条件付き送料無料あり!アニメイト特典付き商品も多数取扱中♪
naturally
描きおろしを含む7編収録の短編集。
出逢いを描いたお話はキスまで(そこまでいかないチームもいます)、できあがってるふたりのお話はイたしておりますがエロさは感じませんでした。
ほぼないけどキスの場面が可愛いかった。
あと、泣き顔。ぽろぽろ落涙する泣き顔可愛い。
なれ初めチームの初エッチまで見たい気もしますが、シチュエーションが面白かったのでエロなくても満足!
短編集にありがちな意識散漫+欲求不満な感じにもならなかったです。
それぞれのこれからを読みたいな~!!って気持ちはありますけれども。
市川けいさんの切れ長の目が色っぽさとクリッとした目の語りかけてくる表情が好きです~。
【ナチュラチュラリィ】
「気に入るものも苦手なものもだいたい一緒」な男女の双子の顕とかな。
距離感について周囲から好奇心めいたことを言われるほど「近い」ふたりですが、ある日、顕に上級生の今池龍司が告白したことから関係に変化が現れます。
BL において当て馬か理解者か、という役割が多い気がしますが基本的に「目立つと嫌われる」女子キャラ(笑)
かなちゃんはどうかな~?というと最初は前者気味なんですが、自分たちの仲の良さを否定しない今池の態度に調子を狂わせながらもイマイチ拒めずにいます。
生まれおちた時から一緒だった兄との間に異分子が入る。
それを認めてしまった時の腹立たしいような宙ぶらりんな寂しさと初めての想い。
こらえきれずにボロボロ落ちる涙顔が切なくていじらしい。
気に入るもの…一緒だものね。
BLじゃなかったら…ってのは愚問なんですが思わずにはいられなかった。
そして精神的にも見た目にも距離の近い兄妹を当たり前のように受け入れる今池。
自分に「あわよくば」な下心があることも隠さないで、ふたりを肯定することで自分も肯定されているんだけど策ではなく本心からの自然体。
彼がかなに「ごめんね」という意味がどういう意味だったのか、読み手によって解釈が違うかもしれません。
頭抱っこがいちばん印象に残るシーンだったのはBLとしてどうよ?って気持ちにはならなかったです。
顕の気持ちの描写は少ないけれど、効果的に差し込まれていたと思います。
顕と今池の今後は描かれていないのですが、読後感(余韻)を楽しむ好きな作品です。
【プロローグ】
今池が顕を意識し始めたエピソード。
沸点低めの彼が声を荒げる貴重な場面。
【ベランダにて】
サラリーマン:松田宅のベランダに現れる霊的なものは通勤途中や昼休みに見かける男で…。
松田さんのつり眉とタレ目ビジュアルが好みでワクワクしました!
生き霊さんの「わーん」って感じの泣き顔が可愛かった!!
ただいま、このふたりの「ここから先を見せて!」ってもだもだキュンキュン悶え中。
【カウント3632】
エレベーターに閉じ込められた同士が救出されるまでの3632秒のお話。
空気の読めないローテンション作家へ、もうひとりが脳内でビシバシとツッコミまくってるのに爆笑!
きゅん、とかまったくないんですがコミカルでテンポ良くて楽しい。
【ステップワン】
引かば押せ!!押さば引け!!の策士な高1:花草に告白された上級生の秋宗。
押せ押せだった花草の姿が見えなくなると気になる秋宗というテンプレ。
ひとづきあいが煩わしいと言いつつ、頼まれるとイヤと言えない秋宗って…花草みたいなタイプに絆されるのは時間の問題(笑)
ちょい身長差のあるキス場面も可愛いけど、キスまでしたのにうっかり口を滑らせて放り出された花草のオスっぽい顔が良い~。
【テストプレイ】
おつきあい中のふたりが気まぐれで新しい扉をあけかけているお話。
快楽と賢者は紙一重www
【道連れ】
下衆BLで既読でしたが、「あーもー男ってなー」という感想(笑)
攻じゃなく受がクズという、私があまり選んで読まない新鮮な組み合わせ(笑)
捻れた純愛コンプレックスだな~と思いました。
どれもサラッと読めて面白かったです。
特に好きな作品の感想をレビューします。
・「ナチュラチュラリィ」
こちらは女子BLのアンソロでも読んだことありました。女の子ガッツリ出てきますけど、そういうの苦手な私でも平気でしたね。少女漫画っぽくもありました。二人がくっつく所は描かれてないので見たかったなぁ…もっと読みたい!!
・「ベランダにて」
ある日突然ベランダに幽霊が見えるようになった話です。でも、生霊なので死んでません!安心してください!生霊の子が失恋して泣いているのとか、自慰してるのも見えちゃって…そりゃあ、意識しちゃいますよね…この2人もすごく好きだなぁ…もっと読みたい!!
