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作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
今回収録されているのは
「八年目のクリスマス」(小説Chara Vol.33掲載)
「つる薔薇の感傷」(Char@ Vol.20掲載)
「八年後の王様と小鳥」(表題作/書き下ろし)
●「八年目のクリスマス」
イギリスと日本で遠距離恋愛中のエドが、クリスマスに礼に会えるとウキウキする。でも急な仕事の都合で礼はクリスマスにイギリスへ行けなくなり
エドがっかり……でも、その代わりもっといいことが、というお話。
●「つる薔薇の感傷」
エドと礼がくっつく前、エドが日本へ礼に会いに行った頃のお話。
エドが礼に思いを告げることに対してあまり良く思っていないジョナスに
エドが、いかに礼が大切で自分にとって必要で…ってとこを訴えるお話。
上記に関しては過去に掲載されたものですのでこの辺で。
●「八年後の王様と小鳥」
表題作は「八年目のクリスマス」の続きになります。
序盤で、礼が貴族であるエドと恋人であると改めて実感し、ちょっと不安がよぎったり、使用人やオーランドから「レイをよく思わないエドに群がるハイエナ」の話を聞いたりで、今回の一波乱はこの辺りかな?という感じがムンムン。
今回のテーマは「貴族(白鳥)と混血児(アヒル)は愛し合えるか?」ってとこでしょうか。
案の定、礼が辛い思いをします。
知人のブライトには血統の話をされ、パーティーではエドの親族から、男娼だのエドが飼っているアジア人だの侮辱され、反撃してくれたエドがさらに親族から侮辱の言葉を吐かれる。エドが一族からの風当たりが強いのは、東洋人の血が混ざった自分という恋人がいるせいだと悩む礼。予想通り。
ほんでエドと礼が一緒にいるところをタブロイド紙にすっぱ抜かれ、礼にとっては辛い記事の内容にショックを受ける。
エドは礼と一緒にいるためなら何もかも捨てられる…と言いますが
エドに何かを捨てさせないと叶わない恋であることに苦しみます。
あれ、そういえば前巻までで、エドは礼を迎えに行く準備ができたから、日本に行ったんじゃなかったっけ?準備できてなくない?
誰にも文句言わせない的なこと言ってなかったっけ?まず身内が全然ダメじゃん!
エドに会社の役員から降ろされたチャールズに呼び出されて
誰にも告げずに会いに行く礼。ちょっと迂闊です。危ない予感しかしないのに。
完全に短絡的になっているチャールズから殴られ、監禁されそうになりますが、そこはエドが助けに来てくれます。
エドが仕組んだわけではないですが、礼が危険な辛い目に会うことが予想できた中で、エドが対処しなかったのは、エドなりの理由がありました。
いつか世間に礼との関係が知られることを予想し、“エドが選んだ東洋人の男性”として生きて行くこと、それを全て理解した上でエドを選んでほしいと。
エドの恋人であることで、礼が好奇の目にさらされること、蔑まれたり
反対に擦り寄ってくる者がいるであろうこと。
礼はフェアではないと思っているが、エドと関係があることで礼の仕事が
うまくいくこともあること。
そんな現実を礼に突きつけます。
エドには自分の血統は変えられないし、根本的な解決はしてやれない。
礼にはもっと楽に愛し合える人がいるであろうけれど
それでもどうか自分を選んでほしいと心から訴えるエドに心を打たれました。
礼はきっと辛いだろうけど、愛する礼に辛い思いをさせるエドはもっと辛い。
やっぱりエドの執着と愛は大きかった!
