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osananajimi to kosodate diary
このレーベルから出ている本ですので
別ページ掲載の作者様インタビューと
他のラインナップを参考に、関係性の
深浅についてはお察しください。
簡単そうで難関な主題に対しかなり
しっかり筆を奮った作品と評者は
受け止めましたが、登場人物各位の
バランスについては読者それぞれの
立ち位置により判断は分かれてしまう
だろうと愚考します。
物語としてはほぼ回収できており、
過不足はないと評者は受け止めましたが…。
強いて言えば線が一本抜けていても
良かったかも知れないかな、と。
それでもきっと落ち着くべき所に
落ち着けるでしょうし。
攻め受けどちらかに固定された目線じゃなくて、どっちもある場合、結構な確率で満足度が上がるのが常ですが、この作品は例外でした。
両サイドのこころの動きが見て取れているというのにどうしてだろうと思ったら、両方ともガツーン!とくる瞬間がなかったせいでした。
どっちも父子家庭で隣同士。
彼女のいる親友の秋生のことを好きなノリ。
そんなノリの生活の面倒を見てくれていた姉が子連れ離婚して、単身ロンドンへ行くことになって…。
秋生の助けを借りて姪っ子の面倒を見ることになるのですが、最初からノリが秋生を好きというのが分かっている状態で始まるので、ぐいぐい来る秋生が無神経に思えてしまうマジック。
姪っ子の迎えに来たDK叔父さんとその友人に、保育所の先生が「どっちが旦那さん?」っていうの、言います?この質問、後半にも出てくるのですが、その度に秋生が「俺が旦那です」って言うのにもイラッとしてしまったわたしは、大変こころの狭い人間です。
2人で姪っ子の面倒を見て、生活能力のないノリに代わって秋生がごはんを作って、という日々が続くので、当然秋生の彼女からしたら不満が出るわけで。
その後の流れ的には想定内に進んでいくのですが。
さて。
物足りないポイントに参りたいと思います。
メイン2人の考えていることは逐一モノローグで分かるのですが、この思考が問題でした。
ノリは「秋生が好き…」をぐるぐるしているだけなんです。「諦めよう」とか「この気持ちをなくそう」っていう切ないターンが来ない。ずっと「好き」。そこから動かないんです。「好きなのはわかった。で、どうするの?」ってこっちが正座して問い質したくなってしまうジレンマ。
ごたついた辺りから「自分で何とかしなきゃ」って動き出すのですが、それもタイミングが遅い。
秋生と彼女の方のごたごたが始まった辺りで「自立しよう!そこで一回、秋生を突き放そう!」と何度紙面に向かって声がけしたことでしょう。
一回突き放して、彼女のもとへ戻す→彼女といてもノリと姪っ子ちゃんのことを考えてうわの空になる秋生みたいなワンステップがあったら、より萌えたはず。
健気にがんばるノリを遠目に見て、「オレ、何やってんだろ」ってシーン、欲しかった。
秋生の方も決定打を打たないんです、脳内で。「あ、オレ、ノリが好きなんだ(性的な意味で)」っていう気付きがない。むしろ性的な意味で好きなのかは曖昧。ただ一緒にいて楽しいから、ずっと一緒にいようぜっていうズッ友ノリですよね、あの子。
で、ズッ友宣言にノリが告白してきたから乗っかっちゃったみたいな感じに見えてしまった。
決定打、打ってほしかった…。
かなり蛇足ですが、わたしが親なら、いくら家が隣同士とは言え、血の繋がらないDKと我が娘を一緒にお風呂に入れたくないのですが、これはわたしが変なの?信用してるとか弟みたいなものっていう問題じゃなくて、単純に嫌ですよね?