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逃げるか堕ちるかふたつにひとつーーー。
spin out
去年からポツポツとレビューを書くようになったのですが、マイページのレビュー棚と自己流に活用している本棚(それもなかなかにイタイネーミングと、自覚はあるのです)を眺めていて、己の嗜好が見えてきたというか、やっぱり私はこういうのが好きなんだと、再認識しました。
こういうの、とは「ダーク」で「異色」といわれる作品です。
ちるちるblアワードにノミネートされた作品で、甘きゅんより異色作の方がめっちゃ読んでましたもの。
ダークといっても、仄暗い感じで、登場人物の心の揺らぎが透けてみえるような感じが、大好きなのです。
前置きがいつもの如く長くなりましたが、国枝先生の「スピンアウト」、これは正に私の好みの作品でした。
主要登場人物は、巽と三木と涼馬。冒頭から巽と三木のSMプレイがあり、徐々に二人がどのように出会い、そんな関係になったのか。三人の立ち場はどんな感じなのかが分かってきます。
涼馬は社長の息子だけど、どうも会社員には向いてなく、巽は父親からのしがらみで涼馬の面倒をみている。涼馬のことを可愛く大切に思っているけれど、屈折した感情もあって、そんな時に出会ったのが雰囲気が少し似ていた三木だった。
この三木が、いいです。儚げな美青年でいて、したたかさと脆さがあって。
この上巻では、単なるSMプレイのが相手としか見ていなかった三木への思いがほんのり変化し、涼馬が意外な一面をみせたところで終わります。
スピンアウトへの予兆、彼らはどのように変化していくのか?
仄暗く、ちょっと痛い描写も平気な方にオススメです。
ジェットコースターのような展開と、まるで綱渡りをしているかのような不安定な関係。
上では巽と三木の関係が変質していく様子が描かれているだけですが、非常に先の展開が気になる上手い構成になっています。
痛いセックスの描写も多く、それも愛情なんてないような、読む人を選ぶ作品であることは間違いないでしょう。
しかしながらダークで痛々しく、ぐちゃぐちゃでドロドロな物語が大好きな私にとって最高の作品です。
プレイ自体もあまり酷すぎると感じるようなレベルではないと私は感じました。
もし、私と好みが被っている人ならば非常に楽しめる作品になっていると思います。
ただネタバレになってしまうようですが、これだけは言わせてください。甘々でハッピーな展開を求める人には絶対に向いていない。王道とは離れた、路地裏のような物語です。
国枝彩香さんの新刊は、人の狂気と昼ドラ的三角関係をスリリングに描いたサスペンス。
タイトルの「スピンアウト」に相応しく、登場人物の全員がいつ道を外れ破滅してもおかしくない危うさを持っており、何とも不穏で先が気になる展開です。
あらすじ:
亡き父の勤務先の社長宅に引き取られ、現在はその会社で秘書として働く巽(攻め)。
社長子息の涼馬に想いを寄せる彼は、その欲求をセフレの三木(受け)相手に発散している。
三木を抱くことでサディスティックな趣味に目覚めていくのと同時に、謎の多い三木自身にも惹かれていく巽の行く末は……
巽は、子どもの頃より使用人のような扱いを受け、現在も涼馬のお目付役など様々な雑用を押しつけられている苦労人。
物静かな彼が三木にのみ見せる暴力性、狂気にはゾクゾクします。
三木に刃物を向け失禁させたところを写真に撮る等、結構な鬼畜ですが、あとでその画像を削除し寝顔の写真のみ削除を躊躇うシーンが印象的。
ずっと感情を抑圧してきた彼は、三木と出会って自身のロクデナシな一面に気付くのと同時に、初めて人間らしい感情を体感しているのかもしれません。
三木は、自称ネイリストで、プライベートは謎に包まれた美貌の男。
普段の飄々とした言動と、巽に手酷く抱かれる姿とのギャップに色気があります。
巽に殴られたり、涼馬と相対したりしたときに浮かべる狂気の笑みがインパクト大。作中でサロメに喩えられているように、ファム・ファタールのような妖しさと凄みを感じさせる人物です。
社長子息の涼馬は、出社拒否で巽を困らせる気弱な坊っちゃん。
巽に近づく三木のことが気になり彼に接触しますが、禍々しいほどの美貌と迫力に気圧され退散。
彼が本書の語り部となるのか、可哀想な被害者となるのかこの上巻の時点ではまだ分かりませんが、巽に想いを寄せる姿は子犬のようで愛らしいです。
妖しい笑みを浮かべ夜の街に姿を消した三木の姿を最後に、下巻へ続きます。
描き下ろしは、2話と3話の間の話。
知り合って何度目かの夜、無意識に三木にキスしてしまった巽。
白けるからやめろと言われた上、涼馬の名前まで出され結局また暴力的に三木を抱いてしまいますが……
巽の三木への執着が見えるエピソードでした。
以前から「耳たぶの理由」や「箱庭」ですごく大好きな国枝先生の新刊ということで、発売日に上下巻買いました!
