くしたいってもうお前…お前ぇええええ!!
騒がしい系は苦手なのでメガネくんに感情移入しがちでしたが
金髪くんの憎めなさがじわじわきます。
金髪くんの友人の言うことがごもっともで
“合わないなら無理して仲良くすることはない”んですよホントに。
でも会いたいってもうお前…………!!!のループが楽しかったですww
急展開で「俺、あいつのこと好きなんだ」みたいにならないところが好ましかったし
キスだけ(しかも触れるだけ)でも充分に萌えられました!!

2

友達とは?

アイツとメガネ君は何故か寂れた映画館で毎週隣に座って映画を観てる。終わったらまたと言ってすぐ別れる。

本当はもう引っ越しで会えないのに言わないメガネ君。

アイツのコミュ力の高さとメガネ君のこじらせた所が対称的ですね。
アイツはメガネ君が気になって仕方ない。
メガネ君も自分に会いに来ていたアイツが気になって結局毎週特急に乗ってまたいつもの映画館に通って。

距離を縮めようとするアイツと簡単には友達にならないメガネ君。
でもメガネ君のことを知りたい会いたいアイツ。
メガネ君も映画のパンフレットを見返してもアイツの事しか思い出せない。

酔ったメガネ君をラブホに運んでチューしてしまうアイツ。
その後もいそいそと会う二人。どうなるのかなあ。

簡単には心を開かなくて頑なでグイグイ来られて戸惑うメガネ君に共感できるし、メガネ君が気になって仕方ないアイツを応援したくなります。

1

“好き”の言葉が出てこない恋愛

約束してないのに、「また」隣に座る
小さな映画館から始まる関係

名前も知らない、連絡先も知らない
赤の他人?友達?

「あんたに会いにきてんじゃん」金髪大学生が言うから
片道2時間弱かけて、行き慣れた邪魔しかしない君の隣で映画を見る

「会いにきてんだよ。お前に。」メガネくんがそう言うから
知らない土地の何処にいるかわからない、君を探す

「『仲良し』とは?」
性格も歳もノリも合わないのに、仲良くなりたい。
何考えてるんだろうと君を思う。



タイトル通り、「好き」と言う単語が出てきません。
お互いに名前呼びもないです。
映画好きなメガネくんが、映画のパンフレットを見て、金髪くんを思い出したり
金髪くんが、友達の会話に「メガネくん」を多発したり
ただただ、それだけで、二人が惹かれあってることがわかる作品です。

ちょっとしたところで、笑える部分もあって
DVDの返却延長費が7万超えてるとか。
メガネくん何考えてるのかなって考えてる時の金髪くんのパーカーに
「What dou you THINK?」ってプリントされてあったりとかとか。
何度読んでも、笑えてしまいます。

金髪くんの友達二人や、映画館の館長さん、常連のマキさんたちが
ただ一緒に居るだけだった二人の関係性を、進展させてるのも
なんだか微笑ましくて、こういう関係性って面白いなって思います。

一緒に居て楽しいわけじゃないのに、っていう不思議な恋愛。
きっと、二人はお互いに何処が好きとかもないんだろうなっていう
類は友を呼ぶって言うからこそ
未知だからこそ、知りたいし仲良くなりたいって思うのは、
友達じゃなくて、恋愛として好きになるって言うことなのかもなって
しみじみ思いました。

この作家さんの、間の抜けた顔の絵が好きです。

2

これが恋か

ただの他人が、顔見知りになり、"あいつ今日来てるかな?"と気になって、"あれ?今日いないの?"といることが当たり前になる…近づいていく心や相手との探り探りの距離感に、初めて恋したようなキュンキュンとする気持ちを思い出させてくれる、すっごく素敵な作品でした(^^)
"映画館"という、身近な場所ですが"わざわざ行かなきゃ行けない"場所に、何をしに行くのか…いや、それは勿論映画を観るためなんですが、その"特別な場所"に、あんたに会うために行く…。複雑な感情の中に、シンプルな"好き"を感じました(^^)

時尾と倉持、エロシーンなどはないので、どちらが攻受かは分かりませんが、そんなことも読み終えてから気がつくくらいに、一気に読んで引き込まれた作品でした!

