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忘れられない想いと、忘れたい過去の出来事
koi to sosou
「おもらし」と聞くと、倦厭されがちですが、そこを超えて是非手にとって頂きたい一冊です。言っても、そんなにです。綺麗なものです。
そういう、フェチズム的な部分も見えながら、それでもちゃんと「漫画」に求めている方程式が詰まっている。
胸がぎゅっと締め付けられたり、この子たちいいな…と純粋に思えたり、ちょっとしたセリフ回しに著者のウィットを感じニヤリとしたり。
久々に「いい漫画を読んだな」という気持ちをしっかりと与えてくれる良作でした。
それなのにちゃんとBLしてるから嬉しくなっちゃいます。有り難や。
たまに子供が見せる、訳のわからない変態的な欲求みたいなものって興味深かったりするのですが、このお話のモチーフはおもらし。なんだけど、大人のプレイ中のとかではなく、子供が性に目覚めるきっかけのような描かれ方だったので、切り口が面白かったです。
ストーリーの軸は、小学生の頃に電車の中でおもらししてしまったハカセとそんな彼を庇ってくれた同級生の松田の恋模様。そこに松田が営むラーメン店のバイトの春日と松田の恋人で高校生の陽ちゃんが絡んでくる、ほわっとしていそうで先が気になっちゃう、なかなか引き込まれる物語でした。
社会人のハカセと松田、大学生でそろそろ就活時期を迎える春日、高校生でまだまだお子ちゃまの陽ちゃんと、それぞれの人生のフェーズに属する人物を巧みに取り揃えながら、恋する男達のドラマが可愛らしい絵柄で描かれていきます。春日が陽ちゃんに恋をする上で大人にならなきゃいけないことを暗に諭す描写などは、ちゃんとした大人視点のある作品なんだなぁ、と掴まれたシーン。それと、なんといっても松田のハカセに対する包容力と、恋する男の切羽詰まっちゃうギャップが可愛いかったです。
サラッとしているけどちゃんとメッセージがある、絵柄も可愛らしくて好みの作風でした。BLを読み始めたばかりのお若い方で、ドギツイのはまだムリ!という方にオススメしたいです。
小学校の頃、電車の中でおもらししてしまったのを助けてもらった同級生に再会した中瀬(受け)。その相手である松田(攻め)はラーメン屋の店長で、受けは顔が見たくて頻繁に店に通うようになる。しかしラーメン屋のバイトくんと常連客がキスしているところを目撃し、びっくりしてそれを攻めに伝えたことにより事態が急変し…。
小学校のときにおもらしした子と、そのおもらしをかばったクラスメートとの再会ものです。
エッチ中に漏れちゃった☆とかじゃなく、服を着たままの正統的(?)おもらしなので、ちょっとたぎりました。(笑) これを小学校のときに見せられた攻めも、その後の性癖に多大な影響を与えられたんだろうなーと思います。
1冊の中にエピソード1〜4と描き下ろし短編が入っていて、そのうちの1と4と描き下ろしがこのカプの話でした。
残りのエピソード2と3に収録されていたのは、あらすじにも書きましたが、ラーメン屋バイトの大学生と、常連客の高校生の話です。
ネタバレになるので相手については触れませんが、高校生くんには恋人がいて、そちらと別れて大学生とくっつくかんじです。高校生受けは執着気質で、付き合ってる相手がちょっと冷たいと途端に不安になり、ストーカーと化してしまうタイプ。大学生攻めが、かつては軽くて誰とでも寝るようなタイプだったので、このふたりうまくいく気がしない…と思っていたのですが、ラストではいい感じに収まってホッとしました。
小学校の同級生の再会物と、大学生と高校生の二組のカップルのお話。
再会物の方の攻めが営んでいるラーメン店がベース。
おもらしといってもスカトロ系のプレイは登場しない。
ラーメン屋の店主と、たまたま入ったお客が、小学校の同級生で、その二人の間には、小学生時代のおもらしと、それをかばってあげて、ついでに泣き顔にキスした思い出がわだかまっていて…、という、子どもの時はわからなかった相手に対する感情が、大人になって再会して恋に発展する、かわいいお話しです。
もう一組の、大学生と高校生カップのお話も、背伸びしたいお年頃の初々しい恋のお話で、かわいかったです。
正直メガネ受は好きではなく、ビジュアルだけで言うなら攻受逆の方が好きですが、まあこの作家さんの描くメガネキャラはあまり気になりませんでした。
何て言うか、テンポ・感情の描き方がすごく秀逸。
全てのキャラクターに愛がある感じですね。
絵がずば抜けて上手い作家さんではありませんが、こんなに秀逸なテンポを見せられると、他作品も読もう!と思えます。
「粗相」
1:不注意・そそっかしさから、あやまちをおかすこと。そのあやまち。
2: 大小便をもらすこと。
