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tayutau tane
アンニュイな空気感が心に響く素敵なストーリーでした。
高校教師を慕う想い、同級生と過ごす特別な時間、自覚してゆく恋心……しっとりとしたストーリーと儚げな絵柄が、高校生活の淡い青春を語り尽くすのにピッタリ。派手なストーリーじゃないけど、ジワジワと胸を熱くさせます。
心理描写が清らかでとても美しい。
流れる時間の経過軸すら、芸術品のように美しいです。
生物教師の木庭に惹かれる2人が、補修や課外活動を通じて気持ちを通わせていく過程が非常に自然体。木庭に恋をしていると思っていた気持ちが、実は勘違いで、好意は別のところにあると気付くところに注目です。最初は嫌い寄りだった相手を好きになっていく描きがとても丁寧で、繊細な心理描写に引き込まれました。
高校生らしい青春味もあり、影のある雰囲気だけどどこか爽やか。男子高校生らしいピュア感も相まって、ドキドキの演出にキュンときます。
この恋物語の主人公は根井と葉純なはずなのに、木庭の存在感が強く、それが不思議な世界観を生み出しているように感じました。全てを見透かしているような木庭の視点は、彼らの恋の見届け人のよう。根井と葉純のストーリーでありながら、木庭の物語でもあるんですよね。
木庭の切なくも悲しい過去には涙してしまいました…。彼にも今後素敵な出会いがありますようにと願わずにはいられませんでした。
雰囲気系BLっていうのかな。説明するのは難しいけど、作品全体から漂うオーラはミステリアスな感じです。雰囲気も楽しみつつ、高校生2人の恋に酔いしれました^ ^
面白い作品でした、生物の教師で地味目だけどどこか色気のある先生。関係を持たないとはいえ教師が生徒に色目使うのってどうかと思いますがフィクションならOKです。ただこれが現実だと考えるとかなりグロテスクかもしれませんね、あくまでも妄想の産物だと思いました。
メインカップルは高校生の二人になるのでしょうか、ゆっくりと惹かれあう様子が初々しくて良かったです。正直先生と生徒の組み合わせよりこっちのはハマってるなと思ったのですがやはりこっちでくっつきましたね。
雰囲気もタッチもストーリーも好みで、濡れ場こそありませんが、まったく物足りなさを感じない作品でした。憧れ、好奇心、尊敬。これらは必ずしも恋愛感情とまったく異なるものだと言い切れもしないし、かといってイコール恋愛感情とも言えない、難しい感情ですよね。感情って自分が一番知っているはずなのに、それが恋なのかどうかは他人の方がよく知っていることもある。
生物教師である木庭を取り巻く、2人の生徒・根井と葉純。根井が木庭に向ける感情と葉純が木庭に向ける感情もまた微妙に違っているように思えるし、限りなく恋に近いように見えた木庭から葉純への感情も、実は恋ではなくて。気持ちの自覚のきっかけも、3人3様で面白い。やはり、相手を綺麗な人、可愛らしい人と自分と隔ててある意味聖人のように見ている内は恋愛にはならなくて、自分と同じ立ち位置に降りてきた人とこそ恋愛が成り立つのかもしれません。話の流れも自然で、それぞれが魅力的で、是非続編を読みたいと思いました。
大変勝手なのは百も承知で、読んでて「この2人は性愛の関係になってほしくない」と思うことがままあります。ボーイとボーイでも、ガールとガールでも、ボーイとガールでも、その間にある特別な愛は別に性愛とは限らないではないかと。
根井と葉純の間にあるのはただの友情とは少し違う、より愛情に近い友情でもよかった。そう思ってはしまったけれど、それはそれとして素敵な作品です。
そう思うのはこの作品がBLテンプレの如きストーリー展開やキャラクター作りに則っていないからっていうのもある。根井が葉純の母親に「静かな子」と評されるような、彼の人となりの表現の仕方が好きです。話し運びには必要のないコマとセリフで、それでもこのコマとセリフは必要なのだなと感じる。中陸先生のセンスを感じる。
「あれぐらいの子って ちょっと会わないと びっくりするぐらい 大きくなっちゃうな」って先生のセリフがありますが、あなたも随分と雰囲気変わりましたよ、先生。笑顔が素敵です先生。
萌2〜神
生物の先生と生徒二人による複雑に絡み合った三人の関係や心情が最後までしっかりと描かれていて読み応えがありました。
途中まで誰と結ばれるのか、それぞれの気持ちがどこに向いてるのか分からなくてドキドキモダモダしました。
でもそれぞれの視線や表情で繊細に表現されていて、何気ないコマからそれを読み取って考察するのが面白かったです。
思春期ならではの恋と憧れの境界線を繊細に表現された作品だと思います。
萌え1つにしたのはキャラ萌えしなかったからですがそれは好みの問題なので…すみません。
どちらかというと過去の回想の先生と小林君のビジュアルと関係性の方が萌えてしまいました。悲しい結末だったのが本当に悔やまれる。。
明るくなって前を向いて進み始めた先生の幸せを祈らずにはいられません。
書いておいてなんなんですが、あらすじやレビューはあまり読まない方が楽しめる作品じゃないかなと思います。
私もほぼ予習無しで読んだのですが、前半はカップリングの予想がつかなくてドキドキしていました。
という事で、あまりネタバレしない程度のレビューを。
結構難しいですね、読者感想文はあらすじで字数稼いでたタイプなので…。
先生と生徒二人の三角関係なような、そうじゃないような。
高校生たちの淡い恋心や憧れみたいなものが、ちょっとずつ変化していく様がふんわりとした雰囲気で綴られた物語。
先生の過去にホロっと涙が出そうになりました。
おすすめしたい作品です!