0

君とここにいる理由。

本当は「新年一本めのレビューは、この作品でいこう」と意気込んでいたのですが、一年越しになってしまいました。
読後に、旅立ち…とか 門出…とかがすごく浮かんできて、背中を押されたような気分になるんです。

【レビュー】と表された 16頁のプロローグ的なお話で、ストーリーは幕を開けます。
もうこの部分だけで、この本を買った意味があった…と思いました。あっ。表紙買いしてしまう程、装丁も素敵なんですけど。
絵も好きだなぁ。時尾君の服が、いつも目がチカチカするような模様で 見ていて楽しい。

知らないうちに親友ができて 楽しければ万事オーケーな時尾君が、二人でいる時の沈黙の気まずさを初めて知ったり…
休みの日は外へも行かず自宅で映画ばかりを観ている倉持君が、嫉妬や やきもちや羞恥心を露にしたり…相手の言動に深い意味や意図を見出だそうとしたり。

年も趣味も性格も全然違う二人の時間が少しずつ重なっていく展開にソワソワします。
何より「君に会いたい」、そのストレートな想いがとても心地いい。
それに、二人の不器用な関係を際立たせるような 登場人物の構成が細やかで素晴らしいんです。

特別に しびれる展開があるわけではないし、あらすじを説明すれば数行で書ける内容なのに、何でこんなに心に残るんだろう。
理由を上手く言い表せないまま、レビューを書き終えてしまいました。

4

形になりそうでならない、気づいてるようで気づいてない

かなり久しぶりに琴線に触れた作品。
楽しいわけではないのに、会いたい、一緒にいたい。
そんな2人が少しづつ、本当に少しづつですが、恋に近づいて行ってる様が凄く伝わってきて、たまらなく愛しい気持ちになった作品です。
このもどかしさが良い様な、けど2人の想いの行き着く先を見届けたいような・・・。
あほの子っぽい攻め君が、受け君との恋に溺れていくのを、やはり見てみたいと言う欲求が捨てられません。
是非続編を執筆していただきたいです。

3

ねぇ 気づいてよ、それって・・・

いや〜これ、面白かった〜!

この作品は 私がトピ立てした「ちるちるのランキング圏外だけど、心の琴線に触れた作品を教えてください」
http://www.chil-chil.net/answerList/question_id/4967/#ans_72025
で教えていただいたのですが、これ教えていただけて本当に良かったです。
自力ではこの作品は見つけられませんでした。教えてくださりありがとうございます。

一人で映画を観るのが好きな倉持。ある日、近くの席ですすり泣く男がいた。
失恋して家に帰りたくないからふらっとここに入ったとボロボロ泣く彼にハンカチを貸す倉持。
それ以来、ちょくちょく現れては、必ず隣の席に座るように・・・。

隣に座るようになったのは金髪大学生の時尾。よく喋るチャラい男で寡黙でややコミュ障ぎみの倉持とは真逆の性格。時尾はじっと黙って鑑賞せず、何かと話しかけてきたりと五月蠅くて仕方ない。

ある日、倉持は転勤が決まり、引っ越しする事に。引っ越しの梱包の際、映画のパンフレットを見つけてめくってみると、思い出されるのは映画の内容ではなく隣に座っていた時尾のことばかり・・・。

映画なんて好きでもないのに倉持に会うためだけに、映画館に来ている時尾。
引っ越した先に大きな映画館があるにもかかわらず、片道二時間、往復で5000円もかけて元の街の映画館へやってくる倉持。
だけど連絡先どころか名前すらまだ知らない二人。