最後はちょっと礼も強かになり、腹をくくったよう。今後もっと嫌な思いをするだろうけど、どうかエドと末長くお幸せに。
好きなシーンは、2人が生活するフラットにて。喧嘩の途中で、時間の都合で仕事に戻らなくてはならなかったエド。玄関まで見送りに行かなかった礼のところまで戻ってきて「レイ、仲直りのキスは?」と。
偉そうな態度でしたが、やっぱり険悪なまま離れるのは嫌だったんだねエド。
ちょっと可愛かったです。
あと前巻でも思ってましたが、エド絶倫。絶倫だよ社長。
おまけのショートストーリーは表題作であまり感情の見えなかった
エドの秘書・ロードリー視点でのお話。
礼の事となると子供っぽくなるエドと可愛らしい礼の恋を支えていることに
喜びを感じているようで、嬉しかったです。
何考えてるのかあんまりわかんなかったからね。
なかなか中身の濃い作品でした。あのシーンどこだっけ、と読み返した時に
あれ、このシーンこんだけのページ数だったの?とびっくりしました。
ページ数の割に内容が詰まっているというか。
やっぱり樋口先生の技量なんだなぁと。
また続編があったら読みたいけど…もうないかなぁー。
今回2人とも辛い思いをしたので、ただただ甘々な2人が読みたいです。
パブリックスクール第3巻となります。
レビューをするには、あまりにも苦しい物語でした。
読んでいて、心が大変痛みました。
物語は、3編で構成。
最後の「八年後の王と小鳥」が表題作となります。
◆「八年目のクリスマス」
エド視点。
イギリスで仕事をするエドと日本で仕事をするレイ。
両想いになってから八か月ぶりの逢瀬になる予定だった
クリスマスが、レイの仕事の都合で取消になってしまい…?
というのが物語の流れです。
幼いころの回想で、エドのために夜の庭で雪兎を作ってあげる
レイが、健気で愛らしくてたまりません。
エドがこの時どう思ったのかも読んで欲しいポイントです。
◆「つる薔薇の感傷」
ほぼジョナス視点。
2巻でレイがエドと再会する前に、ジョナスが2人の行く末について
どんな憶測をしたかが描かれています。
憶測よりも、はるかに素敵な結果になりましたね~♪
◆「八年後の王と小鳥」
≪あらすじ≫
年末から3ヶ月の間、イギリスのフラットで同棲することになった
レイとエド。
甘い3ヶ月の同棲が始まると思われましたが、レイにとっては
苦しい試練の連続となります。
エドの親類からは、パーティでは東洋人、混血児、男娼と蔑視されたり、
挙句の果てには、エドとのあまりの価値観の相違に失望してしまったり…
果たして、レイとエドの行く末に、幸せな未来は
待っているのでしょうか…?
----------
冒頭は、あま~く物語が始まります。
もぉぉぉぉ、あまりのラブラブっぷりにあてられちゃいます><
この物語は、ほぼレイが主人公。
甘い年末年始の後は、レイのつらい試練が待ち受けています。
まず周囲についての試練。
これが一番大変なところかもしれません。
しかも、試練の種類は一つだけではないです。
エドは貴族・グラームス家の当主として、
親類皆から注目を浴びる存在でした。
それは、尊敬の眼差しもありながら、
若い有能な当主への醜い羨望もありました。
親類のパーティに呼ばれ、心ならずもそこへ赴くエドとレイ。
周囲の陰口は、予想していたとはいえ酷い!
猿ってなんだよ! こんな可愛いレイに向かって!
そして、無視するなー!
嫌がらせもするなっ!
エドがついに堪忍袋の緒が切れて、
皆に冷静に対応しながら、レイを連れて
パーティを途中退席したときは、胸がスーッとしました。
ザマア!
でも、もっと早くレイをあの嫌な視線達から救って欲しかった。
しかし、それはレイを侮辱することになると思ったのかな?
ここの場でのレイは驚くほど我慢強く、前を見据え、
静かに対応できたと思います。
――――眉一つ動かさず、敢然と辛苦に立ち向かえ
という、リーストンのノブリス・オブリージュの通りに
行動できたレイを誇らしく思うシーンでした。
400年の貴族の血統なんて、蹴散らしてしまえ!!
ストーリーのクライマックスとしては、脅迫され、ひとりで
エドを快く思わない親類の家に赴くレイの姿が描かれます。
必死でエドとの関係を国民に知られないよう、なんとかひとりで
解決しようとするレイの健気さに心打たれると同時に、
エドをどれほど大事に思っているかが、分かるシーンでもありました。
エドの親類に脅迫され、暴力を振るわれ、怪我をするレイ。
そこに助けに来るエド。
それから、レイが目を覚ました後のエドの長い独白が
あまりにも悲しく、孤独で、寂しく、心を打たれます。
まさにクライマックス中のクライマックス。
目頭が熱くなり、思わずポロリと涙が出ました。
まさか、エドの言葉で涙が出ようとは……考えもしませんでした。
まず怪我をさせたことを謝るエド。
危ないと知りながら、わざと親類の家にレイをひとりで行かせ、
レイ自身をテストをしようとしたことを告白するエド。
テストしたことは、確かに驚きましたが、そのあとのエドの
理由の告白で、それも納得できました。
エドはレイを守る。
全身全霊をかけて、これからもエドはレイを守っていくのでしょう。
でも、どうしても今回のようにレイを守りきれないときがあります。
それを知っておいて欲しかったのだと…。
グループのCEOとして君臨するエド。
しかし、レイがいなければ全て意味がないと言います。
この言葉は、あまりに重く、切ないです。
今の身分も地位も肩書も金もすべて捨ててでも、
レイの方がずっとずっとずっとはるかに大事だなんて…。
そして何より心を打った言葉。
「どうか捨てないでくれ…」
涙を流し、手を震わせ、レイに懇願したエド。
あのエドが!