BLソムリエの機能で出てきて、表紙の雰囲気が好みだったので読んでみたら大当たりでした。
これの前にも何度かやって、気になるのは読んだことあるやつかハズレでこれがお勧めされて読んだ5冊目だったのですが、正直これもハズレだったらAI使うの辞めようと思っていたのですが
この本が余りに素晴らしかったのでまた掘り出し物の発見を期待して使ってみます^^;
なんだかAIの感想になってしまいましたが、全く説明口調でないのにそれぞれの登場人物達の心の動き、言動にちゃんとした説得力があって最後はほんわかしつつ感動しつつ満足感に満たされて読後感も凄く良かったです。
とにかくエロが読みたい!という方には物足りないかもしれませんが、生々しい描写は少ない割にBLの萌え度はとても高くて歴戦の御姉様から初心者の方まで楽しめる作品だと思うので是非方に手に取って頂きたいです。
同時収録作品のトーンの所に「痛い」とあり、たしかに辛い展開はありますがそこから立ち直るのがこのお話のサイドストーリーだったのかなと思うので、最後は明るく終わるのでそんなに警戒する必要は無いと思います。
読み始めてまず思ったのは温かく感じる絵の中にどこか切なさがあり、儚く綺麗な絵だなと思いました。
最初はよくある三角関係でどちらかの生徒が先生とくっつくのだろうなと思っていましたが、まさかの展開で読んでいく毎に一人一人のストーリーが明らかになっていき、苦しく切ない気持ちになりました。しかし、最終的に小林と木庭が付き合い、先生も前を向いて進んでいる姿を見て、安心したと同時にとても嬉しくなりました。
これが中陸なか先生のデビュー作と知り驚きました。まだ読まれていない方は是非^ ^
これ、タイトルがいいなぁって思います。
浮遊してどこに着地して芽を出して花開くかわからない状態。まさにこの作品の登場人物の気持ちそのもの。
生物の先生と二人っきりになりたくてテストでわざと悪い点を取って補習を受けている葉純。ところが根井も補習を受けることが決まり、おまけに根井も先生が好きだと言い出して…
先生を巡る三角関係ものとして始まるけど、ドロドロとは無縁です。補習の一環で花壇に植えたチューリップの成長を一緒に見守るようになった葉純と根井は、急速に距離を縮めていきます。
この作品は視線、見ていたものというものがうまく使われているなぁと。
ファミレスでぼんやりと窓の外を眺めていた先生の表情を見てこんな顔をする人だったなんてとそこから先生に興味を抱き始めた根井。
根井が持ち前の観察眼で、先生が葉純の顔を意味深な視線で見つめていたことに見抜いていたこと。
先生は葉純の顔をずっと見ていたけど、本当に見ていたのは葉純自身ではなく喪った元恋人の面影であったこと。
そして葉純もずっと先生を見ていたけど、それはあくまでアイドルを追うようなものだったこと。
根井の自分に対する探るような眼差しと、葉純を目で追い続けていることに気づいていた先生。
そういう眼差しが交差する丁寧なストーリー展開になっているので、読んでいてどの登場人物にも共感できるようになっています。
葉純と根井がキスするシーンが見ていてこっちが照れ臭くなるくらい初々しくてかわいい。影からそっと見守らせていただく…という気持ちになったシーンでした。
そしてチューリップの開花が過去、そして現在と共に絡めて描いてあって、とても良かったです。