二人の行動力の源は「会いたい」から。

無口な倉持が「会いに来てんだよ!!わざわざ片道二時間もかけてっ お前にっ!!」って言ったシーン。
うわー!と最高にキュンキュンしたんだけど、これ、告白シーンでもないんですよ、彼らにとっては。
こんなのほぼ告白でしかないでしょぉ・・・!って思うんだけどね。

その後もすれ違いで会えなくなった時尾が倉持を探しにやってきたり(毎週末・一ヶ月近くも、都度5000円かけて)お互い、相手のことを悶々と考えてみたり・・・

二人が相手のことを考えたり追い求めたりする姿が読んでて堪らなくてニマニマしちゃいます。
でも二人は何がそうさせるのか気づいておらず(倉持のほうがすこーしだけ気づいてるかもしれないけど認めたくない)二人の間で恋はまだ始まってないんだけど、次第に周りの方があいつらって・・・と気づいちゃう。

水と油みたいなこの二人がちゃんと恋を意識して付き合い出したら、どうなるのかなぁと読後の妄想も楽しい一冊でした。

12

毎回隣の席取るのって、結構難しいと思うよ

客席に並んでいる二人がスクリーンに映っているカバーデザインが素敵です。
エンドロール風に配された文字もおしゃれ。
映画館で偶然隣りに座った、煩くてジャマなチャライ大学生。
一度だけならまだしも、何故か毎週、隣りに座ってきて…。
友人でもなく、何か約束があるでもなく、映画館の中でただ隣り合うだけの関係が、いつしか相手に会うために映画館へ通っている。

その気持ちの名前は、
その気持ちの名前を知らないわけではないけれど、その気持ちの名前を認めることができないメガネ君と、
その気持ちに名前があることがまだわかっていないチャラ男くん。
この二人が、その気持ちにちゃんと名前を付けるまでの物語。
ストーリーとしては恋の始まりのモダモダを描いていて、エロ無しでも納得のできだと思いました。

3

まだまだこれから・・・の2人

ちるちるに紹介されていて、特に表紙が印象的だったため購入しました。
最初、攻め様が苦手なタイプ(チャラ男系苦手で・・・)で、一瞬たじろいだものの、ストーリーに引き込まれて途中から気にならなくなりました。
究極のすれ違い話で、設定は地味ながらもある種ものすごくドラマチックで、一冊丸々表題作なので、読みごたえもあり、一本の映画を観終わったような気分になりました。
お互い再会できるのだろうか・・・というドキドキがあり(ちゃんと会えるかな、見つかるかな・・・と本当にはらはらドキドキします)、その後連絡先が分かり、やり取りするようになってからも些細なすれ違いがあったり・・・と目が離せません。
まだ2人の間では色々自覚し始めたばかり。付き合う未満でお話は終わりますが、それまでの過程をじっくりじれったくもどかしく、そして時にほほえましく楽しむ事ができる一冊でした。
キーパーソンの映画館主も良い味出しています。

2

萌えにくい。

恋愛成立以前の段階を描いたお話です。個人的には萌える設定で、もっと増えないかな~と思っているのですが、この作品はあまり相性が合わなかったみたいです。。

ネクラで映画好きなメガネの倉持と時尾英次が映画館で知り合う物語。時尾が名前のみの紹介なのは、キャラの内面がよく伝わってこなかったから(汗)

映画館という場所で、全く接点のなさそうな二人が出会うって素敵です。メガネくんのほうは既に「始まって」います。きっかけは転勤。名前も知らないあいつ。映画を観る時邪魔くさいのに、映画の内容よりも気になるあいつ。結構な時間を掛けて、あいつが現れる馴染みの映画館に通うのはなぜなんだろう…

その「あいつ」こと、時尾は大学生。同じ空間で、同じ時間を過ごせるヤツはみーんな友達扱い。だから、名前は知らないけど、よく顔を合わせるヤツらもたぶん、時尾にとっちゃ友達。それが「学生生活」でしか通用しないセオリーだということに、時尾が初めて気づくのは、映画館の外でメガネくんと二人きりになった時。友達なのに話が全然盛り上がらないってこれ、どゆこと?