どれもその後がどうなったのか知りたい…と余韻を楽しめる。
読み切りならではの魅力が詰まった作品集だと思います。ガツンとくるタイプではないですが短編としてうまく〆られていて、短い中にテーマを絡めたBL作品としての面白さと、プラス何かほかに感じるものが、しっとりと残る作品たちでした。自分は収録作品の多くが既読だったので、今コミックスではもう少し先が読めるかなと期待した分ちょっぴり残念な気持ちもあります。でも、表題作の描き下ろし(12ページ)が読めてよかった。
<収録作品と初出>
■『ナチュラチュラリィ』初出:女子BL
■『ベランダにて』:よみきりCitron 2015Spring
■『カウント3632』:MAGAZINE BE×BOY 2015年5月号
■『ステップワン』:Daria 2013年12月号(フロンティアワークス)
■『テストプレイ』:痛いエロ(ふゅーじょんぷろだくと)
■『道連れ』:下衆BL
■『プロローグ』表題作描き下ろし
(上記+あとがき:200ページ)
描き下ろしはまさにプロローグでした。表紙左・高3の今池が、教室の窓際で外を見ながら「新入生の双子について」友達と話している場面。ちょうど窓の外に双子が…。今池が双子の兄・顕(あき)を認識してから、いつどうして彼に惹かれてしまったのか、今池自身の視点で語られます。
こちらが初めて読む市川作品、という方にはぜひ長編作品も読んでいただきたいです。
市川さんの商業作品は全て読んでいるのですが、これまでに読んだ市川さんの「エロなし」作品よりも萌えの少ない作品が多かったように思います。
短編集で、作品数が多いので、それぞれ簡単に。
表題作『ナチュラチュラリィ』
いつも一緒にいる高校生の男女の双子。好きになるもの、嫌いなもの、全部一緒で、今後もずっと一緒にいると思っていたのですが、ある日兄に上級生男子が告白してきて…というお話。
エロはまったくなく、恋愛感情が通じ合うわけでもなく、ただ双子が双子離れしていくのかな、という感じで終わりました。どっちが受けなんだ…。
双子の妹の視点だったんですが、悪い話ではないのですが、これが男同士の双子だったり、双子兄の視点の話だったら萌えられたかもな…と思ってしまいました。
余談ですが、タイトルが『ナチュラチュラリィ』なせいで、読んでいるとき頭の中で、日曜日に市場に出かけて糸と麻を買ってくる歌の「テュリャテュリャテュリャテュリャテュリャテュリャリャ〜」部分が回っていました。
『ベランダにて』
住んでるマンションのベランダに男の幽霊が出る。その幽霊に見覚えがあると思ったら、付近の会社に勤めるサラリーマンだった、という話。
このキャラのビジュアルが好きでした。市川さんの絵がちょっと変わったかな、とこの本を読んで思いました。目が大きく、BL絵っぽくなった気が。
毎晩ベランダで一方的に見かけている生き霊と、お昼時によく顔を合わせる相手。話しかける訳にもいかず混乱する主人公が、だんだん生き霊くんに惹かれていくのが可愛かった。でも恋愛に移行する前に終わっちゃって肩すかし…。
『カウント3632』
エレベーターの故障で一緒に閉じ込められた2人の話。
これもどっちが受けで攻めなのかわからないタイプの話でした。楽しい話でしたが萌えはなかった。
『ステップワン』
高校生カプです。これは恋愛感情が通じ合って終わったので満足。
『テストプレイ』
恋人同士の強姦プレイな話。
ここまできてやっとエロが出てきました。
『道連れ』
セフレ同士が別れたあと、ちょっといざこざが…という話。
受けは攻めを試していたのか、それとも逃した魚が惜しくなったのか、いまいちよくわかりませんでした。
なんと言っても、表題作の続きを知りたい。
それは、いつも一緒で、恋愛未満の愛情と執着を感じていた双子の、初めての個としての成長。
しかし、兄妹であるという事は、死ぬまで切れない強い結びつきなので。
彼等はやはり何者にも敵わない絆があるのだと思う。今池は、いつまで彼に新しい絆を築いてあげられるのか。恋は、介在可能なのか。それを知りたいと思う。
いつか。双子の妹にも、彼女の世界を広げてくれるような恋に出会って欲しいと願う。
この作品集の中で、好きなのは「ステップワン」
あるあるだけど、追っかけて来ていた後輩が、突然追いかけて来なくなったら。
寂しくて。彼の事ばかり考えてしまっている自分。
実際は、追いかけられてる時も、追いかけられなくなった時も。
ずーっと、彼のことを考えてばかりいるので。とにかくもぅずっと、想い焦がれている。
後輩の思うツボなんだが。それが可愛くてたまらないっていう。
そんな先輩の、どうしようもないところが可愛くて。
気持ちのジレジレを丁寧に描いていて。彼等のその後は分かりきっているんだけど、
やっぱり甘あま後日談は知りたい。
「ベランダにて」
不思議な都市伝説。生きている知らない誰かの生き霊の生態を知ってしまって。
意識せざるを得ない状況に陥る、松平。恋の始まりの不思議な物語。
心が惹かれるというのは、こういう事なのか。それとも、これは予知夢だったのか。
「カウント3632」
心のバリケードが決壊したら、そのあとはもうするすると。恋に落ちちゃうよね?っていう。
コミュ障の売れない作家に魅入られてしまった青年の恋を面白可笑しく描いた短編。
「テストプレイ」
倦怠期でも何でも無い、カップルのある日のシチュエーション・プレイ。
ヘキを暴かれたのはどっちだ?