レビュー遅くなりましたが・・・というより上下巻読んで衝撃受けてショック受けました・・・
嫌いじゃないんですけど、万人受けはしないんでしょうね
国枝先生の作品が初めて・あまり知らない人は、他の作品にすごく明るい、幸せなコメディ作品もあるということを知ってほしいです笑
内容紹介は既に他の方がされているので割愛しますが、
巽が三木の寝顔を撮るところは、このジェットコースターのような展開の上巻の中で一番穏やかな瞬間でした。
これが後に下巻への伏線というかフラグになります・・・下巻を読んだ後はすごく切なくなります。
先が気になって、ページをめくるのすらもどかしい!
もはや自分が萌えているのか、単純にこの無様に絡まった糸がどう解れていくのかを見届けたいだけなのか、分からなくなっていました。
大企業の社長の運転手をしていた父が亡くなり、社長宅に引き取られた巽。
社長には2人息子がいて、長男は社長に似て横柄。
使用人としてこき使われる巽に懐いてきた次男の涼馬は、愚鈍でピュア。
数年後、次期社長として育てられた長男が亡くなって、急遽社長候補となった涼馬。
ことあるごとに引きこもる涼馬のお目付役として、ストレスを溜めていた巽が出会ったのは、三木という怪しい男で…。
受けへの愛情を感じられないS攻めは苦手です。
それなのに、なぜかそこまで嫌悪感なく読み進められました。
巽の幹に対する酷い仕打ちよりも、先が気になって!
巽の中にある嗜虐性は、愚鈍な涼馬のそばにいたせいなのか。
年齢はわからないけれど、あまりに幼く甘ったれな涼馬を見ていると苛立つのはものすごーーーく分かります。
だけどそれと同時に巽は涼馬に対する庇護欲も感じていて、そういう涼馬に対するどろどろした感情の捌け口として三木を利用するわけですが、三木自体がミステリアス過ぎて、先が読めない!
巽の中に生まれてきた三木への執着と、涼馬の巽に対する独占欲のようなものも見えてきたところで上巻終了。
早く下巻を!!
という気持ちになるので、必ず上下巻揃えてからお読みください。
さて、早く下巻を!!
大好きな国枝さんで上下巻同時発売!
読み応えありそうで、うはうは購入しました。
あらすじは重そうだけど、読ませる方だから平気!と思いましたが、読ませるから余計重い事を忘れてました。春に孵るは結構キました。嫌いじゃないんですけれど、胃が痛い。ううう。
国枝さんの美人受けは白蛇みたいで大好きだし、三角関係もたまらないのですが、とにかく痛いです。肉体的に。
殴ったり、縛ったり、ほぼ強姦。
納得づくなのでいいのかもしれませんが、なんだかトンデモナイ方向に行きそうな気がしてなりません。
ラスト、ご子息が攻めの後をつけてホテル前で待ってるところでおしまい。
この人たち、この先一体どうなるのか。
続きを読みたいような読まないほうがいいようなそんな感じです。
まとめて買ったので読みますが!
