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Marquis de
月食奇譚を読んでから、すっかり春泥さん作品の虜なのですがやはり、さすがですね・・・。
独特の雰囲気や世界観、この人の作品でしか味わえないものがたくさんありました。
レトロかわいい独特の絵柄からは想像もつかないくらいに歪みのあるストーリーで後味の悪い終わり方が最高でした。深山くんにしてみれば、ハピエンなんでしょうが、対して先生は・・・?
※以下ネタバレになります。
受けの深山くんが普段は大人しい感じなのに、岡田先生に取り入る時突然色っぽくなります。口止めとして
「サドになったつもりで、僕を抱いてください。普段彼女にできないこと、してくれてもいいんですよ」と、最強の脅し文句かつ誘い文句ですよね(笑)
キスシーンの顔がものすごくかわいいです。涙ボクロがあるのも罪ですね。
少しずつ騙していって、だんだんと先生の生活を壊してゆく感じにゾクゾクしました。ずっと保ってきたいい人の皮を剥がして、どうしようもなくなったところで自分のものにしたかったんでしょうか。それとも、単なる復讐?
「マルキド」というタイトルですが、ひとくちにSMとは言い切れないところがあるので、どんでん返しや詮索しながら読み進めるのが好きといった方におすすめしたいです。
ラストシーン、「最初からいじめから助けてくれたらよかったのに。」とほくそ笑む深山くんと絶望に満ちた表情を見せる岡田先生の対比が素敵でした。
また、電子版のみということですが、約30ページKindleで216円とこんな値段でいいんですか....と言ってしまいたくなるほど。春泥さんのファンなら買って間違いないと思います。