時尾が軽くってちょいアホで、おめでたいキャラ設定なのは重々承知してますが、大学生になって友人と親友の違いについて考えるなんて…、なんか笑えなかった。。なんにも考えてないからキスしちゃうんだろうな…。彼はどういう人生を送ってきたんだろうか。。。

その対極に位置するのがメガネくんというわけなんだけれど、彼の方もどうして映画が好きで、時尾のことが気になってしまったんだろう。友達いなかったのかな?もともとゲイなのかな?

絵(頭身が気になるところがあるけど)、キャラ設定、二人の気になる関係性、映画館という場所、ところどころギャグ要素を散りばめたトーン、キャラの立つ脇役達、タイトルのセンス。全て漫画として十分すぎるくらい成立しているけど、物語として訴えてくるものがわたしには希薄でした。続編ありきだったら、ちょっとズルいかも。

ちるちるBLアワードの表紙部門にもノミネートされたように、カバーデザインが素晴らしいです。あと、回想シーンのセリフで使われるセリフのフォントが、映画字幕風なのも凝ってますよね。個人的にはストーリーにも萌えられたらもっとよかったのにと少し残念でしたが、色んな意味で次作が気になるお話でした。

5

表紙が中身を表し切っている

評判をうかがってから買うつもりだったのに、店頭で見かけ、買って帰らずにはいられなかった漫画です。

読んでみて、絵といい、話といい、表紙から受けた印象そのままの、とても良い作品だと分かりました。

エロ大好きな私が、エロが皆無なことを少しも惜しいと思わないなんて凄い、と感心しています。

続編が刊行されたら、もちろん絶対に買いますが、この物語はここで終わるのがベストなのではないか、という思いもあり、続編の要望を出すのがためらわれます。

それくらい、満足のゆく作品でした。

4

最初から最後まで楽しめた

店頭で一目惚れして購入してしまうほど魅力的な表紙です。
「漫画を読む」というより、気づけば「映画を見ている」ような感覚になる不思議な作品で、見せ方が非常に上手いといいますか、読もうとせずとも勝手に脳内に全部が入ってくる感じといいますか。

お話としては、見知らぬ二人がだんだん友達になっていく様子が描かれているんですが、友達かどうかすら怪しい二人の、縮まったりすれ違ったりする距離と心情に、BL心が湧き立ちます。二人は恋未満なのかと思いきや、それぞれが相手のことを考えているシーン(たくさんある)では、キュンとせずにはいられない、萌えるんです、とっても!

そして、駆け出す体、シクリと痛む心、会えた時の心臓が止まるような衝撃といった重要なシーンにおける、二人と自分がシンクロしたような感覚に圧倒されました。なので、控えめのストーリーであるのに、最後まで失速することなく物語に夢中になったまま読み終えていました。

また、味のある面白い脇役がたくさん出てきます。ポンポン飛び交う会話も、人柄や個性も本当に楽しくていい人たちばかりです。にも関わらず、わき道に逸れることなく、最初から最後までブレずに、主人公二人にスポットライトが当たり続けているところが素晴らしい!と思いました。まるで名俳優、名脇役、名監督によって作られた映画のようだなと。

それぞれが相手のことばかり考えるようになって、正体不明の感情に戸惑いながらも、ようやくお互い向かい合い始めたイイ~所で、物語は終わっています。
ラストコンテンツでの、通りを眺めるメガネくんの横顔がもうっ・・・もう~っ。
これから先はこういう顔を拝めるのか?と思うと、続編を望まずにいられません!

