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usotsukitachi no nagai yoru
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
ちぃさんの過去のお話
『僕の可愛い酔っぱらい』の続編。ちぃさんの過去編という事で楽しみに読みました。内容をざっくりと。すみません、ネタバレしてます。
恋人同士になって1か月たったちぃさんとヒナ。
今までの恋人たちには感じたことのないちぃさんへの嫉妬心や束縛心を、自分でも持て余してしまうヒナですが、ちぃさんのことが大好きで仕方がない。
で、ちぃさんは、というと常に一歩引いた立ち位置を取っていて。
男同士の恋愛に対する世間の目。
ノンケのヒナを、「こちら側」へと引き込んでしまったというちぃさんの負い目の感情。
ヒナは賢い子なので、ちぃさんのそういう感情の機微を正しく読み取り、ゆえにそんなちぃさんをより一層愛おしく想う。
少しずつ、けれど着実に恋心を育てていく二人ですが、そんなときにちぃさんの元カレが現れて…。
というお話。
ちぃさんは子どもの時からの親友・久志（ひさし）が好きでした。けれど、久志はノンケさんで、友達で。彼への恋心を持て余したちぃさんは、彼の元から逃げるように上京します。
そこで出会ったのがちぃさんの敬愛する先輩のシゲさんの友達の壽（ひさし）。
壽もまた、叶わぬ恋をしていて。
壽を、恋い焦がれる久志と同じ読み方をするという、ただそれだけの理由で求めたちぃさん。
そして、自分の好きな男の気を引きたいという理由からちぃさんと付き合いだした壽。
そんな歪んだ関係を、自分の引け目から引き留めることのできなかったシゲさん。
少しずつ歪み始めたちぃさんと壽の関係は、ちぃさんが久志に気持ちを伝えたことで破たんし。
暮田さんの描き方なのかな、三人の感情や行動をはっきりと描かれることはない。ベールを一枚挟んだような描き方をしているので、わかりづらい。
なのでもう少しはっきりちぃさんの過去の切ない恋を描いてほしいと思う一方で、これが暮田さんの「味」なのかな、と思ったりもするのです。読み手によって、想像する先のストーリーはちょっとずつ違うのかも。
壽は、きっとちぃさんを愛し始めてたんじゃないかな、と思いました。
だから久志をえらんだちぃさんのことが許せなくて、わざと傷つけるようなことを言っちゃったのかな。と。
久志と壽。
二人のひさしに傷つけられ、恋に臆病だったちぃさんが、ヒナという存在を得て癒されていく。その過程に激萌えしました。
この二人のその後も読みたいし、壽にも幸せになってほしい。
そして優しく健気なちぃさんを見守る周囲の優しい仲間たち。
ぜひとも続編を描いてほしいな、と思います。まだまだ続きが読みたいです。
まだ人を愛することができる！
前作は恋っていいなーってキュンキュンさせられるかわいい話でしたが、続編は心臓をキューッと締め付けられるように辛いちいさんの過去が語られます。
「まだ人を愛することができる」この言葉に重みを感じるストーリーです。
イケメン大学生のヒナは初めて人を好きになって、いままでじゃ考えられなかった嫉妬をしたり、知らない自分を見つける。
そしてちいさんがどんなに自分のことを考えてくれているかに気付くたびに、ますますちいさんを愛しく思うようになる。
ちいさんもヒナと一緒にいることがすごく幸せそう。
でも、そこに、ちいさんの過去の男・飯島が現れ、ちいさんの幸せを揺さぶってきます…
ちいさんは小学校～中学校～高校と、ずっと親友の久志のことが好きだったけど、二人は親友のまま変われないから、側に居るのが苦しくて、先輩で居酒屋店長のシゲさんに誘われるまま上京した。以来、故郷にも帰っていないし、久志にも会っていない。
そして、同じ壽（ひさし）の名前を持つ飯島とカラダの関係を持つ。
飯島はシゲさんの大学同期で、シゲさんへの叶わぬ思いをちいさんにぶつけ、ちいさんをメス犬のように扱う。
ちいさんも久志を好きなままで、肉欲を感じずにはいられないから、飯島とのセフレ関係を利用してるんですが、そんな自分を汚いと思ってるんですよね…
そんな時、4年ぶりに久志がちいさんに会いにやってきて、ちいさんは堪えきれずに想いを伝えてしまうと、久志は「考える」と言ってくれるんです。ちいさんの恋に初めて見えた小さな光。
