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tamekou shoki sakuhinshu
三つの同人誌が収録されています。
★2013年10月20日発行の同人誌『少』
【たまごかけごはん】好き嫌いがやたら多いクズ男とお付き合いしているカプのお話
【お兄ちゃんの学ラン】ほのぼのとした兄弟ものでBL未満のお話。
★2014年5月18日発行の同人誌『36℃』
【血を食らわば毒まで】グルメな吸血鬼で鶏の血は不味いとあれこれ嫌がるのに、病気持ち(恐らく肺を病んでる)の青年の血は何故か好むというお話で、7ページの超短編ですが上手だなと思います。
【泥中の蓮】同人誌バージョンで8ページです。ガチ兄弟が地雷につき残念ながら本作は未読なのでこの8ページからどう膨らませていったのか…はわかりません。
【雨が降れば傘屋が儲かる】日本傘屋の店主?店員?と雨が降るたびに店先で雨宿りする会社員とのお話。
★2015年5月5日発行の同人誌『桃』
【九龍城】ヤンデレ召使い×主人。会社の後継で婚約者との結婚も決まっていた元上流階級の受けが、身に覚えのない婚約者殺しの容疑者となってしまったため九龍城に身を潜めて、召使(攻め)に身も心も縋る日々。
仄暗い雰囲気に満ちた作品で魔窟・九龍城が舞台でして、召使の腹黒さが光ります。これをまるっと長編で読んでみたい。
ほのぼの風味もあり、薄暗いダークな作品もあり、そしてところどころに挟まれた美しいカラー絵がうっとりするほど素敵で、ためこうさんファンなら買って損しない内容だと思います。
春泥さんらと出された合同誌3冊「少」「38℃」「桃」より、ためこうさんの作品のみを集めて再録した電子コミックです。
2013年〜2015年に描かれた短編6編が収録されています。
《収録内容》
同人誌「少」「38℃」「桃」の各表紙絵+電子版表紙の元絵(全てカラー)
「たまごかけごはん」8ページ
「お兄ちゃんの学ラン」8ページ
「血を食らわば毒まで」8ページ
「泥中の蓮」8ページ
「雨が降れば傘屋が儲かる」8ページ
「九龍城」20ページ
電子特典ペーパー(あとがき)1ページ
ほとんどが8ページの掌編なので、あらすじ欄に書かれている一言あらすじが内容としてはほぼ全てでして、雰囲気的には「僕のセックススター」に収録されている短編たちのような感じです。
行間を読ませて萌えさせるような。
読み終わった後にじわじわと波紋のように余韻や萌えが広がります。
どれも巧いなぁと思いますが、その中でも「血を食らわば毒まで」と「泥中の蓮」は特に秀作!
「血を食らわば毒まで」はコミカル吸血鬼ネタかと思いきや・・・のラストでやられた。切ない。。
「泥中の蓮」は先に商業版を読んでしまっているけど、個人的にはこの8ページでこのお話は美しく完結していると思います。
最後の「九龍城」は少し長めのお話で、闇堕ち系の主従モノ。
ためこうさんらしいダークトーンが楽しめる1編です。
『メス堕ちBL』に掲載された「ララの結婚」を読んだ時も思いましたが、作者の絵はこういうアジアっぽい雰囲気のお話とよく合いますね。
これもやっぱりお気に入り。
今やすっかり売れっ子作家様で連載を各社に抱えてらっしゃいますが、この手の短編もまた読みたいなぁと切に思っております。
オリジナル同人誌、即売会用の小作品。2013年以降のもの。
花とゆめ・少女漫画でデビューした作家なので、丁寧な描写・構成が特徴なのだと思う。
丁寧で綺麗で絵に崩れが無い。
少女漫画風のキーパーソン役は、顔が可愛らしいけど本性が鬼畜。
タメコウさんが好むキャラクターと構成パターンは、サイコ系キャラによる心理攻めが多い。
歪んだ愛の持主が、獲物をとりこんでいくような粗筋。
顔に騙されちゃいけないって事かなー。
どの作品も皮肉なオチをつけているひねった展開。
『泥中の蓮』同人誌Ver.、が、特に興味深かった。
あの童顔知能犯の兄は、ここでも気づかない振りをして、弟を泥沼に引きずり込んでいる。
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★作品の間に入るイラストは、多分同人誌の表紙だったもの。
【少】
『たまごかけごはん』・・生卵の描写が上手い
『お兄ちゃんの学ラン』
【36℃】
『血を食らわば毒まで』・・労咳患者の血を呑む妖怪
『泥中の蓮』★同人誌Ver.、
『雨が降れば傘屋が儲かる』
【桃】
『九龍城』 今は取り壊されて無い九龍城。主を軟禁する使用人の歪んだ愛。
電子特典ペーパー(描き下ろし)
同人誌にて発表された作品の電子書籍版です。
一番古い作品で2013年のものだそうです。
電子特典ペーパーは、作品の書き下ろしというよりあとがきです。
収録されている『お兄ちゃんの学ラン』は、onBlueのためこう先生のインタビュー記事に原稿がちらっと載っていて、一度読んでみたかった作品でした。
BLというよりブラコンショートストーリーといった感じでかわいいお話でした。
『血を食らわば毒まで』
基本はコメディ調ですが、ラストがちょっと切ない。
『九龍城』
受は上流階級出身ですが無実の罪で追われており、九龍城に隠れて日々を過ごしています。
攻は受の召使で、定期的に受けの世話をしにやってきます。
受の身の潔白が証明出来るまで匿うと言っていますが、受を嵌めたのは攻です。
受はそのことに気づいてないので、攻はかなり腹黒い性格ですね。
上記2つは続きが読みたいと思わせる作品でした。
3年前の作品でも絵柄は現在と遜色がないため、ためこう先生の絵柄が好きな方は買いだと思います。
◆雨が降れば傘屋が儲かる(表題作)
傘屋の前で平気で雨宿りしたり、ビニール傘を置いてみないかと提案したりする攻めの無神経さ(意図的なのかどうか微妙ですね)が、良くも悪くも効いているなと思いました。そんな彼を簡単に自分の領域に上がらせてしまう受けがただ丸め込まれているような気がするのだけど、彼自身もどこかでこうなることを望んでいたのかなと思ったり。攻めの本気度がいかほどか見えないところが、逆に気になるカップリングでした。
◆九龍城
一番ゲスい執着攻めで、とても気に入った作品です。この世界観とキャラで1冊描き上げて欲しいくらい。九龍城って香港に実在したスラムなんですね。こういう治安の悪い巣窟って、実際に行くのは御免だけどちょっと好奇心を擽られます。裕福だった主人をこんな場所に堕として閉じ込めておきたいと考える攻めの、残酷で激しい執着愛に萌えました。