7

まだ名前のない、会いたい気持ち

日乃チハヤさんのデビューコミックス。
装丁が素敵で気になっていて、EDGE COMIXなら間違いないだろうと購入。
結果、やはり間違いありませんでした。
絵柄がきれいで、特にアップの表情が魅力的。ストーリーもすごく好みです♪

感心したのは、今作の第一話目を飾る『レビュー』を
日乃さんご自身がOPERAに持ち込んでデビューが決まった、ということ。
個人的な印象ですが、情熱や運命的なものが感じられて好感度が高まります。

さて、作品について。
性格も見た目も正反対、歳も社会的立場も何もかも違うふたり。
仲良くないし、名前さえも知らない、
それでも毎週隣り合わせで映画を観るという奇妙な関係。
映画館で隣に座るチャラい金髪大学生のことが
迷惑で仕方がなかったコミュ障気味社会人メガネが、
引っ越しても尚、その映画館に通い続ける理由とはー

今作の見どころのひとつは、
ノンケ×ノンケである上に無自覚×無自覚であること。
故に、お話自体はゆっくりじわじわ(でもテンポ良く)進んでゆきます。
ややもすれば、じれったさや物足りなさを感じがちですが、
キャラクター設定がとても魅力的なことや、
メガネとチャラ男の視点を入れ替えてお話が描かれているので、
飽きることなく新鮮な気持ちで物語に向かうことができます。

それから、脇役たちの主役CPへの絡ませ方がすごく巧い。
映画館長さん、常連のお姉さん方、チャラ男の友人たち。
それぞれがふたりを見ていて、『何かこのふたりって...♡?』と気づくのに、
当の本人たちは無自覚で(笑)
それを敢えて本人たちに口にしないところがまた (*´-`*)

この物語でふたりはキス止まりです(と言って良いのか)。
甘い台詞もありません。ましてや恋の”こ”の字も出てきません。
それでも、相手に”会いに行”くという描写が、そのひたむきさが、
わたしたちのBL魂に萌えの火を点けてくれる。
ニアBLとは言わせない存在感を放つ、非常に魅力的な作品です。

まるっと一冊表題作CPのお話が楽しめる今作。
じわじわ恋に向かっていく過程を堪能しいたい方に、特におすすめします☆
恋を自覚したふたりが見たいので、続編を是非...!!

11

無自覚×無自覚の過程をジックリ。

久々のパケ買い。
タイトルと表紙にヤラレました。

最初、映画館で並んでる2人のイラストだと思ったのですが
よく見たら 彼らはスクリーンの中にいるんですよね。
観客は本を手にとった側の人達。
帯の煽りは字幕のようになってて
OPERAさんらしいオシャレな表紙です。

さて、内容はと言いますと。
無自覚×無自覚の2人が自覚のないまま逢瀬を重ねる過程を
丸っと1冊かけてジックリ描かれています。
個人的な好みで評価は抑えめですが、
恋が始まるまでの過程がお好きな方にオススメしたいです。

お互い名前すら知らぬまま、ただただ一緒に映画を見るだけ。
いつしか「映画」ではなく「会うため」に映画館へ。

1人はチャラ系リア充パーリーな金髪大学生。
1人はコミュ障で映画を観るのが趣味の社会人。

全くキャラの違う2人は会話が噛み合う事がなく。
でも存在が気になって気になって。
だけど『恋じゃない』という状態がもどかしい!!

彼らはなぜ会いたいと思うのかについては考えないんです。
2時間かけて彼に会う映画館へ赴いたり、
すれ違って会えなくなったら、あてもなく探し回ったり。
それは「会いたいから」以外の理由がないという…。
"うぉぉぉい( ゚∀゚)っ"とツッコミの一つでも入れたくなる。

そんな彼らに関わる周りの人々。
映画館の館長さん・映画館で度々一緒になる他の客・金髪くんの友達。
周りの人から見た彼らの話がすごく良かった〜(∩´///`∩)
無自覚な彼らが無自覚に求め合ってる姿にニヤニヤしちゃう。
恋人同士みたいなのに付き合ってないって!!!
ラストが最高に萌えでした♪

10

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