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shinobiyoru hana wa kusemono
【忍び寄る華は曲者】
ああ~育ちの良いお坊っちゃまが、順調に成長するとこんな感じなんでしょうね!
華道家の跡継ぎの白河亨と、老舗デパート外商の松岡のお話。
藤本ハルキ先生の描く男のひとって、きっちりしていてもどこか、ふわりとした抜け感があって雰囲気が大好きです。
今回の松岡が当にそんなタイプです。デパートの外商担当だから配属10数年と云うと35才位でしょうか?
がつがつはしてないけど、売れるときは売って売って、売りまくるとちゃんとお仕事に一生懸命です。
担当することになった華道家の白河が、はんなりしたお坊っちゃま。初めから、からかいつつゲイ受けだって、松岡に表明していて、なかなか油断できない曲者感を出しています。
松岡が外商担当でありながら、お家のために見合いしたり、子ども時代に普通の家庭で出来た事を我慢していたり、おばあ様の期待に応えようとする白河を切ながったり、幸せになって欲しいと願うんですよ~
あれこれ無茶振りするくせに、しれっと車から降り際にキスをする白河。
もう、お坊っちゃまなんだけど抜け目ない!
そりゃ松岡が心奪われるわけです。
でも、あくまでも松岡は白河が望むものを自分のために手に入れて欲しい!
好きなひとと、添い遂げて欲しいんです!
だからちゃんと白河に気持ちを告げるんです。
もう、さすが曲者お坊っちゃま白河。あれこれ策を講じなくてもいちばん欲しいもの、つまり松岡を手に入れてしまいました。
鮮やかお見事です。
松岡が振り回されていくでしょうけど、なんか良い…
特に初えっちの呼び方が、萌え…
「白河さまっ」「松岡っ」…ってさあ、最高に萌えをいただきました。
【補食レンアイ】
ワンナイトから、イケメンモテ攻め勇成が地味童貞だったリーマン光一に夢中になっちゃう話。
モテ攻めだけど、初恋並みに光一を追い続けていく勇成が偉かった!
なかなか若さゆえに押しが強めな勇成だけど、光一みたいなタイプにはちょうど良さそうです。
とはいえ、光一が脱いでえっちがエロい。魔性タイプなのかな。
もう、勇成は光一から離れられないなぁ…
ああ、藤本ハルキ先生の最新BL読みたいです。
表題作は、外商員と得意先の華道家との振り回されてほだされる、大人のラブストーリーです。
飄々としていながら魔性系な受けに真面目で真っ直ぐな攻めと、敬語攻めが萌えました。
同時収録は、イケメン遊び人が地味メガネくんに振り回される「捕食レンアイ」で、こちらの方が長くて読み応えがあって好きでした。
モテモテイケメンが手に入らない相手と出会って本気になる…と内容は王道なんだけど、最初の余裕な態度から必死な姿に変わっていくのが可愛くてキュンとなりました。
地味メガネくんの片思いしていた相手がさらに地味なノンケだったのも意表をついて面白かったし、カバー下の甘々バカップルな2人にもニヤニヤします。
そんな感じで、どちらのカップルも相手に振り回されて、本当に恋は曲者だった…という1冊でした。