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「その願い、叶えてやろうか? 人間」
ore no kamisama
『おれの神様』
両親を亡くして以来、親戚に引き取られたもののあまり馴染めず、友人もいない上総の拠り所は、近所にある神社だった。その神社で出会った神様っぽい青年“朱”に
「願いを叶えてやるから身体を差し出せ」
と言われる。
そんな馬鹿な言い分を受け入れてしまうくらい上総は孤独だった。
しかし、その後上総は朱の正体を知ってしまう。
最終的に上総の願い事が叶って、結果オーライではあるが、朱はやりすぎではないだろうか?彼岸花をむしった恨みに加え、恐らく暇つぶし程度のつもりで孤独な少年の心の隙間につけ込んで、身体を奪うのはさすがに酷くない?
少女マンガ的展開は好みですし、モフモフも大好きです。
ただ同時収録の『ひきこもりの処方箋』と『僕の獲物』もそうですが、ストーリーがやや粗削りな印象です。
表題作は半妖ファンタジー。
神様?に見初められちゃった男の子のお話。
長髪に花飾り、ファンタジー系のコスチュームは結構好きだし、朱のお供の狐珠がかわいかったので、楽しかった。
次の「ひきこもりの処方箋」はネットゲームの世界に引きこもっていた主人公を、リアル世界に連れ出すお話。
最後の「僕の獲物」が動物擬人化物。
この作品だけ人外BL誌で読んだことがあった。
肉食のキツネが草食のウサギに捕まって食われちゃうお話。
このウサギの「考えの読めない感」がすごくウサギっぽい。
表題作の他に2つの短編が入っています。
表題作は自称神様✕孤独な高校生のお話です。
高校生の上総の願いを叶えるためには朱が上総を抱く必要があるといって身体の関係を持ちます。
朱が上総を裏切ったりもしますが、最終的に上総の孤独を朱が埋めてあげる良いお話でした。
二作目は執着高校生✕引きこもり同級生です。
引きこもりの前野がSNSで知り合ったアイリに会おうとすると、そこにいたのは同級生の環だったというお話。
環のネットストーカーぶりに引いてしまってハマれませんでした。
三作目は兎✕狐の獣人のお話です。
獲物を捕まえられない狐が兎に捕まったお話で、えっちもあります。
一話完結とはいえ、細かいところが気になってダメでした。
二作目以外えっちはありますが修正が必要ないアングルになっているのでえっち目的だと物足りないと感じると思います。
表題作が好きだったので一冊全て表題作なら良かったなと思いました。
髪の毛の長い男性がタイプではないのと、暗い生い立ちのせいで無表情とか人と付き合わないと言うキャラにイラっと来るのでこのような評価となりました。
でも、お付きの犬みたいなキツネみたいなもふもふが可愛いのと一番最後に収録されていたキツネとウサギのお話が好きです。
二番目の引きこもりのキャラも同じく、ビジュアルも性格もタイプではなくて、環ちゃんがゲームのなかでも主人公に優しくしていたエピソードがもっともっと欲しかったです。
絵が上手いとか下手とかはわかりませんが、個人的にはもふもふのけも耳バージョンやちびキャラの方がこの方の絵は好きでした。