「捨てないでくれ」などと泣いて縋って懇願している……!!
ああ……、世界の全てを持っているようなエドにとってみても、
レイの愛以外、何も意味がないのだと…何の価値もないのだと
言っている…。
あまりにも切ないエドの涙に、目頭が熱くなり、
気が付けば、涙がこぼれていました。
まさかエドの言葉で、泣かされようとは……。
この物語の厳しいところは、
「これにてハッピーエンド」と言えないところです。
レイは、これからもっともっと今以上に辛い目に遭うでしょう。
それこそ、この本で書いたこと以上に嫌な目に。
エドが全力で守ったとしても、苦しい環境が待ち受けている。
「レイとエドはこれからも幸せに暮らしてほしい」なんて
簡単な言葉は言えません。
レイはこれからも心が死んでしまうほどの苦難にも遭うでしょうし、
ひょっとしたら、怪我では済まされず肉体的に殺される危険にも
さらされてしまう訳です。
エドに血統も宿命も全てを捨てる覚悟があるのだとしたら、
レイも全てを捨てて、どこか、誰も知らないところで
穏やかに暮らしてほしいです。
2人が死ぬまで、こんな厳しい環境が待ち受けているなんて、
考えられないのです。
そんなの私には耐えられません。見ていられない……!!
どうか、穏やかな日々がレイにもエドにも待っていることを
望んでやみません……。
これからのレイとエドにどうか多大なる祝福を。
どうか2人をお守りください…。
yumi333さま
コメントいただき、ありがとうございます!
「素敵なレビュー」などと言っていただき、感激しております><
感動と興奮のある作品だったので、実はレビューを書いてから、
しばらく寝かせておりました。 とても冷静ではいられなかったので、
文章に感情をぶつけすぎるかもしれないと思ったのです…
でも、yumi333さまのように参考にしていただける方がいて、
ほんとうに嬉しいです。
是非読んでみてください!
楽しみにもして下さい。期待を裏切らない作品だと思います。
コメント、ありがとうございました!(^^)
この作品に対するあやちゅけ様の愛を感じました。とても素敵なレビューを有難うございました。参考にさせて頂きました。私はまだ未購入ですが、必ず読むつもりです。楽しみ。
シリーズ3作を総括してこのタイトルを付けさせていただきました。
出会い~学生時代を描いた「檻の中の王」、
卒業と別れを経て再会を果たした「群れを出た小鳥」、
結ばれたがゆえの障壁と共に生きていく二人の課題を提示した本作「八年後の王と小鳥」……。
ただ「圧巻」の一言に尽きるシリーズです。
偏見ではありませんが、BLというある種限定された市場にこの作品が置かれている理由が私には分かりません。
確かに同性愛が含まれていますが、それは要因の一つでしかあらず、仮にこれが男女だとしても「愛」という普遍的なテーマを扱っている傑作ではないでしょうか?
誰かを愛することだけが生きるよすがである礼と、
この世の全ての富と権力を得て愛だけを持たずにいたエドという対照的な二人の愛し方。
それを突き付けられた読者はそこに本質的な「愛」の姿を見られると思います。
メリットデメリットなど考えず人の弱さに寄り添って愛を注ぐ礼と、
その愛を受け取ったエドは持てる権力の全てを使い策略を巡らせて、
あらゆる火の粉(庶民やアジア人、ゲイであることに対する批難)から礼を守ろうとします。
礼が少しでも傷つけられれば、
「俺はあなたを何度でも殺します」
と言い切って、実の叔父に銃を突きつけ手を汚そうとする――。
王室とも繋がる400年の歴史を棒に振り、たった一人を愛し抜く彼の姿は、
とてつもなく重いと同時に一途でもあると思わされるのです。
礼がエドや他者へ注ぐ愛、エドが礼や他者へ注ぐ情に「人間愛」を見たのは私だけでしょうか?