この本の粗相は2番のおしっこを漏らす意味のほうです。
でもプレイじゃなくて、小学校の校外学習で電車の中でおもらししちゃって恥ずかしくて泣く中瀬と、土産に買った新品のバスタオルで受けを包んで隠した松田という記憶を軸にお話が進みます。
当然、中瀬にとって忘れたい過去の出来事なんだけど、あるラーメン屋に入ったところそこの店主がまさかの松田。15年ぶりの再会でそれ以降、ラーメン屋を舞台に店長と客として仲良くなるのだけど、お互いあの日の出来事には触れずにいます。
だけど、とあるきっかけでやっぱりあの日の出来事がお互いその後にも影響を及ぼしている事がわかるところが良かったです。
二人の性の目覚め、秘密の共有みたいなドキドキ感。そういうのをうっすら抱えて大きくなっていた二人ってところがおいしい。
私は攻めの松田が好き。あのおもらしをした日の中瀬を包んだバスタオル(小さいながら立派な男前だった!)を15年経った今も取ってあるなんてニマニマしちゃう。
それに対して中瀬はちょいと微妙…というのも松田の店で働くバイトの春日と常連客の高校生・陽司がキスをしているのを見かけて、松田に「俺さ、二人がキスしてるの見ちゃった…!」と興奮ぎみに店に報告にくるんです。なに、この分別のつかない中学生女子&噂好きの下世話なおばちゃんみたいな行動…と一挙に萎え萎え。
私自身はそういうのを見かけても心に秘めておくもんだと思っているので、この行動により中瀬ってただ単に精神的に幼いんじゃないの?だから今の歳になってもおもらししちゃうんだよ…と思ってしまいました。ちなみに中瀬は大人になった今でも極度の緊張に見舞われると制御できなくなるらしくスーツ姿でおもらしシーンもあります。
実は常連客の高校生・陽司と店長の松田は付き合っていたんだけど、中瀬のこの一言により浮気バレ→修羅場→別れ→バイトの春日と陽司がつきあうという流れになります。(この一連はエピソード2と3にて描かかれてます)
高校生の陽司は好きになった相手に少しでも不安を感じるとストーカーのように粘着してしまう男の子でして、すぐ相手の世界に依存してしまうんです。自分の世界がないから自分で自分の時間を費やすことができないというのかな。そういう男の子が不安に揺れ動かされながらも少しずつ自分の世界を見つけて、恋人との正しい距離の取り方も覚えていくというお話です。大学生、社会人でこの行動だったらヤバい人だけど、そこがかえって高校生っぽくて可愛かった。
かわいらしい絵柄なので、おもらしという題材でも生々しさや変態チックなのは感じないです。むしろ二人の様子に初々しさすら感じてしまうのはけっしてプレイじゃないからかなぁ。
そして遠距離になってしまってなかなか会えないのに微妙な態度をとる中瀬に対して「あのしっこたれ」と心の中で悪態をつくところが好きです。
表紙の可愛さに惹かれて。
タイトルにもしっかり出ているし帯にもはっきり「お漏らし」という文字が踊っていたので、そういうものを楽しむ趣味はないけど大丈夫かなと不安に駆られつつも、絵の魅力には逆らえず。
結果、大丈夫でした。
そんなにフェチガン推し!という話ではありませんでした。
なので、わたしと同じような気持ちで絵の雰囲気とフェチを天秤にかけたまま、どっちにも定まらないという方にはおすすめしたい作品です。
逆に「イイね、フェチ!!」と手に取った方には物足りないかもしれません。
4人の登場人物が出てきます。
4話構成で1話目と最後が小学校の同級生同士のラーメン屋店主とリーマン。
2、3話目はラーメン屋でバイトをしていた大学生と高校生の話です。
あまり詳しく書いてしまうと完全にネタバレしてしまうので、やんわりとだけ思ったことを。
絵は本当に好み、雰囲気もすごく好きです。
おもらしも汚さはなくて、こう言っては変だけど清潔感のある描写でした。
ただ登場人物は誰も好きになれなかった…。いや、好きになれるほど描かれていないような。
ラーメン屋店主はゲイ、ずるい大人、幼少期から無自覚なフェチ。
リーマンは予定外のことが起こると粗相(仕事中が気掛かり)、親が過保護、遠慮しい。
大学生はゲイの遊び人、分かりにくいええかっこしい。
高校生はゲイ、依存体質気味。
以上なので、そこまで誰かに肩入れして入り込んで読むという読み方ができなかったのが残念です。
ストーリーはラーメン屋店主とリーマンよりもむしろ大学生と高校生に力を入れて描かれていた印象です。最初の話では高校生に対して嫌な感情を持ちかねない流れになっているので、2、3話目で気持ちを立て直す必要がありました。そっちをメイン扱いするなら、何かもうちょっと考えてほしかったです。
絵はとにかく好きなので(こればっかりですみません)、絵の力で読めます。
「絵がいいなー」と軽く読む作品でした。