それを飯島が最低最悪な形で粉々に砕き、ちいさんはボロボロになってししまう…
たぶん自分が傷ついたことより、大切な人を傷つけてしまったことのほうが、ちいさんには辛かったはず。
親友だった久志とは絶縁状態になって5年、誰にも迷惑をかけないように、誰も傷つけないように、小さな体をさらにちぢこませて生きてきたのが現在のちいさん…
前作で、ちいさんが「誰かを好きになれる」ことに安心したのは、シゲさんがちいさんがまだ人を愛せることを喜んでくれてるのは、この辛い過去があったから。
あんなにボロボロになったちいさんが幸せをあきらめずにいれたのは、シゲさん、奥さん、同僚（後輩）のフネ、ちいさんをわかってくれる人たちがずっと見守ってきてくれたからだと思う。
シゲさんが飯島に「ヒナは正人（ちいさん）が幸せになるための種だ、ほじくり返さないでくれ」と釘をさすんですが、そのちいさんの土壌が腐ったままにならないよう、気にかけて守ってきた周りのあたたかさにも泣けてきます。
だからヒナって種が育つことができる！
辛い経験なんてしないで済むなら無いほうが絶対にいい。
でも、あんなに辛い経験をしたちいさんだから、思いやり溢れるいまのちいさんになって、ヒナを惹きつけることができたんだとも思う。
ヒナにとっては初めての、ちいさんにとってはやっと未来に歩き出せた大切な想い。
どうか幸せなままでいて欲しい！
完璧な悪役な飯島ですが、他にも『チェンジワールド』の穂積、『VOID』のレン、私はこうゆう悪役の胸のうちが気になるんです。
性善説を信じてる（信じたい）からかもしれませんが、悪役になるしかなかった理由みたいなものを、悪役側の視点から読んでみたいです。
恋に臆病なちぃさんの過去が明らかになる
ほのぼのの酔いどれとは違ってちょっと辛いお話。
でもちょっとしんどい程度なので、しんどいのが苦手な人でも大丈夫だと思う。
ちぃさんが辛い恋をしてきたんだろうなと思ってたけど、ゲスな人と付き合ってた？セフレ？だったんだな。
寂しいモノ同士だったからか、周りにゲイが居なかったからか？あんな男と付き合わなくてもなーと思ってしまう。
しっかりしてるちぃさんでも心の寂しさは我慢できなかったのかな。
フネさんが昔からちぃさんに懐いていたの、なんだか嬉しい。そして昔のフネさんカッコイイし。
ヒナはしっかりとちぃさんを捕まえていて欲しい。
ちぃさんを甘やかして欲しい。
何となく物足りないような終わり方だった。もうちょっと先があるんじゃないかな？ページ数が足りなくて中途半端なのかな？という物足りなさだった。
作者さんが完結と言っておられるので、終わりなんですね。
店長が昔からちぃさんに優しい訳や、店長の嫁さんもちぃさんに優しい訳とかも知りたかったな。
ヒナとちぃさんと店長とフネさん、よっしーも、みんなで幸せでありますように。
ちぃさんにそんな過去が…
この作品は誰一人としていらない脇役がいないですね。それぞれが色んな思いや経験をしていて、時には酷いことをしたり、嘘をついたり、隠したりするけれど、根本的に悪い人がいないように感じました。
前作でくっついたひなとちぃさんですが、ちぃさんが必要以上にゲイということに引け目を感じていて、付き合うということに自信がないのはなんでかな？と言う疑問が過去のお話となって描かれています。
そして、ちぃさんに起こった過去の事を聞いても揺るがないひなに拍手。
あ、個人的には寡黙なフネ×ひねくれ壽の組み合わせとか無いのかなぁと妄想してしまいます。
続編だったー…
既刊を未読で続編としらず購入してしまいましたー…なんてこと…。
メインカプはもう付き合ってる設定なんだー…と初めは思ってましたが、読み進めていくうちに、ん？このご存知感なんだ？？
となってこちらへやってきました。
あーーーやってしまった…。
なんかやたら周りの理解あるし、昔から知ってる設定なのに説明とばすなーとか、そりゃそうです。
んー既刊を購入するかすごく悩みます。
メインカプがくっつくまで、も気にはなるんですが、それよりもこの作品のヴィランズ、壽、とんでもないやつで、後書きにもとんでもない設定かかれていて、こいつこそ救いが必要なんじゃないかと思いました。
クズ&ゲスなんですが、そこにいくまで絶対苦しみとか葛藤とかあるタイプでしょ！って思いました。
壽編、でてないかちょっとさがしたいな…。