何も持たない、ただ互いの人格に恋い焦がれた末結ばれた二人の人生。
波乱は多いと思います、不安やすれ違いも多々あると思いますが、
生涯寄り添って生きていってほしいと切に願っています。
蛇足になりますが……
今後シリーズ4弾、5弾と続くなら、大変楽しみにお待ちしておりますのでご検討下さい樋口先生。
エドの激しいヤキモチにニヤニヤ。
レイは相変わらず天然タラシ♪
期間限定のラブラブ同棲生活かと思いきや、二人の関係は不穏な空気に。
新キャラの秘書ロードリーとデミアンが良い味出してました!
今回は8年前にも増してレイはヒエラルキーに苦しめられたけど、エドの、血統や権力や金ごと俺を愛して、の叫びが痛々しくて胸が抉られた。
魂で結ばれてる二人なら、乗り越えていって欲しい。
ぜひ結婚まで続編書いてほしいです!
パブリックスクール3巻。
レイのイギリスでの長期出張がきまり、3か月間エドと一緒に暮らすことになりますが、8年ぶりのイギリス生活で自分が混血児で忌み嫌われていることを改めて痛感させられます。
エドの親族からだけでなく、町の人間からもアジア人でエドにふさわしくないと思われていることを知り、エドとの将来に不安を感じるレイ。
一方のエドもレイを守りたいがために、逆にレイを監視するような接し方をしてしまい、二人の思いが噛み合いません。
愛しているだけではどうにもならない現実に葛藤する二人が切なかったです。
白鳥とアヒルは愛し合い続けられるのか。
白鳥の群れを飛びだした白鳥はどうなるのか。
エドに他を捨ててでも自分を選んでくれと言われ即答できなかったレイが現実味があって良かったです。
悩み葛藤して覚悟を決めた決断だからこそ二人の絆は強まったのだと思います。
困難を乗り越え寄り添い続ける二人が想像できます。
すごく素敵な作品でした。
そして魅力的な脇キャラ多いのでスピンオフも読んでみたい。
もっともっとこの本の続きが読みたい!たくさんの愛すべきキャラクターたちのお話が知りたいと思う作品です。エドワード・グラームズの英国貴族としての立ち振る舞いの大変さや中原礼の3歩下がって見守る姿が健気で本当に幸せになって欲しい二人です。でもこの作品を読む限り今後どんな困難が二人に降りかかっても二人の愛の力で乗り越えていくこと間違いなしと確信しました。それを踏まえた二人の幸せな姿を読んでみたいです。親しい友人に囲まれて幸せそうな二人の姿が見てみたい!3巻通して甘いところが少なく苦労の連続なのでデレデレした二人の生活を覗いてみたい!
パブリックスクールシリーズの完結編。
大人になったエドワードとレイが、お互いの思いを確かめ合っての遠距離恋愛8ヶ月後、レイはようやくイギリスのエドワードの元へと行くのですが…。
最終巻にきて、ようやく自ら語り出したエドワード。
「個人の話じゃなくて、国の話。次元が違う」
レイへの愛を守り通して、やっとそれをレイに伝えられるだけの地盤を築いたエドワードの、途方もない努力と孤独。
ただの個人のエドワードとしての愛だけではすまない、次元の違う全てのしがらみや重圧も込みで、それでもレイが、本当に自分を選んでくれるのかを、震えて請い願うエドワード。
エドワードの荒療治に、レイの肝も据わります。
第1巻ではただただうつむいて、自分の愛だけに閉じこもっていたレイの話から、第3巻ではこんなに激情を秘め続けたエドワードの重たい恋の勝利の物語に辿り着いて、感無量。
1巻目単体の評価を変える気はないけど、シリーズ全体を通しての評価は「神」で。
どうもこのシリーズを単体で時間を空けて読み進める精神的強さを私は持ち合わせておらず、1巻の評判を伝え聞いたのち、電子書籍で1巻ずつ買い進めて、この3巻が出るまで親鳥のように温めていたものでございます・・・・・(T_T)邪道極まりなくてすみません。本当に素晴らしい作品でした。
アワードで上位に入っているのを横目に見ながら、見て見ぬふりをするのは辛かったですが、最後まで一気に読み終えてシリーズとして当然の神評価でございます。ということですみません、シリーズとしての感想も合わせてここに。
1、2巻の胸を鷲掴みにされるような、絶望と無償の愛の間に感じられるあたたかな友情や恋しい気持ちや青い切なさは3巻にはなかったけれど、気持ちが通じ合った後がスタートなんだと思い知らされるようなひとつひとつの出来事が、あのカードにつながっていると思うと、もうただただ先生のお力にひれ伏すばかりでした。