あと、プレイの「ソフトSM」って………あまりソフトでもない気がするんですが(汗)
痛いのが苦手な方にはお勧めできないお話です。
以前から好きな国枝先生の作品、しかも上下巻!ということで、きっとしかりしたストーリーがあるんだろうなということで購入しました。
まずは、とても痛いです。言葉のままの意味で、肉体的に痛い。
暴力と加虐性について、ここまで率直に描かれるのも珍しいと思います。
初めは読むのがつらくなりますが、行為の前後の二人に少し救われます。初めは攻めのことをひどい人だと思ってしまいましたが、徐々に置かれている環境、心の動きがわかってくると、だんだんにそんな気持ちも薄れてきます。
少しずつ関係性が変化してきて、二人の行く先が気になってきたところで上巻は終わります。
国枝先生によるダークでヘヴィな作品。
ですが、今までのいわゆる「国枝スタイル」的なダークさとは種類が違うと感じた。
これまでの国枝先生のダーク系は、ベースが耽美というか。そして哀しみがある。
しかし、本作には耽美の匂いは無いですね…
そして、はっきりとした暴力。
それはプレイとしてのSMの陰に隠れて、日頃抑えつけているイラつきを発散させる行為としての。
そこに哀しみや情緒は感じられません。
これらを受ける「受け」も今までの国枝先生の受けとはタイプが違います。
妖しい笑みを浮かべる妖艶でしなやかな受けではない。はっきりと怯えや怒りや肉体的な痛みを感じている。
事後には楽しんだような素振りは見せるけれど、絶対に楽しんではいない。
そして、1人無垢っぽい存在がいます。
これまでなら彼は何かの救いになる。だけど、本作では彼が何か凶事の原因になりそうな予感…
下巻に続く。
痛い系と聞いて構えて読み始めましたが、プレイ自体は確かに暴力的な雰囲気もあるものの、まだそこまで鬼畜さは感じませんでした。攻めの巽が、悪い人にはなりきれないだろうなというのが分かるからでしょうかね。そして、情事中に手酷く扱われても終わるとケロッとしていたり、生首を描いた絵画を鑑賞して薄笑いしたりするような受けの三木。彼の方もその謎めいた部分に気味悪さを感じることもあるものの、一方で巽が度が過ぎた行為に走ると普通に怯えたりもするので、狂気だけしか持ち合わせていないわけでもなさそうです。
巽も三木も、ある時には相手を苛つかせ、ある時には相手に出し抜かれ、まだどちらが一枚上手とも言えないような関係性にあるように感じました。巽が秘書として守る対象の涼馬に抱いている感情は、好意なのか、苛立ちから来る嗜虐的な気持ちなのかもはっきりとは分からず。この物語がどんな方向に進んで行くのか今は見当もつきません。それぞれ心に何か良からぬものを抱えてそうなので、それらが露わになった時、どんな結末が待っているのか非常に楽しみです。
上巻のみの感想です。
どSとどMのセフレの関係。
暴力描写が控えめではありますが、少し怖い場面がありました。
でも三木が気が強くて、その行為に興奮するということなのでまだ見られます。
何より巽のモノローグがわかりやすい。
普段は常識人な秘書でありながら、秘められたSっ気に目覚めて自覚しているのがよくわかります。
三木のことを性癖が一致しただけの関係と割り切りつつ執着していることも伝わる。
三木の心のうちがわかりませんが、巽の嫌なところは拒絶するし、悪くないと思うところは笑ったり、態度に出ているのでモノローグが必要ないのかな。
それより涼馬が不気味です。
巽が気になるのはわかるけど、ストーカー行為をして巽に電話までするかねと。
ストーリーを動かす役割ですね。