「道連れ」
人のものだと思うと欲しくなる。欲しくなってしまう。
もしくは、どうしようも無い所に堕ちて行かないと恋をしているという自覚を持て無いのか、危うくて、スリリングなクズ同士の恋。彼等には破滅しか無いのか。その後を知りたい様な、知りたく無い様な。関わる人たちが迷惑なので、二人だけでやってて欲しい。無理だよねー。
描き下ろしには、表題作の「プロローグ」
双子の均衡を破るまでのカウントダウンが始まっている。
可愛い物語も若干あるけれど、やっぱり全体的には不穏なトーンが織りなす余韻が印象的。
彼等のその後は、光か闇か。
いずれの物語にも微かな希望を見出したい気分の作品集です。
色んなパターンの読み切りでした。
個人的には最初の二つが好きです。
最初の双子のお話は、最後が私的にはどんでん返しで、え?!あ、そーゆーこと?!と驚かされました。なので、皆さんにも同じ気持ちを味わってほしいです。
二つ目のお話は、ベランダに出るとどういうわけか幽霊みたいなものがそこに座っていて、でもその幽霊だけじゃなくて、その幽霊の部屋のベッドの端くらいまでも見えるという変わった現象のお話なんです。最初のお話もそうでしたけど、その発想がすごいなと思いました。怖ければベランダに出なければいいわけで、主人公はそれでもそこに出て、タバコを吸う相手がいるみたいな気持ちになっているんです。そこで、彼がよく行く定食屋で会う人だと気づいたり、彼の明るい日常からは想像もできないような、泣きかただったり、一人エッチだったりを見てしまい、どんどん興味が出てしまうという、お話なのですがこのじわじわと好きになっていく感じが短編とは思えない、重厚な感じがしました。でも、これ、付き合ったとして、このベランダでのこと告白するんだろうか?
短編集ですね。
表紙の今池の表情がちょっと微妙であらすじ読んでもどうかなと思って積んでました。
「ナチュラチュラリィ」
何でもいつでも一緒だった双子。兄を好きだと言う男が現れた。
某有名作家さんの少女マンガで男女の双子がすごく仲良いお話を読んだことがありましたがそちらは妹を好きだという男が現れます。
こちらは兄の方ですね。
妹とも仲良くなりたいと言う今池。双子の仲良さに引かず自然体で。
妹が何度も繰り返すいつも何でも一緒だったというモノローグ。
妹は兄離れする時が来たと泣いたのか、自分が今池の一番じゃないことに泣いたのか。
余韻が残るお話でした。
面白かったのは
「カウント3632」です。
小説家と住人のやり取り、住人のツッコミ、小説家のぶっとび発想。
でもその後も仲良くやってるようですね。
「ベランダにて」
どうしてベランダからいなくなっちゃったの?
そもそもどうしてあの部屋のベランダにいたの?
不思議です。住人がいつのまにか本体を好きになって。これからどうなるのかなあ。
他のお話も読みごたえがあり続きが読みたい!と思えるものばかりでした。
短編6本。
表題作含め、実験的というか変化球なお話が多いですかね。
女子目線とか、幽霊相手とか、プレイだけとか、ハピエンか微妙なのだったりとか。
私は「カウント3632」が好きでした。
超偏屈な小説家の思考回路がおかしくてツボった。言動が支離滅裂で意味不明w
すんごい思い込みで
「結婚を前提にお付き合いと言うことでよろしいか」
「よろしくないよ!?」
それにツッコむ好青年もいい。
結局お付き合いするんですもんねw
小説家キャラってたいてい偏屈で変わり者が多いのでもっとBLで読んでみたいです。
(木下けい子先生の「由利先生は〜」、丸木戸マキ先生の「ポルノグラファー」、雲田はるこ先生の「いとしの猫っ毛」、草間さかえ先生の「ワンダーフォーゲル」、朝田ねむい先生の「兄の忠告」の中の短編がおもしろい…は小説家がいいキャラでおもしろかったです)