礼は『持たざるもの』と『持てるもの』の間を期せずして行き来することとなり、翻弄され、傷つき、喜び、その中でもやっぱりエドに対する愛だけは変わることなく。しかし他のすべての人に対する愛も携えているから・・・エドの心中お察ししますという感じでしたね。
私自身、読み進める途中に、傲慢な気持ちが心を巣食った瞬間がありました。影響を受けやすい自分のこと、すぐにまた1巻へ戻って読み直し、レイの「与えられなくていい。せめて密かに愛し続ける」その姿をもう一度心に留めて、1日を過ごしたこともありました。
最後の『王と小鳥のバレンタイン』。ただただイジメに耐えるとか、それを怒りに変えるとか、辛い、足りない日々を何か他のもので代替してやり過ごすというようなことではなくて、心の底から愛することでひとつの結論を出していくような悟りのようなものを幼い時から習得していた礼の幼い頃のクリスマスカード。『八年目のクリスマス』にもう一度戻って読み進めたら、涙が止まりませんでした。
それをずっと心の中に大切に持っていたエドにも、ただただ感服するばかりで。歳の離れた弟が幼い時に書いてくれた『お手伝い券』とか思い出してしまってまた涙・・・・・・(笑)
エドはただ甘やかして、守って縛る愛ではなくて、愛することで受ける苦しみもすべて受け入れてもらう、礼に自ら乗り越えてもらって離れない方法を導き出したんですよね。孤独な王さまはいろんな意味で超人すぎて(あ、夜の方も・・・)これまでに読んだスーパーな攻め様たちには無かったものを感じました。ま~ちょっとまだガキですけどね(笑)
これからも草葉の陰からふたりを見守るような、老婆心ながら彼らが歳を重ねていくところを見ていきたい気持ちです。
本当の意味で、このシリーズを理解できたのは表題作を読んだから。1作目より2作目の方が断然良かったけれど、3作目の「八年後の王と小鳥」はシリーズの核となる話で必読の書!!そして、涙なしには読めない。
エドが告げる言葉「―俺の血を抜いて」には、英国貴族にとっての血統の意味と重さと価値観などすべてのものが集約されている。それらを真に理解したとき、エドワード・グラームズという男の立ち位置と根本が理解できる。そうして初めて、エドのこれまでの言動の意味合いと想いの深さを知ることができ、それらの凄さに圧倒され打ちのめされる。
多くのものを持ちながら、レイを愛することで多くのものを失っているエドの覚悟はすさまじい。そんな彼を語る言葉は見つからない…。最高の攻。愛されて育ってきたレイは、人の愛し方を知っていたからエドの心の隙間を埋めることができたのだろうか?レイのことは最後まであまり好きになれなかったけれど、エドを愛することで受ける苦しみすべてを受容すると決心してくれたことは、嬉しかったし心の底からホッとした。愛は血統を超えた。エドが幸せなら、何も言うことはない。
他に2話収録されている。
一つ目は「八年目のクリスマス」でエド視点。
イギリスで一緒に過ごすはずだったクリスマスの予定が、レイの仕事の都合でキャンセルとなり、エドは大人げなく怒ってレイと口喧嘩するが、仲直りの電話をした際に、レイの12月27日から3月末までのイギリス出張が決まったことを聞く。少し遅いクリスマスをグラームズのマナハウスで過ごすことにする2人。電話を終えてから、父母を愛してみたくなったエドはクリスマスカードを買って店を出る。
現在の2人の話を軸として、随所に回想(レイとの初めての出会い、共に過ごした思い出、離れていた8年間のこと)が入る。そこに溢れるエドの想い―レイを失って初めて知る、その存在の大きさ。そして苦悩―レイを諦めることは自身の精神の死であるから、叶わない夢を捨てることができない…「To be, or not to be・・・」ここではハムレットの名言が引用されている。
二つ目の「つる薔薇の感傷」はジョナス視点の短編。
レイから、エドが会いに来てくれたという喜びの連絡をもらって不機嫌になるジョナス。レイの今後を心配するあまり、香港で乗り継ぎするエドを捕まえてレイを泣かすことになるのではないかと責め立てると、エドは「だから、お前がいてくれるんだろう」「レイの家族の代わりになってやって欲しい」「俺を支えて欲しい」と頭を下げてくる。そんなエドにビックリするジョナスは、もっと早くそう言ってくれていたなら、レイに恋人を作るようすすめなかったのに…と少し後悔。
1巻読んで、これは修行か?!ってくらいに二人の気持ちが重ならないので、もうダメ〜!!とりあえず甘い二人をください!!となり、二巻すっ飛ばして、8年後なら多少は好転してるだろうという期待を込めて三巻から読んだ私。
なので【八年目のクリスマス】は大歓喜!!!!
待ちに待ったエド視点!!
もうこれだけであぁ三巻読んで良かった〜と思えた。
礼を永遠に失うということは、己の魂の死だと思っているエドに萌えに萌えました。
そして礼からもたらされる愛によって、再び両親のことを愛してみたい…と思えるようになる最後がとても好き。
ジョナス視点の【つる薔薇の感傷】を経て最後の【八年後の王と小鳥】
ついに、ラブラブ・糖度100%の始まりか?と思いきや……
出たよ……出た。
ラスボスというか、エドとは切っても切れない「お貴族様」「青い血」「血統」問題が、改めて礼の前に大きく立ち塞がる……。
礼視点で描かれているので、相変わらず礼にはイライラさせられました。
何も考えずに愛の事だけを考えていられたリーストン時代は良かった……的なことをエドに言えちゃう礼。
愛のみ考えていられたのはあくまで礼だけということに未だに気づいていない……
恋人になった今ですらエドがどういう立場の人なのか、エドが自分を諦めないでいてくれたということはどういう事なのか、どれだけ苦労したのか、何一つ理解していない様子に腹が立って仕方ないし、エドが不憫過ぎます。
一巻も二巻も見返りは求めていないと言いつつも自分の愛が届くかどうかだけにやたら終始していて、愛する人のことを本当に考えてはいないという印象が強かったのですが、やっぱりなぁと。
ようやく涙のエドの告白で自分の愚かさを知り「何も知らなかった」とエドに謝るんだけど、エドファンの私からすると、ほんとに今更何言ってるんだか…勘弁してくれよ……10年遅すぎるわ!!と思ってしまうわけで……。
血の滲むような努力を重ねて、礼を迎え入れることに立場上は文句を言わせないところまで登りつめたエド。
だけど自分といる限りは世間からの下世話な好奇心や、口さがない連中、そして腐敗しきった親戚から完全に礼を守ることができない。
そんなエドが「だがそれでも、俺を、捨てないでくれ…」と頼む。
「血統や権力や金ごと、俺を愛してくれ」と。拒絶に怯えながらもそんな俺を、受け取ってくれ、と。
こんな心から血を吐くかのような、辛くて、苦しくて、でも求めてやまない気持ちが溢れる告白がかつてあっただろうか?
圧巻だった。
そして礼。
「きみは僕のために、ラベンダーを摘んで」「そのエドだけ、僕にちょうだい」で涙腺決壊。
読んでる途中でなんどもイライラさせられた礼。
その礼にこんなにも泣かされる羽目になるとは……お主やりよるな!!と思ってしまいました。
そして二人の愛がこんな深いところまで辿り着くとは思いもよりませんでした。
一巻はオーリー登場以前はちょっと辛くて読み返せないのだけど、ここ数日間、二巻、三巻と幾度となく読み返してどっぷりと浸かってます。
一巻の開始早々で、読むのやめようか迷ったけど、やめずに読んで良かった!と心底思います。
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デミアンと絵画鑑賞することになったけど、またエドはヤキモキしちゃうんだろうなぁ。
以前から無自覚人たらし&無自覚魔性受けだったけど、肝が据わった礼はしなやかな強さも兼ね備えて、ますます惚れる男が続出しちゃいそうだけど、ここまで総受け化しなくてもいいと思う。
ーーーーー
貴族の血の重みに関する壮絶な描写やら偏見に凝り固まった糞みたいな親戚連中についてはある意味ファンタジーかなと。
米国人女性との結婚のために王位を捨てたエドワード8世といい、バツイチ外国人女性と結婚したヘンリー王子といい、王族がかなり自由なことをやってるのに、現代に生きる貴族がそこまで血に拘るのかなぁ?って思ったのも事実。
ほほん
すみません。
表題作「八年後の王と小鳥」の間違いです。
大変失礼いたしました。